カルデア特異点遠征隊   作:紅葉餅

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今回、遠征隊は即退場です。理性あるサーヴァントに勝てるわけ無いしね。


追記
改稿してますがルビの振りの実験しているだけなので、内容に変更はありません。勘違いされた方は2/19に投稿するので、許してください。


マシュの訓練

「さて、これから冬木の心臓である大聖杯に引きこもるセイバーをぶっ飛ばしに行くわけだが、準備はいいか?」

 

召喚サークルで消耗した武器弾薬を補給している遠征隊にキャスターは呼びかけた。27人いた遠征隊は先ほどのサーヴァント戦で12人失い、15人しか残っていない。遠征隊は洞窟に向かうということで、火炎放射器や爆破用の大量の火薬を積み込んでいた。

 

「なんじゃこの乗り物?」

 

キャスターは遠征隊が荷物を載せていたバイクを興味深そうに眺め始めた。

 

「これはケッテンクラートという小型の輸送車です。組み立ても比較的簡単で大きな荷物も運べます。」

 

マックスの説明する乗り物は前方はバイクのように見えるが両側にキャタピラが付いている変わった半装軌車であった。遠征隊の車両は後部の座席が取り外され、代わりに弾薬を入れる頑丈な箱が載せられていた。

 

「減った隊員の代わりにカルデアに要請したもので、魔術的な改造もない普通の物です。歩き疲れたのなら座席の後ろのエンジンボックスの上に座ることもできます。」

「面白いもんもあんだな。」

 

キャスターは杖でケッテンクラートを突きながら呟いた。しばらくケッテンクラートの周りを回りながら観察していると、遠征隊から声をかけられた。

 

「キャスター殿、積み込みが終わりました。移動できます。」

「それじゃ、洞窟に行きますか。」

 

ケッテンクラートと立香達非戦闘員を中心に洞窟に向けて行軍を始めた。

 

「隊長さん。」

「なんでしょう?」

「さっきの銃を撃ちまくったら、サーヴァントに楽勝できるのでは?」

「そういけば楽なんですけど、そうもいかないんですよ。まず、弾が足りません。」

「貴重なんですか?」

 

マックスはサラエボ拳銃からマガジンを外し、マガジンの中から弾丸を一発取り出した。立香が受け取り手の上で転がし眺めたが、別に何かが刻まれていたり、高価そうな金属が使われている様子はない。

 

「普通ですね。」

「構造自体は他の弾丸と同じです。使う金属に特別なものを使っています。まず、弾に使う鉛は鉛中毒死した人から抽出した鉛を使用します。苦しんで死んだことで鉛に呪いが溶け込みます。銃と弾丸の親和性を高くするために使用されます。最後に神秘と呪いを高めるために、古戦場で見つけられる人骨に刺さっていた銅を被せます。この様に材料の金属が多く集められないものばかりなので、あまり量がないんですよ。」

「人の体から鉛を取り出す...やっぱり、魔術師ってそんなものばかり使うんですね。」

 

立香はなるべく弾頭に触らない様に、薬莢の部分を持ちマックスに返した。立香が遠征隊の魔術師的な側面を見て、遠征隊に対する印象を少し考え直していると、前を歩くマシュに覇気が無いことが気になった。マシュは盾をぼーっと眺めているので、立香は声をかけた。

 

「マシュ、どうかしたの?」

「......!いえ、特に変化はありません。私は平常運転です、マスター!」

 

マシュの様子を見てマックスは、荷台の上で休む様に進めた。マシュは遠慮していたが、立香が一緒に休みたいというので荷台の上に座った。

 

「...変化がないというのが、問題で...先ほどの戦闘で先輩は大きく成長しました...しかし、私は宝具の使い方すらわかりません。欠陥サーヴァントの様です...」

「マシュはまだ、サーヴァントになったばかりだからだよ!訓練すれば使えるよ!隊長さんもそうでしょ、いっぱい練習して覚えたんでしょ!」

 

ケッテンクラートの横を歩きながら、虹色の結晶とネックレスをいじっていたマックスに話しかけた。

 

