太正?大正だろ?   作:シャト6

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第二話

大輔「Per questo(だから) ho detto che le donne italiane non sono buone!(イタリアの女は能無しって言ったんだよ!)

 

織姫「Non prendete in giro gli italiani!(イタリア人を馬鹿にするな!)

 

大輔「Oh, cielo.(やれやれ)Hai sempre preso in giro i ragazzi giapponesi,(自分は散々日本男子を馬鹿にしたのに)ma quando il tuo paese viene preso in giro,(自分の国が馬鹿にされるとキレる)ti arrabbi... anche se hai 17 anni,(17とはいえ)sei ancora un ragazzino...(やっぱガキだな)

 

織姫「クッ…!」

 

俺は織姫を睨みつけそう言う。急にイタリア語で話した俺等に対し、大神達は驚きを隠せないでいた。

 

米田「おいおい、落ち着けよ森川」

 

大神「そうですよ!」

 

大輔「申し訳ありません。ですが、言っていい事と悪い事の区別もつかない子供には、キチンとした教育が必要なので…」

 

未だに俺は織姫を睨みつける。すると気まずくなったのか、織姫はさっさと楽屋を出て行った。それを見届けた俺は、普段通りになる。

 

『ふう…』

 

さくら達は安堵の溜息を吐く。

 

大輔「あ〜悪かったな」

 

さくら「それは大丈夫です」

 

米田「しっかし珍しいな。おめ〜があそこまで怒るとは…」

 

大輔「いくら帝国華撃団が仲間、家族思いでもあれは度が過ぎる。最初にあったマリアやすみれの方が数倍マシだ」

 

この場にいない二人の名を出す。確かにすみれやマリアも、最初は大神や俺に辺りは強かった。だが、日本だから男だからと馬鹿にはしなかった。

 

大輔「おっさん、一つ忠告だ。アイツが今はいない連中と揉めたりした場合、もしくはもっと上の連中に言った場合、国際問題にもなりかねん。見切りをつける事も考えとけ」

 

米田「……」

 

大輔「問題を起こしてからじゃ遅いぞ」

 

俺はそう言い残して、楽屋を出て家に帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔「……」

 

大賢者『告。マスターにしては珍しい行動だと思われます』

 

ま〜大賢者の言う通り、俺らしくはなかったな。けど、前世()からどうも人種差別とか嫌いでな。

 

大賢者『否。それは十分承知しています』

 

だったらこれ以上あの話はなしだ。少なくとも今日一日はな…

 

大賢者『了…』

 

大賢者も納得してくれた。とはいえ、こんな状態で店開けると客に当たりそうだだな。

 

大輔「今日は臨時休業だな…」

 

そして家に戻り看板に臨時休業の張り紙を書いて、俺はベッドに横になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大神「…もうじき9時か。帝劇に戻って来てから最初の夜、だな。それにしても、今日は色々な事があったなぁ…」

 

すると、なにかの音がし始めた。

 

大神「な、なんだ、この音は!?」

 

俺は机の横に置いてあった鞄を置いた。中を開けると画面がついた機械みたいだった。

 

大神「…なんだこれは?この機械から音がしてるようだ

な…おっ!!画面に…何か映ってきたぞ!」

 

紅蘭『やっほ〜、大神はん!聞こえてます〜?李紅蘭です〜!ああ…ホンマもんの大神はんや。えらい久しぶりやな、大神はん』

 

大神「紅蘭…本当に久し振りだな。元気そうで安心したよ。ところで紅蘭…この機械は…?」

 

紅蘭『へへ〜、びっくりしたやろ〜?これがウチの発明した【キネマトロン】や。このキネマトロンちゅうのは、蒸気の力で動く通信機なんや』

 

そして俺は、キネマトロンの使い方を紅蘭に教えてもらった。

 

紅蘭『ほな、大きい画面でゆっくり話しまひょか』

 

そして画面は大きい画面に移り変わった。

 

紅蘭『大神はん、聴こえてます〜?』

 

大神「ああ、聴こえるよ。紅蘭の顔もよく見える」

 

紅蘭『よっしゃ、こっちも感度良好や』

 

大神「それにしても凄いな。こうして相手の顔を見ながら通信できるなんて…」

 

紅蘭『ふふっ、まかしとき。これくらいウチの手にかかればチョチョイのチョ〜イや!』

 

カンナ『お〜い、隊長!聞こえるか〜?こちら、桐島カンナだ』

 

大神「カンナ!?カンナじゃないか…!」

 

