リリカルな世界の転生者   作:鈴木颯手

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第四話 進展

「ハクア様、八神はやての両親が死亡しました」

 

この報が入ってきたのは原作キャラが小学生になったときである。つまり現在は原作の二年前になっている。

 

「以外と死ぬのが遅かったな。何かあったのか?」

 

「いえ、ただ一つ気になることが」

 

「気になること?」

 

「八神はやてと同年代と思われる少女を確認したとのことです。恐らく容姿からして家族かと」

 

報告してきた者はそう言って書類を俺に渡してくる。そこには八神はやてともう一人の少女の姿が。容姿も同じで双子と思われる。しかし、八神はやてには双子の家族などいない。つまり、

 

「転生者、若しくは原作までに死んで語られなかった家族か。そのどちらかだな」

 

そうなると転生者の方が可能性は高い。これは警戒する必要があるな。イェーガーにも後で伝えておくか。

 

「しかし、この世界は幸運だったな」

 

それはこの世界が少なくともA'sが劇場版であることが分かったからだ。つまりギル・グレアムは存在していなかったのだ。

 

あのこそこそした奴は特に問題はないが不確定要素は消しておくに限る。

 

「後はプレシア・テスタロッサのみか」

 

高町なのはについては半分諦めた。高町一家の戦闘能力が半端ない。幻魔兵団を用いて何とか、というレベルだ。遠くから監視する程度が一番いい。

 

転生者についても既に一人は恐らくのレベルだが三人を見つけることができた。後は残り二人、この調子でいけば何とかなるだろう。

 

「次元航行艦の方はどうだ?」

 

「はっ、三隻が完成し、一月ほどで五隻が完成します。管理局からは領有の許可を得ています。不足の事態にはならないかと」

 

結局管理局の管轄にすると何かと不都合が出ると思った俺は民間で艦を持つことにした。その際友人から領有の許可を貰い査察などが入らないようにした。

 

「麻薬の売り上げはどうなっている?」

 

「量産が追い付かないほどに売り上げは延びています。それから警察の一部が勝手に捜査を始めているようです」

 

「それは困る。上層部から圧力をかけてもらうように」

 

「了解しました」

 

「イェーガーはどうなっている?」

 

「漸く赤字から黒字になったと報告が来ました。それと一人だけイェーガー将軍の顔を見て驚いた少年がいたそうです。照らし合わせた結果御劔響夜と判明しました」

 

「そうか。何かアクションがあるかもしれない十分に注意しろと言うように」

 

「了解しました。ではこれにて失礼します」

 

…さて、俺もそろそろ行動を開始したいな。やはりプレシア・テスタロッサさえ見つかれば。しかし、何で人間の蘇生は出来てもクローンは作れないんだ?クローンの方が簡単なような気もするが。仕方がない。体でも鍛えるか。ここ最近まともに動いていなかったしな。

 

そう思い立ち上がった瞬間部下が慌てて入ってきた。

 

行きなり開けたことに注意しようと思っていたが部下の報告を聞いてそんな考えは消えた。

 

「プレシア・テスタロッサの居場所が判明しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…プレシア・テスタロッサだな」

 

「そうよ」

 

「話がある。来てほしい」

 

「いきなり人の家に入ってきた奴にホイホイ付いていくと思って?」

 

プレシアの言葉に俺はもっともだ、と思う。

 

知らせを聞いた俺はすぐにその場所に向かった。ついてからは一応挨拶はしたが返答は機械兵団だったため実力行使で上がらせてもらった。

 

「取引をしたいと思ってな」

 

「取引?」

 

「俺はアリシア・テスタロッサを蘇生できる」

 

「!?」

 

プレシアは驚いているが俺は続ける。

 

「貴様がこれに応じるなら蘇生をしてやることもできる」

 

「…そちらの要求は?」

 

食いついてきたか。やはりアリシア・テスタロッサは死亡しているか。

 

「あんたが完成させたプロジェクトFATEのデータ。それと頼まれ事を少々」

 

「…それでいいの?」

 

「勿論」

 

「…分かったわ。取り合えず話を聞かせてちょうだい」

 


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