太正?大正だろ?   作:シャト6

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第五十一話

結局、あれ以降光武に誰かが乗り込んだ確認は取れなかった。

 

「となると、ますます直仁の言った事が現実味を帯びてきたな」

 

もう暫くは時間がかかりそうだな。

 

「取り敢えず、今日は店を休みにして帝劇に向かうか」

 

俺は資料を隠し金庫に入れ、戸締りをして帝劇に向かった。

 

「さて、あいつの入隊状況はどうかな?」

 

俺はブラブラと帝劇を歩く。すると、中庭で直仁が鍛練している。俺はバレない様にこっそりと見る。すると、直仁は木刀を構え素振りを始めた。しかし、少し見てると俺は驚く。

 

(あの型…さくらの太刀筋に似てるな。まだ荒削りだがな)

 

そう。直仁の太刀筋はさくらの太刀筋とほぼ同じだ。すると今度は拳を突き出す。

 

(今度はカンナの型か。もしやあいつ、見ただけである程度の型とか覚えてるんじゃねぇか?)

 

俺は気になり直仁に話しかける。

 

「こんにちは直仁君」

 

直仁「貴方は…森川さん。こんにちは」

 

「すみません。集中している時に話し掛けてしまって」

 

直仁「いえ、大丈夫ですよ」

 

「そうですか。少し気になったんですが、直仁君は刀や格闘に心得が?」

 

直仁「違いますよ。確かに運動とかは得意な方ですが、刀の使い方等は、花組の皆さんに教えてもらったのを自分なりに改良したものです」

 

やっぱり…こいつ相手の型や技を見て再現出来てやがる。それははっきり言って俺でもギリギリできるかだ。

 

「それは凄いですね。相手の型や技を見て自分の物にできるなんて」

 

直仁「努力の賜物ですよ。その分、鍛練を怠ると使えなくなりますから」

 

なるほど。見て取得する事はできるが、鍛練を怠ると弱体化するって訳か。

 

「そうですか。これからも頑張って下さい。今度是非ウチの店に食べ来て下さい。サービスしますから」

 

直仁「はい!その時はお願いします!」

 

そして俺は、再び鍛錬に入る直仁を置いて、支配人室に向かった。到着し中に入ると、おっさんにあやめ、さくら、マリア、大神がいた。

 

米田「森川か。どうしたんだ?」

 

「いや、直仁の様子を見に来てな」

 

米田「ほう…で、お前さんから見てどうなんだ?」

 

「どうも何も、随分と恐ろしい奴を見つけたなあやめ」

 

あやめ「恐ろしい?」

 

「だってそうだろ。相手の型や技を見ただけでほぼ自分の物にできるなんて、恐ろしい以外なにがあるんだよ」

 

米田「確かにそうだな。丁度大神達からも同じ報告をもらったところだ」

 

やっぱりこいつらもそう思ってたか。

 

「お前らもか」

 

マリア「はい」

 

さくら「直仁さん、私の剣筋を見ただけで荒削りですができていました」

 

大神「自分の時もそうですし、他の隊員達も同じ事を言ってました」

 

米田「こりゃ、とんでもねぇ奴を引き入れられたかもな」

 

「ああ。だが、そこから更に化けるかは本人次第だがな」

 

米田「まぁな」

 

さくら「直仁さんなら大丈夫ですよ」

 

マリア「そうね。彼はこれからもっと成長できると思うわ」

 

大神「それは俺も同意見だな」

 

あやめ「ふふふ…」

 

「これからが見物だな。1ヶ月という短い期間でどんだけ化けるか…」

 

そう言いながらも、俺もなんだかんだであいつには期待してしまってるんだがな。その日の夜、俺は珍しく夜にも帝劇にいる。まぁ、今日は店が休みだからな。すると、サロンでおっさんを含めた全員が揃っていた。

 

「皆さんお揃いですね」

 

米田「森川か」

 

さくら「実は今、直仁さんに昔の花組の話を支配人にしてもらってたんです」

 

「昔の花組ですか」

 

さくらや大神達が来る前の話とかか。懐かしいな。

 

米田「森川、お前はほぼ花組結成時から知ってるんだ。話してやれよ。俺はそろそろ帰るからよ」

 

おっさんはそう言い残して帰って行った。

 

「自分が話していいんですか?」

 

あやめ「別にいいわよ。確かに、貴方は帝国華撃団結成時からの付き合いですしね」

 

直仁「そうなんですか!?」

 

直仁は驚いた顔をしている。

 

マリア「そうでしたね。確かに森川さんとは、花組結成の時からお世話になっていますし」

 

すみれ「お~ほほほほほ!直仁さん、森川さんから私の武勇伝をお聞きくださいな」

 

カンナ「何が武勇伝だよ」

 

「分かりました」

 

そして俺は椅子に座る。

 

「それで、何を聞きたいんですか?」

 

あやめ「あれはどうかしら?大神君が花組の隊長になるきっかけの」

 

「あぁ。あれですか」

 

そんな話をすると、さくらにすみれ、アイリス、マリアは嫌な顔をする。

 

さくら「その話は止めて下さい!あやめさん!森川さん!」

 

すみれ「そうですわ!」

 

あやめ「フフッ。けど、大神君も気になるわよね?」

 

大神「え?ええ、まぁ」

 

大神がそう言い、さくら達は観念したのか黙ってしまう。

 

あやめ「じゃあ話してあげて」

 

「分かりました。あれは確か、今の光武が来て何度目かの出撃の時でしたね…」

 

そして俺は、大神が花組の隊長になるきっかけの戦いの事を話し始めた。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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