おっさんとさくらの掛け声で、俺とせがたの稽古という名の戦いは始まった。
せがた「はあああっ!!」
「だああああっ!!」
お互いオーラを全身に纏う。俺は焦ってる感情の一方、嬉しい気持ちもあった。
「嬉しいねぇ。この世界に来て挑戦者か。血沸く血沸く」
せがた「……」
俺の言葉に、せがたは何も反応しない。だが、隙もない。
「おっさん達には隠したかったが、あんた相手だ。出し惜しみはできない」
そう言うと俺は、オールマイトボディに変身する。その姿を見た全員は驚きの表情になる。
すみれ「まさか…あの出鱈目な技を出す人が森川さんだったなんて…」
マリア「でも、森川さんの強さを考えれば納得もできるわね」
大神「これは凄まじい戦いになるだろう」
カンナ「ああ。一瞬たりとも目が離せねぇぜ」
全員俺の正体を知っても、真剣な表情で俺とせがたの戦いを見ていた。
せがた「……」
しかし、せがたは未だに動こうとはしない。
「動かないなら、こっちから行かせてもらうよ!」
俺はせがたに詰め寄る。
「
俺は地面に拳を叩きつけ、竜巻を巻き起こす。当然加減なんかしていないから、離れてみてるさくら達も巻き込まれる。
さくら「きゃああああああ!!」
大神「皆!踏ん張るんだ!!」
米田「これがあいつの本気か!?」
あやめ「今まで加減をしていたなんて!!」
大神達は踏ん張るので精一杯みたいだが、せがたは平然と立っている。
「おいおい…あの中を平然と立っているなんて」
せがた「……!!」
すると今度はせがたが動き出す。ジャンプして俺めがけて蹴りを繰り出してきた。所謂ライダーキックだ。
「だが、それくらいなら受け止め…!?」
受け止め用途した瞬間、俺は殺気を感じて慌てて避ける。すると俺がいた場所が大きな穴が空いていた。
「…マジかよ」
穴の大きさを見て、俺は言葉を失った。オールマイト状態でサンジの技を出しても、あんだけデカく深い穴は空かないぞ。どんな足してんだよあんた。
『……』
さくら達も、せがたが放った蹴りを見て言葉を失っていた。
「…ハハハ。こいつは凄いわ」
せがた「よくぞあの蹴りを受け止めなかった」
「最初は受け止めようとしたさ。だがな、殺気を感じて避ける方を選んだんだよ」
せがた「うむ。中々の観察眼を持っているな」
「どうも」
さて、あれだけの足技を見て、俺の技が通じるとは思えないが、やるだけやるか!百式観音は最終手段だ!
「んじゃ、俺の足技も見てもらおうか!
俺は足技をせがたに放つ。すると、それをせがた受け流していく。
「
せがた「ふん!」
「
せがた「ふん!はっ!せい!どりゃ!」
続く攻撃も受け流す。
「この野郎…
せがた「むん!!」
「この技も受け止めるか…」
せがた「ほう。私の蹴りと同等の威力とは驚きだ」
「どこがだよ」
俺は更に攻め込む。
「
せがた「せいや!」
「なっ!?」
今度は受け止めず、同じ蹴りで返してきた。マジかよ!?
「
せがた「まだまだ!!」
「
せがた「どりゃああああああ!!」
しかし、この技も受け切られた。それどころか同じ様に蹴り返してきやがった。
「…これも駄目か」
せがた「……」
「…悪魔風脚」
せがた「!?」
「
この技ならどうだ!!せがたがいた場所には、物凄い土煙がまっていた。その中、せがたに足を掴まれ思いっきり投げられた。そのまま壁にぶつかり…
ボカーン!!
「ガハッ!?」
壁に叩きつけられた瞬間、俺がいた場所が爆発した。
(マ…ジ…かよ)
そして互いは土煙で見えなくなる。
米田「か、勝ったのか?」
大神「どうなんでしょう」
カンナ「いや…」
土煙が晴れると、そこにはせがたが立っていた。せがたも道着が破れていたが、まだまだやれるといった感じだ。対して俺は、先程の爆発で多少だがダメージが残る。
「…やっぱり立ってるか」
俺は半ば諦めていた。
「格闘系は駄目だな。なら…投影・開始」
俺は一本の大剣を投影する。
せがた「ほう。格闘の次は剣か」
「格闘でできる範囲やったさ。まだあるが、それは最後の手段だ。ここからは悪いが武器を使わせてもらう」
せがた「構わない。それでこそ遊びを極めた者なのだ!」
相変わらず何言ってるか分からん。
せがた「さぁ来なさい!」
「なら遠慮なく!はああああっ!!」
俺は自分の気を集中させる。そして稽古場が真っ白く包まれる。それが晴れると、俺達は砂漠にいた。
すみれ「な、なんで砂漠にいますの!?」
カンナ「あ、あたいに聞くな!んなの!」
せがた「!?」
流石にこれにはせがたも驚いてるな。
「ここは嘗てイスカンダルの軍勢が駆け抜けた大地だ」
米田「イ、イスカンダルだと!?」
さくら「み、皆!後ろを見て!」
さくらの言葉で、俺以外の全員が後ろを見る。そこには槍などを持った多くの兵がいた。
紅蘭「な、なんやあれ!?」
マリア「なんて数なの」
「見よ!我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられ、それでもなお余に忠義する伝説の勇者達!時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友達!彼らの絆こそ我が至宝!!我が王道!!余が誇る最強宝具…
アイリス「あれ…人じゃないよ…」
あやめ「どういうことなのアイリス?」
「アイリスは気が付いたか。兵に見えるのは、皆サーヴァントと呼ばれる者達。言わば英霊の様なものよ」
米田「え、英霊!?」
驚くおっさん達を他所に、俺はせがたの方を見る。
「蹂躙せよ!!」
俺の掛け声と共に、後ろに待機していたイスカンダルの兵士達は、そのまませがた目掛けて突っ込んでいく!
