リリカルな世界の転生者   作:鈴木颯手

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第十話 他大陸侵攻作戦~圧倒的ゆりかごの力~

幸いな事にゆりかごは王都を攻めていた幻魔を全滅させるとそのままシュトゥラの王都を飛び続けていたため俺は逃げることが出来た。途中からは傷も少しずつ回復しているためその度にスピードをあげている。

 

そしてゆりかごから逃げること二日。ジュジュドーマが率いる補給部隊と合流することが出来た。

 

「ああああ!ハクア様!どうなされたのですか!?」

 

俺への忠義(愛)で出来ているのではないかと思うジュジュドーマは心配そうに俺に駆け寄ってくるが正直近寄って欲しくはない。見た目がやばいからな。

 

「俺は大丈夫だ。それより今は軍団を全部下げろ。敵の巨船が来ている」

 

「何ですと!?」

 

「説明は後退しながら伝える」

 

「わ、分かりました!」

 

いくら何でも何時までも王都を飛び回っているはずがないからな。今はなんとしても逃げ延びなければ。

 

本来なら艦隊で叩き潰すはずだったが恐らく歯が立たないだろう。良くて足止め、悪ければ無駄な犠牲。

 

「窮鼠猫を噛む所ではないな。鼠に首を引きちぎられた気分だ」

 

とにかく少しでも早く逃げ延びなければ。

 

しかし、そこで最悪の報告が入る。

 

「巨大な船がこちらに向けて航行中!恐らく王都陛下の軍団を全滅させた船です!」

 

まさかこのタイミングで来るとは。あと少しで海岸なのに。ここまでか。

 

…いや、俺はまだ死ねない!

 

「鎧神機ヴァルハランス召喚!」

 

俺は召喚魔法を使い鎧神機ヴァルハランスを召喚する。更にあと四体召喚してゆりかごの足止めを行わせる。

 

「急げ!ヴァルハランスが足止めしている間に逃げるぞ!」

 

ヴァルハランスでどこまで持つか分からないが今は逃げることのみを考えよう。

 

そこへひとつの報告が上がる。

 

「陛下!艦隊が到着しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「攻撃隊発艦始め!発艦始め!」

 

ジパング侵攻艦隊は大急ぎでベルカに向かい何とか二日で間に合わせることに成功していた。

 

ベルカについた艦隊は空母から攻撃隊を発艦させゆりかごの破壊に向かう。

 

「司令長官、陛下は転移でベルテルミーニ大陸への避難を終えたそうです」

 

部下の報告に司令長官は満足そうに頷く。

 

「よし、ミサイル攻撃も行う。目標は全て敵の巨大な船だ!」

 

「了解!」

 

そこへ別の部下が報告をする。

 

「第一次攻撃隊全滅!」

 

「何だと!?」

 

「鎧神機ヴァルハランスは既に三体が消滅!敵の巨船なおもこちらに向けて進行中!」

 

部下の報告に司令長官は瞬時に足止めすらままならないことを悟るがそれでもハクアのために指示を出していく。

 

「第二次攻撃隊を発艦させろ!主砲はいつでも撃てるように準備しろ!少しでもいい時間を稼ぐぞ!」

 

「しかし、陛下は既に避難を終えているのですよ?いまさら足止め等…」

 

「馬鹿か!?ベルテルミーニ大陸とここは空続きだ!あの船がそのまま大陸へ向かえば幻魔界は終わりだ!俺達は次元を切り離し敵の巨船が大陸に迎えなくなるまで時間を稼ぐのだ!」

 

「りょ、了解!」

 

司令長官の言葉に部下は頷いて持ち場に戻っていく。

 

やがて第二次攻撃隊も全滅との報が入り敵の巨船が目視で確認できるまで接近してきた。

 

「主砲撃て!」

 

戦艦が一斉に火を吹き敵の巨船に向かっていくが敵の巨船はあまりにもでかいため表面を破壊する程度のダメージしか与えられなかった。

 

それでも艦隊は攻撃を続けるが敵の巨船のビーム攻撃するとかよって艦隊が吹き飛ばされていく。

 

「たった一撃で半数がやられるとは…」

 

そう呟いた司令長官の乗艦する旗艦ベルテルミーニも敵の巨船の第二次攻撃によって破壊されてしまったのである。

 

艦隊は三度目の攻撃で全滅してしまうがベルテルミーニ大陸は無事に次元の狭間に逃げることができてゆりかごはこれないはずであったがゆりかごはそれすらぶち破ってくるのであった。

 


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