太正?大正だろ?   作:シャト6

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第五十五話

特別講演も終わり、今日も平和な日が続いている。直仁の奴は相変わらず花組連中に鍛えられている。

 

「へ~。直仁の奴に、さくらとカンナの技を見せたのか」

 

さくら「はい。私が渡したサボテンにお花を咲かせたのでお礼として」

 

俺はさくらから直仁について聞いていた。相変わらず見取りをしてメキメキ頭角を現してるみたいだ。

 

すると、突然警報が響き渡る。

 

「これは!?」

 

さくら「森川さん、あたし行ってきます!!」

 

そしてさくらは行ってしまう。さて、その間俺はどうするか…

 

「取り合えず、外で煙草吸うか」

 

俺は表に出て煙草を吸う。アイツらが出撃しても、ここら一帯は特に変わりない。となると、別の場所か。するとまた警報が鳴る。今度はどこだ?警報が鳴ってる間に周りの人は徐々にどこかに行く。

 

「おいおい…まさか…」

 

物凄く嫌な予感がするんだけど…

 

「ああ…やっぱり」

 

すると向こうから暴走してるであろう光武が、劇場目掛けてやって来た。

 

「ったく。大神達は何してんだよ」

 

俺は煙草の火を消して、こっちに来る光武の前に立つ。大神達が来るまで時間稼ぎするか。

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン!ガシャン!!

 

 

 

 

 

 

すると後ろから別の光武がやって来る。見ると、さくらの機体に似ている。

 

「おいおい…もう一機かよ」

 

すると、劇場からあやめが出てくる。

 

あやめ「森川さん!その機体には直仁君が乗ってるわ!」

 

「なるほど。となると、相手をするのは向こうの奴だけか。直仁!聞こえてるな!二人で大神達が来るまで粘るぞ!!」

 

あやめ「これを受け取って耳に付けて!紅蘭が開発した通信機よ!これで直仁君だけだけど声が聞こえるはずよ!!」

 

(おいおい。紅蘭が開発したって大丈夫か?爆発しないよな?やだぞ、耳吹っ飛ぶの)

 

俺は恐る恐る耳に付ける。するとそこから直仁の声が聞こえた。

 

「聞こえるか直仁」

 

直仁『はい!ですが、森川さん…口調が』

 

「今はそんな事はどうでもいいんだよ!来るぞ!!」

 

直仁『はい!来るなら来い!!訓練の成果を見せてやる!』

 

そして俺と直仁との戦いが始まる。まずは直仁が光武に近づくが、向こうの光武は逃げる。

 

「逃げてんじゃねぇよ!!」

 

俺は背後に回り後ろから光武を蹴り飛ばす。

 

「直仁!」

 

直仁『はい!』

 

俺の合図に直仁が攻撃する。それからも俺と直仁が交互に攻撃し、光武も徐々に動きが鈍っていく。

 

「これで終わらす!」

 

直仁『はい!』

 

俺は息を整え、直仁は刀を居合いの構えをする。だが、普通の居合ではなく逆居合いだ。

 

(あの構えって…俺が前世で観た座頭市の構えじゃねぇか!?)

 

まさかこの世界でその構えを見るとは思わなかったな。

 

直仁『破邪…剣征…』

 

「スウウウウウウ……」

 

直仁『桜花…』

 

「ボイス…」

 

直仁『放神!!!!!!!』

 

「ミサイルぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

俺と直仁の必殺技が放たれ、互いの技が合わさり光武に命中した。そして無事に光武は破壊されことは収まった。そしてその2分後、ようやく大神達が到着した。

 

大神「2人とも、大丈夫か!!」

 

さくら「森川さん!直仁さん!!」

 

直仁「大神さん、さくらさん」

 

「ったく、遅いぞお前ら」

 

大神「森川さん!?」

 

大神は俺の口調に驚く。

 

「別にいいんだよ。ここには風組の連中はいないし、直仁の奴には、戦いの時にもうバレてるしな」

 

すみれ「森川さん、あまり隠す気ないのですか?」

 

「ほぼな。お前ら花組全員にもバレてるし、風組の連中にバレるのも時間の問題だろうよ。特に、由里の奴が探りそうだしな」

 

『あはは…』

 

俺の言葉に誰一人由里のフォローをする奴はいなかった。そしてそれからは平和な日々が過ぎて行き、直仁が花組にいる最終日になった。さくらから言われ、直仁のお別れパーティーをするからと言われ、早めに行き俺が全て料理を作る事にした。

 

「おし!完成!!」

 

マリア「相変わらずお見事な腕前ですね」

 

さくら「そうですね」

 

「ほら、さっさと楽屋に運ぶぞ」

 

俺達は作った料理を楽屋に運び、直仁の送別会が始まった。

 

大神「直仁君。1ヶ月よく頑張ったね。お疲れ様。君の頑張りには俺も見習うべきものがあったよ。直仁君」

 

米田「お前がこの後どういう身の振り方をするか知らねぇが、いつでも力になるぜ。何だったらこのまま帝劇で働くか?」

 

あやめ「貴方には貴方の進むべき道があるわ…ここで得たものは、きっとその道でも何かの力になるから頑張って」

 

さくら「これで、お別れなんですね…」

 

すみれ「あら、さくらさん。これで永遠の分かれという訳ではありませんわ」

 

マリア「帝都を守るという志の下にきっと、また会える日がくるはずよ」

 

カンナ「同じ空の下。会いたくなったらどっちからでも会いに行けばいいのさ」

 

紅蘭「そや。だから“さよなら”を言うのはやめや」

 

アイリス「うん。また会うんだもんね」

 

「ええ。皆さんの言う通りです」

 

さくら「そうですね。じゃあ“さよなら”は言いません…また会いましょう!」

 

さくらは明るく直仁にそう言うのだった。そして翌日、直仁は帝劇を去っていった。

 

「んで、お前らは朝っぱらから集まって何してんだよ」

 

米田「ああ。こいつさ」

 

おっさんは1枚の紙を俺に渡す。

 

「何々…狛江梨直仁を海軍に推薦する。帝国陸軍中将米田一基。そしてあやめと大神のサインか」

 

米田「ああ。あいつならこれくらいしても、向こうで充分やっていけるはずだ」

 

「たしかにな。まさか、大神を含めた全員の型や技を全て見取っていくとは思わなかったがな」

 

大神「ええ。自分の技も見事に見取られましたよ」

 

あやめ「フフッ」

 

米田「ま、これからのアイツに期待だな」

 

やれやれ。これからアイツがこれからどうなるか、行く末を見守らせてもらうぞ。狛江梨直仁…

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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