太正?大正だろ?   作:シャト6

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第五十八話

「久しいな…帝国華撃団」

 

「テメェは…」

 

鳥居の上にいたのは葵叉丹だった。やっぱ生きてたか。

 

さくら「あなたは…」

 

葵叉丹「我が名は…葵叉丹!!」

 

マリア「黒之巣会…まだ生き残っていたのね!」

 

「皆!!」

 

すると大神とカンナが合流する。

 

葵叉丹「黒之巣会?バカバカしい…天海如きでは、あの程度が限界さ。所詮、徳川に飼われていた坊主!」

 

大神「なに!?」

 

葵叉丹「だが、この葵叉丹は違うぞ!容赦などせぬ!貴様らみたいに、女に現を抜かしているようなくだらん男共に…私を止める事は無理だ」

 

カッチーン…今の言葉にカチンときたぞ。

 

大神「なんだと!」

 

「テメェ…」

 

葵叉丹「この帝都を根こそぎ破壊し、人間共を恐怖のどん底へ突き落してやる!」

 

大神「貴様の目的はなんだ!!」

 

大神が叉丹と話している間に、俺は秘密道具のどこでもドアを出して、あやめを帝劇に帰す。大神達の光武を持って来てもらう為だ。

 

葵叉丹「目的?くくくくく…ハハハハハハハ!!!!」

 

「何馬鹿みたいに笑ってんだよ」

 

葵叉丹「俺は、人間共が幸せな顔をしているのが嫌いなのさ」

 

うわ~…自分が中心じゃなきゃ嫌だ見たいな自己中心的な奴だな。呆れるぜ…

 

葵叉丹「苦しみ、恐怖して泣き叫ぶ姿が、俺には堪らなく嬉しいんだ」

 

「それが嬉しいって…小さいなお前」

 

葵叉丹「なんだと?」

 

俺は葵叉丹を挑発する。

 

「だってよ、お前がしてる事って、子供のわがままみたいなもんだろうが」

 

さくら「も、森川さん!!」

 

「今あやめの奴にお前らの光武を取りに行かせた。俺が時間稼ぎしてる間に、お前らは光武に乗り込め」

 

大神「!?分かりました」

 

そして大神達は、少しずつ叉丹から離れていく。

 

葵叉丹「貴様…よりにもよって私が子供の我がままだと…」

 

「だってそうだろうが。人の幸せな顔が嫌いって…好き嫌いするガキだろうが」

 

葵叉丹「フ…フフフフ…ここまでコケにされたのは初めてだ…貴様、楽に死ねると思うなよ」

 

「さて…それはどっちかな!!」

 

俺はマッスルフォームになる。

 

葵叉丹「その姿!?」

 

「お前には見せたよな?さて、戦うかい?」

 

葵叉丹「クッ…」

 

『そこまでだ!』

 

葵叉丹「なに!」

 

『帝国華撃団、参上!!』

 

葵叉丹「い、いつの間に!?」

 

「気づかなかったのか?お前が俺に集中してる間に、あいつ等を逃したのを」

 

葵叉丹「お、おのれぇ!!」

 

大神『そこまでだ葵叉丹!光武があれば戦える!俺達がいる限り…帝都を好きにはさせないぞ!!』

 

どうやら、大神達は光武に乗り込めたみたいだな。

 

「ハハハハハハハ!!虫けらにしては威勢がいいな!我が名は猪!三騎士の1人だ!また会おう!最も、貴様らが生きていればの話だがな!!」

 

猪はそう言い残し、鳥居から消えた。

 

「俺の名は鹿。三騎士の1人だ。もしも生き延びる事が出来たら、次は俺が相手をしてやる!」

 

鹿もそんな台詞を残して消える。

 

「アタシは三騎士の1人、蝶。このアタシに会えるなんて、幸せな奴らね。オホホホホホ。死ぬ前にアタシに会えた事を神に感謝するのね」

 

そして三騎士最後の蝶も消えた。ってか、最後の奴オカマかよ…

 

大神『叉丹、降りてこい!上野公園での決着をつけてやる!!』

 

叉丹「貴様ら如き、私が手を下すまでも無い。こやつらが、充分なもてなしをしてくれるだろう。では、失礼…」

 

そして葵叉丹も消え、入れ替わりで降魔が降りてきた。

 

「さて、ここは大神達に任せてっと」

 

俺は付近に叉丹達がいないか、神社の周辺を確認しに行く。

 

