響たちが地球の沖縄でリクたちと出会い、ともに沖縄探索をしている頃、ギルバリスの情報を求めて宇宙スラム街に赴いたガイたちもまた、目当ての人物を発見していた。
「ハハ! お客サン、ボクの情報が欲しいッテ?」
居並んだガイたちを見回して、何故か片言で聞いてきたのは、ヒューマノイド型の宇宙人、ジャキ星人アーロン。彼をひと目見た真と美希がガイに耳打ちする。
「プロデューサー、ほんとにこの人、信用できるんですか?」
「びっくりするくらい胡散臭いって思うな……」
「だが腕は確かなようだ。こういうのは、口コミが一番信じられる」
二人にそう返したガイは、アーロンに頼み込んだ。
「ギルバリスと惑星クシアのことが知りたい」
「それは危険なネタだかラ、とっても高いヨ! お客サンに払えるかナ~?」
見くびってくるアーロンに、伊織が一歩前に出ながら小切手にサラサラ数字を書き、アーロンに見せた。
「これで足りるかしら?」
小切手を受け取ったアーロンが驚愕。
「エッ!? こんなにくれるノ!? 教えちゃう教えちゃウ! 何でも教えちゃうヨ~!」
アーロンは小躍りして態度を180度翻した。春香とやよいが圧倒されたように伊織を見つめる。
「流石水瀬財閥……。宇宙進出してからも相変わらずの財力だね」
「うっうー! 伊織ちゃん、お金持ちですぅー!」
伊織はフフンと自慢げに鼻を鳴らし、後ろ髪を流すようにサラリとかき上げた。
さて、小切手を受け取ったアーロンは、何故か中国武術のような動きを交えながらギルバリスの情報をガイたちに話し始める。
「何万年も前の話。惑星クシアという星があっタ! クシア人ハ、宇宙でもトップクラスに頭のいい人たちデ、平和を愛してタ! 彼らは宇宙が争いばっかりなのを憐れミ、科学力を結集してものすごい人工知能テラハーキスを作っテ、宇宙に永遠の平和を築くことを命令しタ。だけド、永遠の平和実現のための計算を続けたテラハーキスハ、ある日突然、クシア人ニ、反乱! 反旗を翻しタ! 宇宙の平和のためニ、知的生命体はいらないって考えになっちゃったのネ」
アーロンの説明を聞いて、春香たちは最初のギャラクトロンのことを思い返し、一瞬表情を曇らせた。
「テラハーキスはギルバリスと名乗るようになっテ、とんでもないロボット兵器を次々作って瞬く間にクシア人を追いつめタ。だけどもちろン、クシア人も黙ってた訳ではなかっタ。クシアの科学者ハ、ギルバリスに対抗するためのアイテム、赤き鋼を開発しタ! 赤き鋼はギルバリスに奪われないよウ、クシアから遠く離れた未開の惑星に隠されタ。クシア人を滅ぼシ、惑星クシアを乗っ取ったギルバリスはこのことを知っテ、唯一自分を倒せる可能性がある赤き鋼の行方を追っテ、宇宙中を探し回ってるという訳なのネ」
アーロンから情報を聞き出したガイは、納得したように腕を組んだ。
「なるほど。となると、ギルバリスより先にその赤き鋼を見つけ出さなきゃならない訳だ」
「赤き鋼の隠された惑星がどこかは分かりませんか?」
「ダーイジョウブ、星図があるヨ。ほら、これネ」
アーロンの差し出した一枚の星図をあずさが受け取る。
「ありがとうございます。えーっと……」
「貸しなさいよ。あずさ、地図読めないでしょ」
星図をながめつつ首をひねるあずさから受け取った伊織が、赤き鋼の隠し場所を調べている間に、アーロンがつけ加えた。
「赤き鋼の開発者には一人娘がいテ、その子が赤き鋼を隠したんだよネ。クシア人最後の生き残りとなったその娘ガ、赤き鋼を扱える選ばれた戦士が現れる時を待ちながら赤き鋼を今も守ってるヨ。前来たお客サン、金払いが悪かったからこれは教えなかったネ」
「選ばれた戦士? 赤き鋼は誰でも使えるって訳じゃないんだ」
「まずはその人に会って、赤き鋼を見せてもらえるよう認めてもらわないとね」
真と春香がつぶやいていると、星図を解いた伊織が少し驚いた声を発した。
