太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十話

さて、おっさん達と別れた俺は、さくら達の所に向かっている。途中で脇侍を2体ほど倒したけど。で、さくら達を見つけたのは良いが、その前に女が立っていた。俺は離れた場所からそれを見る。

 

「木偶人形のお出ましかえ?」

 

大神『誰だ!!』

 

「黒之巣会の1人…紅のミロク」

 

大神の問いに、ミロクはそう答えた。っていうか、黒之巣会って名前ダサすぎだろ…

 

大神『黒之巣会!?』

 

すみれ「下りてらっしゃい!私が相手をして差し上げますわ!」

 

ミロク「ほざけ木偶人形が!妾に勝てると思うのか」

 

そう言い残し、ミロクは浮き上がったまま上に行ってしまう。それをすぐにすみれとマリアが追いかける。残った大神とさくらは、脇侍に苦戦している。

 

「おいおい…またバラバラで行動しやがって。あれじゃ勝てる戦いも負けるぞ。それに、大神ももう少しキツく言わないと彼奴らをまとめるのは無理だぞ」

 

下で脇侍と戦ってる大神の機体を見ながらそう呟く。ってか、まだあんだけ脇侍いたんだな。ここに来るまで2体しか見なかったから、そんなにいないと思ってたんだがな。すると、さくらと大神が脇侍を一体ずつ相手していた。だが、さくらの攻撃が避けられ壁に刀が刺さり抜けなくなっていた。

 

「まずい!!」

 

俺は素早く動くとした。すると、さくら機が外に出て脇侍が振り下ろした斧を白羽どりする。そのまま、壁から突き出た剣に脇侍を刺しやっつけた。

 

「心配する必要はなかったみたいだな。ミロクは大神が追っかけたみたいだし、マリア達の様子を見に行くか」

 

俺はその場から離れ、すみれとマリアの様子を見に行った。すみれは、脇侍の下敷きになっていたが何とか勝ったみたいだな。で、マリアは屋上で光武から出ており雨に濡れていた。

 

マリア「戦闘能力に優れている?状況判断に長けている?偶然生き残ってきただけじゃない!!」

 

「……」

 

間雨が降ってる中そう叫ぶマリア。俺は静かにその場を後にし、大神の場所に向かった。到着すると、既にミロクや脇侍の姿はなく、何かで固定され動かなくなっていた光武だけがあった。

 

「やれやれ…惨めだな」

 

俺は固定されていた部分を破壊し、大神の光武を自由にする。

 

大神「あ、ありがとうございます」

 

「……」

 

俺は無視してその場を離れる。

 

大神「あの…」

 

「無様な戦いだな」

 

大神「えっ」

 

俺は何も言わないつもりだったが、あまりにも無残な姿につい言葉を発した。

 

「無様だって言ったんだよ。自分達が判断してこの場に来たことはいいが、結果敵は逃がし個々の隊員達に上手く指示が出ていない」

 

大神「……」

 

「確かに、戦闘は現場の判断が一番だが、それはまともに判断できる奴がすることだ。あんたが隊長らしいが、こんな隊長じゃ悪いがいずれアンタについて行った部下は死ぬだろな」

 

大神「なっ!?」

 

「じゃあな、間抜けな隊長さん」

 

俺はそう言い残して、自分の店に戻ったのだった。翌日、昨日の事があった為、店は今日は休みにした。はっきり言って眠いんだよ。

 

「だが、腹も減ったし少し腹ごなしするか」

 

俺は1階に下りて、キッチンで遅い朝食兼昼食を作り始めた。すると店の扉がノックされる。

 

「誰だ?」

 

看板は出してないぞ?開けるとそこには米田のおっさんが立っていた。

 

「なんだおっさんかよ。どうしたんだ?」

 

米田「悪いが、少しお前と話がしたくてな」

 

「話ねぇ。ま、今昼飯作ってる途中だから入ってくれ」

 

米田「邪魔するぞ」

 

