太正?大正だろ?   作:シャト6

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第四十六話

おっさんとさくらの掛け声で、俺とせがたの稽古という名の戦いは始まった。

 

せがた「はあああっ!!」

 

「だああああっ!!」

 

お互いオーラを全身に纏う。俺は焦ってる感情の一方、嬉しい気持ちもあった。

 

「嬉しいねぇ。この世界に来て挑戦者か。血沸く血沸く」

 

せがた「……」

 

俺の言葉に、せがたは何も反応しない。だが、隙もない。

 

「おっさん達には隠したかったが、あんた相手だ。出し惜しみはできない」

 

そう言うと俺は、オールマイトボディに変身する。その姿を見た全員は驚きの表情になる。

 

すみれ「まさか…あの出鱈目な技を出す人が森川さんだったなんて…」

 

マリア「でも、森川さんの強さを考えれば納得もできるわね」

 

大神「これは凄まじい戦いになるだろう」

 

カンナ「ああ。一瞬たりとも目が離せねぇぜ」

 

全員俺の正体を知っても、真剣な表情で俺とせがたの戦いを見ていた。

 

せがた「……」

 

しかし、せがたは未だに動こうとはしない。

 

「動かないなら、こっちから行かせてもらうよ!」

 

俺はせがたに詰め寄る。

 

DETOROIT(デトロイト) SMASH(スマッシュ)!!!」

 

俺は地面に拳を叩きつけ、竜巻を巻き起こす。当然加減なんかしていないから、離れてみてるさくら達も巻き込まれる。

 

さくら「きゃああああああ!!」

 

大神「皆!踏ん張るんだ!!」

 

米田「これがあいつの本気か!?」

 

あやめ「今まで加減をしていたなんて!!」

 

大神達は踏ん張るので精一杯みたいだが、せがたは平然と立っている。

 

「おいおい…あの中を平然と立っているなんて」

 

せがた「……!!」

 

すると今度はせがたが動き出す。ジャンプして俺めがけて蹴りを繰り出してきた。所謂ライダーキックだ。

 

「だが、それくらいなら受け止め…!?」

 

受け止め用途した瞬間、俺は殺気を感じて慌てて避ける。すると俺がいた場所が大きな穴が空いていた。

 

「…マジかよ」

 

穴の大きさを見て、俺は言葉を失った。オールマイト状態でサンジの技を出しても、あんだけデカく深い穴は空かないぞ。どんな足してんだよあんた。

 

『……』

 

さくら達も、せがたが放った蹴りを見て言葉を失っていた。

 

「…ハハハ。こいつは凄いわ」

 

せがた「よくぞあの蹴りを受け止めなかった」

 

「最初は受け止めようとしたさ。だがな、殺気を感じて避ける方を選んだんだよ」

 

せがた「うむ。中々の観察眼を持っているな」

 

「どうも」

 

さて、あれだけの足技を見て、俺の技が通じるとは思えないが、やるだけやるか!百式観音は最終手段だ!

 

「んじゃ、俺の足技も見てもらおうか!首肉(コリエ)!」

 

俺は足技をせがたに放つ。すると、それをせがた受け流していく。

 

肩肉(エポール)!」

 

せがた「ふん!」

 

背肉(コートレット)鞍下肉(セル)胸肉(ポワトリーヌ)もも肉(ジゴー)!!」

 

せがた「ふん!はっ!せい!どりゃ!」

 

続く攻撃も受け流す。

 

「この野郎…羊肉(ムートン)ショット!!

 

せがた「むん!!」

 

「この技も受け止めるか…」

 

せがた「ほう。私の蹴りと同等の威力とは驚きだ」

 

「どこがだよ」

 

俺は更に攻め込む。

 

肩ロース(バース・コート)!」

 

せがた「せいや!」

 

「なっ!?」

 

今度は受け止めず、同じ蹴りで返してきた。マジかよ!?

