太正?大正だろ?   作:シャト6

115 / 115
IF編 次世代へ託す人間の魂4

シャオロンとの戦いも終わり、残りの連中も挑むが、やはり歴戦の旧・華撃団には勝てなかったが、それでも現・華撃団の表情は晴れやかだった。

 

(やれやれ。なんとかなったか)

 

俺は今は楽しそうに話してる新旧の華撃団を見て安堵した。そして、明日には全華撃団が、大気圏ギリギリにいる大和に乗り込む事が決まった。俺も行く予定だが、さくら達から待っててほしいと言われ、その場では頷いておく。

 

そして翌日、さくら達はミカサで大和に向かった。ま、俺はこっそり乗り込んで身を隠してるがな。

 

大神「くそっ!なんて多さだ!」

 

大河「一郎叔父!このままじゃ…」

 

大神達は待ち伏せしてる降魔達の数の多さに苦戦している。流石にあれは多いな。仕方ない。

 

「三千世界に屍を晒すがよい…天魔轟臨!これが魔王の三千世界じゃあっ!!」

 

『!?』

 

宝具の三千世界を使って、大神達の回りにいた敵を一掃した。

 

「おいおい。こんな場所で手こずってんじゃねぇよ」

 

『も、森川(だ、大輔)さん!?』

 

さくら「な、なんで大輔さんが!」

 

「あのなさくら。自分の嫁達が戦場に行ってるのに、戦える力があって待ってますって事が俺にできると思ってるのか?」

 

マリア「はぁ…なんとなく分かってはいたけど…」

 

直仁「まさか本当に来るなんて…」

 

そしてそこから俺も加わり、部隊を複数に分ける。俺は直仁、神山、エリスの部隊だ。俺達は奥に進んでいき、光武一機分の大きさの穴に入る。直仁が先に入ると、入り口に結界が張られ俺と神山、エリスの3人は取り残された。

 

誠十郎「しまった!」

 

エリス「直仁!」

 

「チッ!さっさと壊すぞ!」

 

俺達はバリアに向けて攻撃する。結界は簡単に壊れた。

 

誠十郎「よし!」

 

しかし、一瞬で元通りになる。

 

「おいおいマジかよ」

 

誠十郎「怯まず攻撃するんだ!」

 

そしてもう一度壊すがすぐに元通りになる。

 

「鬱陶しいな!ボイスミサイルぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!

 

俺は特典で攻撃するがそれでも駄目だった。

 

エリス「くっ!何故だ!壊れている筈なのに!」

 

誠十郎「壊しても壊しても、新しい結界が張り続けられている!」

 

「根本を絶たねぇと復活する仕組みって事か!!」

 

鬱陶しいな!サメの歯かよ!

 

「受け取ってくれーーーーーーーーーっ!!!!」

 

誠十郎「はっ!?今の声聞こえましたか!?まさか直仁さんの!」

 

「間違いなく、今の声は直仁のだ!」

 

エリス「直仁ォォーーーーーーー!!」

 

すると、入り口の結界が消えた。

 

誠十郎「き、消えた…」

 

「どうやら決着がついたみたいだな」

 

エリス「……」

 

俺達も中に入り、直仁と合流する。奥に進んでいくと、凄まじい戦いの跡が残っていた。

 

誠十郎「この戦いの後は!?」

 

辺りには瓦礫があり、戦いの激しさを物語っていた。

 

「ん?待て、あれを見ろ!」

 

俺は瓦礫の上に浮いてる青く輝く光玉を見つける。

 

誠十郎「これは…霊気の…玉?龍が…巻き付いて…それにこれは!?」

 

神山とエリスは、無限から降りて、俺と一緒に近づく。するとそこには、今俺達にはなくてはならない物があった。

 

誠十郎「五輪!五輪の鍵がこの中に!」

 

「なんだと!?」

 

まさかこの光玉の中に、目当ての五輪の鍵があるとは…

 

誠十郎「こ、この霊力の感覚!そ、そんなぁ!ぁ…ぐ…うう…あああああ」

 

光玉に触れた神山は、そのまま泣き崩れる。

 

「何があった!神山!」

 

