タイトルから分かる通り、2期のタイトルを日本語に直したのもこの回をこれで書きたかったからです・・・
今回はかなり長くなりました。
そしてこの回で、より臨場感を出したい方はアニソンの【Reason Living】を脳内再生してご覧下さい!
「来い!!!!」
「【スサノオ】起動!!!!」
「【
それぞれで魔法を使ってウェイルスに立ち向かう。
ウェイルスは魔力を使って俺達を吹き飛ばす。
空に吹き飛ばされた俺達に向かってウェイルスは飛び上がり、俺とアメルダを女神像の王冠へ叩き付ける。
ウェイルスは追い打ちを掛けるように吹き飛ばし、俺とアメルダは王冠の壁に激突した。
「ハッ!やはり神器を持っただけの餓鬼は弱いな?」
クソッ・・・!!!!
これでも適わねぇのか・・・!!!!
俺は力の差を実感して唇を噛み締めた。
◇◆◇◆◇◆
めぐみんがフラフラとどこかに行こうとする。
「どこへ行くつもり?」
レイシャの静かだが威圧感のある声でめぐみんが立ち止まる。
「まさか・・・リュウヤを助けに行く・・・とは言わないわよね?」
めぐみんの目は「そうです」と言わんばかりにレイシャを見る。
「私の爆裂魔法があれば邪神くら「いい加減にして!!!!」・・・!」
レイシャの怒声にめぐみんがビクッ!身を強ばらせる。
「もし貴女の爆裂魔法が外れたらどうするの!?あの邪神はめぐみんを襲うかもしれない!それを庇うのはリュウヤでしょう!!!!」
「なら・・・ならどうしろって言うんですか!!!!」
「待つしかないの・・・」
レイシャも悔しそうに唇を噛み締める。
「私達ではあの邪神と渡り合えない・・・だからリュウヤが勝つのを信じて待つしかないの・・・」
自分が前線に行っても竜弥に迷惑を掛けてしまうだけ・・・
レイシャ自身も助けに行きたいと思っている。
でもそれは出来ないのを知ってるから必死にその思いを押し殺す。
レイシャもそのもどかしさを分かっているから腕組をしていた手に力が入っていた。
「待ちましょう・・・」
シノアが2人の間を持つ。
「大丈夫です・・・だって・・・私達の・・・最強の彼氏なんですから!」
シノアは竜弥が勝つ事を信じて待ち、エリスの銅像を見る。
信じているからこそシノアは待っていた・・・
「勝ちますよ・・・絶対・・・!」
その言葉は自分に言い聞かせてるようにも聞こえた。
めぐみんも竜弥を信じる事にしたのか、シノアの横に並ぶ。
その時に気付いた。
手すりに置かれていたシノアの手が小刻みに震えていた。
「シノア・・・さん?」
「あ・・・あはは・・・言葉ではああ言いましたが・・・実を言うと・・・不安でいっぱいなんですよね・・・」
そう言ったシノアの目から一筋の涙が頬を伝う。
「みっともないですよね・・・信じて待ちましょうって言った本人がこんな弱気になっちゃうなんて・・・」
シノアの目から涙が1つまた1つと頬を伝っていく。
本当はシノアも不安でいっぱいだったのだ。
「勝つわよ」
アクアが急にそんな事を言った。
「リュウヤの強さは貴女達だって知ってるでしょ?あんな無鉄砲な奴が・・・ナルシストな邪神に対して、全てを賭けて挑んでるリュウヤが負ける訳ないじゃない」
アクアがそう言うとシノアにふ・・・と笑みが現れた。
「そうですね・・・」
シノアは涙を拭って笑みを取り戻し、銅像に再び視線を戻した。
「勝ちなさいよ・・・リュウヤ・・・」
アクアは銅像で行われている激闘を見ながら、皆が聞こえない程の声量でそう呟いた。
◇◆◇◆◇◆
俺は殴り飛ばされ、アメルダは膝を腹に叩き込まれる。
お互いにウェイルスから距離が離れるも【闇の魔法】が解けてしまったアメルダは必死に魔法を使ってウェイルスの左腕を拘束し、動きを制限する。
