太正?大正だろ?   作:シャト6

76 / 115
第七十五話

鹿「叉丹様はかく乱せよと申されたが…構わぬ!この鹿の実力をお見せする為にも、花組を全滅させてくれるわ!」

 

さくら「そこまでよ!」

 

『帝国華撃団、参上!』

 

鹿「ふっ、来たか…小娘ども!!」

 

米田「全員そのままで聞いてくれ!降魔の狙いは、劇場内に隠された最重要機密だ」

 

マリア『最重要機密?』

 

すみれ『なんですの、それは?』

 

米田「戦いが終わったら教える!とにかく、奴等を劇場内に入れてはならんのだ」

 

カンナ『あたいらに黙っているとは、水臭いね…』

 

大輔「そう言うなカンナ。これはそれほど重大な事だからな。むやみやたらに教える訳にもいかねぇんだよ」

 

紅蘭『よっしゃ!こいつら倒して、その訳とやら、早よ聞かしてもらおうやないか!!』

 

さて、表の事はあいつらに任せていいだろう。

 

大輔「おっさん、俺は念の為にあの場所がある前で待機しておく」

 

米田「すまねぇな」

 

大輔「な~に、気にすんな。流石にあれが向こうの手に渡るのは不味いからな…」

 

俺はそう言い残して、作戦指令室を出て行った。俺は魔神器が置いてある地下倉庫の近くで待機する。だが、当然地下に降魔が侵入してくることはなかった。

 

大輔「分かってはいたけどな」

 

大賢者『解。それだけ帝国華撃団が優秀ということです』

 

大輔「確かにな♪」

 

大賢者の言葉に俺は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叉丹「ふんっ!使えぬ奴め…そろそろ、あやつを目覚めさせるとするか…」

 

米田「…イヤな夜だぜ。あやめくんを一人にしちまったが…どうも胸騒ぎがしやがる」

 

あやめ「ぐっ…」

 

米田「…どうした?あやめくん、どうしたんだ!?」

 

あやめ「う…くっ…叉丹…様」

 

米田「あやめくん!?」

 

大輔「どうした?」

 

おっさんの声が聞こえたから、俺は作戦指令室に戻って来た。

 

米田「森川か!あやめくんの様子が…」

 

大輔「なに!?」

 

あやめを見ると、かなり苦しそうな顔をしていた。まさか…

 

あやめ「くっ…さ…たん…様…」

 

大賢者『告。藤枝あやめの中に眠る力が暴走しています』

 

なんだと!って事は、マジでアイツから貰った銃弾を使う羽目になりそうだ…

 

米田「あやめくん!?どうした!返事をしろ!」

 

あやめ「ま…じん…き…」

 

するとあやめは、物凄い勢いで作戦指令室を出て行った。

 

米田「待て、あやめくんっ!!魔神器をどうするつもりだ!あやめく~んっ!!」

 

大輔「おっさん!とにかくあやめの奴を追いかける!」

 

俺は出て行ったあやめを追いかけた。その道中で、この世界で初めて使うマグナムに、あいつから貰った銃弾を込めた。

 

大神「だ、だめだっ!」

 

すると大神の声が聞こえた。外に出ると、帝劇の屋根の上に叉丹とあやめがいた。魔神器を持って。

 

あやめ「大神くん!私を…私を撃って!」

 

大神「……!」

 

あやめ「早く、早く撃ちなさい!これは命令よ、大神くん!」

 

大神「……」

 

さくら「大神さん…撃たないで!」

 

大神はあやめに銃口を向けた。

 

大輔「……」

 

大神「くっ…くそっ…」

 

大神は撃てず銃を下した。

 

あやめ「自分を…偽らない大神くんでいてね」

 

大神「俺には…撃てない…」

 

さくら「大神さん…」

 

あやめ「大神くん…」

 

叉丹「ふふふ…己に掛けた封印も最強とは、皮肉なものだ…」

 

あやめ「……」

 

叉丹「さあ・・・思い出せ…あやめよ…失楽の園の記憶を…」

 

そう言うと叉丹はあやめにキスをした。するとあやめの体は青白く燃え上がる。

 

大賢者『今です』

 

大輔「ナイスアシストだ!大賢者!!」

 

俺はそのタイミングであやめに例の銃弾を撃ち込んだ。

 

叉丹「なにっ!?」

 

あやめ「あああああああああっ!!!!!!!!」

 

