この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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皆、覚えておくといい。
寝る時間や勉強に使う頭脳をこっちに回せば投稿予定の小説の全て書けるという事を・・・
※その後、16時間寝ましたがね・・・
という訳で投稿します・・・
あ゛~疲れた~!!!!


共同戦線! 前編

「俺達のパーティとクエストに行きたい?」

「まぁな」

 

俺は【スサノオ】の性能実験を終えた後日、王都を歩いているとディーとティリアに会い、明日ギルドに来てくれと頼まれてギルドに来ていた。

そこで「お前のパーティと1日だけ合同でクエストに行ってみたい」と言われたのだ。

 

「まぁ・・・ダメでは無いんだけどさ・・・リーダーがどう言うか・・・」

「リーダーっつうとあのカズマって奴か?」

「まぁな・・・後、お前らが思う程俺達は凄くねぇぞ?」

「・・・まぁやってみりゃ分かるって」

 

ディーは明日、返事聞くわ~!とギルドを後にした。

ならこっちも相談してみっか・・・

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「ディールが1日だけ合同でクエストの依頼をしてきた?」

「まぁ一応お前がこのパーティのリーダーだからな・・・判断はお前に任せる」

 

和真がう~んと腕を組んで考え込む。

まぁ無理もないよな・・・

ここは王都だからそれなりにクエストだって難易度も高いと思ってるはずだ。

でもディーから聞いたんだが王都に観光で初心者冒険者が来るのは不思議じゃないし、そういった者が王都観光の資金調達の為に初心者の街にもありそうな簡単なクエスト(以前ミーナと受けた瓦礫の撤去や俺が選んだゴーレム討伐等)が用意されているのだとか。

更にここの王都では独自に初心者の冒険者相手に金を巻き上げる等、迷惑行為をする連中に対しては冒険者間でそれを騎士団や警備隊等に報告、又は引き連れて来れば礼金として1人につき、50万エリスを贈呈するといった対策が施されているらしい。

だから1人で王都のギルドに来た時も初心者でも絡まれなかったのか・・・納得。

そしてこれらの対策は全て、王都を収めるオードス家のご意向らしい。

オードス家・・・マジ感謝ッス・・・

俺がその事を伝えると和真は「ならやってみるか」と言ったので俺は明日、ディーに合同クエストを受ける件を伝えに行くことにした。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

2日後

昨日ディーに伝えに行ったら「なら明日、ギルドに集合な」と言われ、俺達は今、王都のギルド内にいた。

因みに旗は全て上がっていたからクエストの受注は問題なし。

 

「うーっす!今日だけだが宜しくな!」

 

ディー達がやって来て、お互いに職業を教え合う。

 

「なるほど・・・紅魔族のめぐみんは1日1発が限度だが爆裂魔法を持ってんだな」

「凄いですね~めぐみんさん!爆裂魔法って言ったら最上級魔法じゃないですか~!」

 

ティリアにナチュラルに褒められて恥ずかしくなったのかめぐみんは赤くなってモジモジし始める。

 

「んでアンタはアクシズ教徒のアークプリーストと」

「ええそうよ!!!!私こそがアクシズ教徒達が崇めている御神体、女神アクアよ!!!!」

 

胸を張って私を褒めて!と言わんばかりに仁王立ちする。

 

「女神様(の設定)ですか~。熱心なんですね~」

 

あの・・・言外に設定という言葉が浮かんでるのは気のせいでしょうか?

 

「ダスティネスはクルセイダーだが攻撃が当たらねぇと」

「ま・・・まぁそうなのだ・・・」

「攻撃が当たらない代わりに身を呈して仲間を守る・・・クルセイダーとしては素晴らしいですよ~」

 

・・・なんというか・・・さっきから聞いててティリアって言い飾って相手を持ち上げるのが上手いよな。

アクアなんかさっき、ティリアに「アクシズ教徒に入りましょう!」と勧誘していたけど「アクシズ教は素晴らしい教団なのは存じてますが私はエリス教徒として私もエリス教の素晴らしいさを広めたいのです。アクシズ教への改心は出来かねますが、どちらとも素晴らしい教団なのは確かですのでお互いに頑張りましょう」とアクアも気分を良くしたままエリス教のティリアと仲良くなってしまった。

