太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十四話

帝都に平和な日々が訪れていた。劇場の方も連日満員御礼。で、その近くにある俺の店も久々に客足が止まらず、連日満席だ。ま、偶には悪くないな。そうそう、花組にカンナの奴が帰って来たらしい。って事は、無事に仇は打てたみたいだな。帰ったなら、俺の料理を食わせようと言ったんだが、昨日の夜出撃があったらしく、その時に大神が逃げ遅れた子供を庇って怪我をしたそうだ。そんな訳で、カンナの歓迎会は怪我が治った時に頼むとおっさんに言われた。しかし…

 

「おっさんの話じゃ、子供を庇った大神に対して、マリアの奴が怒ったらしいが」

 

おそらくだが、マリアは昔の隊長と大神がダブって見えたんだろな。じゃなきゃ、普段のあいつからそんな言葉が出るはずない。すると、おっさんから緊急通信が入る。

 

米田『大変だ森川!!』

 

「いきなり大声で叫ぶなよ…ったく。で、何が大変なんだ?あんたが教えたばかりの緊急通信用のコードで連絡するなんて」

 

米田『マリアの奴が、1人で敵の所に出撃しやがった!!』

 

「はぁ!!?」

 

その言葉に、俺は柄にもなく間抜けな声で叫んでしまう。

 

「ど、どういう事だ!?」

 

米田『さっき、大神の奴から聞いたんだが、黒之巣会の刹那っていう奴が、マリアの過去の事を話してな。それで一人で来いって言いやがったそうだ。全く、マリアも敵の安い挑発にのりやがって…』

 

「黒之巣会…刹那」

 

流石に1人ではマズいと思い、おっさんに言う。

 

「おっさん、俺も個人的に動いてマリアを探す。大神達も捜索はすると思うが、流石に敵が放っておかないだろ。だから、マリアの事は俺に任せてくれ」

 

米田『しかし、お前は光武には乗れないんだぞ!!』

 

「心配すんな!じゃあな」

 

米田『おい!森川!!』

 

おっさんとの通信を切り、俺は急いでマリアを探す。

 

「確か敵は築地で戦ったって言ってたな。なら、とにかく築地に向かうか」

 

俺は屋根伝いに移動していく。築地に到着すると、脇侍が何体もいた。

 

「ビンゴだな。後は、マリアの奴がどこにいるかだが…」

 

やみくもに探しても意味がない。なら…

 

「スパイ衛星セット~!」

 

秘密道具の出番だ!!俺は衛星を飛ばし、全ての倉庫を確認していく。

 

「ここは…違う!こっちは…外れだ!クソッ!!」

 

イライラしながら次々と画面を切り替える。そしてようやくマリアを見つけた。

 

「あの倉庫か!!」

 

俺は急いでその倉庫に向かう。大神達は脇侍と戦っている為、まだ時間がかかりそうだ。

 

「ここか~~!!!!」

 

俺は倉庫の扉を蹴破る。

 

「な、なんだ!?」

 

その台詞を聞くと、あの台詞を言いたくなるが我慢だ。

 

「悪いな。ウチの常連客を返してもらおうか?」

 

刹那「常連客だと」

 

「ああ。彼女は大切な人でね。テメェなんかが連れていい相手じゃねぇんだよ」

 

刹那「ふざけるな!!」

 

お~お~、怒っちゃって刹那君。

 

マリア「森川さん…何故あなたが」

 

「詳しい話は後だ。まず、そこのチビを片付けないとな」

 

刹那「チ、チビだと!?貴様…」

 

あら?もしかして…

 

「身長小さいの気にしてたのか?心配すんな。お前はまだガキだろ?」

 

刹那「一度ならず二度も僕の事をからかうとは…どうやら本気で殺されたいらしいね!!!!」

 

怒った刹那は、長い爪で俺を攻撃して来る。俺はそれを避ける。

 

「おいおい、身長の事くらいでそこまで怒るなよ」

 

刹那「うるさい!!」

 

再び攻撃して来る刹那。同じ様に避けるが、着てた服が少し破ける。

 

「へ~、この服は特注なんだが、それを破くとはな」

 

刹那「どうだ!僕を馬鹿にするからだ!!」

 

そんな話をしてると、大神が入ってきた。

 

大神「マリア!!」

 

マリア「少尉!?貴方まで…」

 

刹那「来たか」

 

「よう大神、遅かったな」

 

俺に声をかけられ、大神は驚いていた。

 

大神「貴方は…森川さん!?何故こんな所に!!?」

 

「何故って…マリアを助けに来たんだよ」

 

大神「ええっ!?」

 

「そんなに驚くか?まぁいい…大神、マリアは任せた!!おいチビ!外で決着つけようぜ」

 

刹那「また僕を馬鹿にして!!!!いいだろう!!蒼角の威力教えてある!!!!!」

 

