大輔「
織姫「
大輔「
織姫「クッ…!」
俺は織姫を睨みつけそう言う。急にイタリア語で話した俺等に対し、大神達は驚きを隠せないでいた。
米田「おいおい、落ち着けよ森川」
大神「そうですよ!」
大輔「申し訳ありません。ですが、言っていい事と悪い事の区別もつかない子供には、キチンとした教育が必要なので…」
未だに俺は織姫を睨みつける。すると気まずくなったのか、織姫はさっさと楽屋を出て行った。それを見届けた俺は、普段通りになる。
『ふう…』
さくら達は安堵の溜息を吐く。
大輔「あ〜悪かったな」
さくら「それは大丈夫です」
米田「しっかし珍しいな。おめ〜があそこまで怒るとは…」
大輔「いくら帝国華撃団が仲間、家族思いでもあれは度が過ぎる。最初にあったマリアやすみれの方が数倍マシだ」
この場にいない二人の名を出す。確かにすみれやマリアも、最初は大神や俺に辺りは強かった。だが、日本だから男だからと馬鹿にはしなかった。
大輔「おっさん、一つ忠告だ。アイツが今はいない連中と揉めたりした場合、もしくはもっと上の連中に言った場合、国際問題にもなりかねん。見切りをつける事も考えとけ」
米田「……」
大輔「問題を起こしてからじゃ遅いぞ」
俺はそう言い残して、楽屋を出て家に帰るのだった。
大輔「……」
大賢者『告。マスターにしては珍しい行動だと思われます』
ま〜大賢者の言う通り、俺らしくはなかったな。けど、
大賢者『否。それは十分承知しています』
だったらこれ以上あの話はなしだ。少なくとも今日一日はな…
大賢者『了…』
大賢者も納得してくれた。とはいえ、こんな状態で店開けると客に当たりそうだだな。
大輔「今日は臨時休業だな…」
そして家に戻り看板に臨時休業の張り紙を書いて、俺はベッドに横になるのだった。
大神「…もうじき9時か。帝劇に戻って来てから最初の夜、だな。それにしても、今日は色々な事があったなぁ…」
すると、なにかの音がし始めた。
大神「な、なんだ、この音は!?」
俺は机の横に置いてあった鞄を置いた。中を開けると画面がついた機械みたいだった。
大神「…なんだこれは?この機械から音がしてるようだ
な…おっ!!画面に…何か映ってきたぞ!」
紅蘭『やっほ〜、大神はん!聞こえてます〜?李紅蘭です〜!ああ…ホンマもんの大神はんや。えらい久しぶりやな、大神はん』
大神「紅蘭…本当に久し振りだな。元気そうで安心したよ。ところで紅蘭…この機械は…?」
紅蘭『へへ〜、びっくりしたやろ〜?これがウチの発明した【キネマトロン】や。このキネマトロンちゅうのは、蒸気の力で動く通信機なんや』
そして俺は、キネマトロンの使い方を紅蘭に教えてもらった。
紅蘭『ほな、大きい画面でゆっくり話しまひょか』
そして画面は大きい画面に移り変わった。
紅蘭『大神はん、聴こえてます〜?』
大神「ああ、聴こえるよ。紅蘭の顔もよく見える」
紅蘭『よっしゃ、こっちも感度良好や』
大神「それにしても凄いな。こうして相手の顔を見ながら通信できるなんて…」
紅蘭『ふふっ、まかしとき。これくらいウチの手にかかればチョチョイのチョ〜イや!』
カンナ『お〜い、隊長!聞こえるか〜?こちら、桐島カンナだ』
大神「カンナ!?カンナじゃないか…!」
カンナ『へへっ、そうだよ。隊長、久し振りだなぁ。いやぁ、ほんっと久し振りだな、隊長。ホントは、直接会って話したかったんだけどさ、もう出発した後でさ。悪いね』
大神「気にしないでくれ。とにかく元気そうで良かったよ。それにしても…カンナもキネマトロンを持ってるのか!?」
カンナ『ああ。沖縄に出掛ける前に紅蘭から貰ったんだ』