 

腰肉(ロンジュ)後バラ肉(タンドロン)腹肉(フランシェ)上部もも肉(カジ)尾肉(クー)もも肉(キュイソー)すね肉(ジャレ)!」

 

せがた「まだまだ!!」

 

仔牛肉(ヴォー)ショット!!」

 

せがた「どりゃああああああ!!」

 

しかし、この技も受け切られた。それどころか同じ様に蹴り返してきやがった。

 

「…これも駄目か」

 

せがた「……」

 

「…悪魔風脚」

 

せがた「!?」

 

二級挽き肉(ドゥジェム・アッシ)!!」

 

この技ならどうだ!!せがたがいた場所には、物凄い土煙がまっていた。その中、せがたに足を掴まれ思いっきり投げられた。そのまま壁にぶつかり…

 

 

 

 

 

ボカーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガハッ!?」

 

壁に叩きつけられた瞬間、俺がいた場所が爆発した。

 

(マ…ジ…かよ)

 

そして互いは土煙で見えなくなる。

 

米田「か、勝ったのか?」

 

大神「どうなんでしょう」

 

カンナ「いや…」

 

土煙が晴れると、そこにはせがたが立っていた。せがたも道着が破れていたが、まだまだやれるといった感じだ。対して俺は、先程の爆発で多少だがダメージが残る。

 

「…やっぱり立ってるか」

 

俺は半ば諦めていた。

 

「格闘系は駄目だな。なら…投影・開始」

 

俺は一本の大剣を投影する。

 

せがた「ほう。格闘の次は剣か」

 

「格闘でできる範囲やったさ。まだあるが、それは最後の手段だ。ここからは悪いが武器を使わせてもらう」

 

せがた「構わない。それでこそ遊びを極めた者なのだ!」

 

相変わらず何言ってるか分からん。

 

せがた「さぁ来なさい!」

 

「なら遠慮なく!はああああっ!!」

 

俺は自分の気を集中させる。そして稽古場が真っ白く包まれる。それが晴れると、俺達は砂漠にいた。

 

すみれ「な、なんで砂漠にいますの!?」

 

カンナ「あ、あたいに聞くな!んなの!」

 

せがた「!?」

 

流石にこれにはせがたも驚いてるな。

 

「ここは嘗てイスカンダルの軍勢が駆け抜けた大地だ」

 

米田「イ、イスカンダルだと!?」

 

さくら「み、皆!後ろを見て!」

 

さくらの言葉で、俺以外の全員が後ろを見る。そこには槍などを持った多くの兵がいた。

 

紅蘭「な、なんやあれ!?」

 

マリア「なんて数なの」

 

「見よ!我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられ、それでもなお余に忠義する伝説の勇者達!時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友達!彼らの絆こそ我が至宝!!我が王道!!余が誇る最強宝具…王の軍勢(アイオニオンヘタイロイ)なり!!

 

アイリス「あれ…人じゃないよ…」

 

あやめ「どういうことなのアイリス?」

 

「アイリスは気が付いたか。兵に見えるのは、皆サーヴァントと呼ばれる者達。言わば英霊の様なものよ」

 

米田「え、英霊!?」

 

驚くおっさん達を他所に、俺はせがたの方を見る。

 

「蹂躙せよ!!」

 

俺の掛け声と共に、後ろに待機していたイスカンダルの兵士達は、そのまませがた目掛けて突っ込んでいく!

 

せがた「…つあ!!

 

するとせがたの人数が増えた。

 

「な、なに!?」

 

せがた「ふふふ…」

 

そしてせがたとイスカンダル軍勢が激突する。が、みるみる内にイスカンダル軍勢が減っていく。

 

(嘘だろ!イスカンダル軍勢は普通の人間じゃないんだぞ!)

 

せがた「足腰がなっとらん!」

 

そう言いながら、せがたーズはイスカンダル軍勢を空手や柔道の技でなぎ倒していく。そして、せがたーズが立ち残っていた。

 

「これも駄目か…」

 

となると、ダメ元でこの技も試してみるか…

 

I am the bone of my sword.( 体は剣で出来ている。

)

 

Steel is my body, and fire is my blood.(血潮は鉄で 心は硝子。)

 

I have created over a thousand blades.(幾たびの戦場を越えて不敗。)

 

Unknown to Death.(ただの一度も敗走はなく、)

 

Nor known to Life.(ただの一度も理解されない。)

 

Have withstood pain to create many weapons.(彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。)

 

Yet, those hands will never hold anything.(故に、生涯に意味はなく。)

 

So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.(その体は、きっと剣で出来ていた。)

 

詠唱を唱え終えると、別の固有結界に移り変わる。

 

さくら「こ、今度はいったい…」

 

