太正?大正だろ?   作:シャト6

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第七十二話

【帝国華撃団!大勝利!帝都に再び平和が訪れる】

 

今朝の朝刊には大きく昨日の事が取り上げられていた。

 

大輔「ホント、マスコミや記者は手のひら返しが早い事…」

 

けど、神武も見た感じ良さそうだし、これからも大変だが大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

電話だよ!電話だよ!電話だよったら電話だよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると店の電話じゃなく、おっさん個人に教えた番号からかかってきた。

 

大輔「どうした?」

 

米田「…森川、今から時間取れるか?」

 

おっさんの話し方がいつもと違う。この話し方は、帝劇の米田支配人じゃなく、帝国華撃団司令の米田中将の話し方だ。

 

大輔「ええ。大丈夫ですよ。今からお伺いします」

 

米田『分かった』

 

俺は普段よりキチンとした格好に着替え、帝劇に向かった。おっさんが米田中将として、尚且個人に教えた番号でかけてきた場合は、誰にも見つからない様に会いに来いという合図でもある。そして俺は彼奴等に見つからない様に支配人室に到着した。

 

大輔「お待たせしました」

 

米田「いや、それほど待ってない。なら行くか」

 

おっさんは椅子から立ち上がると部屋を出ていく。俺もその後に続いた。そして俺達がやって来たのは、普段は使われてない倉庫だった。

 

大輔「米田さん、ここは…」

 

米田「詳しい事は、大神が来てからだ」

 

大輔「…分かりました」

 

大神「大神、参りました」

 

すると大神がやって来た。

 

米田「よお」

 

大神「米田司令、どうしたんですか?地下倉庫なんかに呼び出したりして?しかも森川さんもいますし」

 

米田「見せたいものがあるんだ。ついてきな」

 

大神「見せたい物…?」

 

そう言われ、俺と大神はおっさんの後についていく。するとおっさんは、パイプについてるバルブを回した。すると壁が開き、中にはチェーンでロックされたスイッチがあった。鍵を外し上に上げると、横の壁が動いた。

 

大輔「隠し通路…余程他人には見られたくない物みたいですね」

 

俺は仕事口調で話す。おっさんが真剣な時は、俺の真面目になる。

 

米田「行くぞ」

 

中に入ると、更に地下に続く階段を降りていく。

 

大神「帝劇の地下にこんな場所があったなんて…見せたい物って一体何ですか?」

 

米田「【切り札】だ」

 

大輔(切り札?……まさかとは思うが…)

 

俺は以前、帝国華撃団の歴史を調べ直した事があった。当然軍事機密や国家機密の情報も調べている。そんな中、気になる物を発見したんだよな…

 

大輔(俺の考えが外れてればいいがな…)

 

そして目的の場所に到着した。そこあったのは…

 

大神「社…?」

 

大輔「……」

 

米田「いいか大神、森川。こいつは国家の最重要機密だ。誰にも口外するんじゃねえぞ」

 

大神「は、はい…」

 

米田「最も、森川には意味ないだろうがな」

 

大輔「まあな」

 

そしておっさんは、社の扉を開けた。中に入っていたのは…

 

大神「米田司令…これは?」

 

米田「【魔神器】だ」

 

大神「魔神器!?」

 

大輔「…やっぱり」

 

俺の嫌な予感は、見事に的中した。

 

米田「やはり知ってたか」

 

大輔「ええ」

 

大神「な、何故森川さんが国家機密を!?」

 

米田「大神…こいつはな、この帝都で1番の情報屋だ」

 

大神「情報屋…」

 

おっさんの回答に、大神は唖然としていた。

 

米田「表向きはオアシスの店主だが、本当の正体は、帝都一の情報屋、サイの花屋だ」

 

大神「サ、サイの花屋ですって!!?」

 

米田「お前も軍人だ。噂くらいは聞いた事あっただろ」

 

大神「はい。サイの花屋は、我々軍人がどれだけ必死になっても、その早さと正確さに負けると…」

 