紅蘭『へへ〜!お邪魔します〜!どや、このキネマトロンは?この機械は、こうして何人も同時に通信できる優れものなんやで!カンナはん以外にも、出掛けている皆には、これを渡しといたさかい』
大神「え…?と、いうことは…」
すみれ『おほほほほほ!少尉、このわたくしをお忘れですこと?帝劇のトップスター、神崎すみれですわ。随分ご無沙汰しておりましたわ、少尉』
大神「すみれくん…」
すみれ『久々の帝劇は如何ですか、少尉?まあ、わたくしのいない帝劇では、帰って来た喜びも半減でしょうけど』
カンナ『おいおい、また勝手な事ばっかり言ってんじゃね〜よ!』
すみれ『あらカンナさん。貴女こそ、相変わらずお下品な話し方ですこと』
カンナ『なんだと、このサボテン女!黙って聞いてりゃいい気になりやがって!』
やれやれ。この二人は相変わらずだな。けど、それがかえって安心するんだよな。
マリア『二人共いい加減にしなさい!こちら、マリア・タチバナ。隊長、聴こえますか?』
大神「マリア!もちろん聴こえてるよ」
マリア『隊長、お久し振りです。お元気そうで安心しました』
大神「マリアこそ元気そうで良かったよ」
マリア『今、私はニューヨークに向かう船の中から通信しています。でも、不思議ですね…海の上にいるのに、こうして隊長の顔を見ながらお話できるなんて』
大神「そうだね…これも紅蘭が作ってくれたキネマトロンのおかげだ」
すみれ『紅蘭が作った物だけに、いつ爆発するかどうか心配ですけど』
紅蘭『ちぇっ。すみれはん、相変わらず一言多いな〜』
『アハハハハハハ…』
カンナ『…それじゃ隊長。あたい、修行で暫く帰れねぇけど…また、通信するからそん時はよろしくな!』
大神「ああ。待ってるよカンナ。頑張れよ」
カンナ『ありがとよ隊長!じゃ、また会おうな』
そしてカンナは通信を切った。ホントはもう少し話したかったけど、修行だし仕方がない。
すみれ『少尉、聞いてくださる?祖父の忠義が倒れたと聞いて、実家に戻りましたのに…祖父はピンピンしてましたの。何と、わたくしを実家に戻す口実でしたのよ』
大神「そ、そうだったのか…」
すみれ『こんな事なら、大輔さんに実家の事を調べてもらえばよかったですわ』
紅蘭『そういえば、今日は大輔はんに通信繋がらんかったな〜』
マリア『そうね。毎晩皆で集まって通信する約束なのに…』
すみれ『そう言われれば、約束を守る大輔さんには、珍しいですわね』
ああ、今日の事で森川さん相当怒ってたからな〜…皆にその事を伝えるかどうするか…
すみれ『…少尉』
大神「ん?なんだいすみれくん」
すみれ『少尉?大輔さんに何かあったかご存知なのでは?』
大神「いいっ!?そ、それは…」
マリア『隊長。何かご存知なのなら教えて下さい』
紅蘭『大神はん頼むわ』
三人から鋭い視線でそう言われる。
大神「じ、実は…」
俺は根負けして、今日の出来事をすみれくん達に話したのだった。
すみれ『なるほど…』
マリア『そんな事があったんですね』
紅蘭『大輔はんを怒らせるって、よっぽどのことやで?』
マリア『そうね。しかも、その織姫って子の母国語で話すなって…』
すみれ『余程頭にきましたのね』
だろうな。流石の俺も全部を理解してはいないけど、あの森川さんの剣幕には驚いたな。
マリア『これは後で、さくらと起きてたらアイリス達とも話をしましょう』
すみれ『そうですわね』
紅蘭『賛成や!』
そしてすみれくん達と通信を終わらせた。
大神「ふう…これは早目に森川さんと織姫くんの仲を直さないと、マリア達が帰って来た後が大変だぞ」
俺はそう思い、窓の外の夜の帝都を見るのだった…
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方