あやめと別れた俺は、午後に一緒に出掛けるかすみ達と合流する。
椿「あ、森川さん!丁度良かったです」
「皆さんお待たせしました」
かすみ「いえ、私達も今来たばかりですので」
由里「それじゃあ行きましょうか」
そして俺はかすみ達に連れられ花やしき遊園地に来ている。
(遊園地か。昔もそうだがこういう場所はあまり行かなかったな。ま、一緒に行く彼女とかがいなかっただけなんだが…)
椿「ほらほら、森川さん!早くこっちに来てくださいよぉ!!」
「ああすみません」
かすみ「森川さんは花やしき遊園地は初めてですか?」
「そうですね。近くまでは来た事はありますけど、中に入ったのは初めてですね」
由里「でしたら、折角花やしき遊園地に来たんですから、楽しまなくっちゃ!!」
「そうですね」
由里「そうですよ!全部の乗り物に乗るんですから!!」
全部って…そんなに敷地はでかくはないが、それでも結構な数があるぞ!?
「おっと…」
すると男の子が俺にぶつかって来た。
「なんだよ!ていこくかげきだんは負けたりしないやい!!」
椿「どうしたの、ボク!?お友達とケンカしたの?」
椿がしゃがみ込み、ぶつかって来た男の子に話しかける。
「だって、あいつら…ていこくかげきだんが負けたって言うんだもん!新聞の号外に書いてたって…でも…そんなのウソに決まってるよ!!」
「……」
ここにもあいつらの事を信じてる子供はいる。嬉しい事じゃねぇか。
かすみ「ねぇ、ボク…この前の戦いで、帝国華撃団が負けちゃったのは本当の事よ」
「えっ…やっぱり…」
子供には厳しい現実だな。
かすみ「だけど、帝国華撃団の人達は絶対に諦めたりしないわ。もう一度戦ってくれる」
椿「ほら、帝国華撃団はいつでもあたし達の為に戦ってくれてたでしょ」
「うん…」
由里「たった一回負けたくらいで、君は帝国華撃団を嫌いになっちゃうの?」
「嫌いになんてなるもんか!だってぼく、おっきくなったらていこくかげきだんに入るんだ!だから絶対に、嫌いになんてなるもんか!!」
「……」
男の子の言葉に、俺はこの言葉を今落ち込んでる連中に聞かせてやりたかった。
「お兄ちゃん…ていこくかげきだんは、また戦ってくれるよね!?」
「…」
「お兄ちゃん?」
「ああ。当たり前だ坊主。あいつらが…帝国華撃団がこの程度で諦める訳ねぇからな。絶対に諦めたりなんかしねぇ。俺や…坊主が信じてくれている限りな」
「うん!!ボク、皆に言って来る!ありがとうお兄ちゃん」
そう言い残して、子供は走っていった。
「フッ…いい顔になったじゃねぇか」
「「「……」」」
…し、しまった!!素の言葉で話しちまった!!
かすみ「あの…森川さん…」
「あ~…」
椿「その話し方は…」
由里「なになに!!なんでそんな話し方なんですか!!」
「お、落ち着け!ちゃんと説明するから」
俺達は取り合えずベンチに座り、俺の事を説明した。
「…っとまぁこれが事実だ」
かすみ「そうだったんですか」
椿「でも驚きました!急に話し方が変わったんで」
由里「でも酷いですよ!私達以外はもう全員知っていたなんて!!」
「まぁ、花組の連中が全身知ったのは、せがたさんと戦った時だけどな」
懐かしいな。せがたさん、今何をしてんだろうな…
「けど、裏方をしてる親方達以外の全員に知られたな」
由里「うぅ…いい面白話になると思ったのに~!」
「おいおい…」
いつまで悔しがってんだよ由里の奴は…ま、これからは基本普段の口調で話せるから楽っちゃ楽なんだけどな。
かすみ「さて、じゃあ森川さんの事はこれで分かったし、遊園地を楽しみましょう」
由里「そうね!」
椿「賛成です!!」
「異議なしだ」
そして俺達は色々な乗り物に乗り、花やしき遊園地を楽しんだ。
由里「あ~楽しい!」
椿「そうですね!」
「お前ら元気だな…」
これが若さか…いや、俺も充分若いけどよ…
椿「あれ?かすみさんは?」
由里「そういえば…」
どうやらかすみとはぐれたみたいだな。
「なら俺が探してくる。二人はベンチで待っててくれ」
「「分かりました」」
俺は二人と別れて、はぐれたかすみを探す。辺りを色々と見回っているとかすみを見つけた。どうやら男に絡まれてるみたいだ。
「やれやれ。この時代にもナンパってあるんだな」
俺は呆れながらかすみと男の側に向かった。
かすみ「すみませんが、連れを待たしていますので」
「大丈夫だって。だから俺と一緒に回ろうよ」
かすみ「ですから…」
「探したぞかすみ」
俺はナンパされてるかすみに話しかける。
かすみ「森川さん!」
俺を見たかすみは、笑顔で俺の側にやって来る。
「なんですお兄さん。俺はこれからお姉さんと一緒に遊園地を回るんだけど?」
かすみ「勝手に決めないで下さい!」
断るかすみを無視して、男はかすみの手を掴もうとする。だが悪いがそうはさせねぇ。
「嫌がってる女を無理矢理連れてくのが男のする事か?」
「なにすんだよ!離…イテテテテテ!!」
俺は掴んでる手に少し力を込める。
「離せ!離せってば!!」
「ならこれ以上かすみに付き纏うな!もし次目撃したら…分かってんだろうな?」
「は、はいいいいいいいいいい!!!!!!!」
男はそう言い残して俺達の前から走り去った。
かすみ「あの…ありがとうございます」
「気にするな。知り合いがあんなのに絡まれてて、無視する程俺は薄情じゃねぇよ。それに、俺があいつの立場なら、お前に声をかけるしな」
かすみ「///」
「さて、由里と椿が待ってるし戻るぞ」
かすみ「そ、そうですね///」
そして俺達は由里と椿がいるベンチに戻ったのだった。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方