帝劇に戻った俺達は、戦闘の報告をして解散となった。流石に米田司令もあの威力には驚いていたが…
米田『シャドウ…か。あれだけヤバい攻撃を持ってたら、こちらから迂闊に手は出せん。今のところは敵ではなさそうだが、警戒しとくに越したことはねぇな。ま、今は黒鬼会の方が先決だ。鴬谷の修復は、お偉いさん方に任せるさ』
米田司令はそう言っていた。確かに、あの時も敵か味方か。それは俺達次第って言ってたな。
大神「…これ以上考えても仕方ない」
俺はシャドウの事は一旦置いておくことにした。それにすても…
大神「ふう…今日は新人が来たり、戦闘があったりと、大変な一日だったなあ…」
コンコン
すると部屋の扉がノックされた。
大神(…?誰か来たみたいだ)
「あの…さくらですけど、大神さん、よろしいですか?」
大神「さくらくんか。カギはかかってないから、中に入って」
さくら「…それじゃ、お邪魔します」
大神「今日はお疲れ様。何か用かい?」
さくら「レニの歓迎会の事なんですけど…黒鬼会が出現したので、途中で中断してしまいましたよね」
大神「ああ、そういえばそうだったね」
さくら「それで、本格的な歓迎会は、大輔さんのお店でってなったんですけど、簡単な方はサロンで続きをやろうと思うんです。それで大神さんにも来ていただこうと思って呼びに来たんです」
大神「よし、行こう。確かに、あれで歓迎会が終わりでは可哀想だ」
さくら「はい。やっぱり、きちんと歓迎会をしてあげたいですよね。それじゃ、行きましょう。皆もう集まってますから」
そして俺は、さくらくんに連れられ、皆が待ってるサロンへ向かった。サロンには既にレニ達が待っていた。
大神「やあ、お待たせ。それじゃあ、歓迎会の続きをやろうか」
アイリス「うんっ!アイリスお菓子持ってきたんだ」
織姫「あ、これってフランスのリンツのビスケットですね〜?いただきま〜す!」
アイリス「今回はお菓子だけど、今度大輔お兄ちゃんが、レニの故郷のドイツ料理をご馳走してくれるって言ってたよ!」
織姫「あの店主さん、ドイツ料理が作れるんですか〜?」
さくら「ええ。私達の故郷の料理を前に作ってくれた事があるんです」
アイリス「アイリスのフランス料理や、マリアのロシア料理とかも作ってたよね!」
そしてプチ歓迎会は進んでいった…
大輔「……」
大賢者『……』
大輔「…大賢者」
大賢者『……』
大輔「確かにさくら達や避難民達には被害は全くと言っていいほどなかった…けどな…あんな威力があるなんて知らなかったぞ!一歩間違えれば、さくら達や避難民は愚か、帝都そのものが無くなるわ!」
大賢者『…吿。威力の報告をする事を失念していました』
失念で済むか〜!
