太正?大正だろ?   作:シャト6

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第四十五話

天海との戦いも終わり、俺達は普通の生活に戻っていた。今日も俺は店で働いている…んだが

 

「ったくカンナの奴。ウチは出前はしてないって何度言えば分かるんだ」

 

俺はカンナに注文された【カンナスペシャル】を持って、帝劇に出前を届けている。なんでもある人と稽古ををしすぎて飯を食いそびれたらしい。

 

「しかし、カンナが飯を食いそびれる程稽古をする相手って誰だよ。大神の奴ではなさそうだし…」

 

そんな事を考えながら帝劇に到着する。中に入りカンナを探していると…

 

「とりゃああああああああああああ!!!!!!」

 

「な、なんだ!?」

 

物凄くバカでかい声だが…地下からか?俺は出前を持ったまま地下に下り、さくら達がよく稽古をする稽古場に到着した。声は中からみたいだな。

 

さくら「森川さん!」

 

すると同じく駆け付けたさくらと入り口で出会う。

 

「おうさくら。さっきこの中からバカでかい声が聞こえたんだが」

 

さくら「はい。なんでも米田支配人のお知り合いで、今大神さんとカンナさんがお稽古をしているみたいで」

 

「へ~おっさんの知り合いか。それは興味あるな。それに、カンナが中にいるなら好都合だ。ついでに出前を渡せるしな」

 

さくら「でしたら入りましょう」

 

中に入ると、大神と柔道着を着た男が稽古をしていた。

 

さくら「あ、あの人は…!」

 

カンナ「おうさくら!それに大将も!」

 

「探しましたよカンナさん。食堂に行ってもいないので」

 

カンナ「たはは…わりぃわりぃ。今米田支配人の知り合いの人に、あたいと隊長が稽古つけてもらってたんだよ」

 

「見れば分かりますよ。取り合えず、ご注文の【カンナスペシャル】です」

 

カンナ「おっ!待ってました!!」

 

俺は注文のカンナスペシャルを渡し、代金を受け取る。するとすぐに食べ始める。

 

大神「ぐあっ!」

 

「うむ…」

 

すると大神達の訓練も終わった。

 

大神「あ…ありがとう…ございました」

 

「うむ。若者よ、もっと己を愛し、己を信じ、己に勝つ。それが、セガサターン!シロ!!」

 

何言ってんだあのおっさん。するとおっさんは、俺とさくらの方を見ると突然…

 

「さくらさ~ん!さくらさ~ん!」

 

さくら「ふふっ」

 

するとさくらも笑いながらおっさんの方に駆け出した。

 

さくら「こっちこっち~!こっちよ~!こっち~!」

 

「さくらさ~ん!さくらさ~ん!

 

さくら「あっはははは……うふふふふ……」

 

「はははははは!」

 

そしてふたりは互いを見つめあう。

 

「…また会えたね」

 

さくら「…はい」

 

「…なんだよあれ」

 

俺は思わず素の言葉が出てしまった。

 

大神「さ、さぁ…」

 

米田「相変わらずだな。せがたとさくらは」

 

大神「米田支配人!」

 

すると稽古場におっさんがやって来た。マリア達もいて全員が集合している。

 

米田「せがたは昔、小さいさくらとよく遊んでくれててな。さくらの奴も、未だに仲がいいんだよ」

 

「いや、あれ仲がいいって次元か?」

 

どう見ても、キャッキャウフフッて感じで、イチャついてるようにしか見えんが?

 

米田「あいつは…せがたは、俺が知ってる中でこの世で一番強いと見てる」

 

カンナ「ああ。それに関してはあたいも同意だ。今まで色んな奴と戦ってきたが、一番強いって思った」

 

大神「はい。自分も稽古をしてもらってそう感じました」

 

え~、おっさんや大神、それにカンナにまでそう言わせるか。

 

米田「んじゃ紹介するか。せがた三四郎だ」

 

せがた「己を愛し、己を信じ、己に勝つ。遊びの道を極め、頂点に達した男。それが俺だ。それが…せがた三四郎なのだ!」

 

『……』

 

せがたの紹介に、俺達は黙ってしまう。どんな自己紹介だよ。

 

さくら「うふふ、変わりませんねせがたさんは」

 

米田「全くだ。相変わらず訳の分からねぇ自己紹介だぜ」

 

どうやら毎度の事らしい。

 

大神「しかし、それほど強い人に稽古をつけていただいたとは。……」

 

すると大神は、俺とせがたを交互に見る。

 

大神「ふとした疑問なんですが、森川さんとせがたさん、どちらが強いのでしょうか?」

 

すみれ「確かに…それは気になりますわね」

 

紅蘭「せやな。ウチらは森川はんが強いのは知っとるけど」

 

アイリス「大輔お兄ちゃんは負けないよ!」

 

マリア「どうかしら?見た感じ、せがたさんからも凄い霊力に似たものを感じるわ」

 

あ~…これは面倒な事になりそうだな。

 

米田「面白いじゃねぇか。森川、お前せがたと戦ってみろよ」

 

「米田さん…」

 

はぁ…これはやるしかなさそうだな。俺は渋々前に出る。

 

「よろしくお願いします」

 

せがた「うむ。だが、今のままではお互い本気で戦えまい」

 

するとせがたは、自分の回りに気を集中させる。

 

せがた「はああああああっ!!はあああああっ!!!!!!

 

すると周りの景色が稽古場から変わる。

 

あやめ「なっ!?」

 

大神「ここは…」

 

せがた「ここはかつて私が修業をした空間。ここならば、互いに本気で戦ったとしても、周りを気にする必要がない」

 

おいおい…確かに俺の地下にも似たようなのはあるが、自分の気でこんな空間を作り出すかよ…

 

「やべぇな…勝てるビジョンが浮かばねぇ」

 

この世界に来て、俺は初めて敗北すると心から思った瞬間だった。

 

米田「それでは…」

 

さくら「始めてください!!」

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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