誰か上手い人に書いてほしい(願望w)
支配人室に到着し中に入ると、おっさんの他にあやめと大神もいた。
あやめ「…米田司令、揃いました。お願いします」
米田「…まずはこれを見てくれ」
するとあやめがブラインドを閉じて部屋を暗くし、大神が映写機を動かした。真正面に映る映像を見ながら俺は適当な椅子に座る。映ったのは激しい戦闘が行われてる映像だった。
大神「これは?」
米田「欧州大戦の映像だ」
すると今度は、光武に似た機体に乗り込んでる子供達が映る。
「この子達は?」
米田「この量子甲冑に乗り込んでいる子供達は…星組。花組結成以前に作られた実験部隊だ」
大神「星組…この子供達が」
「……」
こんな子供を実験に使うとはな。軍の連中もおかしいだろうがよ。そして映像が進んでいくと、5機の量子甲冑が街を破壊した。
米田「たった5人で、街1つ消す程の霊力を見せたが、今はもう解散しちまった…あれは俺の考えていた華撃団とは違う。そしてな、紅蘭はこの映像を毎日のように見ていたんだ。泣きながら、見続けていたんだってよ」
「「……」」
おっさんの言葉に、俺と大神は黙る。そして映像も終わり部屋を明るくする。
あやめ「人型蒸気同士が壊しあう戦場…」
「紅蘭さんには辛かったでしょうね」
大神「どうして…紅蘭はこの映像を?」
米田「最高の量子甲冑を作る為だ…俺も紅蘭には辛い思いをさせちまったよ。自分の友達である機械が壊されて…人々に憎まれている姿を見せちまった」
おっさんも後悔してるな。けど、この映像を見て今の量子甲冑が完成したのも事実。複雑だな…
あやめ「機械が友達なんて、おかしなことかもしれない。でも…それは違うの。大切にしている気持ちを傷つけられるのは、とても悲しいことなのよ。自分の常識に囚われず、紅蘭のありのままの心を分かってあげて。貴方には、それができるはずなんだから。ね、大神くん」
大神「は…はい。俺、もう一度紅蘭と話をしてきます」
そして大神は支配人室を出て行った。
米田「大神か…いい奴じゃないか」
あやめ「あら、今頃お気づきになられたんですか?」
「随分と遅いな」
米田「ふふふ…あいつなら、皆を守ってくれるな。星組の二の舞は、もうごめんだ。それに、お前もいるしな…森川」
あやめ「ふふっ…そうですね」
「おいおい、あんまり期待すんなよ。…ん?」
俺は下から機械の足音が聞こえた。なんで足音が?下にあるのは光武だが…
「まさか!?」
俺は慌てて部屋を出て地下に向かった。
米田「おい森川!?」
おっさんの声も無視して。そして地下に行くと、紅蘭の光武がなかった。
大神「待ってくれ紅蘭!!俺に謝らせてくれ!!」
「あっちか!!」
俺は大神の声がした方向に走る。するとそこにいたのは紅蘭の光武と、その進路の前に立ちふさがる大神だった。
紅蘭『もうええんや、大神はん…昨日な、森川はんがずっと一緒にいてくれたんや。ほんでな、少し考えたんや。ウチはここにいてええんかなって…』
大神「違うんだ!俺の話を聞いてくれ!!俺は…紅蘭がそんなに光武を大切にしているなんて、気づいていなかったんだ。機械は…光武は紅蘭の大切な友達なのに…」
紅蘭『大神はん…』
大神「君の事を…機械の事を真剣に考えていなかったんだ…すまなかった、紅蘭…光武にも、すまなかったと思っている…」
すると紅蘭は光武の中から出てきた。
紅蘭「……」
大神「紅蘭…」
「そうですよ紅蘭さん」
俺は紅蘭と大神に接触する。
大神「森川さん」
紅蘭「森川はん…ウチ…ウチ…」
紅蘭は俺の方にやって来た。
紅蘭「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」
そして泣いてしまった。俺と大神は、紅蘭が泣き止むまで黙っていた…
紅蘭「…へへっ。思いっきり泣いたら、なんやスッキリしたわ。あんな森川はん、大神はん…ウチ、中国で暮らしてた頃…友達、おらへんかってん。毎日…誰とも遊ばんと…1人で時計や…機械ばっかりいじっとった。父様の形見の懐中時計…これだけが、ウチの友達やった。この子と話をするんだけが、ウチの支えやったんや…」
大神「紅蘭…」
「……」
大神「どうやって時計と話すんだい?機械は話なんか…」
おいおい大神。もう少し言葉を選べよ言葉をよ。
紅蘭「確かに、話なんかしてくれへん。でもな…分解して…組み立てなおす。そうしてると…色んな事を話してくれてる気がするんや。ほんで、あやめはんに会うて、神戸のパーシーはんって人に預けられたんや。夢みたいな毎日やったな…パーシーはんと一緒に、機械ばっかりいじっとった。ホンマに幸せやったんや…あんな事、言われるまでは…」
