リリカルな世界の転生者   作:鈴木颯手

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第五話 他大陸侵攻作戦~艦隊決戦~

「イェーガー将軍!敵艦を発見しました!」

 

「数は?」

 

「戦艦5、巡洋艦20、駆逐艦多数、とのことです!」

 

「敵は数でも質でも劣るか…。よく知らせてくれた!戻って構わん。俺は海のことはわからないからな。艦隊司令に一任する」

 

「はっ!」

 

大陸同時侵攻が開始されイェーガー率いるジパング侵攻艦隊も出動した。

 

この動きはジパング側も気付いており直ぐに艦隊を向かわせるも全滅。既に三回海戦を挑むも全て惨敗し、帰艦した艦はたった一隻のみであった。

 

ジパングの海軍はほとんど海軍力を失っており今回の艦隊で全ての艦で最終決戦を挑んできたのである。

 

やがて戦艦の砲撃音がイェーガーが乗っている揚陸艦にも聞こえてくる。

 

「さて、ジパングの力。見せてもらおうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジパング侵攻艦隊旗艦『ベルテルミーニ』~

「敵戦艦に二発命中!敵戦艦速力減少!」

 

「敵戦艦の砲撃駆逐艦に命中!爆沈しました!」

 

「空母から攻撃隊発信しました!」

 

旗艦『ベルテルミーニ』の司令室では各艦からの報告が相次いで入ってくる。

 

艦隊の者は全て幻魔化した人間である。彼らはギルデンスタンの手術によりハクアへの絶対忠義を誓っておりハクアのためならば自分の命を投げ出す覚悟をしていた。

 

「被弾した艦は後方の艦と入れ替われ!!敵戦艦の的になるだけだ!それと敵艦はなるべく戦艦を狙え!やつらの少ない力を潰すのだ!」

 

ジパング侵攻艦隊司令長官の可丹天は各艦に指示を出していく。

 

可丹天は元々ガッセナール公国に支えた海兵の子孫であったが幻魔界後はなんとか逃げ延びハクアに支え現在に至る。

 

「敵及び味方の被害状況」

 

「はっ!敵艦は戦艦が二隻轟沈、二隻が大破、一隻が小破、巡洋艦が十隻が轟沈、残りは無傷、駆逐艦は三十隻が轟沈、残りは全て小破に満たないとのことです!味方艦は戦艦が二隻大破五隻が小破残りは被害軽微です。巡洋艦、空母は全艦被害軽微、駆逐艦は二隻轟沈、半数が小破、残りは被害軽微です」

 

「フム、ジパングの海軍もなかなかやるな。だが、ここで手を抜くわけにはいかない。空母に連絡!攻撃隊に増援を出して空から敵艦を叩け!」

 

「はっ!」

 

「敵艦を一隻たりとも逃がすな!全滅させるのだ!」

 

幻魔艦隊の飽和攻撃は日が落ちても続きジパング艦隊は戦艦一隻(大破)、巡洋艦が二隻(大破)、駆逐艦が八隻(二隻大破、残りは小破)のみが生き残っていた。

 

ジパング艦隊は闇夜に乗じて逃げようとするが、

 

「敵艦は恐らくこの闇夜に乗じて逃げようとするはずだ。照明弾を使い敵を補足しろ!補足次第攻撃を再開する!」

 

幻魔艦隊司令長官の可丹天の策により昼並みに明るくなり生き残ったジパング艦隊は二時間後に全滅した。

 

ジパング艦隊を殲滅した幻魔艦隊は二日後にジパングに到着、上陸を開始した。

 

ジパングは強固な防衛戦を張っていたが幻魔の前にことごとく破壊され一月後には領土の大半を失い首都防衛がやっとの状態にまで追い込まれてしまった。

 

残りの大陸もほぼ侵攻を終えていたがここでベルカ侵攻軍団から一つの悲報が入った。

 

【グレゴール将軍以下指令部全員戦死。幻魔軍団が劣勢】

 

この報告はハクアを錯乱させるには十分な報告であった。ミーナの看病によりハクアは落ち着くがグレゴールの敵をとるべく幻魔軍団を編成すると自ら率いて殲滅を開始した。

 

しかし、この行動が後のハクアの心に大きな傷を残す要因となるのであった。


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