それと1期のプロローグのみ、三人称に致しました。
「マジかよ・・・」
「へぇ・・・」
全員が全員、違う表情をする。
全員が歩き始め、階段を慎重に降りていく。
全て降りきった所で左右にある蝋燭が灯った。
地面を見ると骸骨と魔法の杖がある。
恐らく屋敷の仕組みが分からなくってテレポートを使って侵入したが出られなくなったってところか・・・
「全員・・・気を付けろ・・・」
ディーの言葉を聞いて全員に緊張が走る。
奥へ進んでいくと3本のトンネルがあった。
ディーは先程のメンバーで行く事を提案する。
全員が頷いてそれぞれでトンネルに入った。
◇◆◇◆◇◆
右のトンネルは屋敷でのA班が歩いていた。
地面には白骨化した死体が転々としている。
恐らく他のトンネルでもそうなのだろう。
「にしてもあの玄関が動くとはな・・・」
「そうですね・・・」
「ま、気付けた私達はかなり凄いって事でしょ!」
アクアが偉そうにしている所にティリアが「違ったパーティで組むのも結構面白いですね~」とフワフワした感じで言ってフィーリィも楽しいのか「はい」と肯定し、その後のA班はお宝への想いに耽っていた。
◇◆◇◆◇◆
真ん中のトンネルはB班が担当した。
こちらの地面にも死体が転がっていて、踏まないように注意しながら歩き進める。
歩きながらだが俺は先程の廃屋敷に違和感を感じていた。
「どうしたの?」
レイシャが俺に声を掛ける。
「ん?あぁ、さっきの屋敷・・・本当に人が住んでたのかな・・・って」
「・・・どういう事?」
「どうもなにも家具が固定されてんだぞ?なんというか・・・その宝を隠す為だけに作られた仕掛けだったんじゃないか・・・ってさ」
「あながち間違いじゃないと思うよ」
「え?」
ツバキが1枚の紙を取り出して読み始める。
「あの屋敷に住んでた貴族って隠し事の多い人だったらしくってさ、趣味、予定、金銭の全てに至るまで一切の情報をひた隠しにしてたみたい」
「・・・じゃあ何でツバキはそれを知ってんだよ?」
「そりゃあその貴族・・・男性が亡くなった時に親族が遺品を整理する為に家を訪れたらしいの。その時に色んな物が出てきて、この屋敷の存在もその時に知ったんだって」
なるほどな・・・やはりあの屋敷は暮らす為ではなく自分の全財産を守る為・・・
それだけの為にあんな大掛かりな仕掛けを作ったって訳か・・・
はぁ・・・金持ちのやる事はぶっ飛んでてよく分かんねぇな・・・
「貴族ってそんな奴ばっかなの?」
「どうだろう・・・あ、でも中には面白いのもあるよ?」
「?どんな?」
「金目当てで不倫した相手が妊娠して今の家庭を捨てたらその相手にも金だけ毟られて捨てられて一文無しになってじさ「分かった!俺の面白いとそっちの面白いの次元が違うのはよく分かったから止めてもらえませんかね!?」え~ここからが面白いのに・・・」
つまんないな~と言いたげに俺を見る。
何で他人の悲劇談を面白く聞かなきゃいけないんですかね・・・?
心の中で愚痴を言いながらトンネル内を歩き続けた。
◇◆◇◆◇◆
C班では
「にしてもなんで他の奴等は気付かなかったんだろうな?」
「そうだね。でも大半が石像=動かないっていう考え方だから皆、屋敷の内装だけを動かしたんじゃないかな?でも1部の人は解けたけどその先、洞窟の先でギブアップして帰ったり・・・後はさっきの骸骨やここら辺に散らばってる死体みたいにテレポートとかの魔法を使って地下に入ったのはいいけど出られなくて衰弱死したりとかもありそうだね」
ミーナの考えにC班全員が納得していた。
◇◆◇◆◇◆
「またか・・・」
ツバキ率いるB班の目の前には2つに分かれたトンネルがある。
ここからまた二手に別れなければいけないらしい。
ツバキが提案してきて、俺とツバキが右のトンネル、エニスとレイシャとゆんゆんが左のトンネルに分かれる事となり、それぞれでトンネルに入った。
今迄より少し狭い。
「てか、なんでこんなに分岐してんだよ・・・どんだけ秘密主義者なの?」
「まぁ、貴族なんてそんなもんよ。殆どが不祥事になったら権力使って揉み消す奴等ばかりだし・・・」
そこに関してはどこでもあまり変わんないのな・・・
そしたらバルターみたいな奴はかなり貴重な存在だろうな・・・
アルダープに毒されない事を願おう。
にしても・・・
「こんなに長くて曲がりくねってる通路ならさっきの地点に戻りそうだな」
「アンタそれフラグだかんね?」
分かっておりますよ・・・
ツバキと俺はひたすらに歩き続ける。
この際だから聞くけどさ・・・とツバキが足を止めた。
「アンタ・・・レイシャ・ベルクタスと付き合ってんの?」
「・・・まぁな」
「ふーん」
「・・・なんだよ?」
「別に・・・ただ聞きたかっただけ」
なんだよそれ。
ツバキが再び歩き始め、少し開けた所に着いた。
目の前には2つのトンネル。
・・・また分かれんの?