ティリア強ぇ・・・

・・・そういえばディーのパーティは6人いて、もう1人はツバキって名前だったな。

俺がツバキという人物の事を聞こうとしたら「私が何だって?」と何処からか女性の声がした。

声の出処を辿るとその声の主はディーの頭の上にいた。

黒髪でセミロング、やる気の無さそうな表情をして、この世界には合わなさそうなスーツで身を包み、ウエストポーチを提げた女性だった。

そんな人が両足を合わせてしゃがみ、器用に頬杖をしてディーの頭上にいた。

 

「頭に乗るなっつってんだろ・・・」

「アンタが気付かないのが悪いでしょ」

「いや、【潜伏】と【重力操作】を使ったお前をどう探せと?」

「・・・気合い?」

 

ツバキが「はいこれ」とウエストポーチから紙を取り出す。

ディーは紙を取ろうとしたがツバキは上にヒョイっと上げ、ディーに取らせなかった。

 

「何すんだよ?」

「情報料」

「仲間にも金せしめるんかよ?」

「私、こっち(諜報活動)メイン(本職)にしてアンタのパーティはサブ(副職)って言ったし」

「はぁ・・・ほらよ」

 

ディーが金の入った小さな袋をツバキに渡す。

 

「毎度ありー」

 

ツバキは金の入った袋をウエストポーチにしまう。

 

「・・・ツバキ」

「ん?あぁ、あれね。はい」

 

ツバキはエニスに1枚の紙を渡す。

エニスは少し眺めていたが顔を顰めた。

 

「・・・足んない」

「あれ?エニス4つって言ってなかった?」

「・・・5」

「・・・・・・あ、素で間違えた・・・こっちだった」

 

ツバキは別の紙とエニスに渡した紙を交換する。

エニスも金袋を渡そうとしたが「いつも通り、いらんて」とツバキが報酬の受け取りを断る。

それでも尚、エニスが渡そうとしている為、結局ツバキは折れて半分程貰っていた。

 

「本当・・・幼馴染みだからってエニスには甘いのな・・・」

「うっさい」

 

ツバキがチラッと俺達を見る。

 

「・・・アンタのパーティってこんなにメンバーいたっけ?」

「あーこいつらは今日だけ一時的にパーティメンバーになる奴等だ」

「ふーん・・・ん?私も参加した方がいい系?」

「まぁ15人で3グループに別れて廃屋敷に行くからそうしたかったんだけど」

「廃屋敷って・・・まさか地下財宝でも探す気?」

 

地下財宝?

和真達も地下財宝という単語に反応した。

 

「まぁな、っとツバキも挨拶しとけ?」

「ん、ツバキ、よろ」

 

ピッ!と指を揃えて左手を軽く挙げた。

短いな!?

ディーもそう思ったようでもう少し長くしろよ・・・と文句を言った。

 

「ならディー、アンタはどうなの?」

「あ?俺?」

「アンタはマトモに挨拶したの?私ならパーフェクトにアンタを紹介出来るけど」

「・・・やってみろよ」

「オーケー。んじゃはじめまーす。コイツはディール。好きなのは酒、ギャンブル、女と三拍子揃ったダメ人間です。趣味は乱k「全然マトモじゃねぇからな!?」えー?」

 

いいじゃんディーなんだから。と悪びれる素振りを一切見せない。

ツバキがレイシャを見ると軽くだが眉を顰めた。

 

「そこの赤髪の子・・・レイシャ・ベルクタス?」

 

自分の名前を呼ばれてお互いに見合う。

 

「何で私の名前を?」

「そりゃあねぇ、人を観察する辺りが師匠と似てたし」

「?師匠って私のお母さんの事?」

「まぁね、あのユリムさんは今はフリーの情報屋なんだけど当時は私から頼んで情報収集の方法は学んだし・・・娘さんの自慢話も嫌と言う程聞かされたし・・・」

 

どうやらリルムさんは一時的にこの人の先生の役をしていたようだ。

というかユリムさん?