そこを狙って俺は地面が抉れる程、足に力を込めて踏み込み、ウェイルスの顔面に拳を叩き込む。
グググッ・・・!とアメルダが拘束したウェイルスの左腕が拘束魔法を破っていく。
「なっ!?」
「嘘っ!?」
ウェイルスは拘束魔法を破って俺を殴り飛ばし、俺は王冠の壁を壊して空中へ放り出され、気を失ってしまった。
「リュウヤアアアアアアアアァァァァァァァァアアア!!!!!!!!!!!!」
─────ドクン─────
俺は叫び声に反応し姿勢を立て直す。
そして、スラスターを逆噴射して高く飛び上がった。
そこで俺は和真の作戦を思い出していた。
★☆★☆★☆
「「「【終わりのセラフ】と【スサノオ】を同時発動する!?!?」」」
「そうだ」
和真が言うには2つの隠しシステムをゲームで例えると
【スサノオ】は攻略が出来ないミッションがあった場合、それをクリアする為に予め用意されていた公式のチート(ハンデ)のようなもの。
【終わりのセラフ】は俺tueeをしたいユーザーがソフトやハードを非合法に改造したチートなのでは?と言う。
つまりこの2つを同時展開してゲームでいう処理落ちに似たような現象を【魔法生成機】内でわざと起こし、相殺してしまおうという考えのようだ。
「このバカ!!!!そんな事したらどうなるか私達にだって分かんないのよ!?」
「そうですよ!ヘタをすれば【魔法生成機】自体が本当に壊れるかもしれないんですよ!?」
「そうかもしれないけどさ・・・俺は他の可能性を考えてたんだよ」
和真が再び説明をした。
この2つの相殺を例えると1つのガラス瓶の中に二種類の火薬を入れる。
そこに火の元を入れ、爆発させ、ガラス瓶を砕くような物だ。
だがもしも・・・
もしもこの2つの火薬がお互いに違う色の色水に例えられるとしたらどうなる?
【魔法生成機】は機能を維持したまま2つは混ざりあって【終わりのセラフ】と【スサノオ】は消え、副産物として別の何かが出来る可能性があるのではないか?ということだ。
「でも・・・だからって・・・」
「いや・・・やってみよう・・・」
「「リュウヤ(さん)!?」」
俺の返答を聞いて、和真が俺を見る。
「いいのか?」
「正直言ってお前の案以外に出来そうなのは分からない・・・ならそれに賭けてみようと思う・・・」
「・・・そうか・・・」
俺達の会話を聞いて2人は呆れていた。
「はぁ・・・なんでこんな・・・」
「無茶です・・・とは言いたいですけど・・・確かにそれ以外はいい案が浮かびませんね・・・」
「悪ぃな・・・あ・・・それとさ今の【魔法生成機】って神器の権限書き換えが出来るんだよな?」
「あ・・・はい、出来ますよ?」
「なら竜弥、今の【魔法生成機】で封印魔法を作って他の物にエンチャントしてからそれをエリスに渡してくれ。エリス、今から神器を作るとしてどれ位時間が掛かる?」
「ざっと見積もって・・・半日は掛かるかと・・・」
「マジかよ・・・」
和真は解決口を絶たれたのか落ち込んでしまう。
「ですがそれは正式な方法で作られた神器の場合です。即席の神器・・・その目的の為だけに作られた神器・・・所謂、神器紛いのような物でいいのでしたらそのおよそ半分かと・・・」
和真はエリスにすぐに竜弥の作る魔法をその神器に付与する作業に取り掛かってくれと頼み、エリスはナックルガードを作ってきたのだ。
◇◆◇◆◇◆
俺は和真の言葉を信じて【スサノオ】と【終わりのセラフ】による同時展開をした。
「【終わりのセラフ】起動!!!!」
ピーーーーッ!
すぐにアラームが鳴った。
2ツノ隠シシステム展開ニヨルエラー検出ヲ確認。
ドチラカヲ直チニ解除シテクダサイ
コノママデハ【魔法生成機】ガ破損シ使用不可能二ナッテシマイマス
破損マデ残リ10秒・・・
頼む・・・奇跡を起こってくれ!!!!