俺とツバキは溜息を付きつつもそれぞれでトンネルに入ろうとした。
その時だった。
目の前のトンネルからエニス達が出てきたのだ。
「あれ?」
「あら、リュウヤじゃない」
え?どういう事?
ツバキがエニスに「道は1本だけだったよね?」と確認するもエニスは黙って首を縦に振るだけ。
まさか本当に戻ってくるとは・・・
ツバキが確認の為にもう一度来た道を戻るという提案をしてそれぞれでまたトンネルに入る。
「まさかアンタのフラグが見事に回収されるとはね・・・」
「言うな・・・」
だって仕方ないじゃん。
曲がりくねってたから戻りそうだって思ったんだし・・・
「全く・・・これで地上に戻れなかったらどうすんのよ・・・」
「いや俺のせい?」
「アンタが言ったからでしょ?」と言われるけど偶然ですからね?
ツバキが再びピタッと止まる。
「敵か?」
「そんなんじゃない」
ツバキは立ち止まったまま動かなければ振り向きもしない。
「ねぇ、さっきレイシャ・ベルクタスと付き合ってるって聞いて頷いたよね?」
「まぁな」
「リルムさんとも交流があるんだよね?」
「・・・そうだけど・・・?」
「・・・」
さっきから何なんだ?
レイシャの事を聞いてきたり、リルムさんとの関係を聞いてきたり・・・
俺がどうしたのかと聞くもツバキは無反応だ。
だが次の瞬間、急にツバキはナイフを持ちながら動き出し、俺にナイフを振り翳した。
咄嗟の事で俺は反応し切れず、服の1部が破けるも距離を取った。
「何の真似だ?」
「別に・・・ちょっと聞きたい事があってね・・・」
「聞きたい事?」
「そう・・・リルム・ベルクタスの持つスキルについて」
「俺が、はい分かりました・・・って言うとでも?」
「だから力づくで聞き出すってだけ」
ツバキはそう言って俺に斬り掛かる。
俺は【剣製】で刀を作って応戦する。
「見たことない魔法だね?」
「秘伝だからな」
実際には自作ですがね。
ツバキは投げナイフを俺に投げてきた。
俺は弾くもツバキは何本も投げていたのか3本が俺の足、胴体、腕に突き刺さり、咄嗟にナイフを抜き捨てるも視界が歪む。
身体も痺れるがギリギリで動けるレベルだ。
「麻痺毒か・・・!」
「その通り、魔法で痺れさせても良かったんだけどこっちの方が効くでしょ」
やられた。
麻痺系統の魔法であれば【人間失格】や【全反射】で対応出来た。
でも今回は違う。
ナイフに塗られた麻痺毒であれば2つの魔法を使っても意味が無い。
どうする?
魔法で対処するか?