おっさんは中に入り、何時も座る席に座った。俺はキッチンに戻り飯をちゃっちゃと作る。飯を作り終わり俺はおっさんの横に座り食い始める。

 

米田「…食いながら出いいから聞いてくれ。お前さん…昨日あの場所にいただろ?」

 

「ガツガツ…モグモグ…」

 

米田「何でお前があの場所にいたかを聞きたいんじゃねぇ。昨日の戦い…見ててどう思った」

 

「ズズ~…おっさんの言う通り、昨日おっさん達の前にいたのは俺だ。あの場所に行った理由は、おっさん達があんな激しい雨の中軍服を着て何処かに行ってたからな。それが気になって後を追いかけたんだよ。で、おっさん達が入った後に変装した男が来たから服なんかを借りて侵入したって訳だ」

 

米田「……」

 

「ポリポリ…で、監視室でおっさん達と合流して、入って来た脇侍を倒しそのままさくら達の様子を見に行ったんだよ。ま、結果は勝ったけど散々だったけどな。ご馳走様でした」

 

俺の言葉をおっさんは黙って聞いていた。飯を食い終わり食器を水につける。洗うのはおっさんの話を聞いた後だな。

 

「言っちゃ悪いが、あの隊長…大神一郎だがもう少し強めに言わないとあいつらの為にならないぞ?ハッキリ言って、こんな戦いを続けてたら…華撃団は全滅だ」

 

米田「ああ…分かってる」

 

「別に大神の奴1人が悪いとは言わん。すみれは、無駄に高いプライドがあるし、マリアも同じだ。そして、マリアの場合は前の隊長と大神を無意識に比べてる」

 

米田「お前!?何処でその事を…」

 

おいおいおっさん、俺の本業忘れたか?

 

「俺は情報屋だ。あいつらの過去を調べるのなんて簡単だ。マリアは昔、ロシアの革命軍に参加していた。で、その革命軍の隊長だったのがユーリー=ミハイル・ニコラーエビッチ…マリアが今も唯一尊敬してる奴だ。過去を忘れろとは言わないが、マリアの場合は中々それが出来ないようだ。だから、自分が唯一尊敬し心を許した隊長と、同じ隊長についた大神とを比べてしまうんだろうな」

 

米田「そうか…」

 

おっさんは、マリアの過去を聞いてそう呟く。

 

「この話は、おっさんの胸の中にしまっておいてやれ。おっさんもハッキリ言って、ここまで詳しくは知らなかったはずだ」

 

米田「その通りだ」

 

「しかしおっさん、あんたんとこの連中、なにかしら過去にこういったものを抱え込んでる連中ばかりだな」

 

米田「ははっ、そこまで調べられちまったか」

 

「悪いとは思ったがな。こっちも協力する代わりに、色々と調べさせてもらったぜ」

 

今現在いる帝国華撃団の全メンバーの過去を調べた。すると、出るわ出るわ隠したい過去。けど、正直この事は誰にも言わないつもりだ。今回はマリアの行動の事を話すために仕方なかったけどな。

 

「今回は無様な戦いだったが、今後に期待だな。あれで諦める連中じゃないだろ?」

 

米田「そうだな。じゃあ、俺はそろそろ帰るとするか」

 

おっさんは立ち上がり、出て行こうとする。

 

米田「おっと忘れるとこだった」

 

「何がだ?」

 

米田「今日の会議で決めたんだが、残りの連中も近い内に帰ってくることになった」

 

その言葉を聞いて、俺は笑う。

 

「そうか。なら、あいつらが帰ってきたらウチに顔出す様に言ってくれ。少しはサービスするってな」

 

米田「分かった。じゃあな」

 

そしておっさんは帰っていった。俺も後片付けするか。

織姫とレニに対して

  • 大輔に織姫&レニ両方
  • 大輔に織姫。大神にレニ
  • 大輔にレニ。大神に織姫
  • 大神に織姫&レニ両方

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