9・・・
8・・・
7・・・
6・・・
5・・・
4・・・
3・・・
2・・・
嘘だろ・・・!?!?ダメなのか・・・!?!?
頼む・・・!!!!頼むよ!!!!!!!!
ここで負けたら全てを失ってしまう!!!!
そんなのはもうゴメンなんだ!!!!!!!!
1分・・・いや、1秒でもいい!!!!
俺達に希望を・・・夢を見させてくれ!!!!!!!!
俺が必死に祈っていた時だった。
奇跡が起きた。
ピーーーーッ!
外部カラ【闇の魔法】ニヨル魔力干渉ニヨル2ツノシステムノ消滅開始ト同時二、2ツノシステムノ融合ヲ確認。
コレニヨリ【終わりのセラフ】及ビ【スサノオ】ノ消滅開始ト同時ニ、【闇の魔法】ヲベースニ融合シタ新型ノ正規隠シシステムノインストールヲ開始、及ビ緊急起動シマス。
新正規隠シシステム
通称─────
─────【終焉のアマテラス】─────
緊急起動シマス!!!!
俺が纏っていた黒い武装が弾けて形状を変え、プラチナ色に輝く鋭利な武装になって再び身に纏う。
そしてアメルダは不敵な笑みを浮かべていた。
そうか・・・アメルダが・・・!!!!
「砕け────リュウヤ!!!!」
俺がウェイルスへと近付きながら右腕をハンマーモードに変える。
そして俺の脳裏にめぐみんとのやりとりが過ぎった。
☆★☆★☆★
俺はノックせずにめぐみんの泊まってる部屋に入った。
めぐみんはベッドに座っていた。
「めぐ────」
「出て行って下さい!嘘つきのリュウヤなんか会いたくありません!」
「少しでいいから話を────」
「いいから出て行って!!!!!!!!」
めぐみんの怒鳴り声に言葉を返せず、俺はドアを閉め、壁に背を預けて座り込んでしまった。
『なんで・・・なんでリュウヤばかり危険な目に遭わなきゃいけないんですかぁ・・・』
「・・・」
中からはめぐみんが嗚咽する声が聞こえて俺の心を締め付ける。
俺は何も答える事が出来なかった。
そりゃそうだ・・・アルカンレティアでのアメルダの戦闘でも結局1人で突っ走って心配させたんだからな・・・
『リュウヤは・・・考えた事はありますか?好きな人が危険な目に遭った時の事を・・・怖いんですよ・・・?いつ私の目の前から消えてしまうのか・・・この手が貴方に届かなくなってしまう・・・そう思うと私の中の全てがめちゃくちゃになりそうで怖いんです・・・』
めぐみんの言葉がより一層俺の心を締め付ける。
俺だってそうだ。
俺の彼女達が消えてしまうと思うと何もかもを投げたしたくなってしまう。
「なぁ・・・めぐみん・・・」
『・・・何ですか?』
「少し・・・昔話をしていいか?」
『え・・・?』
俺は死んだ事は伏せてめぐみんに俺の過去を話した。
妹の事、その友人の事、翔の事、家の事・・・俺が言える範囲で話せる部分を全て話した。
『そんな・・・事が・・・』
「まぁな・・・」
お互いに黙ってしまう。
俺は声を掛けようとしたがどう言葉を掛けるか頭に浮かんでこない。
『リュウヤは・・・怖くないんですか?』
「え・・・?」
『リュウヤは今迄強い敵と闘ってきました・・・そういった時は怖くなかったんですか・・・?』
あぁ・・・その事か・・・そりゃあ・・・
「もちろん・・・怖いよ」
『なら・・・』
「でもさ・・・」
『・・・?』
「大事な奴を失う方がよっぽど怖いよ!!!!」
俺の手に自然と力が入る。
「大事な奴を失うくらいなら俺は人間を止めてでもいいから・・・・・・化物になってもいいから俺は・・・大事な奴等を奪う奴をぶっ潰してぇ!!!!!!!!」
俺はまっすぐにめぐみんの問いに答えるも反応がみられない。
少しの沈黙が続いた後、めぐみんがドアを開けた。
俺がすぐに立ち上がると無言で【魔法生成機】を俺の手に置いた。
「めぐみん・・・?」
「勘違いしないで下さい。まだ許した訳ではありません・・・私との約束を守ってくれたら許します」
俺とめぐみんは向き合った。
「リュウヤ・・・必ず─────」
☆★☆★☆★
俺は約束したんだ・・・
必ず────────
生きて帰ってくる─────と!!!!!!!!!!!!