大輔「とにかく!あの技は当分使用禁止だ!!使うならせめて、誰にも迷惑がかからん場所でだ!いいな!」
大賢者『了…』
ったく…あの後あの穴埋めるのどんだけ~大変だったか…
大輔「道具とか使えば手間じゃねぇが、人目を気にしながらだと疲れる…」
当然翌日の新聞に、デカデカと【鴬谷に出きた巨大な穴、一日で埋まる!?】って記事が出たけどな…
大輔「…まあいい。この話は終わりだ。今日は店を空ける日だったな」
俺は部屋を出て、店の開店準備に取り掛かる。下拵えなどをやっていたら、地下からあやめが慌てた顔で出て来た。
あやめ「大変よ大輔さん!米田司令が何者かに撃たれて緊急搬送されたそうなの!」
大輔「なにっ!!」
おっさんが撃たれた!?一体誰に…
大輔「ってそんな事は後回しだ!どこの病院に搬送された!」
あやめ「帝国陸軍病院よ!陸軍省の近くだった事もあって、そこに搬送されたわ!」
俺は急いで帝国陸軍病院へと向かった。屋根伝いで走って病院に到着する。中に入ると先に大神達が来ていた。
大輔「大神!さくら!」
さくら「大輔さん!来てくれたんですね!」
大輔「当たり前だ。で、おっさんの容態は?」
大神「今サキくんに聞くところです」
影山「それが…大変、危険な状態なの。今は、驚異的な生命力で小康状態を保ってるけど…意識不明の重体だそうよ…」
さくら「…そんな!!」
アイリス「おじちゃん…朝、アイリスとお話ししたばっかりなのに…アイリスの手紙を出してくれるって…とっても元気だったのに!うええええん!おじちゃん、おじちゃん!!」
アイリスは我慢できず泣き出した。俺はアイリスを抱き抱えると、アイリスは俺の胸で再び泣き出す。
大神「…いったい、誰に撃たれたんだ!?」
サキ「それが…分からないの。陸軍省の前で、何者かに撃たれたということしか…ごめんなさい…私が側にいながらこんな事に…」
大輔「……」
俺は影山サキをジッと見る。呼吸音等、コイツが嘘を付いていないか確認の為だ。
織姫「…とにかく、様子を見させてもらいましょう」
大神「…そうだな米田支配人!大神一郎、入ります」
大神に続いて中に入ると、点滴を繋がれ方体を巻かれ、眠っているおっさんがいた。
大神「……!!」
さくら「米田支配人!」
アイリス「おじちゃん!おじちゃ〜ん!!」
サキ「先生が仰るには…意識を取り戻す可能性は、ほとんど…ゼロらしいワ」
さくら「そ、そんな……」
織姫「……」
レニ「……」
大神「米田支配人…」
大輔「……」
皆意気消沈になっていたが、俺だけは二つの事を考えていたのだった。そしてその場で解散になり、俺は急いで店に戻り地下に行く。
あやめ「…米田支配人の容態は?」
大輔「陸軍病院の先生曰く、意識が戻る可能性はほぼゼロに等しいらしい」
あやめ「そんな…」
大輔「だが、それはあの病院ならでの話だ。ウチなら、まだ命があるなら助けられる」
あやめ「だったら!」
大輔「だが、問題もある。仮にここでおっさんの治療をするのはいいとして…どうやって病院から運び出し、バレないようにするかだ。連れ出すのは簡単だ。だが、治療が始まれば数日はここから出られない。その間病室は誰もいなくなる」
流石に治療となれば、コピー人形じゃ脈を取られた時点でバレる。どうするか…
大賢者『解。マスターが影分身をし、個体名・米田一基に変身する事を推奨します』
なるほど!俺がおっさんに変身して病院にいれば問題ない!
大輔「あやめ。おっさんの問題解決できるぞ」
あやめ「本当なの!?」
大輔「ああ。影分身の術!」
俺は早速影分身をする。あやめは驚いた顔をする。
大輔1「んで、続いて変化の術!」
影分身の俺が変化の術を使って、おっさんに変身する。
大輔1「…っと。あやめくん、どうだ?」
あやめ「…本当に驚いたわ。姿も声も米田司令とそっくりだわ」
大輔1「あやめくんがそう言うなら安心だ。なら、本物の俺と入れ替わってくるか」
大輔「どこでもドアっと」
どこでもドアを出して、寝ているおっさんと分身の俺が入れ替わる。
大輔「さて、早速おっさんを医療カプセルに入れるか」
俺はおっさんを医療カプセルに入れる。ナノマシンが馴染めば、おっさんの傷なんて数日で回復する。意識が戻るかはおっさん次第だがな…
大輔「さて、取敢えずこれでおっさんは安心だ」
あやめ「よかった…」
大輔「後は…」
俺はモニターの方に向く。
大輔「で、おっさんを撃った奴の正体は分かったか?」
オペ3「はい」
俺がそう言うと、オペレーターが中央モニターに映像を映し出す。
あやめ「…右斜の建物から、何か見えるわね」
大輔「画像を解析しろ」
オペ6「解析を開始します」
さて、誰が写ってる事か。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方