あやめは苦しみだす。するとあやめの体から黒い球体が出て行った。それは徐々に人の形になっていき、あやめそっくりな見た目になった。

 

大賢者『告。無事藤枝あやめと、中にいた者との分裂を確認しました』

 

大輔「あやめ!」

 

俺は倒れそうになるあやめを抱き抱えた。そして分身を出して、あやめを俺の家に運ばせた。無事とは分かっているが、念の為にな。

 

叉丹「ふふっ…何が起きたかは知らないが、あやめさえいれば問題ない。ふふふ…最強の降魔にして、我に最も近く…また、頼りになる者…殺女よ、よくぞ目覚めた!」

 

殺女「はい…我らは常に対なるもの。前世での、契りに従い今度こそ、お側に…」

 

叉丹「フ…」

 

殺女「今宵の邂逅こそ永遠…我らの征く所、あまねく魔の楽園が広がりましょうぞ…」

 

叉丹「フフフ…」

 

殺女「さ、これこそが我らが求める鍵。魔神器をお納め下さい」

 

さくら「ああ!!」

 

大輔「させるかよ!」

 

俺は再び屋根に上がり、魔神器を奪い返そうとする。しかし叉丹と殺女は、空高く飛んだ。

 

叉丹「ふははは…貴様らに待ち受けているのは苦悩…絶望…」

 

殺女「…そして、破滅」

 

大神「そんな…まっ、待ってくれ!あやめさん!」

 

殺女「お前らのあやめはもう死んだのだ…そこの男の手によってな!」

 

そう言い残して、叉丹と殺女は飛んで行った。

 

大輔「逃がしたか…」

 

大賢者『告。帝国華撃団・花組から物凄い視線を感じます』

 

そりゃそうだろな。俺はあやめが生きてるって知ってるけど、他の連中から見れば俺が殺したもんだもんな…そして俺達はおっさんに呼ばれ、全員が作戦指令室に集まった。

 

『……』

 

さくら「森川さん…」

 

大輔「…なんだ?」

 

さくら「どうして…あやめさんを撃ったんですか?」

 

大輔「大神が出来なかったからだ。だから…俺が撃った」

 

さくら「そんな…」

 

やっぱりショックだよな…

 

『……』

 

すみれ「…森川さん。見事な決断でしたわね…あの状況で撃てるなんて…」

 

大輔「……」

 

マリア「でも、こんな事になるなんて…」

 

カンナ「大将…信じられないぜ」

 

マリア「取り合えず、またいつ降魔が襲って来るか分からないわ。休める時に休んでおきましょう」

 

紅蘭「…せやな」

 

そして全員指令室から出て行った。

 

さくら「森川さん…」

 

大輔「……」

 

さくら「…失礼します」

 

さくらも最後に出て行く。俺は誰もいなくなった指令室の椅子に座る。

 

大輔「はぁ…生きてると分かってるとはいえ、やっぱ堪えるな…」

 

大賢者『告。それは仕方がないと思います』

 

大輔「分かってる…分かってはいるんだがな…」

 

やっぱ、知ってる奴を撃つってのはな…

 

米田「森川…まだ、ここにいたのか…」

 

大輔「…おっさんか」

 

おっさんは俺を見ると、黙って俺の横に座った。

 

米田「……」

 

大輔「…言いたいことがあるならはっきり言えよ。おっさんも何であやめを撃ったか聞きたいんだろ?」

 

米田「…確かに聞きてぇが、あれがあやめくんの判断だって分かってるから、俺は何も言わねぇよ」

 

大輔「…そうかよ」

 

いっその事、怒鳴ったり殴ってくれた方がよっぽど楽だぜ…

 

米田「お前も辛いが、あの娘達も辛いんだ。そんなお前にこう言うのは酷だが…あの娘達を支えてくれるヤツが必要だ…森川、お前の事だぜ…」

 

大輔「支え…ね。今の俺にあいつらがそう思ってるのか…」

 

米田「頭で分かってても、心までは難しいもんだ。少し時間がいるかも知れないがな」

 

大輔「……」

 

米田「お前の気があるなら、あの娘達の所の寄ってから帰ってやってくれ」

 

そう言い残して、おっさんは出て行った。

 

大輔「……」

 

大賢者『…どうされますか?』

 

大輔「どうもこうも…やることは1つだろ」

 

俺はあいつらの顔を見て帰る事に決めたのだった…

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。