太正?大正だろ?   作:シャト6

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第六話

山崎との戦いから一ヶ月、その間は特に大きな問題は起きていない。おっさんから山崎真之介に関する情報を全て用意してくれと言われてる。

 

大輔「やっぱおっさんの中で、まだ気持ちの整理ができてねぇんだろうな…」

 

オペ5「マスター。米田様と大神様が到着されました」

 

大輔「分かった。通してくれ」

 

オペレーターにそう言うと、おっさんと大神、後案内役のあやめが降りてきた。

 

米田「悪いな森川。世話掛けちまって」

 

大輔「いや、気にするな。こっちが集めれるだけ集めた情報と、おっさんとあやめの話を合わせた方がより確実だ。モニターに出してくれ」

 

オペ8「了解。メインモニターに出します」

 

中央の大きなモニターには、先月俺達の前に現れた山崎真之介の映像だ。

 

大神「よ、米田支配人!この男は…」

 

米田「そうだ。先月、帝劇を襲ってきた敵を指揮していた男…その名は…山崎真之介。昔、俺やあやめくんと共に戦った仲間だ」

 

大神「山崎…真之介…森川さんがあの時言ってた…」

 

米田「この帝都に再び現れた敵…奴等は一体何者なのか。そして、山崎が何故敵として我々の前に現れたのか…ずっと、考えていた。何か聞きたい事はねえか?俺やあやめくんの推論でよかったら、話してやるぜ」

 

大神「…では、まず山崎真之介についてお聞きしたいです」

 

米田「…【山崎真之介】の事は知ってるか?」

 

大神「先月、森川さんが大体は話してくれましたが、それ以上の事は知りません」

 

米田「じゃあ、前にも話した事があるかも知れねぇが…山崎について話そう」

 

大輔「大神、一応モニターに映し出したのが、山崎真之介の生前の情報だ。それと照らし合わせな」

 

大神「ありがとうございます」

 

おっさんとかの話と、どこまで合ってるか俺も知りたいしな。

 

米田「今から十四年前……帝国陸軍に【対降魔部隊】という特殊部隊が設置された。帝都の魔と戦うための戦闘部隊…今の帝劇の前身にあたる。そして、七年前…俺達は、日本橋に現われた巨大な降魔と戦った。いわゆる【降魔戦争】ってやつだ。そして、この降魔戦争が…俺達に対降魔部隊の最後の戦いになっちまった」

 

するとおっさんは、一枚の写真を取り出して俺達に見せてきた。

 

米田「これが、その当時の写真だ。あやめくんも写っている。あやめくんは、降魔戦争の後も帝劇の副司令として活躍してくれた。一番右の男が、真宮寺一馬。…さくらの父親で、降魔戦争の後、死亡した」

 

真宮寺一馬…資料で顔も知ってるが、改めておっさん達の戦友だったんだな。

 

米田「真ん中にいるのが俺とあやめくん。そして、左端の男が…山崎だ。森川からも説明があったと思うが、霊子甲冑の基本設計を考えたのは山崎だ。戦いだけじゃねぇ…奴は…本当の意味での天才だった。だが…降魔戦争の後、山崎は行方をくらました…奴にその後何が起こったのか…俺には分からん」

 

おっさんは寂しそうな表情で、そう言うのだった…

 

米田「しかし、まさかあんな形で再び再会し、そして別れるハメになるとはな…」

 

あやめ「……」

 

大神「……」

 

大輔「…ま、おっさんやあやめの気持ちも分かる。だが、目の前の敵についても話さなきゃならん」

 

米田「…ああ、そうだな」

 

大神「…米田司令、この間現れた敵は何者なんでしょう?」

 

米田「そいつは俺にも分からねぇ!どういう組織で、何が目的なのか…だが、山崎は言っていた。この帝都は、呪われた都市であると…そして、山崎を一撃で殺したあの面の男…おそらく、新たな敵の狙いもこの帝都・東京なんだろうぜ。一馬…山崎までもがこの世を去った。あやめくんも命を落としかけた。結局、まともに生き残ったのは俺だけになっちまった」

 

大神「……」

 

大輔「なに湿気た面してんだ。おっさん…」

 

米田「森川…」

 

大輔「確かにさくらのオヤジさんや、山崎は死んだ。けどな、あやめはこうして生きてるし、大神やさくら達…あんたにとっては娘、息子…アイリスみたいな孫もいるんだ。いつまでも湿気た顔してんじゃねぇよ」

 

米田「ハハッ…そうだな。俺にはまだ、あいつらがいたんだったな…けど、死に時を間違えた軍人ほど、情けねぇモンはねえぜ」

 

大神「米田支配人…なにを言ってるんですか!森川さんも言いましたが、米田支配人はひとりではありません。米田支配人には、俺達花組やあやめさん、森川さんがついているじゃないですか。俺もここに復帰する前、共に戦った花組の皆と離れ離れになりました。ですが、生きているからこそ皆と再会し、喜び合う事ができたんです」

 

米田「大神…」

 

大神「生き残る事は恥ではありません。ですから…自分の事を死に損ないだなんて言わないで下さい」

 

米田「……」

 

大輔「クククッ…おっさん、完全にあんたの負けだよ」

 

米田「わはははは!ばかやろう、冗談だよ冗談真に受けてんじゃねぇ」

 

何が『真に受けてんじゃねぇ』だよ。さっきの表情、それに呼吸音、脈拍…本気だっただろうが…

 

大神「…はい」

 

米田「…さて、俺はもう少しここに残るが、おめえは新人歓迎会の準備でもしてろや」

 

大神「ええっ!?また新人が来るんですか?」

 

おっさん…大神に教えてなかったのかよ…

 

米田「そうだ。新しい隊員が一人、本日12時付で配属になる。おら、さっさと行け!」

 

大神「は、はいっ!失礼します!!」

 

そして大神は帝劇へと戻っていった。

 

大輔「新しい隊員か…おい」

 

オペ2「はい」

 

俺はオペレーターに指示を出し、中央メインモニターに新隊員の情報を映し出す。

 

大輔「本日配属の新隊員…名前は【レニ・ミルヒシュトラーセ】か」

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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