「行っけええええええぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺はスラスターを全力噴射させ、ハンマー化した拳をウェイルスに全力で叩き込む。
ウェイルスもそれに合わせて両手で受け止める。
金色の魔力とプラチナ色の魔力が激突し、1つの白い光となる。
その白い光は線となり、真っ黒に染まる雲を貫き、切り裂いた─────
空から無数に溢れた橙色の光が地上に降り注ぎ、白い魔力の光も無限に続いている天空へと伸びていく─────
その光景はこの3人の壮絶な闘いを決するかのように─────
その銅像はこの闘いの勝敗を下す
「ウオオオオオオォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
「ヌウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!」
ピシッ・・・!!!!ピシッ・・・!!!!
【魔法生成機】に罅が入り始めた・・・!!!!
頼む!!!!!!!!頼むからもう少しだけでいいから持ち堪えろおおおおぉぉぉぉおおお!!!!!!!
魔力メーターもガリガリと減っていく。
俺は最後の望みを賭けてハンマーの後ろにスラスターを形成しそこに魔力を集中して噴射させる。
「行っけええええええぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!」
「ヌウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥアアアアア!!!!!!!!!!!!」
俺の望みが叶ったのかウェイルスは吹き飛び、時計塔に激突した。
それと同時に白い光は消える。
武装は解除され、俺は倒れ込んだ。
バキャァッ─────!!!!
シューーーーッ!!!!
服の中で【魔法生成機】が砕けた音と何かが吹き出す音がした。
【魔法生成機】も逝っちまったんだろうな・・・
でも・・・魔力は削った筈だ・・・
「ヘマ・・・・・・すんじゃねぇぞ・・・・・・皆・・・・・・」
俺は仰向けになって望みをあいつらに託し、暗くなり始めてる空を見ていた。
◇◆◇◆◇◆
時間は竜弥が吹き飛ばされるところまで遡る。
「っ!くそっ!竜弥でも無理だったか!仕方ない!作戦2に移行するぞ!」
カズマがそう言って時計塔を降りようとする。
皆もだ。
私も着いて行こうとしたが階段の途中で立ち止まる。
「?どうした?めぐみん?」
カズマが私を呼ぶ。
今、リュウヤは戦ってる・・・
そう思うと私の身体は既に動き、先程の場所に向かっていた。
「ちょっ!?めぐみん!?どこ行くんだ!?おいっ!!!!ああっ!もうっ!」
リュウヤが戦ってて、辛いのも、苦しいのも分かってる──────
でも・・・───────
私が好きになった人が負ける訳が無い──!!!!
頑張って─────!!!!
もう少しだから─────!!!!
そんな思いを込めて私は手すりから身を乗り出し、リュウヤに向かって思いっ切り叫んでいた。
「リュウヤアアアアアアアァァァァァァァァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
喉が痛くなって座り込む。
ケホッ・・・ケホッ・・・と咳き込み、涙が滲み出る。
そんな中でも私は必死に神様に祈っていた。
私はリュウヤが帰って来てくれれば何も要りません・・・!!!!
だから・・・お願いします・・・!!!!
神様・・・リュウヤを勝たせて─────!!!!!!!!
少しでもいい・・・!!!!
神様・・・いるのなら私の願いを叶えて下さい・・・!!!!
そう思いながら必死に祈り続ける。
御願いします・・・!!!!私の・・・好きな人を・・・死なせないで・・・!!!!
