太正?大正だろ?   作:シャト6

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第三話

激しい光が落ち着き、目が戻った時には既にあの男はいなかった。

 

グランマ「やれやれ…」

 

グリシーヌ「クッ!逃がしたか!」

 

エリカ「すっご〜いですね!辺り一面がパーッって明るくなりましたよ!」

 

グリシーヌ「感心している場合か!」

 

グランマ「見た感じアジア系…恐らくムッシュ迫水と同じ東洋人だろうね」

 

エリカ「ってことは!ジャパニーズニンジャですか♪」

 

グランマ「ニンジャかどうかは分からないけど、それに似た者なのは確かだね」

 

だけど、まだエリカにすら話していない隊長の話が出たのには驚いたね。あれは重要機密な情報。あたしとムッシュ迫水しか知らない情報だね。

 

グランマ「やれやれ。あのムッシュ、只者じゃあないみたいだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔「…ふぅ。何とか無事脱出できたな。助かった大賢者」

 

やっぱ大賢者様々だな。あそこでスタングレネードに似た光を出してくれるんだもんね。

 

大賢者『告。あの場で一番いい判断をしたまでです』

 

流石大賢者。謙虚だことで…

 

大輔「さて、来年の今頃には大神の奴が来てるだろうし、その間は影分身にこっちの事を任せるとするか」

 

俺はそう呟きながら、夜の街に消えるのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリカ「とってもお似合いですよグリシーヌさん!」

 

グリシーヌ「そういう問題ではない。何故私が貴様の部下なのだ!」

 

エリカ「じゃあ先輩と後輩?」

 

グリシーヌ「違う!」

 

エリカ「親方と弟子!」

 

グリシーヌ「それも違う!」

 

エリカ「じゃあおしべとめしべ?」

 

グリシーヌ「何故そうなるのだ…」

 

やれやれ。だけど、これでようやく日本から隊長さんを呼べるね。しかし…

 

グランマ「あのムッシュが気になるね」

 

グリシーヌ「うむ、グラン・マの言う通りだ。例え助けてもらったとはいえ、素性も明かさず消えるとは怪しすぎる…」

 

エリカ「そうですか〜?私はいい人だと思いますけど?」

 

グランマ「確かに悪い人物ではないだろうさ。けどね、重要機密である巴里華撃団の情報を知ってるのも事実だよ。エリカ…」

 

そう…ごく限られた人数しか知り得ない情報。そして、私が今日話した内容も知っていた。

 

グランマ(本当に何者なのかね〜…)

 

「オーナー!」

 

すると、秘書のシー・カプリスが慌てて入ってくる。

 

グランマ「なんだいいったい。もう少し静かに入ってきな」

 

シー「す、すみません」

 

「慌てすぎよシー」

 

シー「だってメル」

 

もう一人の秘書のメル・レゾンが入ってくる。

 

グランマ「それで、いったい何があったんだい?」

 

メル「はい。実はつい先程届いた手紙がありまして」

 

メルがそう言いながら私に手紙を渡してくる。差出人は…【サイの花屋】?

 

グランマ「誰だいサイの花屋ってのは?」

 

メル「それが…」

 

シー「3人とも顔が瓜二つの女性がその手紙を届けに来たんです〜」

 

顔が瓜二つの女性?それも3人共…私は手紙を開けて中身を確認する。

 

グランマ「『こんな夜更けに失礼。私のアシスタント達に手紙を届けさせて頂きました。私はサイの花屋。所謂情報屋です。今夜起きた事件は、既に私の耳に入っています』」

 

グリシーヌ「何だと!?」

 

メル「先程の事件って…」

 

シー「まだ数時間しか経ってませんよ!」

 

あの事件はあの後、ムッシュ迫水に報告して情報が漏れないようにしたはずだ。表では美術品を盗もうとした盗人ということになっているけど…

 

グランマ「『安心して下さい。事件の情報を知っているからといって、その情報を世間に拡げるつもりはありません。ただ、私の情報が皆さん、巴里華撃団や迫水氏より早いことをお伝えしたかったのです』」

 

エリカ「凄いですね〜」

 

グリシーヌ「感心している場合か!」

 

グランマ「『因みに、今現在そこにいるエリカ・フォンティーヌさん、グリシーヌ・ブルーメールさん、シー・カプリスさん、メル・レゾンさん、イザベル・ライラックさんの情報は調べてありますので』」

 

メル「オーナー達だけじゃなくて、私達の情報まで…」

 

シー「嘘でしょ…」

 

グランマ「どうやら、そんじょそこらの情報屋ではないみたいだね。私の本名や、ムッシュ迫水の事まで書いてあるよ。『先に言っておきますが、私は貴方達の敵になる事は100%ありません。姿をお見せするのは、そちらに日本からお越し予定の隊長さんがご到着してからということで。ですが、これから情報が必要な場合は、2枚目に書いてある地図の場所へグラン・マ含め1名まで同行を許します。但し、一度決めたらその人以外は連れてこないで下さい。そこに来ていただけたならば、今日そちらに行かせたアシスタント達が対処します。それでは巴里華撃団の皆様、今後のご活躍期待しています』…だとさ」

 

メル「ですがオーナー。その手紙の内容、信用してもいいのでしょうか?」

 

シー「私もそう思います」

 

グランマ「確かに疑うのは無理もないね。だけどね、つい数時間前の事件を知っていて、表に流れてる事件ではなく、私達側の事件を知っているんだ。100%敵ではないと書いてあるが、この際そこは無視で構わないさ」

 

グリシーヌ「だが、これだけ素早い情報収集。我がブルーメール家でも数日はかかるだろう」

 

エリカ「グリシーヌさんでもそれだけかかるのに、サイの花屋さんは本当に凄いですね」

 

グランマ「ま、そこに関してはエリカに同意さ。ひとまずこの話はムッシュ迫水とも話をしておく。そして、このサイの花屋を利用する時の人選は暫くは保留だ。当面はあたしだけで対応するよ。いいね?」

 

『ウィー!オーナー!』

 

サイの花屋…果たして本当に味方なのかい?…とはいえ、これでようやく日本から隊長さんを呼ぶことができるね。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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