THE ULTRAM@STER ORB   作:焼き鮭

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そしてぼくらは旅をつづける

 

「オォォォォリャアッ!」

 

 オーブはスラッシャースターを大きく振るって、ギルバリス・ジャッジメントデイの放ってくるレーザー砲撃を切り払う。が、あまりの敵の手数にジリジリと押されていく。

 そんな劣勢の時、響が後ろを振り返って叫んだ。

 

『「みんな! ジードたちだぞ!」』

 

 響の言った通り、ジードとゼロがこの戦場に空を飛んで駆けつけてきた! しかもジードは赤い棍棒のような武器を携えた、春香たちが見たことのない姿――ジード独自にして最強の形態ウルティメイトファイナルとなり、ジードマルチレイヤ―による分身を四人も連れている!

 ジードたちはオーブの側に降り立って合流した。

 

『すみません、遅くなりました』

『主役だもんな』

 

 軽口で返すオーブ。それと戦っていたギルバリスは当然、ジードたちも新たな抹殺対象として標的に定める。

 

[宇宙に永遠の平和を築くため、不要な知的生命体は全て抹殺します]

 

 ウォォォォオオオオオ――――――ン……!!

 全身から蒸気を噴き出し、鉄と鉄がこすり合う金切り音を咆哮のように轟かせながら宣言するギルバリスに、ゼロ、オーブ、ジードが毅然と言い返した。

 

『やれるものならやってみろ』

『俺たちが、お前を止める!』

『愛瑠さんが望んだ、本当の宇宙の平和のためにッ!!』

 

 巨大なる殺意の塊を前にしても、オーブたちは決してひるまず、力を合わせて一挙にギルバリスに向かっていく。ギルバリスもバーニアからジェットを噴かせて、鉄の大地を砕きながら猛然と突進してきた!

 

[知的生命体は平和を望みながら、争いをやめることも、星を汚すこともやめられない、矛盾と欠陥を抱えた弱い存在です]

 

 ギルバリスを囲んで四方から飛び掛かっていくオーブたちだが、敵のあまりに堅牢な防御力に、攻撃をことごとくはねのけられる。拳を振るうソリッドバーニングとマグニフィセントはビームで撃ち返され、ジードクローとキングソードで斬りつけるアクロスマッシャーとロイヤルメガマスターはミサイルで撃ち落とされ、ゼロがガトリングガンを食らい、オーブが電磁光線を浴びせられ、ジードのギガファイナライザーの一撃がシザーアームで受け止められた上に角の振り下ろしを食らう。ギルバリスには死角が一切なかった。

 

[宇宙と平和のために、全てをリセットするのです]

「ウワアアアアアッ!」

 

 ジルサデスビームがオーブたちを纏めて薙ぎ払うが、七人はあきらめずに立ち上がっていく。

 

『「屁理屈ばっかり並べてるんじゃないわよっ!」』

『「全部壊した後に、残るものなんてある訳ないだろ!?」』

『「愛を知らない人に、ほんとの平和は作れないの!」』

『「誰のためでもない平和なんて、そんなのは平和じゃないっ!」』

 

 伊織、真、美希、春香が叫び、全員そろってギルバリスに再び飛び掛かっていこうとする。

 しかしギルバリスは全砲門をオーブたちに向け、ありとあらゆる砲撃を一斉に発射して面制圧爆撃を仕掛けてきた!

 

『うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!』

 

 土地ごと爆砕してくる圧倒的破壊の前には、ウルトラ戦士でも風に吹かれる木の葉のよう。何とかしのぎ切るものの、全員ばったりと倒れ、カラータイマーが点滅してピンチを示した。

 命はこのままギルバリスに消し飛ばされてしまうのか!

