鹿「叉丹様はかく乱せよと申されたが…構わぬ!この鹿の実力をお見せする為にも、花組を全滅させてくれるわ!」
さくら「そこまでよ!」
『帝国華撃団、参上!』
鹿「ふっ、来たか…小娘ども!!」
米田「全員そのままで聞いてくれ!降魔の狙いは、劇場内に隠された最重要機密だ」
マリア『最重要機密?』
すみれ『なんですの、それは?』
米田「戦いが終わったら教える!とにかく、奴等を劇場内に入れてはならんのだ」
カンナ『あたいらに黙っているとは、水臭いね…』
大輔「そう言うなカンナ。これはそれほど重大な事だからな。むやみやたらに教える訳にもいかねぇんだよ」
紅蘭『よっしゃ!こいつら倒して、その訳とやら、早よ聞かしてもらおうやないか!!』
さて、表の事はあいつらに任せていいだろう。
大輔「おっさん、俺は念の為にあの場所がある前で待機しておく」
米田「すまねぇな」
大輔「な~に、気にすんな。流石にあれが向こうの手に渡るのは不味いからな…」
俺はそう言い残して、作戦指令室を出て行った。俺は魔神器が置いてある地下倉庫の近くで待機する。だが、当然地下に降魔が侵入してくることはなかった。
大輔「分かってはいたけどな」
大賢者『解。それだけ帝国華撃団が優秀ということです』
大輔「確かにな♪」
大賢者の言葉に俺は笑った。
叉丹「ふんっ!使えぬ奴め…そろそろ、あやつを目覚めさせるとするか…」
米田「…イヤな夜だぜ。あやめくんを一人にしちまったが…どうも胸騒ぎがしやがる」
あやめ「ぐっ…」
米田「…どうした?あやめくん、どうしたんだ!?」
あやめ「う…くっ…叉丹…様」
米田「あやめくん!?」
大輔「どうした?」
おっさんの声が聞こえたから、俺は作戦指令室に戻って来た。
米田「森川か!あやめくんの様子が…」
大輔「なに!?」
あやめを見ると、かなり苦しそうな顔をしていた。まさか…
あやめ「くっ…さ…たん…様…」
大賢者『告。藤枝あやめの中に眠る力が暴走しています』
なんだと!って事は、マジでアイツから貰った銃弾を使う羽目になりそうだ…
米田「あやめくん!?どうした!返事をしろ!」
あやめ「ま…じん…き…」
するとあやめは、物凄い勢いで作戦指令室を出て行った。
米田「待て、あやめくんっ!!魔神器をどうするつもりだ!あやめく~んっ!!」
大輔「おっさん!とにかくあやめの奴を追いかける!」
俺は出て行ったあやめを追いかけた。その道中で、この世界で初めて使うマグナムに、あいつから貰った銃弾を込めた。
大神「だ、だめだっ!」
すると大神の声が聞こえた。外に出ると、帝劇の屋根の上に叉丹とあやめがいた。魔神器を持って。
あやめ「大神くん!私を…私を撃って!」
大神「……!」
あやめ「早く、早く撃ちなさい!これは命令よ、大神くん!」
大神「……」
さくら「大神さん…撃たないで!」
大神はあやめに銃口を向けた。
大輔「……」
大神「くっ…くそっ…」
大神は撃てず銃を下した。
あやめ「自分を…偽らない大神くんでいてね」
大神「俺には…撃てない…」
さくら「大神さん…」
あやめ「大神くん…」
叉丹「ふふふ…己に掛けた封印も最強とは、皮肉なものだ…」
あやめ「……」
叉丹「さあ・・・思い出せ…あやめよ…失楽の園の記憶を…」
そう言うと叉丹はあやめにキスをした。するとあやめの体は青白く燃え上がる。
大賢者『今です』
大輔「ナイスアシストだ!大賢者!!」
俺はそのタイミングであやめに例の銃弾を撃ち込んだ。
叉丹「なにっ!?」
あやめ「あああああああああっ!!!!!!!!」
あやめは苦しみだす。するとあやめの体から黒い球体が出て行った。それは徐々に人の形になっていき、あやめそっくりな見た目になった。