せがた「…つあ!!」
するとせがたの人数が増えた。
「な、なに!?」
せがた「ふふふ…」
そしてせがたとイスカンダル軍勢が激突する。が、みるみる内にイスカンダル軍勢が減っていく。
(嘘だろ!イスカンダル軍勢は普通の人間じゃないんだぞ!)
せがた「足腰がなっとらん!」
そう言いながら、せがたーズはイスカンダル軍勢を空手や柔道の技でなぎ倒していく。そして、せがたーズが立ち残っていた。
「これも駄目か…」
となると、ダメ元でこの技も試してみるか…
「
詠唱を唱え終えると、別の固有結界に移り変わる。
さくら「こ、今度はいったい…」
アイリス「お空が真っ赤だよ…」
大神「それに…なんて数の剣なんだ」
米田「ああ。こりゃ昔の戦場みたいな場所だ」
せがた「ふむ…今度は武器が沢山ある場所だな」
「ええ。すみませんが出し惜しみ出来ないんでね!」
俺はそう言いながら背後に無数の武器を出現させる。この場合、王の財宝の方が強いが、せがたさんのスピードを考えたら、無限の剣製の方がスピード的に間に合う。武器の一つ一つの威力は王の財宝には敵わないがな。
「勝たせてもらいますよ!」
そしてせがた目掛けて、俺が生成した武器がせがた目掛けて発射された。
せがた「若者よ!素晴らしい!」
そう言いながらもせがたは、俺が作った武器を次々と壊していく。いやいや、いくら偽物とはいえ、強度は本物と変わらないんだぞ!?
(あ、こりゃ駄目だ)
俺は諦め空間を元に戻す。
マリア「元に戻ったわね」
あやめ「だけど、凄まじい戦いだったわ」
「「……」」
俺とせがたは、互いに睨み合う。
(しかし、剣や槍、斧もあったが素手で壊すか普通…)
いや、俺も出来るけどさ。俺の場合は神に特典やらなんやらでできるわけで…この世界の奴にできるのが驚きだ。
「米田のおっさんの言う通り、普通じゃねぇな…」
なんて愚痴ってられないな。こっちにはまだ手はあるけど…そして再び俺が動き出す。
「…聴くがよい。晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽ーーーーー首を断つか!『
この技はほぼ一撃必殺の技だ。入ればほぼ即死する。んだが…
「これも無理って、一体全体どんな体の構造してんだよあんたは!!」
せがた「ははは!己を愛し、己を信じ、己に勝つ!」
「訳分かんねぇよ!」
この技も無理となるとどうするか…俺は剣を消す。
せがた「どうした若者よ。もう諦めたのか!」
「いや…切り札その1だ」
俺は気を集中させる。すると徐々に体が金色に輝く。
さくら「森川さんの体が…」
アイリス「金色に輝いてるよ」
大神「それに、森川さんの回りに小石などが当たって砕けている」
せがた「ははは!若者よ!真剣に遊んでいるではないか!!」
「それはどうも。流派…東方不敗が最終奥義!!」
米田「おい…」
あやめ「嫌な予感がします…」
大神「皆ふせるんだ!!」
「石破…天驚けぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
俺はせがたに石破天驚拳を放つ。これなら流石に…
せがた「……」
「…流石に自信なくすな」
だってそうだろ?俺が今まで貰った特典で、オールマイト、サンジの技、宝具、流派東方不敗も使っても勝てないのか。いよいよ追い詰められたな。俺は履いてた靴を脱ぎ捨てる。
あやめ「遂に出るわ」
さくら「はい…あの技が」
「……」
俺は大きく深呼吸をし、両手で拝む。
「…百式観音!!」
そして俺は遂に百式観音を召喚した。
せがた「おぉ…これは素晴らしい!」
せがたも、百式観音を見て感動していた。
「これが俺の今出せる全力だ!」
せがた「いいだろ!若者よ!全力で打ち込んで来い!!」
「百式観音…壱乃掌!!」
上から一本の腕がせがためがけて振り下ろされる。見事に命中したが、俺はその瞬間驚いた。
(硬い!?)