「え? ああ、そうですね。銃はそれほど苦労しませんでしたが、剣術が完成したのは19の時でしたね。3つの時から始めたので16年かかったことになりますね。マシュ殿はサーヴァントですからすぐですよ。」

 

マックスはいきなり話しかけられ少し間が空いたが、 自分の血の滲むような鍛錬を思い出しながらマシュを元気付けた。それを横で聞いていたキャスターが口を挟む。

 

「ん? 嬢ちゃん宝具使えねーの? 」

 

キャスターの一言にマシュの表情は暗くなり、立香が怒った。

 

「どうして、ここの男の人達ってデリカシーが無いの!」

「そう言われてもな。英霊と宝具は同じもんだから、普通使えるに決まってんだよ。」

 

マシュは顔を俯け本格的に落ち込んでしまった。マックスは近くの工兵に持っていたネックレスを渡すとマシュの前に座り込み顔を覗いた。

 

「マシュ殿は特異点に来る前に大怪我を負っていました。その傷が塞がる際に一緒に魔力も塞いだ可能性があります。一度チェックしましょうか?」

 

マシュは首を振ると、顔を上げキャスターの方を向いた。

 

「魔力を使おうとすると、分厚い皮膚に覆われていて上手く使えない感じがしたのですが、やっぱり詰まっているのですか?」

「詰まった事が無いからわからねえが、多分そうだと思うぜ。」

「どうしたらいいのでしょう?」

 

キャスターは顎に手を当てうーんと唸って考える。遠征隊も一緒に腕を組んだりして考えた。

 

「魔力を外から通してみます?」

「機器が無いから加減がわからんぞ。管が弾けたらどうするんだよ。」

「んー、あれだ、なんつーのやる気?いやはじけ具合か?とにかく大声を上げる練習をしてねえだけだぞ。」

 

遠征隊とキャスターは案を上げるがどれもいい物が無く、キャスターは最後は投げやりの案を出した。マシュはなるほどと言う顔になり、大きく息を吸い込むと大声をあげた。

 

「こーんーなーかーんーじーでーすーかー!?」

 

マシュの大声にケッテンクラートは振動し、遠征隊達は耳を塞ぎマシュの声に耐えた。オルガマリーは話をあまり聞いておらず、マシュの大声を予期できなかったので、大声をまともに聞き、少しフラフラしていた。

 

「ちょっと、いきなり大声を出さないで!鼓膜が破れかけたわよ、本気で!」

「いやー、すごいですねマシュ殿。暴徒鎮圧用の音響兵器を思い出しましたよ。」

 

マシュはオルガマリーとマックスに言われ、恥ずかしそうに小さくなった。

 

「ぁ...申し訳ありません、キャスターさんが大声をあげればいいと...」

「いや...モノの例えだったんだが...まあ、やる気と体力はある様だな結構。ところでよ、隊長さんよ。」

「マックスで結構です、キャスター殿。なんでしょう?」

「んじゃ、マックス。嬢ちゃんがこうやる気出して言ってんだ、寄り道していいか?」

 

マックスは腕時計と地図を見て考え始める。最後にオルガマリーと少し話すとキャスターの元に戻ってきた。

 

「まあ、タイムリミットも無いからいいとのことです。ただ、あまり遅くなると他のサーヴァントと遭遇する可能性が高くなるからなるべく手短にお願いします。」

「なあに、ちょいと嬢ちゃんを治療するだけだすぐに終わるさ。おーい、所長の嬢ちゃんちょっと来てくれ。」

「何よ...」

 

隊列の先頭付近で遠征隊にルートの変更を指示していたオルガマリーをキャスターが呼ぶと、オルガマリーは嫌そうな顔でマックス達の所にやってきた。

 

「まあまあ、背中を貸してくれや。」

「...変なことしないでよ。マシュの時みたいに触ったら、遠征隊をけしかけるわよ。」

「触んない、触んない...まずは...ちょい、ちょいと...完成!」

 