「ちょっと! ここって、プロデューサーたちがウルトラマンジードってのと出会った地球じゃないの!」
「何! それは本当か!」
ガイたちが一斉に星図を覗き込んだ。
「この前行ったとこがそうだなんて、すごい偶然なの」
「いや、偶然とは違うと思うぞ。俺たちの前の客というのも、赤き鋼を探してたはずだから、当然この地球に行ったはずだ。そうなると……色々な巡り合わせがこの地球に収束してることになる」
「っていうか……ジャグラーが逃げ込んだ先も、ここじゃなかった? 律子たちからの連絡にあったわ」
「はわっ! それって大変じゃないかな!?」
驚くやよい。ジャグラーはギルバリスに追われているはず。そこまで考えが至ると、春香たちがにわかに焦り出す。
「プロデューサーさん! これはもたもたしていられないですよ!」
「ああ。ギルバリスより先に、地球に到着しないとな!」
ガイの言葉を合図として、一行は地球に向けて急行していった。
ギャラクトロンの沖縄襲撃の翌早朝。砂浜で赤き鋼を抱えながら一人たたずんでいるアイルの元へと、響たち七人が歩み寄っていく。
「アイルさん。……ジードでも、赤き鋼には選ばれなかったのかな」
呼びかける響。アイルは岩場の陰から、狼狽しているリクや八幡たちに視線を送っていた。
この直前、アイルはリクの前まで行き、彼に赤き鋼を託そうとした。……しかし、リクは赤き鋼を呼び起こすことに失敗したのだ。赤き鋼は、未だ石のままである。
「ジード兄ちゃんも、選ばれた戦士じゃなかったのかな?」
真美のひと言に、アイルは静かに首を横に振った。
「ううん。リクくんには、十分に赤き鋼を扱う資格があると私は思う。ただ……今は、リクくんは何かをまちがえているだけなんだと思う」
「ジード殿が過ち、ですか」
貴音の繰り返しにうなずくアイル。
「人は誰だってまちがいをするもの。……私たちだってそうだった。取り返しのつかない、重大なまちがいをしてしまった……」
「……アイルさん、やっぱりクシア人の生き残りなんですね」
千早の聞き返しに、アイルは無言の肯定で答えた。
「……私たちは、宇宙に生きる人たちが日々争いで傷ついてるのを悲しんで、宇宙から全ての争いをなくし、永遠の平和を作り上げるための人工頭脳を創った。だけど……結果は、みんなも知ってる通り。宇宙中の人が不幸になってしまう、真逆の結果になってしまった……」
後悔の念から声のトーンが落ちたアイルは、自分の周りに広がる青い海や空、自然を見回す。
「この星に来てから、私は気づいた。命の息吹が満ちる、自然が生み出す世界の美しさ。世界とは、ありのままでいいんだということに」
「……私の恩師が言ってました。食物連鎖は争いなんかじゃない。命は、バラバラに生きてるんじゃない、互いに協力し合って、一つの大きな命として生きてるんだって」
律子の言葉に、アイルは寂しげな微笑を浮かべる。
「いい言葉だね。私たちクシア人は、考えもしなかった。どうして命は他の命を食べるのか、人と人は競い合うように出来てるのか……表面しか見えてなかった」
空の彼方――今はもう存在しない彼女の『故郷』に目をやりながら、アイルが述べた。
「機械は間違いをしないと言われるけれど……何でそんなことが言えるのか、今なら思う。その機械を創ったのは――まちがいをする人間なのに」
「……」
アイルの語ることを、響たちは黙って聞いている。
そして、彼女たちの目の前から、アイルの姿がなくなった。
その後、響たちは砂浜に食事の席を用意して、皆で朝食を取っていた。
「何だって? 朝倉さんでも赤き鋼は反応しなかったのか?」
その席で八幡が皆に説明した、砂浜での出来事を、八幡たちとともに沖縄に来た葉山が簡潔に復唱した。それから戸部が八幡を箸で指しながら指摘する。
