太正?大正だろ?   作:シャト6

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第七十八話

さくら達との話も終わったのもつかの間、劇場内に警報が鳴り響きさくら達は出撃した。今回は俺はそのまま残ることにした。

 

大賢者『告。東京湾から物凄く強大な魔力を検知しました』

 

大輔「強大な魔力…!!?」

 

大賢者にそう言われた瞬間、俺も直ぐに感じた。

 

大輔「取り合えず東京湾に向かってみるか」

 

俺は急いで東京湾に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叉丹「甦れ!失われし聖なる都!!」

 

すると東京湾から島が浮上してきた。

 

叉丹「ハハハハハ!遂に…遂に!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は東京湾に到着すと、物凄いデカさの島?を見た。

 

大輔「おいおいおいおい!!!!流石にこれはないだろ!?」

 

大賢者『解。これが葵叉丹が言っていた、聖魔城と思われます』

 

大輔「いや、そりゃ見りゃ分かるけど…想像以上にデカさだな…」

 

紅蘭「な、なんやねん!?」

 

すみれ「ああ……ああっ!!」

 

声が聞こえたので振り返ると、大神達もやって来ていた。

 

大輔「来たか」

 

大神「森川さん!!」

 

カンナ「どわぁぁぁ!!あ、あれは…」

 

大輔「ああ。お察しの通り…あれが聖魔城だ」

 

大神「あ、あれが聖魔城だと…あれはまるで…都市じゃないか!」

 

叉丹「見るがいい!これこそ、歴史から抹殺された幻の大地、大和だ!最早、我が野望は止められぬ。我こそが支配者!天帝、叉丹なり!憎悪よ!怒りよ!絶望よ!今こそ、我が手に…新たなる帝都は、ここ大和にあり!ふふふふ…ふ…ははは…あーっははははははは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世の終わりじゃ……終わりじゃ…」

 

殺女「欲望……憎悪……嫉妬……あらゆる人間共の悪徳が、霊子砲の力となる。叉丹様の祈りが終わり、この炎が十二の(とき)をきざむ…その時、暗黒の光が地上に降り注ぎ、世界は崩れ落ちそして、闇に還る!ハハハハハ……」

 

街は炎に包まれていて、建物も崩壊している。当然俺に店もな。

 

大輔「はぁ…やっぱこうなるよな」

 

大賢者『解。地下はこの世界とは別物ですが、上層の建物は現代の技術な為、崩壊は免れなかったと思われます』

 

大輔「んな事言われなくても分かってるよ。ま、地下は核爆発が起きても大丈夫なくらい頑丈だからな。あやめの治療にも問題ないだろ。さて…」

 

俺は崩れた店を後にして、帝劇に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米田「浅草……銀座……上野。…どこもかしこも酷い状況だ。残念だが……聖魔城は復活した。帝都壊滅は、最早秒読みの段階だろう。このままでは、世界の運命も……」

 

大輔「だろうな」

 

俺は作戦指令室に戻ってきた。

 

さくら「森川さん!」

 

米田「で、どうだった?外の様子…」

 

大輔「後ろの映像と同じだ。ウチの店も綺麗さっぱり崩れてたよ」

 

ま、店は後で何とでもなるけどな。

 

米田「そうか…」

 

マリア「どうします、隊長?」

 

大神「米田司令!自分も皆もこのまま何もせず滅びを待つのは耐えきれません!出撃します!!」

 

米田「バカ者!焦るな、大神!!少しは落ち着け……実はな…我々が最も恐れる事は、霊子砲の発動だ。聖魔城は復活したばかりで、霊子砲もまだエネルギーを集めている段階のはずだ…」

 

大神「はい……」

 

米田「今の内に、聖魔城内に突入し、まだ準備のできていない霊子砲を破壊する!これで勝機は見えるはずだ。だが……」

 

大神「それしか……なさそうですね」

 

