太正?大正だろ?   作:シャト6

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第六十二話

かすみと一緒に、由里たちがいるベンチに戻った。

 

「戻ったぞ」

 

椿「お帰りなさい!」

 

由里「ふふ~ん…随分と遅かったですね?森川さん?かすみさん?」

 

「ああ。少しかすみが絡まれててな」

 

由里「なるほど。そこを森川さんが颯爽と登場して助けたという訳ですね♪」

 

かすみ「もう由里!」

 

由里に言われかすみが怒る。

 

由里「それに、少しだけですが森川さんと一緒にいたんですから、今度は私と椿の番ですよ!」

 

椿「そうですよ!」

 

かすみ「分かってるわよ」

 

いや分かってるって…お前ら元々そのつもりだったのかよ。

 

由里「それじゃあ次は私ですね。さっき2人が帰ってくる間にじゃんけんで順番を決めたんです」

 

椿「負けちゃいました~」

 

いつの間に…

 

由里「それじゃあ森川さん。私と一緒にボート乗りに行きましょう!」

 

そう言って由里は俺の手を掴んで、ボート乗り場に連れて行く。そして乗り場に着いた俺達はボートに乗るが、何故か二人並んで漕がなきゃなんないデカいボートに乗り込んだ。

 

由里「……」

 

「一人で漕ぐのは乗ったことあるが、これは流石に初めてだな」

 

2人の息が合っていないと中々前に進まない。

 

由里「ねぇ…森川さん」

 

「どうした?」

 

由里「森川さんは、帝劇が出来た時から米田支配人と知り合ってたんですよね?」

 

「ああ。バレたついでに言っておくが、俺は表の顔は飲食店の店主だが、お前達と同じで裏の顔もあるんだよ」

 

由里「裏の顔?」

 

「ああ。おっさんは普通にウチの常連客だったがな」

 

由里「へ~」

 

「そして、さくらが来たと同時期か?おっさんとあやめに俺の正体を教えたのは」

 

由里「正体ですか?」

 

「そうだ。お前ら風組も聞いた事はあるんじゃないか?帝都一と言われた情報屋の事を」

 

由里「それは勿論知ってますよ。流石に、こんな仕事をしてて知らない方がおかしいですよ」

 

だろうな。顔は知らない奴が多いが、花屋の事は知ってるはずだしな。

 

「だろ?で、おっさん達の前に帝国華撃団の情報、帝劇の秘密、そして華撃団に出資してる連中の資料を見せた訳だ。サイの花屋を使ってな」

 

由里「そうだったんですか!?いったいいくら払ったんですか?」

 

「そこでネタばらしだ。俺がサイの花屋だからもちろん一銭も払ってない」

 

由里「ええええええ!!!も、森川さんがサイの花屋だったんですか!?」

 

「そういうことだ」

 

由里「……」

 

由里は暫く呆けてた。すると突然ボートが揺れてバランスを崩し、由里が俺の方に倒れてきた。

 

由里「キャッ!」

 

「おっと!大丈夫か?」

 

由里「は、はい…あ、あの…」

 

「ん?」

 

由里「森川さんは…後悔してませんか?私達に協力して」

 

「……」

 

由里「花組の皆にも言える事ですが、今まで必死に戦ってきても、たった一度の敗北で全てを否定されて…」

 

「後悔?ハッ!んなのするか!」

 

由里「えっ」

 

「なんで俺が後悔するんだ?俺は俺自身がお前達に協力したいと思ったから協力してるんだ。自分で決めた事で後悔するなんてばからしい!」

 

由里「森川さん…」

 

「俺はな、なるべくあいつらに不安の内容に色々と調べて、おっさんやあやめに資料を渡している。ま、金は貰ってるがな♪」

 

俺は笑いながらそう言うと、由里も笑い出した。

 

由里「フフッ、そうですよね!後悔するような人、あたしが気に入る訳ないし…」

 

「……」

 

由里「森川さん…あたし、森川さんが好きです」

 

「…そうか。だが」

 

由里「分かってます!森川さんがかすみさんやさくらさん、すみれさん、マリアさん、アイリス、紅蘭、あやめさん達から好意を持たれてるのは。多分、この後一緒に回る椿も。それでも!この気持ちは伝えたかったんです!!」

 

「…ありがとうな。さくら達にも言ったが、この戦いが終わったら全員の前でお前達の気持ちを答えるつもりだ。それまで待っててくれるならありがたい」

 

由里「大丈夫ですよ。私達はなからそのつもりなんで♪」

 

「そうか」

 

由里「ですので…もう少し…このままでいていいですか?///」

 

「……」

 

俺は何も言わないが、由里は俺に体を預けて、暫くの間ボートに揺られながら時間を過ごすのだった。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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