「そりゃおかしーべ! そのギガなんちゃらって、ジードが前に使ってた奴っしょ? それが今は使えないって、理屈に合わねーって」
「箸を人に向けんな。そう言われたって、実際そうだったんだからしょうがないだろ」
「ふぅむ……あの時と今とで、何か違うものでもあるのだろうか」
平塚たちが考え込むが、明確な答えは出せなかった。
代わりにいろはが、響たち765プロ一同にやや目尻を吊り上げながら振り向いた。
「っていうか、そこの皆さんは愛瑠さんが宇宙人だって最初から知ってたってことですよね。何で初めから言ってくれなかったんですか。そしたら話は早かったのに」
「ごめんね。アイルさんから口止めされてたから……」
「それに、アイル姉ちゃんが赤き鋼を持ってたなんてことは知らなかったんだよぉ」
響と亜美が謝りながらも弁解する。
その一方でジャグラーが大きく肩をすくめた。
「色々あるが、赤き鋼を誰も使えないんじゃ、結局のところはないのと同じだ。頼みの綱のジードも駄目とは、俺の見込み違いだったってことか?」
「何だって!?」
リクがいきり立って声を荒げたのに、三浦や海老名が驚いて思わず距離を取った。
「ちょっと、リク……!」
「リク、落ち着いて……」
ペガとライハがリクをなだめようとするも、ジャグラーはますますリクを煽る。
「宇宙警備隊からも認められたと聞いたんで、ちょっとは期待してたんだがな。こんなことになるとは、もっと違うウルトラマンに声を掛けとくべきだったか?」
「この、言わせておけば……! 地球は絶対に僕が守ってみせるッ!」
「リク! 私たちがここで仲違いしても仕方ないでしょ!」
「ジャグラーもよしなさい! どうしてあなたはいつも、挑発的な物言いばかり……」
ライハが語調を強め、千早もジャグラーを咎めようとした、その時、
どこかから、響たちにはとても馴染みがあるハーモニカの音色が流れてきた。
「何? このメロディ。ハーモニカ?」
「これって、確か前に……」
その旋律を聞いたことがない三浦たちは怪訝な顔をしたが、一度耳にしている八幡らはピクリと顔を上げた。更に強く、真っ先に反応したのはもちろん、千早たちだ。
「肩に力が入り過ぎてるぜ。もっと冷静になりな、ジード」
ハーモニカを吹きながら、春香たちとともにこの場にやってきたのは――紅ガイ。雪歩たちはわっとその男の元に駆け寄っていった。
「プロデューサー、到着してたんですね!」
「兄ちゃーん! 待ってたよー!」
「そちらの首尾は如何でしたか、あなた様」
「みんな、待たせたな。情報屋はちゃんと見つけたぞ」
陰鬱な雰囲気から一転、ガイを囲んできゃっきゃっと楽しげにはしゃぐ亜美たち。律子は伊織らに、リクたちのことを軽く紹介する。
「あのデニムジャケットを羽織った人がジードこと、朝倉リクさん。その仲間たちよ」
「へぇ~。思ったよりもいっぱい仲間がいるのね」
「宇宙人さんもいますぅ!」
「あらあら。ジードさんは国際的なのね」
やよいやあずさがペガッサ星人のペガに注目する一方で、ガイにゼナと陽乃が挨拶する。
『紅ガイ、ウルトラマンオーブ。来てくれたのか』
「ありがとうございます。私もAIBです。どうぞお見知りおきを」
「どうもご丁寧に……」
陽乃相手に帽子を脱いだガイの肩が、後ろから掴まれる。
咄嗟にその手を払ったガイが、手の主のジャグラーと一瞬にらみ合った。
「遅かったな、ガイ。遅刻がちなのはプロデューサーとして感心できないなぁ」
「そう言うお前こそ、どういう風の吹き回しだ」
「俺も宇宙の平和を守ってるんだ。なんてね」
「よく言うぜ……」
ガイたちの間に咄嗟に真と伊織が割り込んで、ジャグラーを強くにらみつける。
「ジャグラー! あんまりプロデューサーにちょっかい掛けるな!」
「相っ変わらずよねあんた! 平和を守るとか、あんたが軽々しく口にするんじゃないわよ!」
