太正?大正だろ?   作:シャト6

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第四十七話

「ん…んん…」

 

俺は目が覚める。意識がまだ少しボーッとしてるがな。

 

「そうか。俺はせがたと戦って…んで負けたんだ」

 

徐々に意識がはっきりしてくると、せがたとの戦いの事を思い出す。

 

「しかし、俺も色々と特典を貰ったが、あれで勝てない相手は初めてだ」

 

俺はこの世界に転生して、初めて本氣で戦った。だが、俺の技を尽く受け流したりされたのは、転生して初めての経験だった。というより…

 

「さっきから随分と体や腕が重い…ん…だ…」

 

そう思いながら俺の体を見ると、さくら達が一緒になって寝ている。俺の左腕にはさくら、すみれ、紅蘭。右腕にはマリア、あやめ。んで、胴体部分にはアイリスが乗っていた。

 

「なんだこの状況…」

 

なんで俺は、さくら達と同じベッドで一緒に寝てんだよ。なんて事を思ってると、おっさんが入ってきた。

 

米田「よう」

 

「おう」

 

おっさんは特にこの状況でも普通に話しかけてくる。

 

米田「おいおい、随分と羨ましい状況じゃねぇか。えぇ?」

 

「うっさい。此方は戦いで疲労して動けねぇんだよ。仕方ねぇだろ」

 

米田「ま、だろうな。しかし、せがたの奴が褒めてたぞ。『私に攻撃が通じないと分かっていても、あれだけ真剣に打ち込んできた若者は森川君が初めてた!』ってな。俺も驚いたぜ。なんせ、お前があのせがたと同等の戦いをするなんてな」

 

「結局は負けたがな」

 

米田「あいつに勝つのは難しいだろうな。未だに無敗だって聞くしな」

 

無敗…ねぇ。あんなのに勝てる奴いるのか?

 

米田「さて、おれはそろそろ行くぜ」

 

「もう行くのか?」

 

米田「ああ。元々様子を見に来ただけだしな。だがよ森川」

 

「ん?」

 

米田「お前さんの口調、もう三人娘以外全員が知ったぞ」

 

「あぁ…」

 

その事か。そらそうだろな。あの場にいた連中は全員が知っただろう。

 

「ったく、最初はおっさんだけだったのにな」

 

米田「確かにな。けど、いいんじゃねぇか?その方がお前も楽だろう」

 

「フッ…どうだかな」

 

米田「んじゃぁな。俺は今から、体験入隊する奴と会わなきゃなんねぇからよ」

 

そしておっさんは部屋を出ていった。

 

「さて…そろそろマジで起きないとな」

 

さくら「うぅん…」

 

するとさくらが目を覚ます。

 

「おう、おはようさん」

 

さくら「おはよう…ございます…って森川さん!気が付いたんですね!」

 

さくらの声により、他に寝ていた全員が目を覚ました。目を覚ました全員から心配したと怒られたのは言うまでもないがな。

 

「それよりあやめ、さっきおっさんが言ってたが、体験入隊ってなんだ?」

 

あやめ「ああ。それはね、私が以前出張に行ってたのは知ってるわよね?」

 

「大分前だがな」

 

あやめ「その時に、色々回って霊力が高い人物を何人か見つけていたのよ。それで、今日から1ヶ月間花組に体験入隊する事になったのよ。皆も後で顔合わせすると思うからお願いね」

 

「体験入隊か。それは女なのか?それとも大神と同じ男なのか?」

 

あやめ「男性よ」

 

男性ときたか。女なら分かるが、男は中々光武を動かせる程の霊力を持ってる奴はいないからな。

 

あやめ「名前は【狛江梨 直仁】くんよ」

 

「随分と変わった名前だな」

 

あやめ「そうかも知れないわね」

 

するとあやめはベットから降り立ち上がる。

 

あやめ「それじゃあ、私も行くわ。森川さんはまだ安静にね。それじゃあ…チュ」

 

キスをしてあやめは部屋から出ていった。っていうより、この状況でキスしていくかあいつ…

 