大賢者『告。無事藤枝あやめと、中にいた者との分裂を確認しました』
大輔「あやめ!」
俺は倒れそうになるあやめを抱き抱えた。そして分身を出して、あやめを俺の家に運ばせた。無事とは分かっているが、念の為にな。
叉丹「ふふっ…何が起きたかは知らないが、あやめさえいれば問題ない。ふふふ…最強の降魔にして、我に最も近く…また、頼りになる者…殺女よ、よくぞ目覚めた!」
殺女「はい…我らは常に対なるもの。前世での、契りに従い今度こそ、お側に…」
叉丹「フ…」
殺女「今宵の邂逅こそ永遠…我らの征く所、あまねく魔の楽園が広がりましょうぞ…」
叉丹「フフフ…」
殺女「さ、これこそが我らが求める鍵。魔神器をお納め下さい」
さくら「ああ!!」
大輔「させるかよ!」
俺は再び屋根に上がり、魔神器を奪い返そうとする。しかし叉丹と殺女は、空高く飛んだ。
叉丹「ふははは…貴様らに待ち受けているのは苦悩…絶望…」
殺女「…そして、破滅」
大神「そんな…まっ、待ってくれ!あやめさん!」
殺女「お前らのあやめはもう死んだのだ…そこの男の手によってな!」
そう言い残して、叉丹と殺女は飛んで行った。
大輔「逃がしたか…」
大賢者『告。帝国華撃団・花組から物凄い視線を感じます』
そりゃそうだろな。俺はあやめが生きてるって知ってるけど、他の連中から見れば俺が殺したもんだもんな…そして俺達はおっさんに呼ばれ、全員が作戦指令室に集まった。
『……』
さくら「森川さん…」
大輔「…なんだ?」
さくら「どうして…あやめさんを撃ったんですか?」
大輔「大神が出来なかったからだ。だから…俺が撃った」
さくら「そんな…」
やっぱりショックだよな…
『……』
すみれ「…森川さん。見事な決断でしたわね…あの状況で撃てるなんて…」
大輔「……」
マリア「でも、こんな事になるなんて…」
カンナ「大将…信じられないぜ」
マリア「取り合えず、またいつ降魔が襲って来るか分からないわ。休める時に休んでおきましょう」
紅蘭「…せやな」
そして全員指令室から出て行った。
さくら「森川さん…」
大輔「……」
さくら「…失礼します」
さくらも最後に出て行く。俺は誰もいなくなった指令室の椅子に座る。
大輔「はぁ…生きてると分かってるとはいえ、やっぱ堪えるな…」
大賢者『告。それは仕方がないと思います』
大輔「分かってる…分かってはいるんだがな…」
やっぱ、知ってる奴を撃つってのはな…
米田「森川…まだ、ここにいたのか…」
大輔「…おっさんか」
おっさんは俺を見ると、黙って俺の横に座った。
米田「……」
大輔「…言いたいことがあるならはっきり言えよ。おっさんも何であやめを撃ったか聞きたいんだろ?」
米田「…確かに聞きてぇが、あれがあやめくんの判断だって分かってるから、俺は何も言わねぇよ」
大輔「…そうかよ」
いっその事、怒鳴ったり殴ってくれた方がよっぽど楽だぜ…
米田「お前も辛いが、あの娘達も辛いんだ。そんなお前にこう言うのは酷だが…あの娘達を支えてくれるヤツが必要だ…森川、お前の事だぜ…」
大輔「支え…ね。今の俺にあいつらがそう思ってるのか…」
米田「頭で分かってても、心までは難しいもんだ。少し時間がいるかも知れないがな」
大輔「……」
米田「お前の気があるなら、あの娘達の所の寄ってから帰ってやってくれ」
そう言い残して、おっさんは出て行った。
大輔「……」
大賢者『…どうされますか?』
大輔「どうもこうも…やることは1つだろ」
俺はあいつらの顔を見て帰る事に決めたのだった…
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方