リリカルな世界の転生者   作:鈴木颯手

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第六話 ひとつの区切り

しかし、先程の赤リボンポニーテールには驚いたな。恐らくあれも転生者だろう。

 

「…今の二人は?」

 

「フェイトとエルシアの事?あれらはプロジェクトFATEで出来たアリシアの失敗作よ」

 

成る程、恐らく赤リボンポニーテールの方がエルシアと言う名前だろうな。そして転生者。原作には存在しないフェイト・テスタロッサの妹若しくは姉。ならあいつは俺が貰うとするか。

 

「…赤リボンポニーテールのほう「エルシアよ」…そのエルシアだが頂いてもいいか?」

 

「…何故?」

 

「あまり言いたくはないがプロジェクトFATEの貴重な生きたサンプルだからな。あるに越したことはない」

 

「…そう。いいわ。でも何でエルシアの方なの?」

 

「黒リボンはフェイトだったな?フェイトの目には恐怖、疑問、不安等の感情が出ていた。だが、エルシアの方は警戒、驚愕の感情が出ていた。つまりエルシアの方は今後計画の支障を来す可能性がある。フェイトの方は従順に下手あげる事もできるだろう。だが、エルシアにはそれができそうにない」

 

俺はそれっぽいことを言う。実際エルシアはかなり警戒していたし転生者の可能性がある以上手元に、最悪の場合は処理する必要がある。

 

「…分かったわ。だけどそれは貴方の用事を終えてからでもいいでしょう?」

 

「…まぁ、なるべく早くのほうがいいがな」

 

エルシアはしばらく保留か。どちらにせよ後転生者は一人。何としても見つけないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリシア・テスタロッサの蘇生はなんなく終えた。蘇生等ゲームの参加者相手に何度か行っているからな。

 

「…アリシアが起きるのは暫く先だ。恐らく三日ほどは眠ったままだ」

 

「そう…」

 

プレシアはそれだけ言うと手術台にいるアリシアを撫でる。フム、この部分だけ見ればプレシアは立派な母親だな。興味ないが。

 

「それじゃあアリシアはどうする?起きるまでこちらで預かるか?」

 

「…いいえ、貴方の用事を終えるまではここにおいてちょうだい。今フェイトが壊れてしまったら貴方の用事を達成できないでしょう?」

 

「それもそうだ」

 

俺がプレシアに頼んだ用事は単純だ。フェイトの力を借りる。たったそれだけだ。これは原作通りに事を進めるための布石みたいなものだな。

 

俺を含めた転生者がこの世界にどれ程影響を与えているのか分からない。既に俺はこの世界には存在しない幻魔を産み出し世に出してしまった。ゾンビもそうだ。

 

他の転生者も何も影響を与えていないとは限らない。現に鳳凰院龍斗に御劔響夜は高町なのはに接触して原作の流れを崩しつつあり転生者と思われるエルシア・テスタロッサに八神はやての双子もそれぞれフェイト・テスタロッサ、八神はやてに何かしらの影響を与えている可能性がある。よって原作通りに進めるためにもジュエルシードを巡って戦ってもらわないといけない。

 

「とにかく用事ができたらこちらから連絡する。この事は他言無用で頼むぞ」

 

「ええ」

 

プレシアはそれだけ言って時の庭園に戻っていった。

 

「ふう」

 

俺は一息つく。プレシア・テスタロッサとの交渉を終えたから後は原作を待つのみだな。転生者も後一人。順調だな。

 

だが、最近はどうも原作の知識を忘れていることが多くなってきた。まぁ、何百年いや千年近く生きているからな。むしろ未だに原作を覚えていること事態が奇跡だな。

 

今のうちに確認しておくか。

 

無印は確か…淫獣の乗っていた船が殺られてジュエルシードが地球に落ちたことから始まるんだったよな?それで高町なのはがどうやってか魔法の才能を持っていてフェイト・テスタロッサとジュエルシードを巡って戦うはずだったな?A'sは闇の書の暴走だったな。因みに俺は無印はほぼ関わらないことにしている。だが、A'sは友の遺産でもあるからな。ナハトヴァールくらいは倒してやるか。

 

そして問題なのがStrikersだ。ぶっちゃけスカリエッティが何かするくらいしか覚えていない。後は八神はやてが部隊を立ち上げたことくらいか。そのときのフォワードもどうだったか。まぁ、時間はあるしなんとかなるだろう。

 


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