 

『「……確かに、俺たち人間は矛盾や欠陥だらけの、駄目な生き物さ……!」』

 

 そんな時に、ジードのインナースペースから、八幡が苦痛に耐えながら語り出した。やよいたちがジードへと振り向く。

 

『「比企谷さん……」』

『「雪乃は誰に対しても毒舌が止まらねぇ……! 結衣は優柔不断で、人の顔色ばっか窺うような奴だった……! 一色は何かと面倒事持ってきといて悪びれもしねぇし……! 平塚先生はいつまで経っても結婚できねぇ! 材木座はもう色々とアレだ! とても言い切れねぇッ!」』

 

 必死に起き上がろうとするジードの中で、渾身の想いを込めて唱え続ける八幡。

 

『「どんなに完璧そうな人間も、何かしらも問題を抱えてるのを奉仕部で見てきた! そして一番駄目だったのが俺だ! 自分じゃ何も頑張らねぇのに、不平不満ばっか! 他人を妬んでばっか! 何でも分かってるような顔して、人の気持ちをちっとも分かっちゃいねぇ! 自分が傷つくのが怖くて、自分の気持ちに嘘を吐いて! そんなクズだったよッ!」』

 

 八幡が言葉を並べるのとともに、ジードが立ち上がって再びギルバリスに挑んでいく。

 

『僕だって、駄目なところだらけだ! 子供っぽいのが抜けないし、すぐカッとなったりすねたりするし! さっきだって、意地ばっか張ってみんなにすごい迷惑を掛けた!』

 

 ホーミングレーザーやミサイル、ガトリングガンに晒されるジードだが、倒れない。気力をエネルギーに変え、ギルバリスに抗い続ける。

 

『「だけど俺は、俺たちは、変われたッ!」』

『運命を変えることが出来た!』」

『「ひとりぼっちで泣いてる心を救うことが出来た!」』

『みんなが僕を信じてくれた!』

『「最初が欠点だらけでも、人間はいい方向に進めるんだ! だから生きてるんだッ!」』

『完璧じゃないから、明日を目指して歩くんだッ!』

『「その進歩は!」』『止めさせはしないッ!』

『僕はッ!』『「俺はッ!」』

 

「『みんなと生きていく!!」』

 

 気合いを爆発させたジードが、ギルバリスの巨体を押し返した!

 

『今こそ、君たちの絆を一つにするんだ!!』

 

 オーブが叫ぶと、ジードとジードの分身全員が光となり、ジード本体と一つになっていき、まばゆいほどに激しく輝いた!

 

[エボリューション・アンリミテッド!!]

「「「「「『願いをつないで!! 限界の先へ!!!」」」」」』

 

 ジードの全身から光が弾け、新しい姿となって立ち上がった!

 ウルティメイトファイナルの肉体を基調としながらも、ソリッドバーニングの右腕、アクロスマッシャーの左腕、マグニフィセントの下半身、ロイヤルメガマスターの胸とマントを持った、秘められたジード自身の能力を解放した更にその先のジード!

 

「「「「「『ウルトラマンジード!! ウルティメイトアドヴァンス!!!」」」」」』

 

 カラータイマーも完全回復した、ジードの更なる形態にゼロが目を奪われた。

 

『ジードたちの絆が、そのまま形となってる!』

 

 限界を突破したジードに、ギルバリスがガトリングガンを連射してくる。対するジードは右手首が開き、エネルギー充填。あまりもの熱量に、腕は雪のように白く輝く。

 

「「『バーニングスノウブースト!!!」」』

 

 純白の超熱線がガトリングガンの弾丸を焼き尽くして飛んでいき、砲身も爆破して焼き尽くした。

 左腕を失ったギルバリスが、ならばと右腕のシザーアームからレーザーを放とうとするも、ジードは左腕を右腕の腹に当て、十字を組んだ。

 

「「『バインドインパクト!!!」」』

 

 放たれた光線がシザーアームに巻きつき、レーザーを封じ込んだ上で破壊した。

 両腕を失ったギルバリスは胸部からネオマキシマ砲を発射! これをジードは正面から迎え撃つ構えを取り、両腕をL字に組む。

 

「「『サイレントバスターノバ!!!」」』

 

 あまりの弾速の速さに音が遅れて一瞬無音になるほどの速度の破壊光線が、ネオマキシマ砲を切り裂いてギルバリス本体に命中! ギルバリスの超重量のボディが後ろに押される!

