太正?大正だろ?   作:シャト6

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今コロナで大変になっていますが、自宅待機されている方々に少しでも読んでもらえるように、頑張って投稿していきたいと思っています。

とはいえ、こちらもあまり無理は出来ないのでなるべく頑張りたいと思います(笑)

皆様も、自粛で大変とは思いますが、頑張って協力し合ってこの危機を乗り越えて、また以前の様な日々を送りましょう!


第五十九話

降魔との戦いで、さくら達花組のテンションが下がってる。ま、無理もないがな。あんな奴がいてその上光武までお釈迦になったらな。

 

「取り敢えず、あいつ等の様子を見に行くか」

 

おっさんにも頼まれたしな。

 

米田『森川。悪いがカンナを除いた花組の連中の様子を見てやってくれねぇか。ああ。アイツ等は今はお前といる方がいいはずだ。カンナ?そっちは大神に任せておけ。頼んだぞ』

 

「さて…どうするかな」

 

俺は適当に帝劇を歩いてると、衣装部屋から音が聞こえた。

 

「ん?誰かいるのか?誰かいるんですか?」

 

俺はそう言いながら中に入る。するとさくらがいた。

 

さくら「森川さん…」

 

「さくらだったか。どうした?」

 

さくら「はい…何かしていないと不安で…衣裳のお直しをしていれば、何も考えなくてすみますから…」

 

「さくら…」

 

やっぱだいぶ参ってるな…

 

さくら「ほら…もうこんなにもお直しがすんだんですよ…」

 

ここは少し厳しいが、ガツンと言うしかないな。

 

「…いつまで塞ぎ込んでんだ」

 

さくら「えっ?」

 

「光武が壊れた程度で、お前はいつまで塞ぎ込んでんだって言ったんだよ」

 

さくら「も、森川さん…」

 

「いいか。お前らは負けてない。神宮の戦いも、多くの人を救った。光武が壊れた程度で、もう戦えないのか?だったら帝国華撃団なんか辞めて家に帰りな」

 

さくら「そんな…」

 

俺はショックを受けるさくらを残し、衣裳部屋を出ていく。最後にこう言い残す。

 

「新聞にはああ書かれていたが、それでもお前達帝国華撃団を信じてる連中は大勢いるんだ。感謝している連中もな。お前はそいつらの事も忘れてんのか?俺が言いたいのはそれだけだ」

 

そして俺は部屋を出ていった。

 

「少し言い過ぎたが、あれで持ち直せばいいんだが…」

 

ったく、柄にもない事をやったな。さて、今度は地下に行ってみるか。地下に下り歩いてると、作戦指令室から気配を感じた。

 

「この気配は…マリアの奴か」

 

行ってみると案の定マリアがいた。

 

マリア「……」

 

「マリアか」

 

マリア「森川さん」

 

「お前の事だ。今回の敵の事を調べてたんだろ?」

 

マリア「はい。…あれが敵。相手にとって…不足はありませんね。心の奥から…恐怖を超える…何かが…来ているんです。昔…味わった…生と死の狭間に漂う、極限の快感の様なものが…」

 

「……」

 

マリア「心がざわめくんです。生と死の極限で生きていたあの頃の私が…心を支配するんです。もう嫌なのに…あんな戦い方は…二度としたくないのに…」

 

「で、お前は俺に何を求めてるんだ?」

 

マリア「えっ?」

 

俺の言葉に、マリアは驚いていた。

 

「お前は敵に負けた事で、昔の自分を出して言い訳しているだけだろ。それとも、俺や他の連中に同情を売ってるつもりなのか?」

 

マリア「そんな…つもりは」

 

「お前にそんなつもりがなくても、俺からしたらお涙頂戴って風にしか聞こえなかったが?」

 

マリア「……」

 

「さっきさくらの奴にも言ったが、お前らは一度負けただけでもう駄目なのか?そんなんなら悪いがさっさと花組を辞めて国に帰るんだな」

 

マリア「……」

 

俺の言葉にやっぱりマリアも何も言わない。

 

「さくらといいお前といい、一度負けたくらいでへこたれやがって!確かに光武は壊れたが、それでもお前達花組は全員無事なんだ。なら、何度でもチャンスはあるだろうが!」

 

ったく、一回負けたくらいで…

 

「じゃあな」

 

俺はマリアを残して作戦指令室を後にする。

 

「言っとくがな、新聞なんかでとやかく書かれてても、それでもお前達を信用している人もいるんだ。その事をよく考えるんだな」

 

マリア「!!」

 

やれやれ。こうまで言ってようやく気が付くか。

 

「次はすみれか」

 

俺はすみれを探して再び劇場内を探索する。するとすみれは食堂に下り、誰かと話していた。

 

「…それでは、これで失礼します」

 

すみれ「あら、森川さん。どうかしたんですの?」

 

「誰だ今の奴?」

 

すみれ「なんでもありませんわ。ちょっと、海外の劇団にスカウトされただけですから」

 

「ほ~スカウトか」

 

ま、すみれの実力ならない話じゃないからな。

 

すみれ「ええ。政府の人間を寄越すぐらいですから、先方は本気なのでしょうけど」

 

政府関係者か。となると、海外に華撃団を作るって感じか?

