太正?大正だろ?   作:シャト6

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第五十三話

黒之巣会が攻めてきて、佃島の現状報告をされる。

 

米田「一昨年より、制圧を続けてきた奴らが遂に動き出した。狙いは佃島。帝都の喉元に当たるこの場所に、自分達の前線基地を作るつもりだろう。翔鯨丸と轟雷号はまだ使えん。代わりに陸軍輸送大隊が現地に光武を搬送する。帝国華撃団・花組は現地にて合流。以下奴らを殲滅するものとする。尚、初めての大規模な実践の為私も現地に合流する。各自、日頃の訓練の成果を存分に発揮してくれ!以上だ!」

 

マリア「はっ!帝国華撃団・花組、出動!!」

 

マリアが出撃命令を下し、さくら達は佃島に向けて出発した。佃島の相生橋に到着した。辺りはすっかり暗くなっている。それはいいんだが…

 

「おいおっさん…」

 

米田「なんだ?」

 

「なんで俺までほぼ最前線に出てこなきゃなんないんだよ」

 

米田「いいじゃねぇか。お前にも見てもらって感想を聞きてぇんだよ」

 

「だったら、ここじゃなくてもいいだろうが!俺は自分の家で見れるんだからよ!!」

 

ホント、ウチの地下から見りゃいいだろうが。

 

「んで、その生で見る戦闘だが、既にさくらが置いていかれてるぞ」

 

米田「ああ。多分マリアがあそこで待機って言ったんだろう」

 

「…そうか」

 

さくらの顔は見えないが、その背中は光武越しでも寂しそうにしていた。一方、マリア達は順調に脇侍達の所に進んでいる。だが、少し疑問に思う。

 

「なんだ?」

 

そんな事を考えてると、すみれが一機だけで突撃していく。

 

「おいおい」

 

米田「すみれの奴…」

 

俺とおっさんは頭を抱えていた。それと同時に、動かなかった脇侍達が一斉に動き出す。するとアイリスが怖がったのか、腕に付いてるガトリングガンを適当にぶっぱなし始めた。脇侍にも当たるが、当然俺達の方にも銃弾は飛んでくる。

 

『うわあああああ!!!』

 

「おいおい!マリアの奴は何してんだ!!」

 

流石にあれを止めてないマリアに俺はキレる。そして今度は、マリアとすみれが大技を放ち橋の一部が崩壊する。

 

「…おっさん、どうすんだ修理費」

 

米田「……」

 

おれの問いかけにおっさんは何も言わなかった。

 

米田「あ~てんでダメじゃねぇか。バラバラに戦ってたんじゃ勝てる戦も負けちまうぜ。もっとこう陣形を大切にしてよ…あぁ違って!そうじゃねぇだろ!ったく」

 

もうかける言葉がねぇよ。

 

米田「はぁあ…やっぱりあやめくんの意見は正しかったかなぁ」

 

「おっさん」

 

俺はおっさんに話しかける。

 

「あやめが何言ったかは後回しだ。少し妙じゃねえか?」

 

米田「妙だと?」

 

「ああ。敵さんの攻撃、単調すぎないか?」

 

米田「言われてみれば…」

 

おっさんは双眼鏡をのぞき込む。

 

「百眼」

 

俺は百眼を使ってみる。すると奥の方に巨大な発射砲台を見つけた。

 

「まずいぞあれは!」

 

米田「ああ!」

 

おっさんは急いで通信機を手にする。

 

米田「さくら!一大事だ!」

 

さくら『えっ?』

 

米田「奴ら、橋諸共マリア達を葬る気だぜ!」

 

さくら『なんですって!?』

 

米田「魔操機兵で、光武を橋の上で足止めし、佃島口の蒸気砲台で一気に…」

 

くそっ!俺が出張るか!!

 

米田「行くんださくら!」

 

さくら『で、でも…また失敗したら』

 

米田「バカ野郎!いつまでウジウジしてやがる!芝居も任務も同じだ!しくじる事を恐れてたら何にも始まりはじねぇんだよ!!」

 

さくら『司令…』

 

米田「いいかさくらよ。帝都の平和も芝居の役も、自分の力で勝ち取るもんなんだ!」

 

「そうですよさくらさん」

 

さくら『森川さん』

 

「前へ進んでください。行って…自分自身で勝ち取ってください!」

 

さくら『…帝国華撃団・花組、真宮寺さくら。行きます!』

 

そしてさくらはマリア達の所に向かう。

 

さくら『ダメ!間に合わない!よし、こうなったら…』

 

するとさくらは刀を抜く。

 

さくら『北辰一刀流奥義!』

 

向こうの蒸気砲台も発射した。

 

さくら『破邪剣征…桜花放神!!』

 

さくらの必殺技と蒸気砲台の霊弾がぶつかり合う。そして佃島口にいた脇侍と蒸気砲台は、奇麗に消え去ったのだった。

 

さくら『や、やったやったああ!!

 

見事倒した事にさくらは喜んでいた。俺とおっさんも互いに笑う。だが…

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

 

突然地鳴りが響き渡る。そしてさくらの光武が動かなくなる。

 

さくら「え?えぇ…」

 

「ま、まさか…」

 

米田『総員、退避いいいいいいいい!!!!!!!』

 

おっさんの叫び声と同時に、相生橋は崩落していく。俺達は急いで後ろに下がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁ、こんなことがあったんですよ」

 

直仁「あ、相生橋が全崩壊…」

 

大神「さくらくんの桜花放神で…」

 

「それで、米田さんがあやめさんと伯爵と話し合い、新たな隊長…大神さんが呼ばれたんですよ」

 

大神「そうだったのか」

 

大神は初めて自分が呼ばれた事を知って納得する。だが、その当時を知るさくら達は俺に言い寄って来る。

 

さくら「酷いですよ森川さん!全部喋っちゃうなんて!!」

 

すみれ「そうですわ!わたくし達が橋から落ちた事まで話さなくても」

 

アイリス「酷いよ大輔お兄ちゃん!」

 

マリア「……」

 

さくらやすみれ、アイリスは文句を言ってきたが、マリアだけは顔を赤くしながら俺をにらんでいた。

 

「で、ですけど、あれがあったからこそ、今の皆さんがあるんじゃないでしょうか…」

 

さっきからさくらとアイリスにポカポカ叩かれながら俺はそう答える。

 

大神「そうだね。今では充分君達は素晴らしいチームワークがあるじゃないか」

 

直仁「そ、そうですよ皆さん」

 

大神や直仁も俺をフォローしてくれる。

 

さくら「でも…でもぉ!!」

 

未だに俺を叩くさくらとアイリス。そんな光景を見て、周りは笑うのだった。まぁ、平和が一番って事だな。

 

さくら「森川さん!聞いてるんですか!!」

 

すみれ「そうですわ!!」

 

アイリス「大輔お兄ちゃん!!」

 

マリア「流石に…恥ずかしいですよ」

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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