太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十八話

アイリスを無事説得した俺達は、マリア達と合流する。

 

大神「皆、待たせたね」

 

『隊長(少尉)(大神はん)!!』

 

さくら「お待たせしました!」

 

アイリス「皆ごめんね」

 

アイリスは合流した早々、皆に謝る。キチンと謝れれば大したもんさ。

 

マリア「いいえアイリス、私達こそごめんなさい」

 

紅蘭「せやな。ウチやすみれはんが余計な事言ってもうたからな」

 

すみれ「ちょいと紅蘭!それではまるで、私が悪いみたいな言い方ではありませんか!」

 

カンナ「いや、お前も充分悪いからな?アタイ達と一緒で」

 

カンナの言葉に、俺は思わず頷いてしまう。だって、その通りだしな。

 

大神「さぁ皆、反撃開始だ!」

 

『了解!』

 

大神の言葉に、俺を除いた全員が返事した。だいぶ隊長らしくなってきたな。

 

マリア「隊長、敵の幹部は雷門の向こうの浅草寺にいます。一気に叩きましょう」

 

紅蘭「けど、そう簡単にはいかんようや。途中にある雷門は閉められとるで」

 

見ると、雷門は確かに閉じられていた。

 

大神「仕方ない。…気が引けるが門を破壊して進もう」

 

紅蘭「光武の力じゃ無理やで。雷門は以前焼失した苦い経験から、シルスウス鋼で再建してるんや!光武の攻撃だろうが、翔鯨丸の砲撃だろうが受けつけへんで」

 

「また面倒だな。ってか、シルスウス鋼って聞いたことねぇぞ」

 

紅蘭の言葉に、俺は聞こえない声でツッコミをする。だって、前世でも聞いた記憶ねぇしよ。

 

大神「なに?それじゃあ絶対に中に入れないのか!?」

 

「安心して下さい」

 

大神の言葉に、俺が前に出る。

 

「皆さんが乗ってる光武や、翔鯨丸の砲撃も効かない。ならば、それ以上の威力で壊せばいいわけですね」

 

紅蘭「た、確かにせやけど…森川はん、どこにそんな威力のあるモンが?」

 

「大丈夫です。けれど、申し訳ありませんが皆さん、耳をしっかりと塞いでいて下さい」

 

『??』

 

俺の言葉を理解してないか。そりゃそうだろな、いきなり耳を塞げって言われればな。

 

大神「とにかく皆、森川さんの言う通り耳を塞ぐんだ!」

 

大神が指示してくれたか。少し待ったし、全員が塞いだだろ。塞いでねぇ奴は知らん。

 

「それでは。スゥゥゥゥ……」

 

俺は大きく息を吸い、目標の雷門入口の方に向く。

 

「ゥゥゥゥゥ……ボイスミサイルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!

 

腹に溜め込んだ空気と一緒に、思いっきり叫び口からミサイル並の威力の音を飛ばす。

 

大神「ぐっ!!?っっっっっっっ!!」

 

さくら「み、耳がっ!!!」

 

すみれ「な、なんて声ですの!!!!?」

 

紅蘭「あ、あかん!これ以上近づけば光武が悲鳴あげるで!!!!」

 

カンナ「な、なんなんだよ!!?」

 

アイリス「耳が痛いよぅぅぅ」

 

マリア「っっっっ!!!!」

 

耳を塞いでても、かなりダメージあるみたいだな。音壁かボイスアーマーでも纏わせときゃよかったか。 だが、お陰で雷門の入口は綺麗に吹き飛んで開いたからいいか。

 

「開きましたね。皆さん、大丈夫ですか?」

 

大神「え、ええ…なんとか」

 

さくら「森川さんに、耳を塞ぐうように言われてなかったら」

 

すみれ「か、考えるだけで恐ろしいですわ」

 

「すみません。何せ久々に使ったもので威力の加減が上手くいかなくて」

 

俺は久々に使ったので、威力の加減が出来ないことを謝る。事実だしな。

 