必死に願う中、誰かが私の肩を掴む。
カズマだ。
「おいめぐみん!!!!見ろ!!!!竜弥が立て直した!!!!」
私はその声を聞いてすぐに立ち上がる。
リュウヤが立て直した─────
良かった・・・
その直後、白い光が暗い空を切り裂き、橙色の光が王都に降り注いだ。
「綺麗・・・」
そんな事を誰かが言った。
横にいたアリア王女にリーリス王女が耳元で何かを言ったようでアリア王女は踵を返す。
「サトウカズマ」
「ん?」
「私達はもう帰ります。それとイチジョウリュウヤに『リーリスが詰めが甘いと言っていた』と伝えておいて下さいまし」
「ちょっ!?お姉様!?そんな事は一言も言ってないんですけど!?」
そう言って、リーリス王女は「待って下さいよぉ~!」と焦ってアリア王女の後を追い掛けた。
そして私達はこの作戦の次のステップ・・・総仕上げの準備を始めた。
◇◆◇◆◇◆
ガラガラと瓦礫が落ちていく。
時計塔は時計部分と屋根が崩れ、そこにウェイルスはいた。
「クソックソックソックソックソッ・・・」
ウェイルスが怒りにフルフルと震えていた。
「糞虫共がああああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!」
神器を使わないと強くなれない雑魚どもがああああぁぁぁぁあああ !!!!!!!!と怒りを露わにする。
【終わりのセラフ】は消えたのは【魔法生成機】から聞こえた音声ガイドで分かった。
なら次の神器に【終わりのセラフ】を搭載させるまで・・・!!!!
そう思ってウェイルスが
「【エクスプロージョン】!!!!!!!!」
巨大な爆発がウェイルスを襲う。
「ガアアアァァァァァアアアアッッッッ!?!?!?!?」
ウェイルスの身体は所々焼け焦げる。
そして爆裂魔法を合図に俺達は攻撃を仕掛けた。
「【チェーン・ホールド】!!!!」
「【スピア・フィクセーション】!!!!」
「【ソーンバインド・ホステージ】!!!!」
「【死鎌童子:煉縛】!!!!」
俺、ゆんゆん、フィーリィの魔法とシノアの人型により、ウェイルスを鎖、槍、人型、荊が何重にも重なり、拘束する。
俺達の作戦は竜弥が限界までウェイルスの魔力を減らし、時計台に吹き飛ばす。
そして弱ったウェイルスを俺達で封印するという作戦だった。
「アクア!今だ!」
アクアが後ろからウェイルスに近付いていた。
「邪神ウェイルス・・・アンタを・・・封印する!!!!」
ドッ・・・!!!!とナックルガードの十字架の中心をウェイルスに押し付けた。
◇◆◇◆◇◆
元女神アクアが俺にナックルガードを押し付ける。
俺を・・・封印するだと・・・?
ふざけるな・・・
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな・・・
「ふざけるなあああああぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドン!とウェイルスが魔力を放出する。
全ての拘束は砕かれて、俺達は崩れている壁に叩き付けられた。
「フハハハハハハ!!!!!!!!!!!!これで終わりか糞虫共が!!!!俺の魔力はまだ底を突いていないわ!!!!」
クソッ・・・まだあんなに力を残してたのかよ!!!!!!!!
ウェイルスがアクアに向けて手を翳していた。
アクアを見るとしゃがみ込み、首に手をして、目の焦点が外れ始めてる。
ヤバい・・・!魔法で首を締められてる!
ウェイルスが手に魔力を纏わせ、手刀を作りながら近付く。
アクアを助けに行こうと立ち上がろうとするが全身に激痛が走って身体が思う様に動かない。
くそっどうすれば!あの神器紛いは魔力がカンストしてるアクアにしか使えない!
アクアが殺られてしまえばこの闘いは自然と負けが決まってしまう!
「終わりだ─────!!!!」
ウェイルスがアクアに手刀を向け、突きつけた。
ドシュッ─────!!!!
