太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十七話

翌朝、俺は朝食を済ませてアイリスの事を調べていると、電話が鳴る。しかも、緊急の音の方だ。

 

「嫌な予感が…」

 

そう言いながら電話に出ると、案の定米田のおっさんからだった。

 

米田『大変だ森川!!』

 

「お、おっさん…大変なのは分かったが、声がデケェ」

 

俺は受話器から耳を離してそう言う。

 

米田『す、すまねぇ』

 

「別にいいけどよ。で、そんだけデケェ声出すって事は何かあったんだろ?」

 

米田『そうなんだ!アイリスの奴が、届いたばかりの光武で浅草に出ていっちまったんだよ!!』

 

「はぁっ!?」

 

今度は俺がデカい声を出す。だってよ、電話がきてアイリスが光武に乗って浅草に出て行ったって聞けば、誰だってあんだけ声出すぞ。

 

米田『既に大神達は浅草に向かってる。しかも、黒之巣会の奴等も出て来てやがる』

 

「黒之巣会もか」

 

なんともタイミングが悪い事で。

 

「とにかく、俺もすぐに浅草に向かう」

 

米田『すまねぇ』

 

そして俺は電話を切ろうとする。すると、おっさんがこう言った。

 

米田『アイリスの奴を…助けてやってくれ。あいつは…大神もだが、それ以上にお前の事を好いている』

 

「…出来る限りの事はするつもりだ」

 

そして電話を切り、急いで浅草に向かう。屋根の上を移動し、浅草に到着する。すると既に建物は壊れており、脇侍も出現していた。

 

「酷いな。これがアイリスがやったのか?」

 

周囲を見回していると、さくら達がアイリスが乗っているであろう金色の光武を取り囲んでいた。しかし、その光武は他の光武を攻撃し逃げていく。

 

「あちゃ~…また要らん事したんだろなあいつら」

 

俺は囲んでた赤、紫、緑の光武の搭乗者達を見て苦笑いした。

 

「大神とさくらがアイリスを追いかけたか。なら、俺も追いかけるか」

 

俺も屋根の上を移動し、アイリス達の元に向かった。到着すると、さくらと大神がアイリスの光武を捕まえていた。

 

アイリス「嫌!放して!!」

 

さくら「アイリス!」

 

大神「落ち着くんだ!」

 

「やれやれ。見てられないな」

 

俺は地面に下り、アイリス達の前に出る。

 

さくら「森川さん!?」

 

アイリス「大輔お兄ちゃん…」

 

「よっ、アイリス。随分派手にやったな」

 

俺は笑いながらアイリス達に近付く。

 

アイリス「……」

 

アイリスは、黙ったまま俺から顔を背けている。

 

「……」

 

俺も黙ったまま、アイリスを見る。俺は煙草を吸いだす。

 

「「……」」

 

さくらも大神も、2人とも俺達の事を黙ったまま見ていた。

 

「…スッキリしたか?」

 

アイリス「えっ?」

 

「こんだけ暴れて、スッキリしたのかって聞いてんだよ」

 

アイリス「……」

 

俺の言葉に、アイリスは再び黙ってしまう。

 

「確かに、他の連中がお前の事を子供と見てしまう。それは仕方ねぇな。実際お前はまだ子供だ」

 

さくら「森川さん!そんな言い方…」

 

大神「さくら君」

 

文句を言おうとするさくらを大神が止める。

 

「だがな、俺や他の連中から言わせれば、子供でいいじゃねぇか。二十歳を過ぎれば大人…子供の時間の方が短いんだ」

 

さくら「そうよアイリス。誰だって子供だった時はあるのよ?」

 

大神「そうだね。大人になったら、どんなに戻りたくても子供に戻る事は出来ないからね」

 

「その通りだ。大人になれば、残りの人生はずっと大人だ。子供だった時間なんて一瞬で過ぎる」

 

そして俺はアイリスの側に行き、抱きかかえる。

 

「子供でいいじゃねぇか。子供なら多少の我が儘だって許される。今この時を大いに楽しめばいいんだよアイリス」

 

頭を撫でて俺はそう言う。

 

アイリス「…お兄ちゃん!!」

 

そしてアイリスは俺にしっかりと抱き着く。

 

大神「アイリス、君は俺達の大切な仲間なんだ。皆心配してるんだよ」

 

アイリス「うん!」

 

ようやくアイリスの顔に笑顔が戻ったのでった。

 

大神「さぁ!皆の元に戻ろう」

 

「「「はい!(うん!)(ああ!)」」」

 

俺達は、マリア達の元に戻り、脇侍の殲滅を開始する。さぁ、反撃開始だ!!

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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