太正?大正だろ?   作:シャト6

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第二十五話

俺は外で掃除をして、ふと空を見上げる。

 

「…平和だな。ここ最近は、脇侍や黒之巣会の連中も出てこない。このまま続けばいいが、そうもいかねぇんだろうな」

 

雲1つない空を見上げながら、俺はそう呟く。呟きたくもなるがな。

 

「帝劇も、次回公演を控えてるから、ここ2、3日は休演中だしな。アイツらも、それぞれ自由に過ごしてるみたいだしな」

 

ま、劇場が休演中は家の店も暇なんだけどな。

 

「さて、今日はどうするかなっと。ウシッ!掃除終わり!!」

 

店前の掃除も終わり、店に入る。取り合えずコーヒーでも淹れるか。パッパと準備をし、後はのんびり待つだけだ。コーヒーの匂いが店中に広がり、のんびりとした時間が流れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、扉に付いてるベルが鳴る。客か?

 

「いらっしゃ…珍しい組み合わせだな」

 

入り口を見ると、米田のおっさん、あやめ、さくら、マリア、すみれがいた。

 

米田「おう、邪魔するぜ」

 

さくら「こんにちは森川さん」

 

すみれ「失礼いたしますわ」

 

マリア「突然お邪魔してすみません」

 

あやめ「ごめんなさいね」

 

「別にいいさ。とにかく座れ。コーヒーくらいなら淹れてやる。丁度飲むつもりだからな」

 

俺は5人にカウンター席に座るよう進める。序でに店の看板も裏返しておく。

 

「ほら」

 

俺はコーヒーを自分の分を含め、5人に出す。

 

「で、5人で来るのは珍しいな」

 

米田「まぁな」

 

「俺に何か用か?それとも飯を食いに来たのか?」

 

米田「……」

 

そう言うと、おっさんは飲んでだカップを置く。これは向こうの方の仕事か。ま、後で聞くか。俺もこの後色々と調整もあるしな。で、さくら達はおっさんを残して店を出ていった。今から残りの面子と合流して、買い物に行くそうだ。俺も誘われたけど、おっさんが残るし断った。さくら、マリア、すみれは残念そうな顔をしてたが。で、その中にあやめの奴が混ざってたんだが?

 

「さて、依頼内容は?」

 

俺は誰もいなくなった店内を確認し、おっさんに話しかける。

 

米田「…実はな、ここ最近ウチの連中が、変な奴につけられてるらしいんだ」

 

「なに?」

 

俺はおっさんの言葉を聞いて、僅かだが眉毛を動かした。

 

米田「3日前の事だ。さくらと椿の奴に買い出しを頼んだんだが、道中何処からか見られているような感じがしたそうだ。それに、かすみや紅蘭も劇場付近で怪しい人影を見たらしいんだよ」

 

「なるほど」

 

俺はコーヒーを飲みきり、おっさんの話の被害を考える。

 

「分かった。調べてやるよ」

 

米田「助かる」

 

「気にすんな。俺もアイツらが被害に遭ってるかもって聞きゃ、気分悪いからな」

 

そして俺達は、早速地下に向かった。

 

「一応、ここ帝都にはところ狭しと俺がカメラを取り付けてるからな。おい、ここ最近の劇場周辺の様子を映してくれ」

 

オペレーター「了解です」

 

俺の指示でオペレーター達は一斉に動き出す。

 

米田「おい森川。誰だあの嬢ちゃん達は?全員同じ顔だが…」

 

「ああ、あいつらは俺が作った機械人形だ。戦闘等はイマイチだが、その分機械関係は滅法強い」

 

米田「お前が作っただぁ!?しかも機械人形だと!!どっからどう見ても人間だろうがよ!」

 

「当たり前だ。街でも情報収集してもらうんだ。人間そっくりに作ったに決まってるだろ」

 

俺はさも当然の様に答える。おいおっさん、何で手をデコに当てて溜め息ついてんだよ。

 

米田「やれやれ…つくづくお前には驚かされるぜ」

 

「ククク…褒めてもタダにはしないぞ♪」

 

米田「褒めてねぇよ!それに、キチンと支払う。呆れてんだよ」

 

ハハッ。たまにはおっさんをからかうのも悪くねぇな。

 

オペレーター「マスター、3日前に帝劇付近にて、怪しい人影を確認しました」

 

「あったか。拡大してくれ」

 

オペレーター「了解です」

 

中央の画面に拡大させる。

 

「時間は…午後2時だな」

 

米田「ああ。確かこの時は、さくらとアイリス、それに椿の3人で買い物に出掛けてた筈だ」

 

少し時間を進めると、確かに劇場からさくら、アイリス、椿の3人が出てきた。すると男は、3人が出てきた瞬間物陰に隠れた。

 

「あいつらが出てきた瞬間に隠れたか。こりゃマジで怪しいな」

 

米田「ああ」

 

そして、今度は更に2日遡り画面を見ると、マリアとかすみ、すみれの3人が夜に帰宅してた時の映像だ。

 

「明らかにこの3人をつけてるな」

 

男に気付いたのか、マリアが銃を抜き先程まで男がいた場所に向かっている。

 

米田「随分と素早いな」

 

「…おい、こいつの顔拡大できるか?」

 

オペレーター「了解、画像を拡大します」

 

男の顔がカメラに映った時に停止し、顔を拡大する。ウチの技術があれば、はっきり鮮明に映し出せる。

 

「こいつか」

 

米田「……」

 

「おっさん、この男の顔に見覚えは?」

 

米田「いや、悪いが俺には心当たりはねぇな」

 

ふむ…おっさんには心当たりはないと。

 

「この画像を現像してくれ」

 

そう言うと、オペレーターの連中はテキパキと動き、この映像を現像した。

 

「これを他の連中に見せてみるか。見せれば誰かしら知ってるかもしれねぇしな」

 

米田「そうだな。なら、今夜ウチに来てくれ。全員を集めておくからよ」

 

「了解だ。後、金は後日でいい」

 

米田「分かった。じゃあ夜にな」

 

そしておっさんは帰っていった。俺はそのまま椅子に座り、ストーカー行為をしてる男の映像をジッと見ていた。

 

「ん~…どっかで見た気がすんだけどなぁ」

 

俺は、男の顔に見覚えがあるような感覚になるが、結局は思い出せんかった。

 

「ま、今日あいつらに聞けば、少しは進展するだろうさ。後は任せたぞ」

 

オペレーター『了解です』

 

そして俺も戻ったのであった。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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