「どうぞ中佐、こちらが中佐のお部屋になります。これが部屋の鍵です。それから服と家具、電化製品と注文のあった品は全て中に搬入済みなので此方に受け取りのサインをお願いします」
SUVから降りるとそこにはそこそこ大きいマンションが立っていた。どうやらここが東京武偵高の男子寮らしい。ここまで送ってくれた男に差し出されたタブレットにタッチペンで受領確認のサインをすると、男達は急ぎ場やに去っていった。
「ここが、俺の部屋か……」
受け取った鍵でドアを開けると新築……とまではいかないが悪くはない匂いか漂っていた。
「流石カンパニーの連中だ。確かな仕事で助かる」
部屋のリビング部分には段ボールやハードケースが山積みになっていた。中を開けると段ボールにはタクティカルベストやヘルメット、そして大量のマガジンと各種弾薬がが入っている。
「弾とベスト類は押し入れにいれるか……こっちはどうするかな」
穂はそう言うとハードケースに入れられたこれはまた大量の銃器の置場所に苦慮していた。
「ふう、まぁこれぐらいで良いだろう。明後日は始業式だし色々準備しなきゃな」
武偵高の生徒は常時刀剣と銃器の所持が義務付けられている、最初はすこし驚いたものだが今では特に疑問に思ったりはしていない。
カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
久し振りの弾込め作業をひたすらやっているがひとつの問題が発生した。それは拳銃を納めるホルスターの位置だった。何時はレッグホルスターだったのだが、武偵はあまり銃を見せびらかさないと言うことで服のなかに携帯するらしい。
「軍の時のようには行かないな」
そう呟きながらも弾をマガジンにつめる作業の手は緩めない。
結局、右腰にヒップホルスターをつけることにした。正直あまり使ったことの無いやつなので早抜きには少々錬成を要したが何とか使い物にはなるようだ。
あ、そうそう。俺が使う拳銃はドイツのH&K社製HK45t、SOCOM時代から使っていて長い付き合いの愛銃だ。
翌日、本国から色々持ち込んだ長物たちを公安の銃検でまとめて登録させようと思ったのだが渋られて登録拒否されかけたので本国にの知り合いに電話をしたら2分で全て登録された。持つべきは友だな。
そんでもって始業式当日を迎えたのだが初っぱなから頭痛がしてきた。本国からもってきたハンヴィーに乗って登校しようとしたのだが。
「その 自転車 には 爆弾が仕掛けて あり やがります」
「うぉぉぉぉ!?ちくしょうめぇぇぇえ!」
……何をしているのかは分からないが武偵高の防弾制服を着た男子生徒が必死の形相でチャリを漕いでいた。
一旦は追い抜いたがこのまま爆死されると後味が悪いのですぐ横にハンヴィーをつけてUZIが取り付けられているゼクウェイをHK45tで的確に破壊する。
「あとは頑張れ」
「なっ、嘘だろおおおお!?」
そう言うと穂はアクセルを踏み込み現場を去っていく。それとも同時に上空から二丁のガバメントを持ったピンクツインテールの少女が降ってきた。
俺のよく知る展開だ。そして俺は知っている。あのUZI付きのゼクウェイに追い回されていたのは遠山キンジだと言うことを、そして降ってきた少女は神崎・H・アリアだと言うことも。
~キンジside~
いつも通り起きて来年には武偵を辞めてやる。そんなことを思いながらいつも通り登校しようとしてバスに乗り遅れた。
そして自転車に乗って学校へいこうとするとチャリジャックされ、しまいにはUZI付きのゼクウェイをいきなり現れたハンヴィーに乗った武偵高の生徒に破壊され置いていかれた。
空から女の子が降ってきて俺の自転車はアワレ爆発四散、そのあとも色々あって何とか教室に到着したのだが……
「ニューヨーク武偵高から転校してきた
転校生として紹介されたのは今朝、ハンヴィーに乗ってゼクウェイを破壊したやつだった。
「じゃあ静間君はあそこの席にお願いしようかな」
「分かりました」
担任の高天原先生がゼクウェイクラッシャー……もとい静間穂を教室の後ろの席に座らせる。
「それでは、次の転校生を紹介するね」
……どうやら俺の不運はとどまることを知らないようだ。
~キンジside out~
チャリジャックの被害者、遠山キンジと一緒のクラスになったのは正直驚いた。予想もクソも無かったが、当然のごとくアリアも同じ2-Aになった。
原作通りアリアがキンジの隣の席に座り、ベルトをキンジに返して理子が大騒ぎをしてアリアが発砲、そして次に言う言葉は――
「れっ、恋愛なんて下らない!」
「風穴を開けるんだろ」
穂がボソッと呟くと顔を真っ赤にしたアリアが穂を睨み付ける。
「何であんたが先に言うのよ!」
「なんのことやら」
そ知らぬ顔でごまかす。ヤベッ、つい口から出ちまった……。
終始アリアに睨まれながら午前の授業をこなすことになった。
(´・ω・`)公安を脅す穂君マジ怖い(´・ω・`)お気に入り2件ありがとうございますっ!