「お前らの方こそ相変わらずだろう。まぁそんなことより、情報屋とか言ったな。ギルバリスについて何か掴んだのか」
「まぁな。今から話すところだった」
ガイが適当なところで腰を落ち着かせ、リクたちに向かってアーロンから聞いた、ギルバリスに関する情報を説明した。
赤き鋼はクシア人最後の生き残りが地球に隠したものだということを話すと、リクがポツリとつぶやいた。
「それが愛瑠さん……」
それを耳にしたガイが、響たちに振り向く。
「何だ、もう会ってたのか」
「うん、まぁね……」
響は先ほどのこともあり、少し浮かない顔で返答した。
一方で、三浦と海老名が不安げに顔を見合わせる。
「そんな昔から暴れ続けてて、誰も倒せてないなんてとんでもない奴だったなんてね……」
「やっぱり、赤き鋼がないとどうしようもないのかな……?」
不安に駆られる海老名のひと言に、リクが刺激されたかのように声を荒げた。
「大丈夫だ! 僕が絶対、地球を守ってみせる!!」
自らに言い聞かせるように宣言したリクが、速足でこの場から離れていく。
「ちょっと、リク!」
「どこ行くの……!」
その背中をペガとライハが追いかけようとしたが――ガイが腕を伸ばしてさえぎった。
「ちょいと、俺にあいつと話をさせてくれ」
皆の元から離れて、一人憮然と腰を落としているリクの元へと、ガイが近づいていく。
「よッ」
あえて軽い挨拶を掛けてからリクの向かい側に腰掛けたガイが、話を切り出した。
「765プロに入るまでは、随分長い間、一人で旅をしていた」
「ガイさん……」
「誰かと深く関わること。その誰かを失うこと。俺は恐れていた時もある。まッ、そんなの俺の思い込みだったんだけどな」
ガイの脳裏によみがえるのは、魔王獣討伐任務のために地球に滞在していた時代の記憶。あの星で自分は一人の力でウルトラマンになれないほどのトラウマを負い、そして765プロの仲間たちの力で復活した。同時に、本当の意味でのウルトラマンにもなれたように感じている。
それまでがひどく長かったな……と、自らに対して苦笑を浮かべ、リクに真摯に説いた。
「ウルトラマンだって完璧じゃない。一人じゃ出来ないこともある。そんな時に道を示してくれるのは……お前なら分かってるだろう?」
経験に裏打ちされた重みがあるガイの言葉に、思わず聞き入っているリクに、ガイは破顔してこう誘った。
「この近くにいい風呂屋があるそうだ。どうだ、ひとっ風呂浴びてサッパリしてくるか」
「いえ。今は、そんなことをしてる場合じゃないので……」
「風呂上がりのラムネは格別だぞ?」
「ありがとうございます。でも、僕なら心配いりません。絶対に、みんなのことを守ってみせます」
そう言い切るリクの顔をじっと観察したガイは、何も思ったかはリクからは分からないが、やがて視線を外した。
「そうか……。んじゃ、風呂はまた今度な」
「はい……!」
二人のやり取りをながめ、そっと様子を見に来た春香たちが微笑を浮かべた。
と、その時に、ペガが不意に空を見上げて指差した。
「あれ、何だろ!?」
突然の事態の急変が起こり、全員が空に顔を上げて驚愕した。リクとガイも異常に気づき、声を失う。
まだ正午にもなっていないのに空が不気味に赤く染まり、更に格子状に奇怪な数列がビッシリと並んでいる。自然ではありえない光景。
「何事だ!?」
「あの惑星は……!」
混乱する八幡たちの一方で、ガイたち765プロ一同は事態を理解してサッと青ざめた。
「サイバー惑星クシア……!」
そう発したのは、いつの間にかこの場に現れたアイルであった。
「愛瑠さん……!」
アイルがペンダントを握ると、現代日本の服装から、沖縄の民族衣装――その基となったクシア人の装束に変化した。
「ギルバリスが、とうとう地球に……!」
律子が絞り出すようにつぶやく。