オルガマリーは背中を指でなぞられ背中に何かが書かれた気がした。オルガマリーが背中を覗くと光る文字が書いてある。

 

「ねえ、マックスなんて書いてあるの?」

「んー、ルーン文字ですね。えーっと...」

「それは、厄寄せのルーンだ。あんまり使われないから、知らなくてもしょうがねえよ。」

 

キャスターの一言にオルガマリーとマックスが固まった。

 

「私のコートに何してくれたの⁉︎変なことしないでって言ったでしょ⁉︎マックス!」

「分かってます!野郎ども、戦闘準備だ!来るぞ!」

 

厄寄せのルーンに反応し、そこら中から足音が聞こえ始めた。遠征隊は荷台から重機関銃や折りたたみ式の防壁を取り出しケッテンクラートを中心に陣地を作り始めた。

 

「立香はサーヴァントを指示して、私は遠征隊を指示します。」

 

オルガマリーは遠征隊に指示を出しながら、立香に言う。立香も遠征隊とサーヴァント両方を同時に指示するのに慣れていないので、素直に了承した。

四方向に軽量の重機関銃のM1919を設置して、寄ってくる敵を待ち構えた。キャスターはケッテンクラートの上に立ちまわりを見渡していた。

 

「おい、遠征隊。あんまり手出しすんなよ。これは嬢ちゃんの治療なんだからな。」

 

キャスターは銃を構えている遠征隊に上から声をかけた。偉そうないい様に遠征隊は切れる。

 

「あぁ⁉︎ 最初からもっとマシな方法でやってくれませんかねぇ⁉︎」

「やっぱり、昔の英霊は頭がおかしい。価値観が違いすぎる。」

「あとで、その綺麗な顔を吹き飛ばしてやる!」

 

キャスターはケケケっと笑っていて、反省する様子はなかった。キャスターはマシュに治療の説明を始めた。

 

「宝具ってのは英霊の本能だ。なまじ理性があると出にくいんだよ。」

「戦闘に狂えってことですか?」

「早い話そうだ。」

 

マシュは立香の指示に従い、敵の反応が多い方に構えた。オルガマリーはキャスターに抗議していたが、さらにルーンを刻まれ声を出せなくされていた。早速、指示系統が味方によって破壊された遠征隊はとりあえず、来る敵は皆殺しにすることにした。

 

「敵視認!」

「まだだ、もう少し引きつけろ。......撃ち方始めー!」

 

周囲から骸骨が大量に集まり陣地は囲まれていた。遠征隊はギリギリまで引きつけると、射撃を始めた。弾丸により骸骨はすぐに粉砕されるが、一部の骸骨は弾を弾くなどして接近してきた。

 

「クッ⁉︎...弾が弾かれる!強化個体を確認!マシュ殿お願いします!」

 

マシュは遠征隊の弾丸を潜り抜けてきた他の骸骨よりも強化された個体を相手した。弾丸を潜り抜けることが出来るほど強化されている個体は、やはりマシュでも一筋縄では行かず、だんだん体力が削られていく。陣地にまで接近してきた強化個体が50を越えようとした頃にオルガマリーのルーンの効果が切れ、骸骨の波は治った。

 

「ふう、ひとまず敵はいなくなった。」

 

陣地内は大量の薬莢で溢れて足の踏み場が無く、敵の多さを物語っていた。マシュも疲れ切って肩で息をしていた。

 

「限界、です...これ以上の連続戦闘、は...すいません、キャスター、さん...きちんと理論にそった教授、を...」

 

戦闘はただ盾で殴る、蹴る、叩き切るだけで、宝具のかけらも現れなかったマシュは別の方法をキャスターに求める。キャスターはケッテンクラートの上でヤンキー座りをしてマシュに目線を近づけた。

 

「分かってねえな。こいつは見込み違いだったか?まあいい、んじゃ次は俺だ。」

 

キャスターの言葉にマシュは惚けた。遠征隊は手持ちの銃に再装填しながらキャスターの言動に注意を向ける。

 