ツバキ曰く、ユリ(・・)っ子・リル()だからイコールでユリムさんになったのだとか。

 

「・・・そういえばクラムさんってまだふて寝中なのか?」

「まぁね・・・母さん昔っからユリムさんに振り回されてた苦労人だから、まぁ見てるこっちは面白かったけど」

 

ん?ディーとツバキの会話にクラムという名前の人が出て来たけど、クラムさんって名前に聞き覚えが・・・・・・って・・・

あーー!!!!思い出したーー!!!!

リルムに島流しされた人か!!!!

クラムの事を聞くとクラムという人物はリルムの長い付き合いのある友人でリルムが冒険者だった時はサポート的な役割をやり、今ではリルムと同じでフリーの情報屋をやっているのだとか。

そしてリルムと会った時は必ずセクハラされたり、「ジャイアントトードに捕食されると美容にいい」等のデマを信じて実際にやってみたり等、ほぼリルムに遊ばれてる人らしい・・・

そして和真の情報提供の際もリルムは自分が行きたいが為に「ここから南東にある村では健康の為に1日10回、10m上から湖目掛けて腹ダイブをしているみたいだ。興味あるだろう?」とクラムさんに言って、片道4日は掛かる村に行かせたらしい・・・

当然嘘だったらしく、そのせいで今はふて寝なんだとか。

・・・情報屋としては大丈夫なのだろうか?と思って、俺は会っていないがそのクラムという人に心の中で合掌をしておいた・・・

 

「さて・・・と、一通り紹介も終わった所でクエストに行くぞ~!今回は俺がリーダーでいいか?」

 

こちらのパーティメンバーに異議は無いようだ。

今回ディーが選んだのは廃屋敷に集まってしまったアンデット達と通常モンスターの掃討。

だがこれから行く廃屋敷には地下財宝も眠っているらしく、彼等はそっちをメインにする気だ。

全員も了承し、クエストへと出発した。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

王都から離れた3階立ての廃屋敷に着いた。

屋敷と門の間には2体の竜の石像が道を挟むように立っていて、正面から見て右の竜は左手を挙げていて左の竜は両手共に下がっている。

ここは昔、かなりの権力を持った貴族が別荘にしていた屋敷で、地下にまだ財宝が眠ってるらしく、何人もの冒険者が挑んで永遠に帰って来なかったり、挑んでもすぐに帰ってきたりしていていつしか『呪われているんじゃないか』との噂でこのクエストは何年も王都のギルドに放置されているんだとか。

金額で言えば1000億以上の可能性があるらしい・・・すげー!

現金な話を聞いてパーティメンバーはやる気になったらしく、早く行こうとディーのパーティを急かした。

 

「まぁ落ち着けって、一応3組に別れて行動する」

 

ディーがパワーバランスを考えてチーム分けをした。

 

A班

・ディール

・アクア

・ティリア

・めぐみん

・フィーリィ

 

B班

・俺

・エニス

・ツバキ

・レイシャ

・ゆんゆん

 

C班

・和真

・シノア

・ダクネス

・ミーナ

・グラン

 

それぞれでチームメンバーを確認してクエストへ挑んだ。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

A班

A班は1階を担当している。

 

「ティリアはフィーリィに付いとけ、んでアクアと俺が主力で行く。フィーリィは支援魔法を掛けたかったらそん時は掛けていいぞ。ティリアは基本支援のみな」

「あの」

「ん?」

「なぜティリアは刀を持っているのに戦闘には加わらないのですか?リュウヤとの戦闘を見ましたが彼女が戦闘をしてくれればかなり心強いと思うのですが・・・」

「あ~・・・そうなんだけど、今日は混合パーティだからな。折角の混合パーティなのにお互いに動かねぇと面白くねぇだろ?」

「なるほど分かりました」

 

ディーの言い分に納得しためぐみん。

それぞれで辺りを見回し、モンスターやアンデッドがいないかを確認しながら進んでいく。

 

「にしても地下財宝ですか・・・それに1000億超え・・・」

「まぁ夢が広がるよな」

 

2人で1000億あったら何に使おうと一思いに耽っている所でティリアが立ち止まる。

 