『……』

 

ほら見ろ。さくら達が物凄い目で俺を見てるじゃねぇかよ…んで、あの後さくら達にもあやめと同じ様にキスされた。流石にアイリス相手には俺の心も罪悪感が抱いた。

 

「さて、取り合えず店に戻るか」

 

さくら達は、今日から一ヶ月間体験入隊する狛江梨っていう奴に会いに行った。俺はそのまま店に戻り、オペレーター達に入ってきた体験入隊者の事を監視させ、今日は1日安静にする事にした。当然店も休んだ。部屋に入りベッドに横になると、やはり疲労が溜まってたのかあっという間に眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると外は朝日が昇るか昇らないかの明るさだった。

 

「大分寝たみたいだな」

 

俺は地下に行き、オペレーターに様子を伺う。

 

オペレーター「おはようございます」

 

「おはよう」

 

オペレーター2「随分とお疲れでしたご様子でした」

 

「だろうな。俺も自分で驚いてるよ。で、入隊してる奴の様子は?」

 

オペレーター3「はい。本日で入隊4日目です」

 

「…は?」

 

俺は聞き間違えたのか、オペレーターにもう一度聞く。

 

オペレーター「本日は、狛江梨直仁さんの入隊4日目です」

 

「…マジか。聞き間違いじゃなかったのか」

 

どうやら俺はあれから3日間眠り続けたみたいだ。まぁ確かに、自分の中にある気を95%も使えばそうなるか。

 

「取り合えず今日は1日店に集中するか。引き続き頼むぞ」

 

『了解しました』

 

俺は上に行き、店の開店準備を始める。開店して暫くすると客がチラホラとやって来る。

 

「マスター、この3日間どうしたんだ?」

 

「そうだぜ。この3日間ここの飯が食えなかったんだからよ」

 

「すみません。どうも疲労が溜まったみたいで」

 

「そいつは大変だな。まぁ、マスターも一人でこの店を切り盛りしてるから仕方ねぇな」

 

「本当に申し訳ありません。今日はお詫びに1日2割引きの価格で構いませんので」

 

「本当か!なら俺はこれとこれと…」

 

そして、その話が広がり今日は1日中忙しかった。翌日、今日は帝劇に行く事にしている。

 

「流石に5日も顔出さなかったから、何言われるか分かったもんじゃないな」

 

そんな事を思いながら帝劇に到着した。

 

「取り合えずおっさんの所に行くか」

 

俺はその足で支配人室に向かう。到着しノックする。

 

米田『誰だぁ?』

 

「自分です米田さん」

 

米田『おう。開いてるからへぇりな』

 

中に入ると、おっさんとあやめだけだった。

 

「よう」

 

米田「何が『よう』だ。5日間も顔出さねぇで」

 

あやめ「本当にね。何でかしら?」

 

なんだろう…普通に話しかけられてるのに、あやめからの圧力が半端ないんだが。

 

「あぁ…流石に力とかを使いすぎたみたいでな。疲労が一気にきて3日間は寝てたみたいなんだよ。んで、流石に店もあるから昨日は2割引きで1日中営業してたって訳だ」

 

米田「なるほどな。けど、後であいつらにも会ってやれよ」

 

「ああ」

 

会っていかないと、あやめみたいなオーラ出されても困るしな。会っても出されそうだけど…

 

「そういえば、今来てる入隊の…狛江梨直仁だっけ?」

 

米田「ああそうだ」

 

「特に調べてはないが、おっさんやあやめから見た感じどうなんだ?」

 

米田「まだ5日だが、とても面白れぇと思うぜ」

 

面白い?

 

あやめ「そうですね。直仁君は、とても努力家で最初の頃と比べてみるみる実力をつけてきています」

 

へ~、たかが五日でおっさんやあやめがそこまで評価するか。

 

「ま、多分あいつらに会う序に出会うだろ」

 

俺は言い残して俺は支配人室を出て行った。

 

「さて、さくら達を探すか」

 

俺はさくら達に会うため、劇場を探し始めた。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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