「味方だからって遠慮しなくていいぞ。俺も遠慮なしで立香を殺すからよ。」

 

キャスターが言った瞬間、さっきまで敵に向いていた銃口全てがキャスターに向き、チャージングハンドルを引く音が響いた。

 

「キャスター殿、もう一度お願いしたい。我々の聞き間違いと思いたいが、誰を殺すと言った?」

 

立香を殺すと言ったキャスターは敵であり、殺す必要がある人物となっていた。マックスは最終通告としてキャスターに聞き返す。

 

「サーヴァントの問題はマスターの問題だ。マスターとサーヴァントは運命共同体。ならば一緒に乗り越える必要があるだろ...さあ、行くぞ!」

 

キャスターはルーンを展開し、マシュと遠征隊に打ち込む。

 

「敵対を確認! ブッ殺せ!」

 

キャスターは飛び上がり避けたが、キャスターの立っていたケッテンクラートは一瞬にして蜂の巣になった。

 

「上だ! 撃ち落せ!」

「これは、サーヴァントとマスターの問題だ。余所モンは手ェ出すな。」

 

キャスターは空中でルーンを再び展開した。火はキャスターに飛んでくる大量の弾丸の盾となると共に、遠征隊を焼く弾丸となった。火は銃を溶かすと同時に遠征隊の腕を焼いた。

 

「ぐあぁアァァァ!」

 

両腕を炭になるまで焼かれた遠征隊は蹲ったり、転げ回り、腕を失った痛みに叫び声を上げた。キャスターはオルガマリーに向くと

 

「手前はこいつらでも直してろ。邪魔すんじゃねえぞ。」

 

キャスターにガンドを放とうとしていたオルガマリーは、キャスターの睨みに怯え、ガンドは霧散してしまった。15人の両腕を焼き尽くしたキャスターは、マシュと立香に狙いを定めた。

 

「キャスターさん、やり過ぎです。遠征隊の皆さんに私はあまりいい印象をもっていませんでした。しかし、今は違います。私も遠征隊の仲間なんです。仇を取らせてもらいます。」

 

マシュの目にキャスターはゾクゾクした。戦いへの固い決意を決めた戦士の心。戦闘民族ケルトの一人であるキャスターは、この輝かしい意思に興奮を覚えた。

 

「いいぞ!その目だ!さあ、行くぞ!守ってみせろ!」

 

キャスターが手を上に掲げると大量のルーンが現れ、全てが火の矢となってマシュ達に飛んでいく。マシュは盾を振り回し、自分たちに当たるものだけを的確に撃ち落としていく。

 

「追加だぜ。」

「させません!」

 

火の矢が尽きたキャスターは更に展開しようとするが、ルーンを作ろうとした隙を狙ったマシュに距離を詰められる。

 

「槍の心得もあるんでね!」

 

キャスターは杖を槍のように構え、マシュを迎え撃つ。キャスターらしからぬ行動にマシュは対応しきれず、腹部に杖を突き立てられる。

 

「おごっ...くっ!...まだです!」

 

マシュは突き飛ばされた先に転がっていた遠征隊から剣を引き抜くと、ブーメランのようにキャスターに投げつける。キャスターは飛んでくる剣を弾くと空中でキャッチした。

 

「まあまあ、いい剣だな。それに、これは...神秘殺しか? やっぱり、あいつらロクなもん持ってねえな。」

 

キャスターのよそ見にマシュは吶喊する。向かってくるマシュにキャスターは釣れたなとほくそ笑む。ルーンを展開し、マシュを焼こうとすると、立香の声が聞こえた。

 

「私を忘れないで!マシュに命じます、キャスターの背後に今すぐ移動しなさい!」

 

前から突っ込んできていたマシュが、いきなり背後にワープしたことにキャスターは対応しきれない。キャスターは無防備な背中にマシュの一撃を入れられ、吹き飛ぶ。

この特異点のサーヴァントにはすでにマスターと呼べる者が居ない。そんな環境で何度も他のサーヴァントと戦ってきたキャスターは、マスターの令呪と言うものを忘れていたのだ。キャスターにとってはマスターとサーヴァントの令呪による連携は予想外であり、無防備な背中を晒すことになった。