「ディー、来ます」

「分かってる。そりゃあ簡単にお宝には辿り着かせてはくれねぇよな・・・」

 

5人の目の前には大勢のアンデッド・・・恐らくアクアが呼び寄せたもの。

ディーはそんな事は知らずに斬り掛かり、戦闘が始まった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

一方その頃のB班

俺達は2階を担当して今は1番右端の部屋にいる。

ここには書斎だったが中はボロボロに荒れていて鎧の置物が1体置かれている。

 

「なんか怪しいのあった?」

「いや・・・ないな」

「こっちもない」

「・・・同じく」

「こっちにもありません」

 

ツバキの問に皆が答える。

「別の場所を見ますかね」とツバキ達は部屋を出て再び歩き出した。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

3階を担当したC班では

 

「ご・・・ゴメンね~?グランの馬鹿が迷惑掛けて・・・」

「全くだ」

 

最後尾では和真がグランに肩を貸していた。

グランはいつも通りにぐてーんとしている。

 

「はぁ・・・たまにはしっかりしてよ・・・」

「うるせー・・・こっちは寝起きなんだから手厚く扱え」

「15時間も寝てた奴が言うセリフか」

 

グランのやる気の無さにダクネス以外は呆れていた。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

B班で変化が見られた。

ツバキが屋敷の真ん中辺りの廊下の壁に同じ絵が2つあり、その1つはもう一方の絵を反転させた様になって飾られていたのを見付けた。

 

「・・・」

 

ボンヤリと眺めるツバキの横で俺は何故このように飾られているのかを推理する。

普通は違った絵を飾る筈だ。

なのになぜ同じ絵を・・・それも一方は鏡で反転させたと思ってしまうほど瓜二つで反転されて書かれている。

 

「なんで同じ絵を飾ってんだろうね?」

「さぁな・・・今考えてるけどさっぱりわからん・・・」

「・・・何かしらの理由があるみたいだけどその理由が分からないとね・・・」

 

「一旦2階の部屋を全て見て回ろう」とツバキが提案して即席のパーティメンバーも頷き、歩き出した。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

3階のC班は戦闘をしていた。

 

「なんっでこんなにモンスターがいるんだよっ!」

 

和真が文句を言いながら自前の小太刀でゴブリン達を斬り捨てていく。

以前は刀をまともに振れない初心者だったが竜弥との模擬戦を続けていたのが幸いして少しばかりは戦えるようにはなっていた。

 

「【死鎌童子:業火】!!!!」

 

シノアが人型を出して攻撃させる。

 

「ミーナ!俺があいつらの足止めをするからそっちで潰していってくれ!」

「はいよー!」

 

和真が【クリエイト・ウォーター】と【フリーズ】でゴブリンの足を止める。

それを見計らってミーナがガントレットでゴブリンを砕いていった。

 

「いや~君やるね~。初級魔法なんてあまり役立たないと思ったけどこれを見せられたらそうは言ってられないね」

 

ミーナは和真の機転の良さを素直に褒める。

 

「シノちゃんの鎌も凄いよね~?人型なんて出せるんだ・・・あんまり敵に回したくないな~」

 

シノアの鎌から出た人型に少し畏怖を感じたようだ。

褒めるのもそこそこにして他の部屋を見て回る事にした。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

A班では

 

「なんでこんなにアンデッドがいるんだっつの!!!!」

「私だって分かんないっての!」

 

ディーはフィーリィとティリアの支援魔法を受けながら、アクアは【ゴッドブロー】や【ゴッドレクイエム】等を駆使してアンデッドを倒していく。

一通り討伐し終わって一息つく。

 

「大丈夫ですか?」

 

フィーリィ、めぐみん、ティリアが2人を心配そうに見ていた。

 

「まぁ、まだやれるさ・・・それとティリア」

「はい?」

「今後はお前も動いてもらうかもしれねぇから油断するなよ?」

「・・・はい」

 

ディーの発言に少しティリアが表情を曇らせる。

だがめぐみん、アクア、フィーリィはなぜ表情が曇ったのか、理由は分からなかった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

1番左から数えて2つ目の部屋からツバキ達は出てきた。

 

「結局あったのは1番右の部屋にあったような鎧だけか・・・」

 

この部屋でも収穫は無し・・・というか家具を動かそうとしてもビクともしなかった。

何でなのかね?