 

『いいぞジード! みんな!』

 

 どんどんとギルバリスを追い込んでいくジードに、オーブが声援を送った。

 武装を一つずつ失っていくギルバリスは、最早出し惜しみしないとばかりに全ての砲門を開いて全火力をジードに集中する。

 

『みんなと明日に向かって進み続けるんだ!』

 

 ジードは砲撃の嵐を飛び越えてギルバリスの頭上を取り、ギガファイナライザーに左手を当てて十字を作った。

 

「「『カラフルエンド!!!」」』

 

 極彩色の光の粒子がギガファイナライザーから発射され、ギルバリスの頭上に降り注ぐ。バーニアが爆破され、ギルバリス本体にもダメージが入る。

 

[ウルトラマンジードのエネルギーが計算される限界値を超えています。なおも増幅中。理解不能]

 

 ギルバリスは高次元増殖物質置換により、クシアの大地をデータ化して取り込んで機体の修復を図る。しかしそうはさせまいと、ゼロとオーブが動いた。

 

『あの装甲を破壊するぞ!』

『はい!』

 

 ゼロがスラッガーをつないでひと振りのビヨンドツインエッジを作り、猛ダッシュでギルバリスに突撃。

 

『ツインギガブレイク!』

 

 光速の一閃が、ギルバリスの胸部に裂傷を刻んだ。

 

『「計算では測れない力を秘めている……それが人間よっ!」』

『「みんなの可能性は無限大ですぅ!」』

『「前に進もうとする人たちの未来を破壊することは出来ないわ!」』

『「希望はどんな時だって消えなくて!」』

『「どんな時だって奇跡は起こるんだー!」』

『「わたくしたちの、彼らの明日を切り開きます!」』

『「これが、お前が持たない命の全力だぞっ!!」』

 

 千早、雪歩、律子、亜美、真美、貴音、そして響の言葉とともに、極彩色に輝いたオーブから最大の一撃が、春香の台詞とともにギルバリスの胸部へと繰り出される!

 

『「私たちの願いを、今こそ一つに(UNION)!!」』

「「「「「「『レインボーミラクル光線!!!!!!!」」」」」」』

 

 オーブの全身より放たれる莫大な光線がギルバリス全体を呑み込み、巨大な機体をバラバラにして吹き飛ばしていく。

 後に残るのは、赤い球状のコアのみ。

 

[人間、可能性、未来、希望、奇跡、明日……命……理解、不能]

 

 全ての武器を失ったギルバリス・コアは浮上し、電脳空間に逃げ込んでいく。

 だがそれを追って、ジードが電脳空間に飛び込んでいった!

 

[見せつけろ!! つないだ絆!!!]

『僕らはみんな、みんなで、ウルトラマンなんだッ!!』

 

 ジードの手にするギガファイナライザーの穂に赤いエネルギーが結集し、全てを貫き通す槍の刃となる。

 

「「「「「『アドヴァンスドジードロンギヌス!!!!!!」」」」」』

 

 ジードたちの願いを一つにした明日に進むための槍が、ギルバリスを貫通した!