「あんな事?」
もしかして…
紅蘭「パーシーはんのオバハン…嫁さんやな。欧州大戦で息子はんが殺されたらしいんや」
大神「欧州大戦…」
紅蘭「その後…ウチ、見てもうたんや…星組の映像を…」
やっぱりか…
大神「…俺と森川さんも見た。さっき、米田司令から見せてもらった…」
紅蘭「確かに…あの映像をみたら、機械が人殺しに見えてもしゃあないと思った…でも…違うんや!機械が人を殺すんやない!!人が人を殺すんや!機械を使うてる人間が、悪いことをしてるんや!!」
「……」
紅蘭「人間は皆勝手や!!機械は壊してもすぐに直る…機械は文句を言わん…機械は人間やないから…悪い事は、みんな機械のせいにする!」
大神「紅蘭…」
確かに紅蘭の言う通りだ。機械に意思はない。だから、最終的に使う人間によって善し悪しが決まるのも事実だ。
紅蘭「なぁ大神はん、森川はん…ええ機械って、どんな機械か分かる?」
大神「いい機械?」
「なんでも言う事を聞く機械…ですか?」
紅蘭「そうや。ええ機械っちゅうのは、作られた目的をきちんと達成する機械の事や。【設計思想】って言うんやけどな。機械を設計する時、こういう風に動いてほしいって考えて作るもんなんよ。せやから【設計思想】通りに働いてくれる機械が、ええ機械っていうことなんや」
大神「へぇ…そうなんだ」
紅蘭「ウチが今までに会うた機械で、一番エエ子なんはな…この光武や。この子は…作った人の気持ちにきちんと応えとる。光武の設計図の裏にな、こんな言葉が書かれとった。『この霊子甲冑が、人々の希望になりますように』ってな。この設計図を描いた山崎はんって人の言葉やけど、凄く温かいって思った」
山崎…以前調べた元降魔部隊の山崎慎之介か。確かに、その人物の言う通り今光武は帝都に住む人の希望になってるしな。
紅蘭「せやのに…機械はこんなに頑張ってくれとるのに…皆は…」
「…ん?」
話してると、格納庫に人の気配を感じた。数的にこれはさくら達だな。やっぱあいつらも気になったか。
紅蘭「壊れたら直せばええとか…一回だけ使えればええとか…人間側の身勝手ばっかり…」
「紅蘭さん、その気持ち皆さんに伝えてみてはどうですか?」
大神「そうだよ紅蘭。君の気持ちを花組に…いや、世界中の人達に伝えよう!」
紅蘭「森川はん…大神はん…」
「ですよね、皆さん」
俺がそう言うと、花組の連中が出てきた。
紅蘭「皆…」
すみれ「そうですわ。きちんと話して下されば、私も分かりますわ。少尉と森川さんの言う通りですわ。紅蘭はいっつも我慢して、話してくれなかったでしょう。一言…言ってくだされば、わたくしだってきちんと機械とお付き合いいたしますわ」
大神「紅蘭…」
「紅蘭さん…」
紅蘭「大神はん…森川はん…ウチ…ウチ…」
「紅蘭さんの気持ち、皆さんに伝わっていますよ」
紅蘭「すみれはん…ウチ、皆に謝らなあかん。ウチ…皆に酷い事言うてもうた…」
すみれ「いいんですのよ紅蘭。それはお互い様ですわ。わたくし達も、紅蘭の気持ちを分かろうとしていませんでしたもの。これからは…たくさんお話いたしましょう。機械の事や…舞台の事…」
紅蘭「もちろんや!皆は…皆はウチの大切な友達やさかい」
雨降って地固まるって感じだな。
アイリス「わ~い!これで皆一緒だね!」
さくら「ふふふ…ねぇすみれさん。あれは渡さないんですか?」
すみれ「分かってますわよ…さくらさんは、黙ってらっしゃい。それで…わたくし紅蘭に渡したい物があるんですの。あ、あの…これ…初めて描いた物で上手くはありませんけど」
そう言うとすみれは1枚の紙を渡す。
紅蘭「ん…なんや?設計図みたいやけど」
すみれ「あの…千秋楽で使いたいセットでの設計図ですの。【西遊記】だけではなく、他の舞台でも使えるようにと考えてみたんですけど…」
へ~。あのすみれが自ら設計図をね…
紅蘭「こりゃええわ!確かに、どんな舞台でも使えるセットになっとる!!凄いですみれはん!ウチ、このセット作る!期待しててや!!」
カンナ「よっしゃ!これで今日の千秋楽も、凄い舞台になりそうだな!!」
そんないい雰囲気に水を差すブザーが鳴り響く。
あやめ『皆、集合して!黒之巣会が現れたわ!』
ったく…マジで空気読めよ黒之巣会…
マリア「皆行くわよ!」
紅蘭「了解や!」
「皆さん、頑張ってください!」
そして全員出撃していった。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方