太正?大正だろ?   作:シャト6

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第五十七話

さくら達と初詣に来ている俺は、帝都で一番でかい神社に来ている。

 

さくら「うわぁ〜!凄い人ですね」

 

「だろうな。正月だし、この神社は帝都で1番デカイ場所だ。これくらいの参拝客はいるだろうよ」

 

すみれ「全く…相変わらず田舎臭いですわね」

 

さくら「ムッ…」

 

「正月で神社まで来て喧嘩するなよ」

 

マリア「そうよ二人とも」

 

やれやれ。さて、取り敢えずお参りだが、何を願うか…

 

(俺は既に1度神様に会ってるんだよな…)

 

アイツにお願いかよ。ま、店の繁盛と健康長寿に、さくら達帝国華撃団の安全を願っとくか。

 

紅蘭「ようやくウチらの番やな」

 

紅蘭に言われ、俺達はようやく賽銭前に到着する。

 

(金額か…全員分だし千円でいいだろ)

 

因みに金額はこの時代の千円ではなく、俺の時代の千円の価値だ。それでも奮発してると思うがな。

 

(店の繁盛に健康長寿。それと、さくら達全員が安全に生きられますように)

 

『その願い叶えたわよ!』

 

「!?」

 

俺は聞こえてきた声に、思わず辺りをキョロキョロする。

 

(あの声…あいつの声だよな?)

 

さくら「森川さん?」

 

するとさくらが俺に声をかけてきた。

 

さくら「何かあったんですか?」

 

「あ、いや…なんでもない」

 

あやめ「急に辺りをキョロキョロし始めたから驚いたわ」

 

紅蘭「知り合いでもおったんかいな?」

 

「ああ。それに近いな。ま、見付からなかったがな」

 

誰が神の声を聞いたって言って信じるんだよ。

 

マリア「さぁ、お参りも済ませたし、少し辺りを見回りましょう」

 

アイリス「わ〜い♪」

 

紅蘭「行く前におみくじ引かんとな」

 

さくら「そうですね」

 

俺達は出店に行く前におみくじを引く。

 

さくら「皆さん引きましたか?」

 

マリア「ええ」

 

それぞれ中身を確認する。しかし、おみくじには何も書いていない。

 

アイリス「何も書いてないよ?」

 

紅蘭「ホンマやな」

 

すみれ「不良品かしら?」

 

あやめ「フフッ、これはね、水につけると文字が浮き上がる仕組みよ」

 

そして全員のおみくじを水につけると、徐々に文字が浮かび上がる。

 

さくら「出ましたね。私は…末吉です…」

 

マリア「私は中吉ね」

 

すみれ「小吉…まぁまぁですわね」

 

アイリス「わ〜い!アイリス大吉〜!」

 

あやめ「私はマリアと一緒で中吉ね」

 

紅蘭「そらないわ〜。ウチ凶やわ」

 

それぞれがおみくじの運を言う。さて俺は…おい

 

さくら「森川さんのおみくじは…」

 

『……』

 

俺のおみくじを見た瞬間、全員が黙ってしまった。そりゃそうだろな…こんな文字を見たらよ。

 

「なんだよ…最凶って」

 

おみくじはそう書かれていた。いや、大凶とかは聞いた事あるが…最凶って。せめて最強の方がまだいいわ。

 

紅蘭「ま〜…ある意味森川はんには合ってる気が…」

 

すみれ「字は違いますけど…」

 

さくら「間違ってはいない気が…」

 

マリア「そうね」

 

あやめ「確かに森川さんは…」

 

アイリス「大輔お兄ちゃんは強いよ!」

 

(アイリス…お前だけだ。素直にそう言ってくれるのは…)

 

俺は嬉しくなり、アイリスを肩車してやるのだった。

 

アイリス「うわ〜!高い高〜い!」

 

うんうん!子供は笑顔が1番だ!

 

さくら「そ、それじゃあ縁日に行きましょうか」

 

すみれ「そ、そうですわね」

 

紅蘭「せやな!」

 

さくら達は、これ以上このおみくじに触れない様に、俺を連れて縁日に行くのだった。別にそこまで気を使わなくてもよ…

 

アイリス「うわ〜!お店がいっぱいだ!」

 

紅蘭「ホンマやな。ぎょ〜さんあるで」

 

「取り敢えずどこ行くか」

 

マリア「森川さん。射的はどうですか?」

 

「射的か。いいな」

 

マリア「フフッ。必要ないかも知れませんが、銃の扱いをお教えしますよ♪」

 

「よく言うよ」

 

俺達はまず射的をすることにした。

 

アイリス「あ〜ん当たらないよ〜」

 

さくら「これは難しいですね」

 

あやめ「そうね」

 

マリア「…上手くいきませんね。銃身が歪んでるのかしら?エンフィールドなら簡単なのに」

 

「射的と射撃は違うからな。そもそも銃の重さが違うだろ?景品の上の方を狙って、沢山玉を当てるのが倒すコツだ」

 

マリア「上の方ですか…」

 

俺のアドバイスに、マリアは景品の少し上を狙うが当たらない。

 

マリア「ふぅ…駄目でした。すみませんが森川さん、お手本をお願いします」

 

「手本かよ。上手く行くか分からないぞ」

 

アイリス「大輔お兄ちゃん!アイリスあのパンダのヌイグルミが欲しい!」

 

あれか。なら、いっちょ狙ってみるか。まずは少し上を狙って…よし。このまま同じ箇所を狙えば…ゲットだ!

 

「やるねぇ兄ちゃん」

 

「ええ。ほらアイリス」

 

アイリス「うわ〜い!ありがとう大輔お兄ちゃん」

 

アイリスは嬉しそうにパンダのヌイグルミを抱きしめる。あんだけ喜ぶならあげたかいがあるな。

 

さくら「よかったわねアイリス」

 

一方マリアは、相変わらず景品に玉が当たっていない。

 

マリア「…どうして当たらないの?理論的には間違っていないはずなのに」

 

「ほら。もっと腕を伸ばして景品に近づけ。でないと当たらないぞ」

 

俺は後ろからマリアの腕を持つ。

 

マリア「は、はい…ですが…」

 

「普段通りにやればいいんだよ」

 

マリア「あ、あの…森川さんの息が…首筋に…それで…」

 

「あ、悪い」

 

仕方ない。マリアが撃つまで息止めるか。

 

マリア「……」

 

早くしてくれ…

 

マリア「風向…南南西…微風」

 

ま、まだか…

 

マリア「銃身のズレ…右に二度」

 

も…もう無理…

 

「ぶはぁっ!」

 

マリア「キャッ!」

 

俺が息を吐いた衝撃で、マリアは撃ってしまい外れた。

 

「わ、悪い…」

 

マリア「い、いえ…いいんです」

 

「けどマリア。真剣になるのはいいが長すぎだ」

 

マリア「す、すみません。けど、こうして森川さんと一緒に入れて楽しいです」

 

「そ、そうか…」

 

照れる事を言うなの。

 

さくら「え〜…ゴホン!」

 

「「!?」」

 

さくらの咳払いで、俺とマリアは離れる。

 

すみれ「随分楽しそうですわね…森川さん」

 

アイリス「大輔お兄ちゃん」

 

紅蘭「なんや、ウチらの事忘れられてた気分やわ」

 

あやめ「本当にね」

 

マリア「な、何言ってるの」

 

「忘れる訳ねぇだろうが」

 

さくら「本当ですか?」

 

ジト目でさくら達が見てくる。いや…そんな顔すんなよ。

 

『!!』

 

その時、俺達は気配を感じる。こいつは…

 

「久しいな…帝国華撃団」

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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