サイバー惑星クシアが地球の目前にまで迫り、更にデジタル化して地球を覆い始めたのだ。
惑星クシアの地球接近は、宇宙警備隊も感知した。
『ジードのいる地球にギルバリスが!』
焦りを見せるウルトラの母。ウルトラの父は即刻ゾフィーに命令を下した。
『ウルティメイトフォースゼロを向かわせるのだ!』
『はい!』
了解したゾフィーが空にウルトラサインを描き出し、別宇宙でギャラクトロン討伐に動いているゼロたちへと送信した。
世界中の人々が、サイバー惑星クシアに覆い尽くされていく空を見上げ、一体何が起こっているのかと不安に駆られる。そんな地球の人間全てに対して、クシアを操る人工頭脳ギルバリスが言葉を放った。
[私はギルバリス。宇宙に永遠の平和を築くことを使命とする者]
名乗りに続けて、地球の全生命へと一方的に宣言する。
[この星の知的生命体とその文明、生態系を、害悪と判断しました。よってリセットを行います]
地球上の全人類が衝撃を受け、どういうことなのかと狼狽する。
そして沖縄には、ギルバリスによって改造された新型のギャラクトロンMK2が再度出現した!
「ギャラクトロンMK2!」
「今度は本気ね……!」
雪乃が叫び、千早がくっとうめいた。
この事態にウルトラ戦士は黙ってなどいない。ガイがリクに呼びかける。
「リク、行くぞ」
「はい!」
ガイの後に続いて、ジードライザーで変身をしようとするリクの側に、八幡が並んだ。
「リク、俺も行かせてくれ」
「八幡!」
「どう見ても今までになくやばい事態だからな。ジーッとしてなんか、いられねぇんだよ」
リクは一瞬逡巡したが、決心がついたか八幡の申し出を受け入れる。
「分かった。僕に力を貸してくれ」
「おう!」
ガイの方は春香に呼びかける。
「春香、お前も一緒に行くぞ」
「はい!」
「ハニー、ミキも!」
美希も申し出たが、ガイは首を振る。
「あいつは斥候に過ぎない。後ろに主力部隊が残ってるはずだ。こっちも出来るだけ戦力は温存しときたい。それに……」
ガイはリクを一瞥すると、聞こえないように声を潜めた。
「どうにも嫌な予感がするんでな。みんなは何かあった時のために待機しててくれ」
ガイの神妙な様子に、美希たちは静かに首肯した。
ギャラクトロンはどんどんと接近しつつある。その前に、リクとガイはともにウルトラ戦士への変身を行う!
「行くぞ!」
ガイがオーブリングを構えると、リングからまばゆい光が発せられた。
その光の中で、春香がウルトラマンのフュージョンカードを手にする。
「ウルトラマンさんっ!」
[ウルトラマン!]『ヘアッ!』
カードがリングに通されると光の粒子となり、春香の隣にウルトラマンのビジョンとなって再構成された。
続いてガイがティガのカードを取り出す。
「ティガさんッ!」
[ウルトラマンティガ!]『ヂャッ!』
ガイの横にティガのビジョンが現れ、彼と並ぶ。
そしてガイがリングを高々と掲げ、春香たちも腕を天に向けて伸ばした。
「光の力、お借りしますッ!」
[フュージョンアップ!]
リングから水色、黄色、そして紫色の光が発せられ、ガイの姿が光るオーブオリジンのものとなる。
『シェアッ!』『タァーッ!』
オーブの身体に春香がウルトラマンとティガのビジョンとともに融合し、オーブをスペシウムゼペリオンへと二段変身させていく。
[ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!!]
[ウルトラマンジード! プリミティブ!!]
春香をその身に宿して変身を遂げたウルトラマンオーブと、ウルトラマンジードが同時に飛び出していき、ギャラクトロンの前に堂々と着地した。
『俺たちはオーブ! 闇を照らして、悪を撃つ!!』
『「決めるぜ! 覚悟!!」』
オーブとジード、二大戦士が地球の全生命を消し去ろうとする恐怖の人工頭脳の遣いへと立ち向かっていく!