アイリス「お空が真っ赤だよ…」

 

大神「それに…なんて数の剣なんだ」

 

米田「ああ。こりゃ昔の戦場みたいな場所だ」

 

せがた「ふむ…今度は武器が沢山ある場所だな」

 

「ええ。すみませんが出し惜しみ出来ないんでね!」

 

俺はそう言いながら背後に無数の武器を出現させる。この場合、王の財宝の方が強いが、せがたさんのスピードを考えたら、無限の剣製の方がスピード的に間に合う。武器の一つ一つの威力は王の財宝には敵わないがな。

 

「勝たせてもらいますよ!」

 

そしてせがた目掛けて、俺が生成した武器がせがた目掛けて発射された。

 

せがた「若者よ!素晴らしい!」

 

そう言いながらもせがたは、俺が作った武器を次々と壊していく。いやいや、いくら偽物とはいえ、強度は本物と変わらないんだぞ!?

 

(あ、こりゃ駄目だ)

 

俺は諦め空間を元に戻す。

 

マリア「元に戻ったわね」

 

あやめ「だけど、凄まじい戦いだったわ」

 

「「……」」

 

俺とせがたは、互いに睨み合う。

 

(しかし、剣や槍、斧もあったが素手で壊すか普通…)

 

いや、俺も出来るけどさ。俺の場合は神に特典やらなんやらでできるわけで…この世界の奴にできるのが驚きだ。

 

「米田のおっさんの言う通り、普通じゃねぇな…」

 

なんて愚痴ってられないな。こっちにはまだ手はあるけど…そして再び俺が動き出す。

 

「…聴くがよい。晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽ーーーーー首を断つか!死告天使(アズライール)…!」

 

この技はほぼ一撃必殺の技だ。入ればほぼ即死する。んだが…

 

「これも無理って、一体全体どんな体の構造してんだよあんたは!!」

 

せがた「ははは!己を愛し、己を信じ、己に勝つ!」

 

「訳分かんねぇよ!」

 

この技も無理となるとどうするか…俺は剣を消す。

 

せがた「どうした若者よ。もう諦めたのか!」

 

「いや…切り札その1だ」

 

俺は気を集中させる。すると徐々に体が金色に輝く。

 

さくら「森川さんの体が…」

 

アイリス「金色に輝いてるよ」

 

大神「それに、森川さんの回りに小石などが当たって砕けている」

 

せがた「ははは!若者よ!真剣に遊んでいるではないか!!」

 

「それはどうも。流派…東方不敗が最終奥義!!」

 

米田「おい…」

 

あやめ「嫌な予感がします…」

 

大神「皆ふせるんだ!!」

 

「石破…天驚けぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!

 

俺はせがたに石破天驚拳を放つ。これなら流石に…

 

せがた「……」

 

「…流石に自信なくすな」

 

だってそうだろ?俺が今まで貰った特典で、オールマイト、サンジの技、宝具、流派東方不敗も使っても勝てないのか。いよいよ追い詰められたな。俺は履いてた靴を脱ぎ捨てる。

 

あやめ「遂に出るわ」

 

さくら「はい…あの技が」

 

「……」

 

俺は大きく深呼吸をし、両手で拝む。

 

「…百式観音!!」

 

そして俺は遂に百式観音を召喚した。

 

せがた「おぉ…これは素晴らしい!」

 

せがたも、百式観音を見て感動していた。

 

「これが俺の今出せる全力だ!」

 

せがた「いいだろ!若者よ!全力で打ち込んで来い!!」

 

「百式観音…壱乃掌!!」

 

上から一本の腕がせがためがけて振り下ろされる。見事に命中したが、俺はその瞬間驚いた。

 

(硬い!?)

 

生身の人間が、なんでこんなに硬いんだよ!

 

「参乃掌!!」

 

そのまま今度は左右の手で、せがたを挟む。

 

「どうだ!」

 

せがたを包み込んだが、徐々に挟んだ手が開かれる。

 

「マジかよ!!」

 

宝具とかで驚いたが、まさかこれ以上驚く事があるのかよ…

 

大神「せがたさんって、黒之巣会よりも強いんじゃ…」

 

大神、俺もそう思う。そして挟んでいた手からせがたが脱出する。

 

「百式観音…九十九乃掌!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドド!!!!!

