太正?大正だろ?   作:シャト6

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第四十九話

地下に降りた俺は、紅蘭と親方達に出会う。

 

紅蘭「森川はん!」

 

俺に気づいた紅蘭は、作業の手を止め俺に駆け寄る。

 

「紅蘭さん、お疲れ様です。さくらさんから聞きましたよ。ありがとうございます」

 

紅蘭「そんなん気にせんでええよ。けど、森川はんが無事で良かったわ」

 

「ははっ。面目ありません」

 

親方「おっ!森川さん」

 

親方も此方に来る。

 

「どうも親方。光武はどうですか?」

 

親方「ここ最近出撃もないんでね。その分紅蘭さんと一緒に整備をしてるんで万全ですよ」

 

「それは頼もしいですね。皆さんがいるから、大神さんや花組の皆さんが安心して戦えるんですから」

 

紅蘭「せやせや」

 

親方「へへへ。嬉しい事を言ってくれますね」

 

そんな話をしてると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああっ!!」

 

親方「広井!お前何やってんだ!!」

 

広井「す、すみません親方」

 

親方「オメェは一体何年ここで仕事してんだよ!」

 

親方は広井の所に行き説教を始めた。

 

紅蘭「あちゃ〜…相変わらずやな広井はんも」

 

「みたいだな。けど、技術者の腕は親方に次ぐ優秀さだからな」

 

紅蘭「それは認めるけど…もうちょいしっかりしてほしいわな」

 

確かにそうだな。

 

「さて、じゃあ俺はマリアの所に行くか」

 

紅蘭「そっか」

 

「じゃあな紅蘭。霊力分けてくれてマジで助かった」

 

俺はそう言い残し、マリアがいる射撃場に向かう。近づくと銃声音が響いてきた。中を覗くとマリアが的目掛けて撃っている。

 

「終わるまで待つか」

 

俺はマリアの後ろの椅子に座り、撃ち終わるのを待った。暫くして撃ち終わり的を寄せて命中した箇所を確認している。後ろから見ても全弾ド真ん中に命中しており、それ以外穴は空いてない。

 

 

 

パチパチパチパチ

 

 

 

俺はそれを見て拍手をする。それに気づきマリアは俺の方を見る。

 

マリア「森川さん」

 

「邪魔させてもらってるよ」

 

マリア「来ていたなら、声をかけて下さいよ」

 

「いや、あの中声かけても聞こえねぇだろ」

 

あんだけ銃声が響いてたらな。

 

「しかし、流石はマリアだな」

 

マリア「いえ」

 

俺はマリアに近づき、マリアの銃エンフィールドを持つ。

 

「ほぅ…かなり使い込まれてるな」

 

マリア「分かりますか?」

 

「ああ。普通の人間ならまず扱えないな。仮に扱えたとしても、こいつのクセをつかなまい限り、的の中心に当てるのは難しいだろうな」

 

そう言いつつ、俺は的に向けて銃を構える。そして撃った。全て撃ち終わり的を寄せると…全弾ド真ん中に命中している。

 

マリア「!?」

 

それを見たマリアは驚いていた。

 

「っとまぁこんなもんだ。クセさえ掴めれば扱える」

 

マリア「…驚きました。森川さんの腕がそこまでだったとは」

 

「なに、昔かじった程度だよ」

 

嘘だがな。そりゃ銃の腕が凄い奴の特典があればな。弾丸で弾丸を撃ち返したりするし。弾は一発あればいいしな。早撃ちもお手の物。

 

「マリアもありがとな。さくら達から聞いたぞ。霊力分けてくれたってな」

 

マリア「いえ、気にしないで下さい」

 

「そうもいかない。今度さくら達連れてウチの店に来い。好きなものをタダで食わしてやるからよ」

 

マリア「そんな!」

 

「気にするな。受けた恩は返す。当たり前の事だろ?」

 

悪いが俺も一歩も引くわけにはいかないからな。

 

マリア「…分かりました。今度さくら達を連れて行きます」

 

「ああ。ただ来るときは事前に連絡くれよな。豪華な飯を作りたいからよ」

 

マリア「ふふっ、分かりました」

 

そして俺は、寝ているアイリスを除く全員にお礼を言って帝劇を後にした。数日後、今日は日曜で帝劇も休みだ。

 

 

ジリリリリリリ!!

 

 

 

すると店の電話が鳴る。

 

「はいもしもし。こちらオアシスです」

 

米田『森川か?俺だ』

 

電話の相手はおっさんからだった。

 

「どうしたんだ?おっさんが昼くらいに連絡するなんて珍しいな」

 

米田『俺だってたまには連絡するぞ。いや、今日の夕方なんだが、体験入隊の直仁の歓迎会をしようと思ってな。んで、お前も参加しないかって連絡だ』

 

「ああ、あいつのか。確か入隊して1週間経ったくらいか」

 

米田『ああそうだ。他の奴も今張り切って準備中なんだよ』

 

「分かった。なら俺からも料理を一品差し入れするわ」

 

米田『そいつはありがてぇ』

 

「じゃあ今日の夕方な」

 

俺は電話を切ると、歓迎会に差し入れする料理を作る。

 

「さて、何を作るかな…」

 

メインは多分さくらやマリア達が作るだろうから、作るならデザート系か?

