直仁が戻り1ヶ月。年も変わり世間は正月。俺も年末年始は店を閉め、花屋の仕事もなくのんびり過ごしている。年明けの今日は、帝劇に挨拶に行く。もちろん、お節やアイリスにやるお年玉を持って。
「さて、おせちもできたし行くか」
作ったおせちを持って出発する。
「ちょっと気合を入れ過ぎたか?」
おせちは5段重ねが2つ。張り切り過ぎた…
「ま、カンナの奴がいるし、余る事はないだろ」
外に出て戸締まりをして向かう。
「うぅっ!さっむ!」
今日はいつも以上に冷えるな。さっさと行かないと、せっかく作ったおせちが冷めちまう。そして劇場に到着するとさくらとアイリスが出迎えてくれた。
さくら「森川さん、新年明けましておめでとうございます」
アイリス「大輔お兄ちゃん、明けましておめでとう!」
「ああ。さくらもアイリスも明けましておめでとう。アイリス、早いがお年玉だ」
俺はアイリスにお年玉を渡す。
アイリス「わ~い!ありがとう大輔お兄ちゃん!!」
「無駄遣いするなよ」
アイリス「うん!」
さくら「フフッ、アイリスったら」
「ま、年に1回の事だ。それに、あれは子供の特権だしな」
さくら「そうですね。皆さん楽屋で待ってますよ」
「ああ。一応俺からおせちの差し入れだ」
さくら「わぁ!ありがとうございます」
そして俺とさくら、アイリスは楽屋に向かった。中に入ると既におっさん達が揃っていた。
米田「よぅ森川」
「新年早々変わらねえなあんたは。明けましておめでとう」
米田「おう。おめでとさん。今年もよろしく頼むぜ。色々とな」
あやめ「明けましておめでとう」
「ああ。おめでとう。あやめは普段から着物だから変わらんな」
あやめ「フフフ」
さくら「皆さん、森川さんからおせちの差し入れですよ」
カンナ「おお!」
紅蘭「森川はんおおきに」
さくら「森川さん、昨年中は色々とお世話になりました。今年もよろしくお願いします!」
すみれ「あら…さくらさん、珍しく礼儀にかなったご挨拶ですこと」
さくら「ありがとうございます。今年こそ、すみれさんのようなレディになれるよう頑張ります」
今年もお前らは変わりなさそうだな。ってかすみれ、なんだお前のその頭…
すみれ「あ~ら、オホホホホ……あなた随分センスがおよろしくなったわ!ま、わたくしに見習って、社交界にデビューできるよう精進することね」
やれやれ…
すみれ「ところで森川さん。どうかしらこの服?やはりちょっと、地味かしら?」
地味って…普段以上に派手だろ。
「ああ…いいんじゃねぇか?すみれらしくて」
すみれ「うふ…本当でしたら、京都から特別に取り寄せた西陣織で仕立てた…超高級なお振り袖をご披露するはずでしたのに。残念ですわ…」
紅蘭「はいはい。相変わらずよう似合うてはるで。すみれはん」
すみれ「あら…随分トゲのある言い方ですこと」
ま、紅蘭の気持ちも分かるがな。というか分かりすぎる…
マリア「隊長、森川さん…今年もよろしくお願いします」
大神「やあマリア。今年もよろしく頼むよ」
「ああ。今年もよろしくな」
紅蘭「よろしゅう。中国の正月はまだ先やさかい、おめでとうは早いねんけどな」
「確かにな。中国の正月は1月25日からだったよな」
紅蘭「せや。流石森川はん。よう知ってるわ」
そこからは賑やかに話をしながら楽しんだ。
米田「一応言っとくが、三が日は出撃以外は休みだからな」
『は~い』
そして解散しそれぞれ部屋に帰っていく。
「しかし、平和に正月を過ごせるのはいいもんだな」
米田「だな。お前さんやあいつらが頑張ってくれたおかげだ」
「ほぼあいつらだろ」
俺とおっさんは、お屠蘇を飲みながらそんな話をする。すると、楽屋に大神とカンナを除いた全員がやって来た。
さくら「森川さん、よければ今から皆さんと一緒に初詣に行きませんか?」
「初詣か。いいな」
米田「おう、行ってこい行ってこい。相変わらずモテるなお前は」
「茶化すな」
こうして俺達は、神社に初詣をしに出発した。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方