米田「だが、聖魔城は降魔の本拠地だ!どれくらいの数の敵がいるのか見当もつかん。しかも…霊子砲は聖魔城の中心部に位置してるはずだ……悪念で増幅された降魔の力は、今までの比ではないのだぞ!!この作戦で行ったところで…お前達の命さえ……保証はできない!」

 

大神「……もちろん、承知の上です」

 

マリア「米田司令…私達はいつだって命がけでしたわ」

 

米田「……」

 

すみれ「ここは一番の大勝負!このわたくしが、逃げる訳にはまいりませんわ!」

 

カンナ「何がこようとぶち砕くまでだ!この…拳でよ!」

 

紅蘭「そやそや!大船に乗ったつもりで任せとき!」

 

アイリス「絶対、負けないもん!」

 

さくら「帝国華撃団は、舞台と平和に命をかけてるんです!」

 

米田「お、お前達……」

 

ハハッ!こりゃあれだな。

 

大輔「クククッ…おっさん、こりゃあんたの負けだよ」

 

大神「それに米田司令…誰が止めても、俺達は行きますよ!帝都は俺達帝国華撃団・花組が守ってみせます!!」

 

米田「……」

 

マリア「…司令!!」

 

米田「……分かった、もう止めん!その手で、帝都の未来を!勝利を掴み取って来い!!」

 

大神「よし…!」

 

米田「少し待て、大神」

 

出撃命令を出そうとする大神を止めるおっさん。そしておっさんは立ち上がり、俺の前にやって来た。

 

大輔「どした?」

 

米田「森川…いや、森川大輔殿!帝国陸軍中将米田一基より、我ら帝国華撃団特別協力民間人としての要請を受けてほしい!」

 

ほう…おっさんが態々陸軍中将の権限まで使って、俺に民間協力を頼むか。

 

大輔「民間協力か…」

 

米田「そうだ!お前さんには、今までも色々と助けてもらった。だからこそ、今回は俺の権限を全て使ってでも…お前さんに協力を要請したい。この通りだ!」

 

そう言っておっさんは頭を下げた。

 

さくら「森川さん!私達からもお願いします!」

 

『お願いします!』

 

するとさくら達全員も頭を下げてきた。おいおい…これじゃ俺が悪者みたいじゃねぇかよ。

 

大輔「…はぁ。そんな要請されなくても、こっちから言うつもりだったんだがな」

 

米田「なら…」

 

大輔「ああ。米田一基殿。その特別協力…是非引き受けさせていただきます」

 

米田「すまねぇ…!!」

 

そして俺は大神の前に立つ。

 

大輔「大神一郎少尉。今を持って私は貴方の隊に所属させていただきます!」

 

大神「ご協力感謝します!!今を持って、森川大輔を帝国華撃団・花組臨時隊員に任命します!」

 

大輔「ありがとうございます!」

 

こうして俺は、一時的に花組の隊員となったのだった。

 

大輔「とはいえ、今まで通りに動かさせてもらうけどな」

 

大神「ええ、そのつもりですので大丈夫です」

 

米田「大神!改めて出撃だ!」

 

大神「了解!聖魔城を、叩き潰しに行くぞ!!俺達ならやれる!今度こそ叉丹を倒すんだ!!」

 

『了解!!』

 

そして俺達は、翔鯨丸に乗り込んで聖魔城を目指すのだった。聖魔城に向かうまでまだしばらく時間があるな。通路で外を眺めてるとさくら達がやって来た。

 

さくら「森川さん、ここにいたんですか」

 

大輔「おうお前ら。揃いも揃ってどうした?」

 

マリア「いえ、森川さんを捜していたら皆同じだったみたいで」

 

すみれ「それにしても、澄み切った青空ですわね。まさにわたくし達の勝利を約束してくれているようですわ」

 

紅蘭「すみれはんも偶にはええこと言いますな」

 

すみれ「紅蘭?たまにとはどういう意味かしら?」

 

ハッ…これから決戦だって言うのに相変わらずだな。

 

アイリス「ねぇ大輔お兄ちゃん。抱っこして」

 

大輔「ほら」

 

