最近知ったことだが次元世界はかなり広い。それこそ俺や友人が把握しきれないほどだ。
その一部は管理世界として管理局が治め半数以上が管理外世界となっておりまだ知られていない世界も存在していた。
そこで俺は管理局が認知していない世界に目をつけた。
「行け!抵抗するものは殺せ!捕らえられるものは捕らえよ!」
俺の指示通りに配下の幻魔達が行動していく。
管理局に認知されていないとある世界に俺は幻魔兵団を率いて侵略していた。
ドルドーやドルデキオ、マーセラス極を中心に精鋭を集めたこの軍団は人間の軍勢を意図も簡単に打ち破りほぼ占領を完了していた。
これからここは餌さとなる人間の養殖場として運営していくこととなる。これも最近気付いたことだが幻魔や造魔は人間を食すればするだけ力が上がっていくのだ。それは俺や高等幻魔も例外ではなく人間を食べると身体能力や特殊能力が向上することがわかった。
これは強い人間を食べればその傾向は強いがこれは食べ続ければいいので問題はない。養殖場で育てると質は悪いが供給できなくなることはない。因みにうまい順は若い女→若い男→その他の女→その他の男→老人の順に旨い。やはり身がのっている若い方が美味しいのかもな。
簡単に占領した後は養殖場として世界を作り替えて生き残った人間すべてをそこに放り込んだ。反抗するものはいない。アサシン極は優秀だからな。
養殖場の一日は起床してから男は肉体労働、女は裁縫等の内職、そして消灯時間まで食事以外では続け寝る。そんな生活を繰り返す。だが、暴動が起きても面倒だから週に二日は休息を儲けている。
そして、一年に一度働きが悪いものから順に餌さとなる。そんな感じで運営していくこととなる。
「今日の夕食をお持ちしました」
俺付きのシェフとなった者が夕食を持ってきた。ウム、いい臭いがするな。
因みにシェフは俺が修行しているときに出会った人間をメインの食材として使っていた料理人だ。他から見ると狂人だが、幻魔からすれば最高の料理人だ。よって俺に忠誠を誓い最高の料理を作る代わりに材料の人間の調達を請け負う形で合意して今では専属のシェフだ。
「献立はS級の女のフルコースとなっております。前菜は若い女の肉の刺し身、サラダに若い女の指のソテー、スープに若い女の眼球スープ、主菜に若い女の腹肉のステーキ、デザートに洗浄した内臓となっております」
人間が聞けば発狂しそうな料理だが、幻魔である俺にとってはかなりのご馳走だ。しかし、若い女のフルコースか。これは食べ堪えがありそうだな。
「素晴らしい料理だった」
「勿体なきお言葉」
俺は満腹感を感じながらシェフに言うがシェフは相も変わらず無表情で答える。シェフがこんな感じなのはいつものことだ。普段はこんな感じじゃないのにな。本人曰く「余計な感情は調理において不必要」らしいが無表情になるとしばらくこのままだからな。
「お、丁度食べ終えたところか?」
そこへイェーガーが現れた。珍しいな。最後にあったのはしばらく前だぞ。
「どうしたイェーガー?お前がここに来るのは珍しいな」
「いや何、旨い料理が食えるって聞いてな。店はギンガムファッツに任せて食いに来たんだ」
こいつも変わらないな。全く…。
「近々解体ショーを予定している。そのときまで取っておくといいぞ?」
「そうか?なら軽く食うに修めておくか」
それでも食べるのは変わらないんだな。
因みに解体ショーは高等幻魔が選んだ人間を目の前で解体していきその場で食べる催しだ。選ぶのはバルドレン、ヘキュバ、オズリック、ジュジュドーマの四人だ。それぞれ個性が強いからな。当日が楽しみだ。