マリア「ですが、森川さんのお陰で雷門は開きました」

 

カンナ「だな。一気にけりをつけてやるぜ!」

 

大神「いくぞ!」

 

そして大神達は、ボスである敵の元に向かっていった。

 

「さて、後はあいつらがなんとか…って、まだ雑魚がうじゃうじゃと」

 

俺を取り囲むように、脇侍達が立っている。ったく、めんどくせぇな。

 

「相手するつもりはなかったが、俺を取り囲んだんだ。やられる覚悟はあんだよな?」

 

脇侍「ギギ…」

 

俺は脇侍達を睨む。すると脇侍達は怯んだのか、俺から少し距離をとる。

 

「ガラクタが…大圧力鍋!

 

大圧力鍋を使い、俺を取り囲んでた脇侍達を気圧で全て押し潰した。そこに残ったのは、ペシャンコに潰れたガラクタの山だった。

 

アイリス「せ~の…勝利のポーズ、決めっ!」

 

そんな声が聞こえた。どうやら向こうも無事に終わったみたいだな。

 

「さてと!俺も帰るとするか」

 

軽く伸びをして、俺は元来た道を走り家に帰ったのだった。それから数日後、色々と壊された浅草は元に戻りつつある。平和な日がまた戻ってきた。俺は散歩をしてると、劇場前でさくらとアイリスがいた。

 

「アイリスのやつ、えらく嬉しそうだな」

 

さくらの前で笑顔で踊っていた。踊るってより回ってる?

 

さくら「ねえ、アイリス…1つ聞いていい?」

 

アイリス「えっ!?」

 

さくら「森川さんに抱き付いたとき…何か感じたの?」

 

アイリス「……」

 

さくらの言葉に黙るアイリス。ってか、隠れて聞いてるってなんか…ねぇ。

 

紅蘭「アイリス、大神はんが呼んでるで」

 

アイリス「分かった紅蘭」

 

さくら「……」

 

アイリス「お兄ちゃんが、前駄目になったデートやり直してくれるんだって。で、夜に大輔お兄ちゃんがアイリスの好きなの作ってくれるから、お店においでって!」

 

さくら「嬉しそうね」

 

あの…さくら、なんでお前の背後から黒いオーラが見えるのか説明してほしい。

 

アイリス「あっそうだ。大輔お兄ちゃんに抱き付いた時ね…何か、とってもあったかかった」

 

アイリスはアイリスで、何で顔を赤く染めるんだよ…

 

アイリス「それでね…」

 

さくら「うん?」

 

アイリス「後はヒ・ミ・ツ!行ってきま~す!」

 

さくらにそう言い残し、大神の元に行ってしまった。

 

さくら「……」

 

アイリスがいなくなった後、さくらから更に黒いオーラが出たのは気のせいではないだろな。こりゃ、今さくらと会ったら完全にとばっちりを食らう。俺はそっとその場から離れようとする。だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタン!

 

 

 

 

 

 

 

 

うっかり足下にあった箱に足をぶつける。

 

さくら「……」

 

当然その音に気づいたさくらは、俺の方を見る。

 

「よ、ようさくら」

 

さくら「……」

 

そのまま俺の方に近寄ってくる。

 

さくら「…森川さん」

 

「な、なんだ」

 

さくら「少しお話が。マリアさんと一緒に」

 

ヤバイ…目が笑ってねぇ…

 

「わ、悪いな。俺今から買い出しに行かないと…」

 

さくら「大丈夫です。私が後で付き合いますので」

 

そんなニッコリとした顔をすんな!!

 

「いや…今日はアイリスの」

 

さくら「大丈夫です。私も手伝いますから」

 

駄目だ。これは何を言っても意味がねぇ。肚括るか…そして俺は、さくらと一緒に劇場に入り、マリアと何故か説教をくらうのだった。因みに、さくらとマリアがアイリスの料理を手伝いに来たのは言うまでもない。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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