大輔「当然だ。でなきゃ、帝都一なんて名乗れねぇからな。さて…」

 

俺はおっさんの方を向く。

 

大輔「悪いが口調は戻させてもらうぞ」

 

米田「構わねぇ」

 

大輔「ならおっさん。上の連中は、これをアイツに使わせる気があるって事だな?」

 

米田「…そうだ」

 

大輔「…そうか」

 

んな事俺が許す訳ねえ。話を聞いたら大神もそう思うだろうしな。

 

大神「米田司令…これは、魔神器とはいったい」

 

米田「増幅器みてぇなもんさ。それも危険な程強力な」

 

大神「増幅器…」

 

米田「こいつを善なる者が持てば、その力を増幅し魔を抑える事ができる。その力は絶大だ」

 

大輔「だろうな。嘗て真宮寺一馬が使ったもんだったしな」

 

「「!?」」

 

俺の言葉に、おっさんと大神は驚いている。

 

米田「森川…お前…」

 

大神「真宮寺一馬…まさか…」

 

大輔「ああ大神。お前が思ってる通りだ。真宮寺一馬は…さくらの実の父親だ」

 

大神「!!」

 

大輔「この魔神器は、霊力を持ってる人間が使えば使用できる。だが、さくらの奴とあいつの父親は別格だ」

 

大神「別格…ですか?」

 

大輔「ああ。俺もさくら本人に聞いたことがあるし、こっちでも色々と調べた。真宮寺家は、【破邪の血】を受け継ぐ一族だ」

 

米田「森川の言う通りだ。類稀なる霊力を持って生まれ、この国に跳梁跋扈する異形の魔物と戦う運命を背負った一族だ」

 

大神「……」

 

大輔「だがな、さくらが持ってる破邪の血。それを使えば確かに強力な神器になる。だが、当然その代償は大きい…」

 

大神「ま、まさか…」

 

どうやら気が付いたみたいだな。

 

大輔「そう。命を代償にしたんだよ。さくらの親父さんはな」

 

大神「そんな…」

 

大輔「…大神。当然お前はさくらにこんなのを使わせるつもりはないだろ?」

 

大神「当たり前です!」

 

大輔「おっさんもそう思ってる。だがな、おっさんの更に上の連中は、帝都を守るためなら、これを使わそうと思ってる」

 

大神「!!」

 

米田「そうだ。帝国華撃団が帝都を守れなかった場合、最終手段としてさくらに【太古の呪法】を発動させる。それが賢人機関の帝都防衛構想なんだ」

 

大神「そ、そんな…帝都の為なら…さくらくんが死んでもいいって言うんですか!

 

大輔「それが賢人機関様共の回答だ。自分は帝都を守れれば、1人人間が死んでもいいと思ってるんだよ…老害共が!」

 

ホント、おっさんや綾小路の爺さん以外は消えた方がいいぜ…ホント。

 

大神「帝都は…俺達花組の力で守り抜いてみせます。魔神機を使うような事態にはさせません!」

 

「「……」」

 

俺とおっさんは、大神からその言葉を聞いて安心した。

 

大輔「安心したぞ大神。お前がこいつを使うなんてほざいたら、俺はお前を殴ってた…」

 

大神「アハハ…そんな事絶対に言いませんよ。さくらくんは大切な仲間なんですから。森川さんにとってもね」

 

こいつ…さくらの好意を知ってるからって…

 

大輔「…まぁな。ま、もし俺達の意見を無視して使おうとするモンがいれば、この世で生きれない秘密を暴露するがな♪」

 

大神「アハハ…アハ…アハ」

 

米田「こりゃ、賢人機関の連中は怖い奴を相手にする訳か…同情するぜ」

 

大輔「大丈夫だって。賢人機関の連中が政治と社会的に死にたくなると思わせるだけだって」

 

大神「だけって…」

 

大輔「大神…どんだけ威張ってる連中がいても…叩けばホコリは出るんだよ…嫌って言うほどにな…それが政治連中なら尚更…な」

 

((森川(さん)だけは、絶対に敵に回したくはないな…))

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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