生身の人間が、なんでこんなに硬いんだよ!
「参乃掌!!」
そのまま今度は左右の手で、せがたを挟む。
「どうだ!」
せがたを包み込んだが、徐々に挟んだ手が開かれる。
「マジかよ!!」
宝具とかで驚いたが、まさかこれ以上驚く事があるのかよ…
大神「せがたさんって、黒之巣会よりも強いんじゃ…」
大神、俺もそう思う。そして挟んでいた手からせがたが脱出する。
「百式観音…九十九乃掌!!」
ズドドドドドドドドドドドドド!!!!!
俺は隙きを与えず、百式観音のラッシュが入るが、せがたはそれすらも対処する。その隙きにせがたは俺に詰め寄り、腕を掴みぶん投げる。
「グッ!!」
この時に右腕に激痛が走った。まさかぶん投げられただけで腕が折れるとはな。
(こうなったら、あれを使うしなさそうだな)
俺はゆっくりと百式観音を投影する。
せがた「む?」
「腕がなけりゃ祈れねぇとでも…?」
せがた「……」
「祈りとは、心の所作。心を正しく形を成せば想いとなり、想いこそが実を結ぶのだ。これが最後だ!行くぞ!せがた三四郎!!」
せがた「若者よ、全力で打ち込んでくるがいい!」
どうやらせがたも、俺が最後の技だと感じ、構えに入る。
「…感謝するぜ。お前と出会えたこれまでの全てに!」
せがた「若者よ。私も久しく感じなかった戦い。感謝する」
「詰めるもんなら詰んでみな…百式の零を見せてやるぜ」
俺はゆっくりと手を合わせ、百式観音もそれに合わせせがたを優しく包み込む。
(流石に全気力を使うと俺も死ぬ。だが手を抜く訳にもいかない。となると、ギリギリだが95%までだな。ま、終わった後は立てるか分からんがな)
そして俺は、百式観音零を発射する。
大神(あれは神の領域だ)
俺は、せがたさんと森川さんの戦いを見てそう思った。森川さんの百式観音は、優しくせがたさんを包み込んで、百式観音の口が開いた。あれは…無慈悲の咆哮だ…
俺は自分の気力95%を使い気力、地面に座り込む。
(頼むぜ…もう立っててくれるなよ)
俺は祈りながら、土煙が立ち上る場所を見る。しかし、俺の希望は打ち砕かれた。
せがた「……」
「は…ははっ…マジかよ…」
俺はもう諦めた。
せがた「若者よ…いや、森川君よ」
「せがた…さん…」
せがた「素晴らしかったぞ。私も、久々に熱くなれた!」
「そう…ですか…俺は…ショックですよ…あれだけ…技を喰らって…立ってるなんて」
せがた「それは、己を愛し、己を信じ、己に勝つ!遊びの道を極め頂点に達した男…それがせがた三四郎だ!!」
「はは…遊びの道を極めた男…か。これは勝てねぇや」
俺は気が抜け倒れ込んだのだった。
『森川さん(大輔お兄ちゃん)!!』
私達は倒れた森川さん駆け寄る。
アイリス「大輔お兄ちゃん!霊力がかなり少ないよ!」
マリア「なんですって!?」
すみれ「まさか、先程の技で霊力を使い切ったのでわ!?」
紅蘭「どないしたらええんや!」
さくら「私の霊力を送ります!」
私は森川さん抱きかかえると、集中して霊力を森川さんに送る。
すみれ「さくらさん!私の霊力も使って下さい!」
マリア「私ものよ」
アイリス「アイリスも!」
紅蘭「ウチのもや!」
そして、私達4人の霊力を森川さんに流し込んだ。すると、森川さんの呼吸が落ち着いた。
さくら「呼吸が落ち着いたみたいですね」
すみれ「よかったですわ」
マリア「けど。それ程までにせがたさんとの戦いが凄かったのね」
アイリス「アイリスもビックリしたもん!」
紅蘭「せやけど、森川はんも落ち着いてよかったで」
あやめ「そうね」
するとあやめさんもこちらに来ていた。
さくら「あやめさん…せがたさんは?」
あやめ「せがたさんは、米田支配人と話した後帰ったわ」
さくら「そうですか」
あやめ「とにかく、森川さんを運びましょう」
すみれ「それでしたら、私のベッドをお使いください」
マリア「そうね。すみれのベッドだといいかも知れないわね」
さくら「はい」
そして私達は、眠っている森川さんをすみれさんの部屋に運んだ。
せがた三四郎は、サクラ大戦がセガサターンの世界の為、その恩恵を受けています。なので、せがた三四郎に勝てる人は存在しないって設定ですw
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方