太正?大正だろ?   作:シャト6

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第六十一話

あやめと別れた俺は、午後に一緒に出掛けるかすみ達と合流する。

 

椿「あ、森川さん!丁度良かったです」

 

「皆さんお待たせしました」

 

かすみ「いえ、私達も今来たばかりですので」

 

由里「それじゃあ行きましょうか」

 

そして俺はかすみ達に連れられ花やしき遊園地に来ている。

 

(遊園地か。昔もそうだがこういう場所はあまり行かなかったな。ま、一緒に行く彼女とかがいなかっただけなんだが…)

 

椿「ほらほら、森川さん!早くこっちに来てくださいよぉ!!」

 

「ああすみません」

 

かすみ「森川さんは花やしき遊園地は初めてですか?」

 

「そうですね。近くまでは来た事はありますけど、中に入ったのは初めてですね」

 

由里「でしたら、折角花やしき遊園地に来たんですから、楽しまなくっちゃ!!」

 

「そうですね」

 

由里「そうですよ!全部の乗り物に乗るんですから!!」

 

全部って…そんなに敷地はでかくはないが、それでも結構な数があるぞ!?

 

「おっと…」

 

すると男の子が俺にぶつかって来た。

 

「なんだよ!ていこくかげきだんは負けたりしないやい!!」

 

椿「どうしたの、ボク!?お友達とケンカしたの?」

 

椿がしゃがみ込み、ぶつかって来た男の子に話しかける。

 

「だって、あいつら…ていこくかげきだんが負けたって言うんだもん!新聞の号外に書いてたって…でも…そんなのウソに決まってるよ!!」

 

「……」

 

ここにもあいつらの事を信じてる子供はいる。嬉しい事じゃねぇか。

 

かすみ「ねぇ、ボク…この前の戦いで、帝国華撃団が負けちゃったのは本当の事よ」

 

「えっ…やっぱり…」

 

子供には厳しい現実だな。

 

かすみ「だけど、帝国華撃団の人達は絶対に諦めたりしないわ。もう一度戦ってくれる」

 

椿「ほら、帝国華撃団はいつでもあたし達の為に戦ってくれてたでしょ」

 

「うん…」

 

由里「たった一回負けたくらいで、君は帝国華撃団を嫌いになっちゃうの?」

 

「嫌いになんてなるもんか!だってぼく、おっきくなったらていこくかげきだんに入るんだ!だから絶対に、嫌いになんてなるもんか!!」

 

「……」

 

男の子の言葉に、俺はこの言葉を今落ち込んでる連中に聞かせてやりたかった。

 

「お兄ちゃん…ていこくかげきだんは、また戦ってくれるよね!?」

 

「…」

 

「お兄ちゃん?」

 

「ああ。当たり前だ坊主。あいつらが…帝国華撃団がこの程度で諦める訳ねぇからな。絶対に諦めたりなんかしねぇ。俺や…坊主が信じてくれている限りな」

 

「うん!!ボク、皆に言って来る!ありがとうお兄ちゃん」

 

そう言い残して、子供は走っていった。

 

「フッ…いい顔になったじゃねぇか」

 

「「「……」」」

 

…し、しまった!!素の言葉で話しちまった!!

 

かすみ「あの…森川さん…」

 

「あ~…」

 

椿「その話し方は…」

 

由里「なになに!!なんでそんな話し方なんですか!!」

 

「お、落ち着け!ちゃんと説明するから」

 

俺達は取り合えずベンチに座り、俺の事を説明した。

 

「…っとまぁこれが事実だ」

 

かすみ「そうだったんですか」

 

椿「でも驚きました!急に話し方が変わったんで」

 

由里「でも酷いですよ!私達以外はもう全員知っていたなんて!!」

 

「まぁ、花組の連中が全身知ったのは、せがたさんと戦った時だけどな」

 

懐かしいな。せがたさん、今何をしてんだろうな…

 

「けど、裏方をしてる親方達以外の全員に知られたな」

 

由里「うぅ…いい面白話になると思ったのに~!」

 

「おいおい…」

 

いつまで悔しがってんだよ由里の奴は…ま、これからは基本普段の口調で話せるから楽っちゃ楽なんだけどな。

 

かすみ「さて、じゃあ森川さんの事はこれで分かったし、遊園地を楽しみましょう」

 

由里「そうね!」

 

椿「賛成です!!」

 

「異議なしだ」

 

そして俺達は色々な乗り物に乗り、花やしき遊園地を楽しんだ。

 

由里「あ~楽しい!」

 

椿「そうですね!」

 

「お前ら元気だな…」

 

これが若さか…いや、俺も充分若いけどよ…

 

椿「あれ?かすみさんは?」

 

由里「そういえば…」

 

どうやらかすみとはぐれたみたいだな。

 

「なら俺が探してくる。二人はベンチで待っててくれ」

 

「「分かりました」」

 

俺は二人と別れて、はぐれたかすみを探す。辺りを色々と見回っているとかすみを見つけた。どうやら男に絡まれてるみたいだ。

 

「やれやれ。この時代にもナンパってあるんだな」

 

俺は呆れながらかすみと男の側に向かった。

 

かすみ「すみませんが、連れを待たしていますので」

 

「大丈夫だって。だから俺と一緒に回ろうよ」

 

かすみ「ですから…」

 

「探したぞかすみ」

 

俺はナンパされてるかすみに話しかける。

 

かすみ「森川さん!」

 

俺を見たかすみは、笑顔で俺の側にやって来る。

 

「なんですお兄さん。俺はこれからお姉さんと一緒に遊園地を回るんだけど?」

 

かすみ「勝手に決めないで下さい!」

 

断るかすみを無視して、男はかすみの手を掴もうとする。だが悪いがそうはさせねぇ。

 

「嫌がってる女を無理矢理連れてくのが男のする事か?」

 

「なにすんだよ!離…イテテテテテ!!」

 

俺は掴んでる手に少し力を込める。

 

「離せ!離せってば!!」

 

「ならこれ以上かすみに付き纏うな!もし次目撃したら…分かってんだろうな?」

 

「は、はいいいいいいいいいい!!!!!!!」

 

男はそう言い残して俺達の前から走り去った。

 

かすみ「あの…ありがとうございます」

 

「気にするな。知り合いがあんなのに絡まれてて、無視する程俺は薄情じゃねぇよ。それに、俺があいつの立場なら、お前に声をかけるしな」

 

かすみ「///」

 

「さて、由里と椿が待ってるし戻るぞ」

 

かすみ「そ、そうですね///」

 

そして俺達は由里と椿がいるベンチに戻ったのだった。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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