アクアには手刀は入らず、ウェイルスの手刀は代わりにダクネスの腹に埋まっていた。
「が・・・・・・はっ・・・・・・!」
ダクネスの表情は激痛で歪み、吐血する。
「ダクネス!」
「この・・・・・・程度・・・・・・リュウヤが・・・今迄受けてきた・・・傷に比べれば・・・・・・どうってことは・・・・・・無い!!!!!!!!」
ガッ!とダクネスが必死にウェイルスの腕を掴み、抵抗する。
「チッ!邪魔をするな!」
ウェイルスが無理矢理ダクネスの腹から手を引き抜き、蹴り飛ばす。
ダクネスは身体から血を撒き散らしながらゴム鞠のように飛んでいき、時計台の外に放り出されてしまった。
「ダクネスさん!!!!」
シノアが【死鎌童子】を持ちながら時計台から飛び出し、隣の建物の壁に足を付ける。
「【死鎌童子】・・・私に・・・力を・・・!!!!」
シノアの左顔半分に紫色の痣が浮かび上がる。
「ダクネスさんは私が!和真さんはウェイルスをお願いします!」
シノアはそう言って壁を強く蹴り、ダクネスを助ける為に落ちていった。
ウェイルスが再びアクアの首を締めようとするがゆんゆんの拘束魔法によって阻まれる。
「邪魔だ・・・失せろ!!!!」
ウェイルスは瞬時にゆんゆんの近くへ加速してゆんゆんの腹部を蹴り飛ばした。
メキメキッ・・・!と骨が何本も折れる嫌な音を立てながらゆんゆんも吐血し、隣の建物の壁を壊して突っ込んだ。
くそっ・・・!勝てないのかよ・・・!?
竜弥が必死になってここまで追い詰めたのに!!!!
◇◆◇◆◇◆
その女性はとある建物に立っていた。
「女神エリスに誓う─────」
その言葉と同時に、女性の右手に青白い弓が現れる─────
「我が求むは聖なる心─────」
その言葉と同時に魔力の矢が形成され─────
「我が拒むは悪しき心─────」
その言葉と同時に弓を引き絞る。
「王都に望むは安寧なり─────」
その言葉と同時に狙いを定める。
「我の弓矢に聖なる力を与え─────」
その言葉と同時に弓矢は純白に輝き、大きくなる。
「悪しき心を討たせ給え─────!!!!!!!!」
その女性は純白で大きな矢を放った─────
その声は微かだが俺にも聞こえていた。
そっちを振り向くと何かが高速で迫り、俺の横を横切った。
ドッ─────!!!!
何かが貫く音がして振り向く。
ウェイルスの胸に純白で大きな矢が突き刺さっていた。
そこからドス黒い何かが溢れていく。
「うぎゃああぁぁぁぁあああ!!!!熱い!!!!!!!!熱いいいぃぃぃぃいいい!!!!!!!!」
ウェイルスが矢を引き抜こうとしたがフラつき、そして鎖の拘束魔法によって阻まれる。
その拘束魔法を出処を見ると腹部の激痛に顔を歪ませ、額や足等、所々から血を滲ませながらも、必死にウェイルスと矢を拘束しているゆんゆんがいた。
「させ・・・ません・・・!!!!!!!!」
「貴様あああぁぁぁあああ!!!!!!!!邪魔だああぁぁぁぁああ!!!!!!!!」
ウェイルスが【
ボッ・・・!という音と同時にゆんゆんの横腹に穴が開けられ、ゆんゆんがフラつきながら力無く倒れ、魔法が消え始める。
レイシャがすぐに飛び上がって「【ヘヴィーアロー】」と呟き、ウェイルスの足と床を固定する為に魔力で形成された矢を放ち、アクアを呼ぶ。
そしてそこに足で地面を抉るほど力を込め、ナックルガードを思い切り握り締めたアクアが、額から血を流しながら立っていた。
「今度こそ・・・アンタを・・・封印する!!!!!!!!」
アクアがウェイルスにナックルガードを叩き込む。
「【999式・・・
アクアが魔力を込め、封印のキーワードを言い始めていた。
◇◆◇◆◇◆
馬鹿な・・・俺が・・・封印される・・・?
そんな・・・そんな・・・!!!!
