「ふぅ…やっぱ風呂は気持ちがいいな」
すみれとのキスから俺は、すぐに風呂に入り火照った顔を冷ましていた。
「風呂は命の洗濯。日本人の心だな。やっぱ湯船に浸からないとな」
浴槽は、俺が余裕で足を伸ばせるくらい大きく作ったからな。狭いと疲れが取れねぇんだよ。
「しかし…」
俺は、先程の事を思い出す。まさかすみれとキスするとはな。
「ま、言っちゃ悪いが
前世では、好きになった女に告白しても、イイ人止まりだったからな。
「……」
これ以上考えるのや止めだ。さっさと上がって、酒飲んで今日は寝るか。
カラカラ
「ん?」
浴室の扉が開く音が聞こえたが、湯気で入り口が見えねぇな。目を凝らして見ると、湯気に人影が浮かび上がる。そしてやって来たのは…
「さ、さくら!?」
さくら「……」
さくらだった。
「バ、バカ!俺が入ってるの知ってるだろが!!」
俺は慌てて後ろを向く。
さくら「す、すみません///けど、どうしても森川さんと話がしたくて」
「……」
話って、風呂から出た後でもできるだろうが!けど仕方ねぇ。これ以上立たせて風邪引かせたら意味ねぇからな。
「…とにかく湯船に入れ。そのままじゃ風邪引くぞ」
さくら「し、失礼します」
そしてさくらは入ってくる。一応2人でも入れるからいいが…
「「……」」
か、会話がねぇ!こんな状況で何話せばいいんだよ!!ってか、さくらもさくらだ!嫁入り前の女が男の!しかも独身の奴の風呂に入ってくんなよな!!
「「……」」
未だに俺達は、互いに背中を向けている。
さくら「…ごめんなさい」
「あ?」
さくら「私…見ちゃったんです。森川さんがすみれさんとせ…接吻したのを」
「……」
その言葉に俺は何も言えなかった。事実だからな。
「あ~…」
さくら「それを見たら、胸がチクチクして…苦しくなって…」
「だから、こんな行動に出たって訳か」
さくら「…はい」
やれやれ。だからってこんな行動を起こすとは、普通思わねぇわな。俺は側に置いてあるタオルを腰に巻き湯船から立ち上がる。
さくら「森川さん…」
「嫁入り前の女が、気軽に肌を見せるんじゃねぇよ」
さくら「ごめんなさい」
「だが、生憎俺は鈍感じゃねぇ。お前の行動の意味は理解してるつもりだ。けど、今はお前の気持ちには答えられない。お前…さくら以外にも、マリアやアイリス達の事もあるからな」
さくら「……」
俺の言葉に、さくらは黙っている。
「それに、今は帝都を脅かしてる脇侍をどうにかしないといけないしな。それが片付いたら、お前らの問いに答えるつもりだ」
そう言い残して、俺は風呂を後にした。そのまま着替え自分の部屋に戻り、ベッドに横になる。
「ったく、鈍感な大神の奴が羨ましいぜ」
そう呟いた俺は、そのまま眠りについた。翌日、俺はいつも通りの時間に起き、さくら、すみれ、紅蘭、そして俺の計4人分の朝飯の用意をしている。
「ん?1人起きたな。この気配は…さくらの奴か」
よりによって、先に起きたのがさくらか。いくら俺でも少しばかり気まずい。
さくら「お、おはようございます」
「ああ、おはよう」
さくらは俺の顔を見ると、昨日の事を思い出したのか顔を赤くしてる。ま、俺もバレない様に頑張ってんだがな。
さくら「あの…森川さん」
「さくら、お茶を淹れたから飲め」
さくら「は、はい」
カウンターの席に座らせ、淹れた茶を出す。それを受け取ったさくらはゆっくりと飲んでいく。
さくら「はぁ…美味しい」
「そうか」
俺はそのまま朝食の準備をする。
さくら「森川さん…昨日の事なんですが」
「……」
さくら「私の気持ち…」
「…昨日言った通り、今すぐにはお前の気持ちに答える事は出来ねぇ」
さくら「……」
「お前だけじゃねぇからな。ま、取り合えず平和になってからだな」
さくら「そう…ですね」
「悪いな」
話してる間に、朝食の用意が終わった。んで、タイミングよくすみれが下りてきた。その後ろから、ボサボサの髪をした紅蘭も下りてきた。
すみれ「おはようございます。さくらさん、森川さん」
さくら「おはようございますすみれさん」
「おはようございます。すみれさん、紅蘭さん」
紅蘭「ふあぁぁぁ…おはようさん」
そして俺達は朝食を食べるのだった。食べ終わり、食器を洗い終わると、さくら達は荷物を持って下りてきた。
すみれ「森川さん、本当にお世話になりました」
「気にしないで下さい。後は、お2人が仲直りできる事を祈ってますよ」
いやホント。頼むから仲直りしてくれよな。もうこんなのはごめん被るわ。
さくら「それではお邪魔しました」
紅蘭「ホンマ世話になりました」
そして3人は劇場へと帰っていった。
「さて、店の準備するか」
俺は3人が出てったのを確認すると、店の開店準備を始めるのであった。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方