いや、ダメだ。
もし魔法で反撃出来てもここは狭過ぎるから下手に使えばトンネルは崩れる。
・・・1つだけあった。
俺はすぐにその魔法を使った。
「【ミスティファイ・バルーン】」
魔法【ミスティファイ・バルーン】
痛みを受け入れるひも付き風船を作り出し、その風船が存在している間は一切の痛覚を遮断できる魔法だ。
だが『痛みを一定量まで遮断できる』だけであり、更に破裂と同時に一定量の痛みが飛び散る為、バーサーカーの如く攻めることはできず、直接戦闘には向かない。
どちらかといえば相手につけて一発逆転を狙ったり、仲間に複数付けて傷をやわらげる等、補助的な使い方がいい。
因みにフィーリィから教わりました。
俺の腕から風船が現れる。
・・・本当に痛みが退いたよ・・・
俺はすぐに【転移】を使ってツバキの懐に迫り、足蹴りでツバキの脛を蹴った。
ツバキは突然の事に対処出来ず、転んでしまう。
俺はそれを逃さずにツバキを地面に押さえつけ、首にナイフを当てがった。
「まだやるか?」
「・・・いや、降参する」
俺はその言葉を聞いた後にツバキから退き、自分に回復魔法を掛け、【人間失格】を使って【ミスティファイバルーン】を解く。
「まさか反撃を食らうとはね・・・焼きが回ったかな・・・」
「1つ聞く」
「・・・何?」
「アンタは・・・リルムのスキルを聞いてどうするつもりだった?」
「・・・どうもしない」
「・・・信じろと?」
「言っちゃうと・・・好奇心」
「好奇心?」
「そう・・・ただ単にリルムさんの情報収集技術が他の人と比べてずば抜けて凄くってさ・・・どんなスキルを持ってるのか知りたかっただけ」
まぁあの【データ】に関しては俺も凄いと思うけどね。
てか今思ったら【魔法生成機】使えば俺も【データ】使えるじゃん。
「まぁ今回の所は諦めるよ。悪かったね。急に襲い掛かって」
「まぁ、リルムの魔法が凄い事は知ってるけど・・・そっちだって諜報活動で使ったりする専用の魔法位あるだろ?」
「まぁね・・・けど、少し不憫なんだわ」
なんなら見てみる?と言われ、まぁ折角見せてくれるんだから見させてもらうか。
俺が見せてと言うとツバキが白紙を取り出して右手の人差し指を触れるように置く。
「【ファイル】」
そう言った途端に白紙に焦げ目が表れて文字として浮かび上がる。
「これが私が諜報活動で使ってる【ファイル】。私が見たものや聞いたことを紙に写せるの。でも情報を貰ったその日にしか写せないから気を付けて」
なるほど・・・つまり─────
【データ】
見たものや聞いたことを自動的に脳内に保存して後からいつでも振り分けや削除が可能。
【ファイル】
見たものや聞いたことを紙に写せるがその日にやらないと保存出来ない。
そして必然的に不要な情報も混じってしまう。
という事か・・・だとすれば【ファイル】は【データ】の劣化スキルとなる。
「まぁ、さっきの詫びとして習得しておいて」
俺は早速【ファイル】を習得した。
ツバキは戻ろうと言って背を向け、2人でエニス達の元へ向かった。
さて、上級パーティと初心者パーティの共同戦線も後半に差し掛かります。
そして皆さん。
Across space-timeの後書きで載せたこのすば短編を覚えてますか?
個人的にハマって2期分も書きましたw
◇◆◇◆◇◆の間に挟まれてるのが例の物です。
◇◆◇◆◇◆
尋問あった。
魔王軍幹部と関わりは無いと言ったらチーンって鳴ってバレた。
裁判した。
和「俺は違う!!!!」
貴「俺は貴族だから有罪で」
栽「じゃあ有罪で」
ダ「無罪を証明する」
死刑は免れた。
クエスト行った後にめぐみんと風呂入った。
「ロリニート」
「(´;ω;`)」
めぐみんとゆんゆんの黒歴史見た。
ダンジョンでキールに会って帰り、ギルドで報酬使いまくった。
ダクネスの縁談断った。
「全てを見通します」
爆裂ドーン。
無罪になって借金消えた。
刀作った。
「名前どうしよう」
「チュンチュン丸」
「ぎゃぁぁぁああああ!!!!」
再び死んで股間に名前を付けられた。
「性剣エクスカリバー」
遠出したら走り鷹鳶とアンデッドに遭遇した。
「入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信入信!!!!」
アクアが女神と名乗った。
「私が女神です」
「嘘つけ」
「(´;ω;`)」
魔王軍幹部と遭ってウィズが本気出した。
◇◆◇◆◇◆
皆、信じられるか?
これ・・・5分クオリティーなんだぜ?
最近では他のアニメでもやってみたくなった作者である。
感想、誤字脱字報告お待ちしております。