 

「いい話じゃねぇか」

 

すみれ「へ…?」

 

「海外の劇団からのスカウトなんだろ?更に成長する機会じゃねぇのか?」

 

すみれ「な…なんだかムカついてきましたわね」

 

「まぁ寂しくはなるが、他の連中も応援してくれるだろうよ」

 

ま、すみれに奴が行くとは思えないがな。

 

すみれ「…絶対に海外の劇団になんて行ってやりませんわ!!ずっと帝劇にいてやりますわ!!!これでよろしくて!全く…森川さんはどこまで本気なんだか」

 

「ま、お前が元々行く気がないのは分かってたからな」

 

すみれ「森川さんって…本当にイジワルですわね」

 

「お前が今現在の状況でなくても、帝劇を出て行くとは全く思ってないからな」

 

すみれ「もう…それでは、わたくしは部屋に戻りますわ」

 

「ああ。今日は色々ありすぎたからな。ゆっくりと休めよ」

 

すみれ「…ちなみに、スカウトの話は丁重にお断りしてありますから。では、おやすみなさいませ」

 

そう言い残して、すみれは自分の部屋に戻っていった。

 

「んなのわざわざ言わなくても分かってるっての」

 

そう言いながらも、俺は笑いながら他の連中の場所に向かった。さて、残りの連中も話していくか。そして俺は紅蘭、アイリスと話していく。正直言って、すみれや紅蘭、アイリスは既に次の戦いの事を考えており前に向いていた。

 

「特にアイリスが今回の中では一番大人だったな」

 

アイリスは、何故皆悲しんでいるか不思議に思っていた。負けたからと説明すると『アイリス達、まだ生きてるよ?』と言った。ホントその通りだよな。

 

「さて、カンナ以外の連中とは話が済んだし、そろそろ帰るか」

 

「あ、森川さん!」

 

するとかすみ、由里、椿の風組の連中がやって来た。

 

「皆さん、まだ残られていたんですか?」

 

かすみ「はい。米田支配人から、森川さんがカンナさんを除いた皆さんに話をしているとお聞きして」

 

由里「それで、私達にも何かできないかなと考えたんです」

 

「ありがとうございます」

 

椿「それで森川さん、明日…時間作ってもらえます?」

 

「明日ですか?」

 

明日か…特に予定はないが…

 

「まだはっきりとはお答えできませんが、できる限りお時間を作りますので」

 

かすみ「お願いします。それでは私達も帰りますので」

 

「はい。おやすみなさい」

 

「「「おやすみなさい」」」

 

そして三人娘達は帰っていった。

 

「明日時間を作ってくれか。何をする気だ?」

 

「森川さん。まだいたんですか」

 

今度はあやめが声をかけてきた。

 

「あやめか。まぁな」

 

あやめ「今日は本当にありがとうございました」

 

「気にするな。何人かはきつく言ってしまったがな」

 

あやめ「それでも、その娘達にはしっかりと伝わっているはずです」

 

「だといいがな」

 

あやめ「ところで森川さん、明日お暇ですか?」

 

「明日か?さっき三人娘の連中にも同じ事を聞かれたな」

 

あやめ「…そう」

 

あれ?なんか急に雰囲気が変わった気が…

 

あやめ「もしよければ、明日一緒に出掛けませんか?」

 

「お前もか」

 

あやめ「ええ。どうかしら?」

 

「ん~…あいつらの約束も破る訳にはいかないしな…」

 

さてさて、どうしたもんかな…

 

「もしお前がいいなら、午前中にできないか?」

 

あやめ「午前中ですか?」

 

「ああ。アイツらとは午後二時頃に連絡すればいいだろう。それまでならお前に付き合えるぞ」

 

あやめ「そうね…分かったわ。それでいきましょう」

 

「なら明日俺の店に来てくれ」

 

あやめ「ええ。それじゃあ明日」

 

「じゃあな。おやすみ」

 

あやめ「おやすみなさい」

 

そしてあやめは自分の部屋に戻り、俺もおっさんに挨拶して自分の家に戻った。さて、明日は休みにしてあやめと三人娘の相手をするか。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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