エリス「誠十郎!」

 

誠十郎「俺は…俺は直仁さんが此処で必ず勝っていると思って…呼び掛けをしませんでした。でも…さっきの光玉に触れて全てが分かってしまった…直仁さんは…今さっき、此処で死んだんです…!」

 

エリス「!!」

 

「そうか…」

 

神山からそう聞き、俺は煙草を一本口に咥える。

 

「直仁の野郎…カッコつけやがって!だが、これで先に進める。行くぞ…二人共。俺達は先に進まなきゃならねぇんだ」

 

俺は敢えて神山とエリスに冷たく言う。

 

エリス「マスター…あなたは!!」

 

誠十郎「森川さん…!!はっ!」

 

「神山…」

 

誠十郎「…森川さん…煙草の向きが…逆ですよ」

 

「!!」

 

俺は煙草を口から離し握り潰す。冷静だ思ってたが、俺も動揺してたみたいだな。情けねぇ。

 

誠十郎「直仁さん…貴方が託してくれたこの力、無駄には絶対にしません!必ず、降魔皇を倒して封印します!」

 

神山の言葉に、俺もエリスも直仁に誓い、奥に進もうとする。すると、瓦礫から血が流れてきた。

 

エリス「!血が…流れて来て…」

 

誠十郎「直仁さんが…そこに…」

 

「その瓦礫に…潰されてんの…か?」

 

俺達はその瓦礫を観察する。直仁の乗ってた光武の片腕がまるで死体の様に垂れ下がっていた。俺は掘り起こそうと考えたが、血の量を見る限り死体は無事じゃない。すると、瓦礫から青い龍の姿をした光がエリスの腹部に入っていき消えた。

 

エリス「あ…ああっ…直仁…何故…何故ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!

 

誠十郎「直仁さぁぁぁぁぁぁん!!!!!うわあああああああああ!!!!!」

 

「ぐ…く…バカ野郎がああああああ!!!!!!

 

俺達は叫ぶことしかできなかった。今までも仲間がやられた事はあった。だが、華撃団としては初めての事だった。

 

「…行くぞ。直仁の奴の思いを俺達が引き継ぐんだ!」

 

「「グスッ…はい!!」」

 

そして俺達は進み、直仁の奴が残してくれた五輪の鍵を使い、降魔皇を弱体化させ封印する事に成功した。だが、誰も笑顔には慣れなかった。それから俺は、自分の店の地下の更に作った地下で鍛錬をしている。

 

「おらあああああああ!!!!!!」

 

俺は毎日店も開けずにそればかりしていた。俺がもう少ししっかりしていれば…直仁の奴が死ぬことはなかったんだからな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくら「……」

 

すみれ「どうでしたの?」

 

さくら「駄目でした」

 

マリア「そう…」

 

私達は今、大輔さんのお店に集まっている。直仁さんが亡くなってから、大輔さんはずっと鍛錬を続けている。食事も取らないで…ずっと…

 

天宮「森川さん…凄く責任を感じていました。勿論、誠十郎さんも…」

 

初穂「けどよ、いくらなんでもあれはヤバいぜ」

 

アナスタシア「そうね。あれではマスター…大輔さんが倒れてしまうわ」

 

クラリス「だ、大丈夫なんでしょうか」

 

ジェミニ「分からないよ」

 

グリシーヌ「うむ。しかしどうしたものか」

 

ラチェット「神山君の方はどうなの?」

 

初穂「誠十郎なら、あざみやランスロットがついてる」

 

ロベリア「あいつはどうしてんだ?」

 

ダイアナ「エリスさん…ですね」

 

アイリス「そうだね。大切な人が亡くなったんだもん」

 

アイリスの言葉に全員が黙ってしまう。

 

さくら「大輔さんも…こんな気持ちだったのかな?」

 

紅蘭「せやな。ウチらが向こうに閉じ込められてから10年やしな」

 

すみれ「その間、大輔さんは皆さんが向こうに行った翌日から、8年間世界を旅していたそうですし」

 

織姫「本当に申し訳ないデス」

 

私達はそんな話をしながら、大輔さんの事を監視するのだった。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。