 ギルバリスはとうとうコアを粉砕され、同時に惑星クシアのデータも破断。地球を覆っていたバリアは、跡形もなく消滅していった。

 

 

 

 ギルバリスの破壊によるクシアの消滅と、地球の解放を、光の国からウルトラの父たちが見届けて安堵の息を吐いた。

 

『ゼロとオーブ、そしてジードがやってくれました!』

『ジードも、一人前の光の戦士になったようですね』

 

 ウルトラの母の言葉に、ウルトラの父が力強く首肯した。

 

『我々の未来を託せる、新たな勇者の誕生だ!』

 

 

 

 ギルバリスが倒され、クシアからの命令コードが途絶したことによりギャラクトロンは全機活動停止。ウルトラマンエックスと時空管理局の戦いも、ギャラクトロン軍団が急停止したことにより終結を迎えた。

 

『やってくれたみたいだな。律子君、ウルトラマンオーブ……そして新しいウルトラマン、ジード!』

 

 エックスが時空の彼方を見やりながら、誇らしげにつぶやいた。

 

 

 

 ――全ての戦いが終わり、地球には平和が戻った。ウルティメイトフォースゼロは自分たちの宇宙に帰っていき、それを見送ったリクたちも解散しようとする。

 その現場の砂浜で、ぞろぞろと立ち去っていくリクたちを密かに見送るアイルに、響らが岩場から声を掛けた。

 

「何か、話をしなくていいの?」

 

 アイルはリクの背中を見つめながら、苦笑して首を振った。

 

「これでいいの。私は既に、この大地を守り、大地とともにあり続ける存在……。彼らと同じ時間を生きていくことは出来ないから」

 

 少しだけ寂しそうでありながらも、アイルはにこやかに語った。

 

「でも、それはお別れじゃない。私たちは絆で結ばれた。その絆が、どんなに遠く離れても私たちをつないで、一つにするから。――私は大地とともに、みんなを見守り続ける……!」

 

 響たちに振り向いたアイルは、最後ににこっと微笑んで、スゥッと沖縄の自然の中へと消えていった。

 響たちも笑顔で、アイルを見送っていった。

 

 

 

 こうして皆を見送ってから、765プロ一行は宇宙船を停泊させている場所を目指して街中を移動していく。

 

「さてと! ギルバリスの件も片づいたし、事務所に戻ったらすぐに通常業務に戻らなくっちゃね!」

「えぇ~!? すんごいハードな戦いだったんだし、ちょっとはゆっくりしようよ律っちゃ~ん!」

 

 不満の声を上げる亜美たちに、律子が厳しく言いつけた。

 

「駄目よ。ここのところはずっとこの事件に掛かりっきりだったんだから! いつまでもアイドルとしての本来の仕事を放り出してたら、ファンが離れていっちゃうでしょ!」

「そんなぁ~! ねぇねぇ、兄ちゃんからも何か言ってよ~」

 

 真美に袖を引かれたガイが、どうしたものかと目を泳がせる。

 

「そ、そうだな……まぁ、俺もひとっ風呂くらいは浴びたいし……」

「プロデューサー! いつも言ってますけど、こういう時、あなたがシャキッとしてくれないと困るんですよ!」

「うッ……」

「うふふ。いつまで経っても、プロデューサーさんは律子さんに弱いですねぇ」

 

 律子にたじたじのガイのことを、あずさがからかい気味に笑った。

 

「ねぇ見てプロデューサー。このパンダ、すごい目つき悪いと思わない?」

「ほんと! この地球だとこんなのが人気なんだ~。おかしいの!」

「私は、ちょっと好きかも」

 

 そんなところに、ガイたちの行く先の店舗から魔王エンジェルを連れたジャグラーが出てくる。

 

「あ」

 

 ばったりと鉢合わせになって一瞬固まる一同。一番に声を発したのはジャグラーだ。

 

「ふッ……テメェらより先にギルバリスの弱点を見つけて吠え面かかせてやろうと思ってたのに、とんだ災難だぜ」

「そんなことたくらんでたんだ。相変わらずしょうもないわね、あんた」

「ちょっと伊織、ウチのプロデューサーの悪口やめてくれる? ファンから性格悪いって思われちゃうわよ」

「あんたが言うんじゃないわよ!」

 

 伊織と麗華がぐぬぬと言い争うのを尻目に、ジャグラーはガイに挑発じみた笑みを向けた。

 

