宣言が解除されて気が緩んでしまいました。
翌日、俺はまずあやめとの約束で出かける事になっている。
「で、何処にむかうつもりだ?」
あやめ「ふふふ…ヒ・ミ・ツ。たまには、私だって森川さんとお出掛けしたいのよ」
「まぁいいけどよ。けど、確かにあやめと二人っきりってのは初めてだな」
あやめ「でしょ?」
いつもはさくらやアイリスとかが一緒だしな。
あやめ「ん…あら?あそこにいる子供…どうかしたのかしら?」
あやめの視線の先には、ポストに手紙を入れようと必死な子供がいた。
あやめ「…ボク、どうしたの?お姉さんに手伝える事ある?」
子供「あ…あのね、おばちゃん。この手紙をポストに入れたいんだよ。でも高くてさ、中々入らないんだよね」
あちゃ~…子供は無邪気だから悪気はないのは分かってるが…
あやめ「そ、そう…ちょっと貸してもらえる?
「やれやれ…」
あやめ、おばちゃんと言われて怒るのは分かるが相手は子供だ。
子供「あ…はい。お、お姉ちゃん…これです」
ほら見ろ。お前の殺気で子供が怯えてるじゃねぇかよ。
あやめ「こ、これは…」
あやめは子供から受け取った手紙を見る。
あやめ「ボク…この手紙、本当にこの宛名で出すの?」
子供「うん!ていこくかげきだんに出すんだよ」
「そうか…」
子供「皆で応援の手紙を書いたんだ」
あやめ「そう…実はね、お姉ちゃん達帝国華撃団と知り合いなの。だから…お姉ちゃん達から渡しておいてあげるわ。それでも…いい?」
子供「ホントにいいの!?じゃあ、約束だよ!ちゃんと渡しといてね!!」
そう言い残し子供は言ってしまった。
あやめ「……」
「フッ…あいつらにいい土産が出来たじゃねぇか」
あやめ「そうね」
そして手紙にはこう書かれていた。【帝国かげき団、負けないで】
「随分と熱い励ましじゃねぇか」
あやめ「本当ね」
あやめは手紙を見て涙を浮かべる。
「あいつらにも言ったが、世間じゃどうこう言われてるが、こうやってまだお前達を励まし信頼してる連中もいるんだ。それを無下にするなよ」
あやめ「…はい!」
「その手紙は、帰って全員に見せてやりな。たった一言でもあいつらにとって励みになるだろうしな」
そして俺達はあやめが連れてきたかった店に入る。
「へ~、随分と雰囲気いいな」
あやめ「そうでしょ?この間偶々見つけたんです」
「落ち着いた雰囲気は好きだな」
俺達はそれぞれ注文した品を飲んでいる。
「あやめ、前から気になってたんだが…」
あやめ「はい?」
「いい加減敬語で話すのは止めろ。大神やさくら達に話してる感じで俺にも話しかけろ」
あやめ「でも…」
「言っちゃ悪いが、年齢はお前の方が上だ。それに、全て敬語で話してる訳じゃないんだからよ」
あやめ「…分かったわ。これでいいかしら?森川さん」
「さん付けは…まぁいいか。それで充分だ」
あやめ「あらそう?ウフフ…」
そこからは他愛ない話などをして、あやめとの時間を楽しんだ。なんだかんだでこうのんびりしたのは久しぶりだな。
「さて、そろそろあいつ等の所に行かないとな」
あやめ「そうね。確か花屋敷だったかしら?」
「ああ」
あやめ「……」
そう言うとあやめの表情が少し暗くなった。
「どうしたんだよ」
あやめ「…森川さん」
「ん?」
あやめ「私藤枝あやめは、貴方をお慕いしております」
「!!」
その言葉に流石の俺も驚いた。
「…本気で言ってるのか?」
あやめ「ええ。こんな事を簡単に言える程軽い女じゃないわよ?」
「そうか…」
さて、どう応えたもんかな。
あやめ「今は返事をしなくてもいいわ。貴方がさくらやマリア達から好意を受けてるのは知ってるもの」
「そうか」
あやめ「けど、貴方に気持ちは伝えたかったのよ」
「…今はまだ応えられねぇ。だが、さくらにも言ったが、この戦いが終わったら必ず返事をする。もしかしたら全員まとめて言うかもしれねぇがな」
あやめ「ふふっ。その時を待ってるわ」
「ああ。じゃあ俺は行くな」
あやめ「ええ。あの子達と楽しくね」
そして俺はあやめと別れ、三人娘が待ってる花屋敷へと向かったのだった。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方