捕らえたエルシア・テスタロッサについてはプロジェクトFATEのこともあるが幻魔化させることにした。
今後を考えればエルシア・テスタロッサの力はかなり使い道がある。
調べた結果エルシア・テスタロッサの戦闘スタイルは銃を使った中、近距離射撃型と分かった。高速に動き相手を翻弄し、魔力弾よりも速い攻撃を相手を倒すみたいだ。
デバイスの名前はストレリツィ。やはり銃型デバイスみたいだ。
原作には存在していなかったし転生者で間違いないとは思う。フェイト・テスタロッサと双子だからか仲はいいみたいだしもし行方不明だった姉が幻魔となって敵対してきたらどんな表情をするのかな?それも楽しみだ。
しかし、記憶を持ったまま幻魔化させては反逆の恐れがあるな。それではただ敵を強化しただけになってしまう。
…そうだ!脳の方を弄ろう。具体的には同族(幻魔)に対する安心と協調更に上位の存在である俺や高等幻魔への絶対なる忠誠心。人間に対する破壊衝動を付け加えよう。こうすれば幻魔には絶対に逆らわず人間へ攻撃させることができる。
だが、いまのところそこまで手術するには時間がないからな。三年のうちには完成させるか。それまではエルシア・テスタロッサは監禁しておくか。
そうなるとデバイスの方も改造しておかないとな。
このデバイスもインテリジェントデバイスみたいだがAIを弄れば問題ないだろう。
さて、エルシア・テスタロッサの方はこれでいいだろう。プレシア・テスタロッサの方はどうなっているかな?
『プレシア・テスタロッサだな?管理局法違反であなたを逮捕する!』
お?丁度管理局がプレシア・テスタロッサの捕縛に動き出した頃か。ならばガルガントに連絡を入れるか。
『ガルガント』
『はっ』
『行動開始だ。派手に暴れてやれ』
『了解しました』
精々楽しませてくれよ?管理局。
管理局執務官クロノ・ハラオウンはモニターに写る光景が信じられなかった。
フェイト・テスタロッサを捕縛し、時の庭園に武装隊が突入した。
後はプレシア・テスタロッサを捕まえれば事件は解決すると思われた。
『プレシア・テスタロッサだな?管理局法違反であなたを逮捕する』
この言葉を武装隊が発した時に丁度手錠をかけられたフェイト・テスタロッサが入ってきた。流石に目の前で自分の親が逮捕される光景は見せられないと思いフェイトを別の部屋に移そうとしたときだった。
『そんなことをさせるわけにはいかないな』
その声が聞こえたと同時にプレシアを守るように半円形状に異形のものとしか言えないナニカが現れたのだ。その数凡そ十体。
自身の身長ほどはある大剣を右手に持ち自身の半身ほどは隠せる巨大な盾を左手に持った異形の者は見た目とは裏腹の軽快な動きで武装隊に斬りかかる。
無論武装隊とてただでやられるわけにはいかないためシールドや魔力弾を放ち異形の者を仕止めようとする。
しかし、魔力弾は盾に阻まれダメージを与えられずシールドを張った者は大剣でシールドごと斬り殺されてしまった。
「エイミィ!急いで武装隊を回収しなさい!」
事態を重く見た時空管理局航行艦アースラ艦長リンディ・ハラオウンは部下のエイミィ・リミエッタに命令する。
その間にも武装隊は斬り殺されていき無事に時の庭園を脱出できたものは半数に満たなかった。
そして武装隊が脱出すると同時に時の庭園内に異形の者が多数現れ余計に時の庭園に入ることが難しくなってしまった。
「これでは時の庭園に入ることは難しいわね。映像を見る限りプレシア・テスタロッサを守るものたちとは違うタイプみたいだけど」
リンディ・ハラオウンの言葉通り先程武装隊を斬り殺した者とは違うみたいだが同等の力を有しているとなると厄介であった。
武装隊との戦闘からプレシア・テスタロッサを守っている者達は推定Sランク以上、下手をすればSSランクは有していると思われた。それが十体おり、他の者も同等であればとてもではないがアースラのメンバーでは太刀打ちできない。
アースラは八方塞がりとなってしまったのであった。