地下に降りた俺は、紅蘭と親方達に出会う。
紅蘭「森川はん!」
俺に気づいた紅蘭は、作業の手を止め俺に駆け寄る。
「紅蘭さん、お疲れ様です。さくらさんから聞きましたよ。ありがとうございます」
紅蘭「そんなん気にせんでええよ。けど、森川はんが無事で良かったわ」
「ははっ。面目ありません」
親方「おっ!森川さん」
親方も此方に来る。
「どうも親方。光武はどうですか?」
親方「ここ最近出撃もないんでね。その分紅蘭さんと一緒に整備をしてるんで万全ですよ」
「それは頼もしいですね。皆さんがいるから、大神さんや花組の皆さんが安心して戦えるんですから」
紅蘭「せやせや」
親方「へへへ。嬉しい事を言ってくれますね」
そんな話をしてると…
ガシャーン!!
「あああっ!!」
親方「広井!お前何やってんだ!!」
広井「す、すみません親方」
親方「オメェは一体何年ここで仕事してんだよ!」
親方は広井の所に行き説教を始めた。
紅蘭「あちゃ〜…相変わらずやな広井はんも」
「みたいだな。けど、技術者の腕は親方に次ぐ優秀さだからな」
紅蘭「それは認めるけど…もうちょいしっかりしてほしいわな」
確かにそうだな。
「さて、じゃあ俺はマリアの所に行くか」
紅蘭「そっか」
「じゃあな紅蘭。霊力分けてくれてマジで助かった」
俺はそう言い残し、マリアがいる射撃場に向かう。近づくと銃声音が響いてきた。中を覗くとマリアが的目掛けて撃っている。
「終わるまで待つか」
俺はマリアの後ろの椅子に座り、撃ち終わるのを待った。暫くして撃ち終わり的を寄せて命中した箇所を確認している。後ろから見ても全弾ド真ん中に命中しており、それ以外穴は空いてない。
パチパチパチパチ
俺はそれを見て拍手をする。それに気づきマリアは俺の方を見る。
マリア「森川さん」
「邪魔させてもらってるよ」
マリア「来ていたなら、声をかけて下さいよ」
「いや、あの中声かけても聞こえねぇだろ」
あんだけ銃声が響いてたらな。
「しかし、流石はマリアだな」
マリア「いえ」
俺はマリアに近づき、マリアの銃エンフィールドを持つ。
「ほぅ…かなり使い込まれてるな」
マリア「分かりますか?」
「ああ。普通の人間ならまず扱えないな。仮に扱えたとしても、こいつのクセをつかなまい限り、的の中心に当てるのは難しいだろうな」
そう言いつつ、俺は的に向けて銃を構える。そして撃った。全て撃ち終わり的を寄せると…全弾ド真ん中に命中している。
マリア「!?」
それを見たマリアは驚いていた。
「っとまぁこんなもんだ。クセさえ掴めれば扱える」
マリア「…驚きました。森川さんの腕がそこまでだったとは」
「なに、昔かじった程度だよ」
嘘だがな。そりゃ銃の腕が凄い奴の特典があればな。弾丸で弾丸を撃ち返したりするし。弾は一発あればいいしな。早撃ちもお手の物。
「マリアもありがとな。さくら達から聞いたぞ。霊力分けてくれたってな」
マリア「いえ、気にしないで下さい」
「そうもいかない。今度さくら達連れてウチの店に来い。好きなものをタダで食わしてやるからよ」
マリア「そんな!」
「気にするな。受けた恩は返す。当たり前の事だろ?」
悪いが俺も一歩も引くわけにはいかないからな。
マリア「…分かりました。今度さくら達を連れて行きます」
「ああ。ただ来るときは事前に連絡くれよな。豪華な飯を作りたいからよ」
マリア「ふふっ、分かりました」
そして俺は、寝ているアイリスを除く全員にお礼を言って帝劇を後にした。数日後、今日は日曜で帝劇も休みだ。
ジリリリリリリ!!
すると店の電話が鳴る。
「はいもしもし。こちらオアシスです」
米田『森川か?俺だ』
電話の相手はおっさんからだった。
「どうしたんだ?おっさんが昼くらいに連絡するなんて珍しいな」
米田『俺だってたまには連絡するぞ。いや、今日の夕方なんだが、体験入隊の直仁の歓迎会をしようと思ってな。んで、お前も参加しないかって連絡だ』
「ああ、あいつのか。確か入隊して1週間経ったくらいか」
米田『ああそうだ。他の奴も今張り切って準備中なんだよ』
「分かった。なら俺からも料理を一品差し入れするわ」
米田『そいつはありがてぇ』
「じゃあ今日の夕方な」
俺は電話を切ると、歓迎会に差し入れする料理を作る。
「さて、何を作るかな…」
メインは多分さくらやマリア達が作るだろうから、作るならデザート系か?