カンナ『へへっ、そうだよ。隊長、久し振りだなぁ。いやぁ、ほんっと久し振りだな、隊長。ホントは、直接会って話したかったんだけどさ、もう出発した後でさ。悪いね』

 

大神「気にしないでくれ。とにかく元気そうで良かったよ。それにしても…カンナもキネマトロンを持ってるのか!?」

 

カンナ『ああ。沖縄に出掛ける前に紅蘭から貰ったんだ』

 

紅蘭『へへ〜!お邪魔します〜!どや、このキネマトロンは?この機械は、こうして何人も同時に通信できる優れものなんやで!カンナはん以外にも、出掛けている皆には、これを渡しといたさかい』

 

大神「え…?と、いうことは…」

 

すみれ『おほほほほほ!少尉、このわたくしをお忘れですこと?帝劇のトップスター、神崎すみれですわ。随分ご無沙汰しておりましたわ、少尉』

 

大神「すみれくん…」

 

すみれ『久々の帝劇は如何ですか、少尉?まあ、わたくしのいない帝劇では、帰って来た喜びも半減でしょうけど』

 

カンナ『おいおい、また勝手な事ばっかり言ってんじゃね〜よ!』

 

すみれ『あらカンナさん。貴女こそ、相変わらずお下品な話し方ですこと』

 

カンナ『なんだと、このサボテン女!黙って聞いてりゃいい気になりやがって!』

 

やれやれ。この二人は相変わらずだな。けど、それがかえって安心するんだよな。

 

マリア『二人共いい加減にしなさい!こちら、マリア・タチバナ。隊長、聴こえますか?』

 

大神「マリア!もちろん聴こえてるよ」

 

マリア『隊長、お久し振りです。お元気そうで安心しました』

 

大神「マリアこそ元気そうで良かったよ」

 

マリア『今、私はニューヨークに向かう船の中から通信しています。でも、不思議ですね…海の上にいるのに、こうして隊長の顔を見ながらお話できるなんて』

 

大神「そうだね…これも紅蘭が作ってくれたキネマトロンのおかげだ」

 

すみれ『紅蘭が作った物だけに、いつ爆発するかどうか心配ですけど』

 

紅蘭『ちぇっ。すみれはん、相変わらず一言多いな〜』

 

『アハハハハハハ…』

 

カンナ『…それじゃ隊長。あたい、修行で暫く帰れねぇけど…また、通信するからそん時はよろしくな!』

 

大神「ああ。待ってるよカンナ。頑張れよ」

 

カンナ『ありがとよ隊長!じゃ、また会おうな』

 

そしてカンナは通信を切った。ホントはもう少し話したかったけど、修行だし仕方がない。

 

すみれ『少尉、聞いてくださる?祖父の忠義が倒れたと聞いて、実家に戻りましたのに…祖父はピンピンしてましたの。何と、わたくしを実家に戻す口実でしたのよ』

 

大神「そ、そうだったのか…」

 

すみれ『こんな事なら、大輔さんに実家の事を調べてもらえばよかったですわ』

 

紅蘭『そういえば、今日は大輔はんに通信繋がらんかったな〜』

 

マリア『そうね。毎晩皆で集まって通信する約束なのに…』

 

すみれ『そう言われれば、約束を守る大輔さんには、珍しいですわね』

 

ああ、今日の事で森川さん相当怒ってたからな〜…皆にその事を伝えるかどうするか…

 

すみれ『…少尉』

 

大神「ん?なんだいすみれくん」

 

すみれ『少尉?大輔さんに何かあったかご存知なのでは?』

 

大神「いいっ!?そ、それは…」

 

マリア『隊長。何かご存知なのなら教えて下さい』

 

紅蘭『大神はん頼むわ』

 

三人から鋭い視線でそう言われる。

 

大神「じ、実は…」

 

俺は根負けして、今日の出来事をすみれくん達に話したのだった。

 

すみれ『なるほど…』

 

マリア『そんな事があったんですね』

 

紅蘭『大輔はんを怒らせるって、よっぽどのことやで?』

 

マリア『そうね。しかも、その織姫って子の母国語で話すなって…』

 

すみれ『余程頭にきましたのね』

 

だろうな。流石の俺も全部を理解してはいないけど、あの森川さんの剣幕には驚いたな。

 

マリア『これは後で、さくらと起きてたらアイリス達とも話をしましょう』

 

すみれ『そうですわね』

 

紅蘭『賛成や!』

 

そしてすみれくん達と通信を終わらせた。

 

大神「ふう…これは早目に森川さんと織姫くんの仲を直さないと、マリア達が帰って来た後が大変だぞ」

 

俺はそう思い、窓の外の夜の帝都を見るのだった…

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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