 

俺は隙きを与えず、百式観音のラッシュが入るが、せがたはそれすらも対処する。その隙きにせがたは俺に詰め寄り、腕を掴みぶん投げる。

 

「グッ!!」

 

この時に右腕に激痛が走った。まさかぶん投げられただけで腕が折れるとはな。

 

(こうなったら、あれを使うしなさそうだな)

 

俺はゆっくりと百式観音を投影する。

 

せがた「む?」

 

「腕がなけりゃ祈れねぇとでも…?」

 

せがた「……」

 

「祈りとは、心の所作。心を正しく形を成せば想いとなり、想いこそが実を結ぶのだ。これが最後だ!行くぞ!せがた三四郎!!」

 

せがた「若者よ、全力で打ち込んでくるがいい!」

 

どうやらせがたも、俺が最後の技だと感じ、構えに入る。

 

「…感謝するぜ。お前と出会えたこれまでの全てに!」

 

せがた「若者よ。私も久しく感じなかった戦い。感謝する」

 

「詰めるもんなら詰んでみな…百式の零を見せてやるぜ」

 

俺はゆっくりと手を合わせ、百式観音もそれに合わせせがたを優しく包み込む。

 

(流石に全気力を使うと俺も死ぬ。だが手を抜く訳にもいかない。となると、ギリギリだが95%までだな。ま、終わった後は立てるか分からんがな)

 

そして俺は、百式観音零を発射する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大神(あれは神の領域だ)

 

俺は、せがたさんと森川さんの戦いを見てそう思った。森川さんの百式観音は、優しくせがたさんを包み込んで、百式観音の口が開いた。あれは…無慈悲の咆哮だ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は自分の気力95%を使い気力、地面に座り込む。

 

(頼むぜ…もう立っててくれるなよ)

 

俺は祈りながら、土煙が立ち上る場所を見る。しかし、俺の希望は打ち砕かれた。

 

せがた「……」

 

「は…ははっ…マジかよ…」

 

俺はもう諦めた。

 

せがた「若者よ…いや、森川君よ」

 

「せがた…さん…」

 

せがた「素晴らしかったぞ。私も、久々に熱くなれた!」

 

「そう…ですか…俺は…ショックですよ…あれだけ…技を喰らって…立ってるなんて」

 

せがた「それは、己を愛し、己を信じ、己に勝つ!遊びの道を極め頂点に達した男…それがせがた三四郎だ!!」

 

「はは…遊びの道を極めた男…か。これは勝てねぇや」

 

俺は気が抜け倒れ込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『森川さん(大輔お兄ちゃん)!!』

 

私達は倒れた森川さん駆け寄る。

 

アイリス「大輔お兄ちゃん!霊力がかなり少ないよ!」

 

マリア「なんですって!?」

 

すみれ「まさか、先程の技で霊力を使い切ったのでわ!?」

 

紅蘭「どないしたらええんや!」

 

さくら「私の霊力を送ります!」

 

私は森川さん抱きかかえると、集中して霊力を森川さんに送る。

 

すみれ「さくらさん!私の霊力も使って下さい!」

 

マリア「私ものよ」

 

アイリス「アイリスも!」

 

紅蘭「ウチのもや!」

 

そして、私達4人の霊力を森川さんに流し込んだ。すると、森川さんの呼吸が落ち着いた。

 

さくら「呼吸が落ち着いたみたいですね」

 

すみれ「よかったですわ」

 

マリア「けど。それ程までにせがたさんとの戦いが凄かったのね」

 

アイリス「アイリスもビックリしたもん!」

 

紅蘭「せやけど、森川はんも落ち着いてよかったで」

 

あやめ「そうね」

 

するとあやめさんもこちらに来ていた。

 

さくら「あやめさん…せがたさんは?」

 

あやめ「せがたさんは、米田支配人と話した後帰ったわ」

 

さくら「そうですか」

 

あやめ「とにかく、森川さんを運びましょう」

 

すみれ「それでしたら、私のベッドをお使いください」

 

マリア「そうね。すみれのベッドだといいかも知れないわね」

 

さくら「はい」

 

そして私達は、眠っている森川さんをすみれさんの部屋に運んだ。




せがた三四郎は、サクラ大戦がセガサターンの世界の為、その恩恵を受けています。なので、せがた三四郎に勝てる人は存在しないって設定ですw

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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