「─────
「そんな馬鹿なあああああああぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ナックルガードから溢れ出た魔力が収束を始め、ウェイルスに巻き付きながら小さくなっていく。
「ここで・・・ここで終わると思うな糞虫共がああああぁぁぁあああ!!!!貴様らは重大な失態を犯したのが分からんのだ!!!!黙って私に従っていれば良かったものを!!!!貴様らは刃向かったのだからなああぁぁぁぁああ!!!!!!!!これで終わると思うなよ!!!!必ず俺は復活して貴様らの様なゴミ共を絶望させてもう1度・・・!!!!!!!!!!!!」
パキイイイイィィィィィ─────ィィィィイイイイン!!!!!!!!!!!!
全てを言う前にウェイルスは小さな赤い十字架に収められ、キィンキィン!と音を鳴らして地面に転がった。
空は・・・どうなった・・・?
空を見ると綺麗な夜空が浮かんでいた。
間に合ったか・・・
「お前ら・・・無事か・・・?」
「ハァ・・・ハァ・・・アンタ・・・本当にバカ?・・・こんなんで・・・無事って・・・思えるのなら・・・ハァ・・・ハァ・・・アンタは・・・相当な・・・鬼畜人間よ・・・」
皆、座り込んで肩で息をしていたり大の字になって息をしていたがどうやら無事みたいだ・・・
かく言う俺も身体の至る所が痛む。
・・・というかあの矢って誰が・・・?
俺は先程の矢とアリアの言葉を思い出していた。
『リュウヤに詰めが甘いと伝えて下さいまし』
そうか・・・あいつが撃ったのか・・・ったく・・・
「素直じゃねぇのな・・・」
俺は寝転がりながら、暗くなった空を見てそう呟いた。
◇◆◇◆◇◆
矢を放った女性が帰ろうとしていた。
「良いのですか?」
「何がです?」
1人の女性が矢を放った女性に聞くもその女性は惚けていた。
「助言をした身で言うのは如何なものかと思われますが、わざわざ転移魔法でここに来てどんな相手でも無力化出来る【
「いいえ。私は彼等から借りた借りを返しただけですわ」
「え?」
女性は【無力化の弓矢】を霊弓に戻し、消散させる。
「貴女はイチジョウリュウヤに王都の発展の助言を聞いたのでしょう?なら私はその借りを返しただけ・・・」
バレてましたか・・・ともう1人の女性は苦笑している。
「それだけですわ。行きますわよ。別に彼等に感謝されたくてやったのではありませんわ」
「・・・全く・・・素直じゃ無いんですね」
「何か言いまして?」
「いいえ、なんでもありません」
「・・・そういえば何故貴女はあの者が力を温存してると思ったの?」
「姉様は覚えておりませんか?個人戦略下巻の5章8節を」
そう言われて女性は「え~っと・・・・・・?どのような内容でしたっけ・・・?」と、その内容は記憶から抜けているようだ。
そして妹と思われる女性は竜弥とウェイルス、アメルダの戦闘を見ていて『姉様、恐らくあの者は力を温存します。何かしらの対策を施した方が良さそうです』と姉に言っていたのだ。
「相手は何かしらの方法でこの王都を崩落させようとしましたが、イチジョウリュウヤさんやその御友人達が必死に防ごうとしました。彼等はアクセルの街から来訪なさった初心者の冒険者ですが油断をすれば足元を掬われ兼ねません。もしそうなれば他の方法を考える為に相手に勝利したと思わせて戦線離脱・・・そして体勢を立て直して再びここにくるかもしれないと思いましたので・・・」
「本当に・・・貴女が覚えた戦略理論や考えた推測には驚くばかりですわ・・・」
「ありがとうございます」
「さ、後は彼等に任せて私達は事後処理の準備を始めますわよリーリス」
「はい、アリア姉様」
その2人はそう言って建物の奥へと消えていった。
◇◆◇◆◇◆
綺麗な夜空が終戦と俺達の勝利を伝えている。
向こうは成功したか・・・だとすると・・・
「お客さんのお出ましだ」
「はぁ・・・?客って・・・? 」
さすがにアメルダも疲労困憊してるか・・・
そこにウィズが現れる。