 

「あれを作るか。せっかく色々と果物がある事だし」

 

俺は大量の果物を見て作る物を決めた。その名は【フルーツティーパンチ】だ。用意するのは紅茶、砂糖、炭酸水、ジンジャーエール、オレンジ、りんご、すいか、もも、パイン、アメリカンチェリー、レモンだ。おっさんもいるからラム酒入りのやつも作っておくか。そして俺は二種類のフルーツティーパンチを作って劇場に向かった。

 

「こんばんは」

 

由里「森川さん、待ってましたよ!」

 

かすみ「私達も今から向かうところなんです」

 

椿「一緒に行きましょう!」

 

「ええ、ご一緒させて下さい」

 

俺は三人娘と一緒に楽屋に行く。中に入ると、俺達が最後みたいで既に他の連中は集まっていた。

 

かすみ「すみません。遅くなりました…」

 

由里「差し入れを持ってきました~」

 

椿「お邪魔しま~す」

 

「失礼しますよ」

 

米田「おう!来たな森川」

 

俺は挨拶し、かすみと椿の間に座る。

 

米田「全員揃ったな。オホン…これより直仁の歓迎会を行う」

 

「あ、これ私からの差し入れです」

 

俺は作ったフルーツティーパンチを出す。

 

アイリス「うわ~綺麗!」

 

すみれ「この匂い…紅茶ですわね」

 

「はい。これは紅茶をベースに砂糖で味付けをしてフルーツを漬けた【フルーツティーパンチ】です。こちらの赤い入れ物は、ラム酒が入っていますので未成年の方は飲まないで下さいね」

 

米田「ラム酒入りか。そいつは嬉しいねぇ」

 

そしてそれぞれのカップに注がれていく。

 

あやめ「皆、ちゃんと飲み物はいきわたってるかしら?」

 

さくら「大丈夫です」

 

あやめ「では支配人…乾杯の音頭を」

 

米田「うむ…では直仁の体験入隊を歓迎して…乾杯!」

 

『乾杯!!』

 

そして直仁の歓迎会はスタートした。

 

さくら「直仁さん、帝劇で1週間過ごしてみてどうでした?」

 

直仁「凄く楽しいです。何もかも新鮮で…」

 

さくら「ふふ…そう言ってもらえるとあたしも嬉しいです」

 

すみれ「直仁さんとおっしゃったわね?この中で誰が一番綺麗だと思ってらっしゃるのかしら?」

 

またすみれの奴は…ラム酒入りの方飲んでないのに、んな質問するなよな。

 

直仁「すみれさんが一番です」

 

すみれ「あら、分かってるじゃありませんこと。オ~ホホホホホホ」

 

すみれ…お前直仁に気を使われてる事を分かれ…

 

カンナ「お世辞に決まってんだろ…直仁、このサボテン女の事はあまり気にすんなよな」

 

まぁ、カンナの言い分が正しいわな。

 

カンナ「前にも聞いたかも知れねえけど、お前喧嘩とかは強いのか?」

 

直仁「まぁまぁ…という感じですね」

 

カンナ「お、なんか自信ありげなセリフじゃねえか。頼もしい限りだぜ」

 

はいそこ!戦いたいのは分かるけどそんな事言わないの!

 

マリア「カンナ、あまりプレッシャーをかけてはダメよ。ごめんなさい。なんだか質問大会みたいになっちゃって…」

 

直仁「そんなことないですよ」

 

マリア「そう言ってもらえると助かるわ」

 

紅蘭「なあ直仁はん。ウチからも質問させてもろてエエか?」

 

こうして、直仁の歓迎会から質問大会に変貌したのだった。

 

あやめ「ふふ…直仁君も人気者ね」

 

米田「そうでなきゃ、体験入隊なんかできねぇよ」

 

「人気と言っていいのか?あれ…」

 

米田「よし!ここは一発、俺が直仁の為に浪曲を披露してやろう!」

 

おっさんがはりきってそう言った瞬間…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大神「緊急警報!?」

 

米田「あやめくん!至急状況を確認するんだ!」

 

あやめ「はい!」

 

米田「全員、指令室に集合せよ!」

 

『了解!』

 

大神「よし、直仁君!俺に着いて来てくれ!」

 

大神達は楽屋を出て行った。俺はおっさんと一緒に作戦指令室に向かう。

 

米田「全員揃ったようだな…あやめくん、状況は?」

 

あやめ「上野公園に、正体不明の機体が出現したとの報告が入ってます」

 

大神「まさか黒之巣会が?」

 

あやめ「いえ、違うわ…上野公園に出現した正体不明機…データから推測して99%光武よ…」

 

米田「何だと?」

 

紅蘭「あ!!」

 

すると突然紅蘭が叫ぶ。

 

マリア「どうしたの紅蘭?」

 

紅蘭「あやめはん…もしかして、その光武…」

 

あやめ「ええ…」

 

紅蘭の問いかけにあやめは顔をしかめる。

 

カンナ「おいおい、分かるように説明してくれよ!」

 

あやめ「今度、実験機を1台ここに配備する話は知ってるわよね?」

 

「確か、神崎重工の方で新システムを搭載した機体ですよね?」

 

俺はおっさんから聞いてたのでそう答える。

 

大神「まさか!?」

 

紅蘭「そのまさかや…上野公園で暴れとるのはその実験機や…」

 

米田「とにかく、急いで上野公園に出撃してくれ」

 

大神「了解!帝国華撃団・花組、出撃せよ!」

 

『了解!!』

 

そして大神達は上野公園に出撃していった。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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