やれやれ、完全に頭に血が上ってるな。こんな言葉に簡単に応じるとはな。俺達は外に出、刹那は機体に乗り込んだ。

 

「さて…やろうか!!」

 

刹那『その余裕…どこまで持つかな』

 

すると刹那は、俺の周りを素早く移動する。

 

「ほう、かなり早いな」

 

刹那『当然だ!今頃になって後悔したかい?』

 

「言ってろ」

 

俺は攻撃を避けながら、マリアが捕まっていた倉庫を見る。すると、大神と一緒出てきたのを確認した。なら、後はコイツを倒すだけだな。

 

「投影・開始!」

 

俺はある剣を投影する。あいつの背後は海。ならあの剣が使える。少し黒の巣会の連中には警戒してもらわないとな。投影した剣に自分の気を流し込む。すると、辺りに小さく輝く光が沢山浮かび上がる。

 

大神「この光は?」

 

マリア「森川さんから」

 

さくら「綺麗…」

 

すみれ「幻想的ですわ」

 

紅蘭「ほんまや」

 

カンナ「初めて見たぜ」

 

刹那「な、なんなんだこの光は!?」

 

さくら達はそう言うが、刹那だけは俺の気に何かを感じたみたいだな。

 

「さて…蒼き刹那。残念だがお前はここで終わりだ!」

 

刹那「ふざけるな~!!」

 

俺は剣を構えて呪文の唱える。

 

「束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるがいい!約束された(エクス)勝利の剣(カリバー)!!!!!!!

 

剣から放たれた光が刹那を飲み込んだ。

 

刹那「黒之巣会に…栄光あれ~!!

 

そして刹那は倒れた。

 

「……」

 

俺はエクスカリバーを消し、爆発した場所を黙って見ている。

 

マリア「あの…森川さん」

 

すると、マリアが声をかけてきた。

 

マリア「私なんかの為に…ありがとうございます」

 

「…気にするな」

 

俺は、言葉遣いをどうするか考えたが、バレてるし普段通りに話す事にした。

 

マリア「それが…森川さんの普段の話し方なんですね」

 

「ああ、呆れたか?」

 

マリア「いえ」

 

「ならいいさ」

 

俺は煙草に火を点け一服する。

 

さくら「マリアさん、森川さん」

 

マリア「さくら」

 

「さくらさん」

 

俺は言葉遣いを戻す。

 

さくら「森川さん、言葉遣いは普段通りにして下さい。その事を知ってるのは私とマリアさんだけですし」

 

「…聞いてたか」

 

さくら「すみません」

 

「……」

 

さくら「あの…森川さん」

 

「はぁ…分かった。お前らの前ではこの話し方で話す。だが、おっさんとあやめ以外の連中には言うなよ」

 

さくら「は、はい!」

 

何でそんなに嬉しそうなのかな?

 

マリア「あの、森川さん。おっさんとは、もしかして…」

 

「ああ、米田のおっさんの事だぞ。因みに、本人の許可は貰ってるから」

 

マリア「でしたら問題ありません」

 

そんな話をしてると、大神達がやって来た。

 

大神「マリア!さくらくん、森川さん!!」

 

さくら「大神さん!」

 

マリア「…隊長」

 

「お疲れ様です皆さん」

 

俺達はそれぞれ戦いの事を労う。

 

大神「そんな。森川さんこそありがとうございました」

 

カンナ「凄かったな!まさかあんなに強いとは思わなかったぜ!」

 

紅蘭「ほんまや!」

 

すみれ「先程の技、とても美しかったですわ」

 

「ありがとうございます」

 

そんな話をしてると、マリアが大神に言う。

 

マリア「大神少尉!貴方は、私達帝劇・花組の隊長です!」

 

カンナ「頑張ろうぜ!皆!!」

 

『お~!!!』

 

花組の団結が上がり、これからの戦いを俺は密かに楽しみにしていたのだった。

 

カンナ「さて、折角勝ったんだ!あれやろうぜ!」

 

さくら「今回はマリアさんが音頭を取って下さい」

 

マリア「分かったわ」

 

紅蘭「ほら!森川はんも一緒に」

 

アイリス「そうだよ」

 

俺は2人に手を引かれ、さくらとマリアの間に入る。

 

マリア「それじゃあいくわよ!勝利のポーズ!」

 

『決め!!』

 

「……」

 

俺は突然の事に、呆気に取られていた。

 

「皆さん、もしかして毎回これをしてるのですか?」

 

さくら「そうですよ♪」

 

「大神さん…貴方も?」

 

大神「ええ。最初は俺も驚きましたけど、やっている内に段々クセになりまして。逆にやらないと戦いが終わった感じがしないんですよ」

 

「はぁ…」

 

戦いがある毎にって。マジかよ…

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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