最後の部屋に入る。

そこには1番右の部屋のような作りと何かが乗る台座のみがあるだけだった。

一応調べていく。

台座を見ていてある事に気付いた。

 

埃の積もり方が1部おかしい。

 

全体的にかなり埃を被っているが1部だけ、埃の被り方が薄く、足のような模様になっていた。

 

「・・・なんかあった?」

 

ツバキが俺に聞いてきたので指を差した。

 

「確かにおかしいね」

「何かが乗るって事だよな・・・」

 

まさか先程出た部屋の鎧か?

そう思って鎧を持ってきて乗せてみた。

 

・・・・・・・・・・・・

 

反応無し。

2階は何も無いようで仕方なく集合場所の屋敷前に行くことにした。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

他のメンバーは既に探索を終えたのか、もう集まっていたので俺達もそこに集まろうとした。

 

ズリッ!!!!

ステーン!!!!

 

はい、見事に転びました。

足元を見ると苔が生えていた。

そしてそれは玄関を囲むように四角く枠取っている。

気付かなかったな・・・てか痛ぇ・・・

あいつらは笑いを堪えようと明後日の方向を向いている。

そうされると逆に地味に、精神的にキツイんですが・・・?

 

「なんかあったか?」

「いや、ハズレ」

「え~そっちも~?」

 

どうやら全ての階でハズレだったようだ。

全員で集まって情報交換を始める。

 

「俺達の階はアンデッドが沢山いてな・・・アクアが大半を仕留めてくれた」

 

・・・うちのアクアがすみません・・・

 

「こっちはモンスターとかはいなかったけど、内装的にもあまり目立つものは無かった」

「私の階もモンスターばかりで屠ってたからね~」

 

どうやら全滅のようだ。

 

「ただ・・・気になる事があってな・・・」

「ん?そっちも?」

「ありゃ?そしたら私もだよ」

 

3人が気になったのは部屋の装飾と家具が似ている点と1部の家具が動かない事のようだ。

 

「確か、動かないのは右半分だったな」

「私の階で動かせなかったのは左半分だったよ」

「私の階はディーと同じで動かないのは右半分だったよ?」

 

・・・全員の階で、家具や装飾が似てて動かない家具があり・・・って事か・・・・・・ん?全部の階で同じ家具や装飾品が置いてある・・・?

何かが引っ掛かる。

そういえば屋敷の真ん中辺りで鏡のように絵が飾ってあったな・・・

それに玄関を囲むようにあった苔も気になる。

同じ家具とかがあって位置が違う・・・ってことは・・・

 

「「「「何かしらの条件が揃えば変化がある」」」」

 

俺、ディー、ツバキ、ミーナの意見が揃い、すぐに屋敷に戻った。

今度は全員でそれも左からは7人、右から8人で調べていく。

机の置き方、装飾品、家具等、様々な物を見ていく度に少しづつ謎が解け始める。

 

 

左右対称になっている。

 

 

つまり何かが動く条件・・・それは─────

 

 

完全に左右対称にする事。

 

 

俺の自作魔法【五感共有】の視覚を共有してそれぞれの階に戻らせて左右対称にし始める。

その中でも動かない物もあったらしく、動かないという事はそれを向こう半分で同じ位置に置くという事だ。

少しづつ対称にしていき、全員が外に出て玄関のドアを閉めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?

 

何の反応も無い。

おかしいな・・・全て対称に・・・ってまだあったじゃん。

俺は竜の石像に近付く。

 

これだ。

 

両手が下がっている竜の手を上げようとしたが上がらない。

 

・・・って事は・・・

 

反対側に行き、右側の竜の上がっている手を下げた。

 

ガコン!!!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!!!!!!!

 

玄関の大理石が左右に開き始める。

スゲェ・・・

皆も突然の事に開いている口が塞がらないようだ。

そして左右に開いていき、完全に止まるとそこには─────

 

地下に続く階段が姿を現していた。




地下室ってなんかいいよね(´・ω・`)

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