キャスターは自分の愚かさを嘆くと共に、完璧なタイミングで指示を出した立香とそれに戸惑うこともなく対応したマシュに喝采を送り、自身の最大の技を出すことにした。

吹き飛ばされたキャスターは地面に片手をつき、勢いを制御し、地面に転がることなく綺麗に着地した。

 

「ふう...お前さん達を舐めてたわ。すまん。だから、俺も最高の技を使うことにした。主もろとも燃え尽きな!」

 

マシュはキャスターを止めようとしたが、自分が吹き飛ばしたせいでキャスターは遠くにいて間に合わないことは明確だった。マシュは攻めるのはやめ、どうやって守るのかを必死で考えた。

 

「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社。倒壊するはウィッカー・マン。オラ、善悪問わず土に還りなー!」

 

キャスターの前に巨大な魔法陣ができ、中から木の巨人が出てきた。巨人は燃え出し、火の粉を振りまきながら迫ってきた。

マシュの頭の中に様々な考えが浮かんだが、最後はただ一つの考えだけがマシュの頭を占めた。

 

「(守りたい!)」

 

マシュが強くそう願うと、自分を覆っていた分厚い皮膚に亀裂が入った気がした。マシュは自身の魔力を全開にして、自分の殻を破ろうとする。

 

「ああ、ああぁあああーーーーーー!」

 

マシュは全ての殻を砕き、宝具を展開した。マシュは端末の映像で見た蝶の羽化が頭に浮かんだ。自分も蛹を破り、サーヴァントとして羽ばたけるようになったと歓喜した。

宝具は巨大な城壁のようで、巨人を受け止め逆に砕いた。砕けた巨人の破片は燃え尽き、空中を蝶のように舞っていた。

 

「あ...わたし...宝具を、展開できた...んですか...?」

 

惚けるマシュに立香が抱きついた。

 

「やったねマシュ! ついに展開できたよ!間違いなくマシュは一級の英霊になったよ!」

 

マシュの手を取り飛び跳ねる立香にキャスターが近づいてきた。身構える立香にキャスターは両手を挙げ、もう戦意がないことを示した。

 

「嬢ちゃんはアレだ、守る側の人間だ。鳥に泳ぎ方を教えても仕方がねえだろ?高く飛ぶ方法を教えないとな。まあ...真名をものにするまではいかなかったか。」

「ええ...宝具はできたのですが、真名までは...」

「未熟でもいい、仮のサーヴァントでもいい。そう願ったのね、マシュ。」

 

やっと遠征隊21人の止血が終わったオルガマリーが立香達の元にやってきた。

 

「英霊そのものになる欲求がなかったから、宝具も答えたのね。あーあ、とんだ美談ね。お伽話もいいところだわ。」

「あの...所長。」

「ただの嫌味よ気にしないで。宝具が使えるようになったのが嬉しいわ。」

 

オルガマリーの横で立香とキャスターは小声で、ツンデレだ、とささやき合っていた。

 

「真名なしで使うのは不便でしょ。名前をつけてあげる。宝具の疑似展開だから...ロード・カルデアスと名付けなさい。」

「はい!有難うございます。」

「ぴったりじゃないか、嬢ちゃん。」

 

4人はしばらくマシュを褒めて、喜び合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「俺たちはどうすればいいんだ?」

 

オルガマリーに瓦礫のところまで移動させられ、寄りかかっていた遠征隊は両腕が無いので、何もできずただの喜び合う立香達を眺めていた。

ただ、いつか絶対にキャスターに仕返しすると心に決めながら。




特異点Fもそろそろ終わりです。やっぱり、話の展開が遅いですかね。何かアドバイスがあればお願いします。

次はオルレアンですよ。さあ、遠征隊の魔術師としての側面を書くのにワクワクしてきました。


実験場なので気にせず
(ほふ)

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