【テレポート】で来たとはいえ、馬車でもアクセルの街から数日掛かるのに・・・すぐに気やがったな・・・
どんだけ魔力持ってんのさ・・・
「・・・アンタ・・・何かの当てつけ?」
「バカそんなんじゃねぇよ・・・
「いえ、リュウヤさんのほうこそ・・・」
アメルダがよろけながらも立ち上がる。
「んで・・・何でアンタが来てんのよ?弱ってるスキに私を倒すつもり?」
「・・・そう見えますか?」
お互いに睨み合うがウィズが頭を下げた。
「ありがとうございます」
「・・・へ?」
急にお礼を言われたからな・・・そんな反応にもなるわな・・・
「何?急に」
「リュウヤさんから聞きました。この王都を守る為に戦ってくれたんですよね・・・?」
「別に・・・」
アメルダがそっぽを向く。
「本当は邪神ウェイルスに加担したままだと思っていたのですが、この王都を守って下さったんです・・・ですから言わせてもらいました」
「あっそ・・・」
「アメルダ」
俺は立ち上がって2人に歩み寄る。
「今日はもう戦えねぇけど、体調が良くなったらすぐに戦「もう無理よ」え?」
そう言ったアメルダの身体は少しづつ透明になっていった。
「お前・・・」
「はぁ・・・限界みたいね・・・」
アメルダはそう言って苦笑する。
「ま、邪神に魂売っちゃったみたいなもんだから消えんのも当然ね・・・」
「お前・・・まさか・・・」
「アンタに・・・残りの魔力とアイツに喰われてなかった生命力全部を使った【闇の魔法】を叩き込んでアンタを強化したのよ?あのクソ神に負ける訳無いじゃない」
じゃあ・・・こいつは元から・・・
「何辛気臭い顔してんのよ。アンタとの共同戦線、私は結構楽しめたからいいって・・・あぁそれと・・・」
アメルダはウィズの襟を掴んで手繰り寄せる。
「これで勝ったと思わないで。アンタが少しでもリッチーとして腑抜けた態度を取ってたら地獄の底からでもアンタを引き摺り落として殴り飛ばしてやるから」
「・・・」
「無言ね・・・本当に苛つく」
そう言ってアメルダは乱暴にウィズを突き放す。
「リュウヤ、こいつ馬鹿な奴だけど、根は良いから今後も仲良くしてやってね?」
「えっ!?馬鹿って酷くないですか!?ねぇ!?リュウヤさん!?」
「えっと・・・商才が無いのは知ってます・・・」
俺はそう言いながら条件反射で顔を逸らしてしまった。
ウィズの目に涙が浮かぶ。
うん、本当の事言ってすみません。
「アンタも変わったわよね。最初の頃なんかヤンチャしてた癖に」
「してませんよ。ヤンチャなんて」
「へぇ・・・ならお互いに初心者で私と組んだ頃に、魔法を使ったら暴発して一帯を灰にし「それはダメエエェェェェェエエエ!!!!!!!!」ちょっ!分かった!言わないから引っ付かないで!」
目の前で2人が喧嘩するもその表情は暗い表情では無かった。
この2人も昔はお互いにああ言いつつも別れるまでは一緒にいたんだな・・・
「そろそろね・・・あ~あとリュウヤ」
「ん?うおっ!?」
アメルダは俺の襟を乱暴に掴んで手繰り寄せる。
「アンタはあのクソ神に勝ったんだから・・・他の奴に負けたらアンタも殴り飛ばして目ぇ覚まさせてあげるから」
「・・・善処するよ」
偉そうに・・・と言いつつもアメルダは安心した顔で俺の襟を離した。
「じゃあね─────」
アメルダは最後にそう言い残し、アメルダだった光の粒達は天へと消えていった。
18:59:58
王都全体を巻き込んだウェイルスの拠点作りは2秒前で止まり、俺達の壮絶な戦いは幕を閉じた。
という訳で竜弥の【魔法生成機】の隠しシステムは進化して、ウェイルスも全員がボロボロになりながら封印されました。
そしてアメルダは魔力や生命力の全てを竜弥に託し、浄化していきました。
【魔法生成機】の新しい隠しシステム【終焉のアマテラス】のイメージは対魔導学園35試験小隊の草薙猛が使用していた魔女狩り化の鎧をシルバーに染め、兜が無い感じとなっております。
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