「…やっぱいないか。そりゃそうだよな」

 

俺は諦めて大神達の所に戻る。戻ると、降魔との戦いでボロボロになった光武があった。

 

マリア「光武が壊れてしまったわね…」

 

カンナ「ああ…長い付き合いだったけど、もうこいつは使えないな」

 

紅蘭「クスン…機体も武装もとうに限界超えとったのに。この子達はホンマよう働いたで。なあ……ゆっくり、おやすみ。ウチの「光武」…」

 

「随分と派手にやられたな」

 

さくら「森川さん…」

 

「こいつらは、大帝国劇場ができた時から、ずっとお前達と共に戦ってきた。紅蘭の言う通り、今までご苦労だったな。これは、せめてもの花向けだ。復元光線…」

 

俺は復元光線を出し、ボロボロだった光武に当てる。

 

大神「光武が…」

 

「あくまで復元しただけだ。もうこいつで戦うのは無理だろうが、せめて綺麗に送ってやらないとな」

 

紅蘭「おおきにな…森川はん」

 

すみれ「…それにしても、あの化け物の攻撃で装甲がボロボロですわ。一体、何なんですの?」

 

大神「もし、あんな化け物がまた出てきたら…」

 

そして俺達は劇場に戻るのだった。翌日、俺はおっさんとあやめ、大神と支配人室にいる。当然昨日の件での話だ。

 

米田「…みっともねぇ記事を書かれやがって。このスカポンタン!」

 

大神「う…」

 

おっさんは昨日の事が書かれた新聞を見て大神にそう言う。

 

「何々…【新たなる敵出現す。明治神宮大混乱。明治神宮に異形な怪物が出現。帝国華撃団・花組、大苦戦。初詣で賑わう明治神宮に異形の化物が出現し、辺りは一時騒然たる様相を呈す。帝国華撃団・花組が出撃。之を撃退せしも被害甚大。霊子甲冑・光部、損傷か?新たなる魔物の出現に帝都市民は衝撃も隠し切れぬ様子である】ねぇ…」

 

大神「…言葉もありません」

 

米田「全くよ…虎の子の霊子甲冑を全機失って帰ってくるとは…」

 

大神「面目ありません…」

 

米田「いいか、大神!帝都の市民は、黒之巣会に続く新たな驚異に怯えている…み〜んな家に隠れて出てきやしねぇから、帝都の経済もガタガタよ」

 

「確かにな。正月にこの状態じゃ、帝都経済は落ち込むだろうよ。俺の店ももし開けてたら、閑古鳥が鳴いてたな…」

 

外を見ても、誰一人外を歩いていない。

 

米田「俺ァ、その事で昨日から政府のお偉いさん方に嫌味を言われっぱなしだぜ。胃がキリキリ痛んでしょうがねぇや」

 

大神「それは…お酒の「胃が痛いのは酒の飲みすぎだろ?」」

 

俺は大神が言いそうな事を変わりに言う。

 

米田「お前なぁ…」

 

「おっさんがその程度で胃痛になる筈ねぇしな。単に酒の飲み過ぎだ。この機会に禁酒でもしたらどうだ?」

 

米田「ほっとけ!…いいか、大神!黒之巣会を倒したからって、平和ボケしてんじゃねぇぞ!これ以上醜態を晒すようなら、お前は専業モギリに降格だ!」

 

大神「せ…専業モギリ!?」

 

米田「そいつが嫌だったら、とっとと化け物相手の対策でも考えてきやがれ!!」

 

大神「は、はい!失礼します!」

 

そして大神は出ていった。

 

あやめ「うふふふ…長官、少し脅かし過ぎじゃないですか?」

 

「いや、おっさんの場合本気で言ってそうだな」

 

米田「正月ボケで腐りきった頭にゃ、丁度いいんだよ。それに…治にいて乱を忘れず。平和な時にも油断しねぇこった…」

 

あやめ「先の黒之巣会との戦い…つめが甘すぎましたね」

 

米田「葵叉丹…天海の奴より、厄介かも知れねぇな…」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降魔「ギシャァ!」

 

叉丹「いよいよ…お前達が地上に上がる時が来た…この世に生きる全ての命を奪うがいい…全ての血肉を食らうがいい…だが、その為には邪魔者を葬らなければならぬ…素晴らしい敵が…お前達を待っているぞ…」

 

降魔「ギシャァ!」

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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