俺はアイリスを抱き抱えて、さくら達の輪に入る。

 

さくら「…不安ですか?」

 

大輔「不安…か。確かにそうかもな。今までこの力を全力で使った事がない。それにお前らを守りたい気持ちもある」

 

紅蘭「そっかぁ…いくら大きな力がある言うても、やっぱ森川はんも人間やさかいな…」

 

大輔「ほっとけ」

 

すみれ「沈んだ顔は、森川さんには似合いませんよ」

 

大輔「ハハッ…ありがとうな」

 

少しは気が紛れたな。

 

さくら「…森川さん」

 

大輔「どうした?」

 

さくら「…せめて、あたし達といる時ぐらい…弱音をはいてもいいんですよ」

 

大輔「……」

 

さくらに感づかれたか…どうするか…

 

大賢者『解。マスターを思っての発言です。ですので、思っている事を素直に言うことをオススメします』

 

簡単に言ってくれるな…けどまぁ、それもそうだな…

 

大輔「…多分怖いんだろうな」

 

マリア「怖い…ですか?」

 

大輔「そうだ。今までは身近なお前達を気にしながら戦えば良かった。だが、今回は全人類の存続がかかっている。流石にここまで大きいとな…いくら俺でもプレッシャーとかで弱気にもなるさ…情けねぇ話だがな…」

 

さくら「……」

 

するとさくらは、アイリスを抱き抱えている手と反対の手を取り、自分の胸に当てた。

 

大輔「ちょっ!?」

 

すみれ「さ、さくらさん!?」

 

さくら「…分かりますか?あたしの心臓…こんなに、ドキドキしてるの」

 

大輔「……」

 

さくら「皆一緒です。すみれさん、マリアさん、アイリス、紅蘭。それにここにはいませんが大神さんやカンナさん。きっと…皆も恐いと思ってる」

 

『……』

 

さくら「あたしだって怖い…ひとりじゃ、顔を上げていられない程怖い。あたしはまだ…皆やお父様のように、強くなんかない」

 

アイリス「さくら…」

 

さくら「でも、皆が一緒だから…森川さんがいてくれるから、あたしは戦えるんです。森川さんが励ましてくれるから、あたしは頑張れるんです…だから…自分の事、悪くは言わないで下さい」

 

大輔「……」

 

さくら「森川さん、今は戦いましょう。今、戦わないと…未来をも失う事になります…」

 

大輔「未来…か。ハハッ、まさかお前等と出会って関わってから、こんな事になるとは、あの時は想像できなかったがな」

 

さくら「フフッ…森川さんらしくなりましたね♪」

 

大輔「ほっとけ」

 

紅蘭「なんやさくらはんに、おいしいとこ持ってかれた気がするけど…」

 

マリア「でも、さくらの言うことは最もだわ」

 

すみれ「そうですわね。それに、この戦いが終わったら、森川さんと大事なお話もあることですし」

 

アイリス「そうだよ!大輔お兄ちゃんから返事を聞かないとね!」

 

さくら「そうですよ!」

 

そうだな…

 

さくら「さぁ、艦橋に行きましょう!」

 

『ええ/ああ』

 

すみれ「…ところでさくらさん。何どさくさに紛れて、森川さんの手をご自分のお胸に当ててるのかしら?」

 

さくら「そ、それは…///」

 

すみれ「そんな貧素なお胸では、森川さんも可哀想ですこと。ささ森川さん、わたくしの胸へ」

 

するとすみれは俺の手を自分の胸に当てた。

 

大輔「何やってんだお前は!?」

 

マリア「…胸の大きさなら私よ」

 

するとマリアが反対側の手を自分の胸に当てる。

 

アイリス「あ〜ズルい!いいもん!アイリス大きくなったらママみたいに大きくなるもん!!」

 

そう言いながら、いつの間にか俺の肩に乗ってるアイが抱き着く。

 

紅蘭「あちゃ〜。流石にこれは勝たれへんな…」

 

さくら「ムムム…」

 

いやさくら、元はと言えばお前が原因だからな…

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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