「あれを作るか。せっかく色々と果物がある事だし」
俺は大量の果物を見て作る物を決めた。その名は【フルーツティーパンチ】だ。用意するのは紅茶、砂糖、炭酸水、ジンジャーエール、オレンジ、りんご、すいか、もも、パイン、アメリカンチェリー、レモンだ。おっさんもいるからラム酒入りのやつも作っておくか。そして俺は二種類のフルーツティーパンチを作って劇場に向かった。
「こんばんは」
由里「森川さん、待ってましたよ!」
かすみ「私達も今から向かうところなんです」
椿「一緒に行きましょう!」
「ええ、ご一緒させて下さい」
俺は三人娘と一緒に楽屋に行く。中に入ると、俺達が最後みたいで既に他の連中は集まっていた。
かすみ「すみません。遅くなりました…」
由里「差し入れを持ってきました~」
椿「お邪魔しま~す」
「失礼しますよ」
米田「おう!来たな森川」
俺は挨拶し、かすみと椿の間に座る。
米田「全員揃ったな。オホン…これより直仁の歓迎会を行う」
「あ、これ私からの差し入れです」
俺は作ったフルーツティーパンチを出す。
アイリス「うわ~綺麗!」
すみれ「この匂い…紅茶ですわね」
「はい。これは紅茶をベースに砂糖で味付けをしてフルーツを漬けた【フルーツティーパンチ】です。こちらの赤い入れ物は、ラム酒が入っていますので未成年の方は飲まないで下さいね」
米田「ラム酒入りか。そいつは嬉しいねぇ」
そしてそれぞれのカップに注がれていく。
あやめ「皆、ちゃんと飲み物はいきわたってるかしら?」
さくら「大丈夫です」
あやめ「では支配人…乾杯の音頭を」
米田「うむ…では直仁の体験入隊を歓迎して…乾杯!」
『乾杯!!』
そして直仁の歓迎会はスタートした。
さくら「直仁さん、帝劇で1週間過ごしてみてどうでした?」
直仁「凄く楽しいです。何もかも新鮮で…」
さくら「ふふ…そう言ってもらえるとあたしも嬉しいです」
すみれ「直仁さんとおっしゃったわね?この中で誰が一番綺麗だと思ってらっしゃるのかしら?」
またすみれの奴は…ラム酒入りの方飲んでないのに、んな質問するなよな。
直仁「すみれさんが一番です」
すみれ「あら、分かってるじゃありませんこと。オ~ホホホホホホ」
すみれ…お前直仁に気を使われてる事を分かれ…
カンナ「お世辞に決まってんだろ…直仁、このサボテン女の事はあまり気にすんなよな」
まぁ、カンナの言い分が正しいわな。
カンナ「前にも聞いたかも知れねえけど、お前喧嘩とかは強いのか?」
直仁「まぁまぁ…という感じですね」
カンナ「お、なんか自信ありげなセリフじゃねえか。頼もしい限りだぜ」
はいそこ!戦いたいのは分かるけどそんな事言わないの!
マリア「カンナ、あまりプレッシャーをかけてはダメよ。ごめんなさい。なんだか質問大会みたいになっちゃって…」
直仁「そんなことないですよ」
マリア「そう言ってもらえると助かるわ」
紅蘭「なあ直仁はん。ウチからも質問させてもろてエエか?」
こうして、直仁の歓迎会から質問大会に変貌したのだった。
あやめ「ふふ…直仁君も人気者ね」
米田「そうでなきゃ、体験入隊なんかできねぇよ」
「人気と言っていいのか?あれ…」
米田「よし!ここは一発、俺が直仁の為に浪曲を披露してやろう!」
おっさんがはりきってそう言った瞬間…
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
大神「緊急警報!?」
米田「あやめくん!至急状況を確認するんだ!」
あやめ「はい!」
米田「全員、指令室に集合せよ!」
『了解!』
大神「よし、直仁君!俺に着いて来てくれ!」
大神達は楽屋を出て行った。俺はおっさんと一緒に作戦指令室に向かう。
米田「全員揃ったようだな…あやめくん、状況は?」
あやめ「上野公園に、正体不明の機体が出現したとの報告が入ってます」
大神「まさか黒之巣会が?」
あやめ「いえ、違うわ…上野公園に出現した正体不明機…データから推測して99%光武よ…」
米田「何だと?」
紅蘭「あ!!」
すると突然紅蘭が叫ぶ。
マリア「どうしたの紅蘭?」
紅蘭「あやめはん…もしかして、その光武…」
あやめ「ええ…」
紅蘭の問いかけにあやめは顔をしかめる。
カンナ「おいおい、分かるように説明してくれよ!」
あやめ「今度、実験機を1台ここに配備する話は知ってるわよね?」
「確か、神崎重工の方で新システムを搭載した機体ですよね?」
俺はおっさんから聞いてたのでそう答える。
大神「まさか!?」
紅蘭「そのまさかや…上野公園で暴れとるのはその実験機や…」
米田「とにかく、急いで上野公園に出撃してくれ」
大神「了解!帝国華撃団・花組、出撃せよ!」
『了解!!』
そして大神達は上野公園に出撃していった。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方