「ガイ、テメェを倒すまで死んでも変わってやるもんか」

「ふッ……」

 

 ガイはそれに苦笑だけ返して、帽子を被ってジャグラーたちの脇を抜けていく。

 アイドルたちを連れて去っていくガイは、背を向けたままジャグラーにひと言告げた。

「あばよ」

 

 

 

 

 

THE ULTRAM@STER ORB 特別編

『UNION!! みんなの願い!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――白いもやが霧のようにどこまでも立ち込め、地平線さえも見通せない世界。足をつけているのが土なのかどうかも分からない地面の上にはところどころに、複葉機やゼロ戦、旅客機やジャンボジェット機など、古今東西の種類を問わない航空機が不時着したまま眠り続けている。

 そんな空間と空間の狭間、異次元空間の落とし穴のような世界に、全身から刃物を生やしたメタリックブルーの巨大怪獣が身体を震わし、咆哮を発した。

 

「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」

 

 この怪獣に向かって、どこからか正体の知れない声が命令を送る。

 

『行け、捕らえろ……カミソリデマーガ!』

 

 そう呼ばれた怪獣が進み出す先には、九人の少女たちが必死の形相で怪獣から逃げていた。

 

「ちょっとちょっとちょっとぉー!? 何よあのでかいのぉ―――!?」

「ここもどこなのにゃ―――!?」

「さっきまで、日本に帰る飛行機の中だったのに……!」

「私たち、悪い夢でも見てるのかな……!?」

「全員そろって同じ夢を見る訳ないでしょう!」

「何か、とんでもないことが起きてるんよ!」

「とにかく逃げましょう! 追いつかれたらどうなることか……!」

「誰か助けてぇぇぇぇ――――――!!」

 

 大声で悲鳴を上げる少女の一人に、サイドテールをリボンで結んだ少女が叫ぶ。

 

「落ち着いて花陽ちゃん! あきらめなければきっと、助かうわぁぁぁっ!?」

 

 しかし気を取られたことで足がもつれ、盛大にすっ転んでしまった。

 

「穂乃果!?」

「穂乃果ちゃん!?」

「何やってんのよー! おっちょこちょいなんだからー!!」

 

 一番小柄なツーテールの少女が頭を抱えるが、転んだ少女を助ける間もなく、怪獣がその少女へと腕の刃を振り上げる。

 

「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」

「いっ、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!」

 

 もう駄目だ。誰もがそう思った、その時、

 

「シュワッ!」

 

 白刃が怪獣の刃に差し込まれ、振り下ろしを止めて少女を救った。

 

「え……?」

 

 サイドテールの少女が恐る恐る顔を上げると……いつの間に、どこから現れたのか、リング型の柄の剣を握り締めた赤と銀と黒の体色の巨人が、少女をかばって怪獣を止めていた。

 少女の仲間たちが巨人の背中を見上げ、文字通り仰天。

 

「な、何あれ!?」

「銀色の、巨人……!?」

「まるでヒーローみたいだにゃ……!」

 

 少女たちとは別の、謎の声が、巨人の出現に驚いたような、同時に怒りに染まったようなつぶやきを発する。

 

『……ウルトラ戦士……!』

 

 呆然と巨人の背中を見上げるサイドテールの少女の腕を、仲間たちではない別の少女が引っ張り、彼女を助け起こした。

 

「大丈夫? さぁ、今の内に!」

「え、えぇっ!? 誰ですかあなた!? あの巨人さんは!?」

 

 予想外の事態の連続にパニックの少女に対し、二つのリボンを頭に飾った少女――春香は安心させるように堂々とした声で告げた。

 

「あの人はウルトラマンオーブ! 私たちのオーブだよ!」

 

 銀色の巨人――ウルトラマンオーブは聖剣オーブカリバーを振るって頭上に大きく円を描き、怪獣に対峙し直した。

 

『俺たちはオーブ! 銀河の光が、我らを呼ぶ!!』

 


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