ちょっとここら辺から当分は描写に自信がありませんが挫けずに頑張りたい・・・
「【スサノオ】を使えるようにしたい?」
「まぁな」
俺は今、アクアの借りてる部屋にいる。
俺は昨日、【スサノオ】と【終わりのセラフ】の事で色々と考え、【スサノオ】が使えるようになれば【終わりのセラフ】を使わずに済むと思ってアクアに助言をもらいに来ていた。
「う~ん・・・そうねぇ・・・リュウヤって今レベルはいくつ?」
「俺?確か・・・50中間か後半」
「・・・意外と高かったのね・・・」
まぁドラゴンとかと相手してりゃあ・・・ねぇ・・・
だが【スサノオ】が使えるのは最低でも65レベルは無いといけないらしく、俺は仕方なく、ミーナに協力を得ることにした。
◇◆◇◆◇◆
「いいよ?」
「マジで?」
俺は今、ミーナとギルドにいた。
ギルドでミーナを見付け、「そっちの受けるクエストに連れて行ってもらいたい」と言ったらアッサリとOKを貰った。
和真達とクエストに行くという選択肢でもいいんだけどここはレベルの高い人達に付いて行き、強いモンスターを狩って一気にレベルを上げつつ、どんな風に戦ってるのかも学べると思って頼んだのだ。
どうやらクエストは明後日に行くようで明日は顔合わせのみとなった。
◇◆◇◆◇◆
翌日。
ミーナに付いて行き、集団住宅・・・というかマンションみたいな所に着いた。
入口の床には青く光る、平たくて丸い装置があって、そこにミーナが乗る。
「4階」
その言葉と同時にミーナは一瞬で消えた。
恐らく、前世でいうエレベーターの類なのだろう。
俺もその装置に乗り、4階と言った瞬間に目の前の景色が変わった。
「おぉ!助言無しで行けるとは」
ミーナに感心された。
突き当たりまで進み、ドアを開ける。
「ディー!起きてるー?」
奥からガタイがよく、茶色いロン毛で上半身に刺青の入った裸の男性が出てきた。
「ンだよ、るっせぇなぁ・・・休みの日くらいゆっくり休ま・・・・・・ん?」
こっちに歩きながら気怠そうに頭をガリガリと掻いて俺を見る。
「・・・・・・お前・・・男漁りの趣味なn「死に晒せぇ!!!!」ゴホゥ!?」
見事な腹パンがディーという男性に炸裂した。
「じ・・・冗談に決まってんだろうが・・・んでそいつ誰?」
「明日から一時的にメンバーになるイチジョウリュウヤ、ほら、昨日新聞見せたっしょ?」
「んー?覚えてねぇ・・・」
ミーナがハァ・・・と溜息を付いて、懐から新聞を出した。
ディーは新聞を見てあぁ~と言う。
「確かに見せてもらったな・・・でこの餓鬼がその大物ルーキーって事ね」
餓鬼と言われてイラッときたが表に出すのは止めた。
「・・・あれ?今日、ディーしかいないの?他の皆は?」
「エニスは買い出し、ティリアは協会。ツバキは他の所で諜報活動してていつ帰ってくるかは分かんねぇな・・・グランは・・・多分呑んでるな・・・」
「エニス、ティリア、ツバキはいいとしてもグランは1人で呑みに行かせないでよ・・・あいつ呑む量ハンパないからかなりの金額いくよ・・・?」
ミーナが呆れた顔をする。
どうやらこのパーティは6人らしい。
「なぁ、ここのリーダーは誰なんだ?」
「ん?俺だが?」
・・・え?
「見えないよね~?こんなオッサンがリーダーとかね~」
「るっせぇ・・・これでもまだ31だ」
見た目以上に老けてる・・・
「このパーティのリーダーをしてるディールだ。ま、死なねぇ程度に鍛えイデッ!」
ディールの脳天に拳骨がヒットする。
「年下怖がらせてどうすんの・・・これから一時的にパーティメンバーになるんだから優しくしなよ・・・」
「ったく・・・暴力女が・・・」
「相変わらず騒がしいですねぇ~?」
横から声がしてそっちを見る。
シスターの格好をして2本の長い刀を下げているホワホワとした糸目笑顔の女性と、以前、ミーナと食事をしていた男性が買い物袋を持って歩いてきた。
恐らくシスターの人がティリア。
ジト目の男性がエニスなのだろう。
「あら?見掛けない子ですねぇ?」
「・・・誰?」
ティリアは首を傾けながら頬に人差し指を当て、こんな人いましたっけ~?と言いたげに、エニスは一瞬だけ俺を見た後、ディーに視線を移す。
「あ~明日から一時的にパーティメンバーになるイチジョウリュウヤだ」
「まぁ!」
「・・・へぇ」
ティリアは嬉しそうに俺を眺め、「少しの間ですけど宜しく御願いしますねぇ~」と言って、エニスも短く「・・・宜しく」と言った。
エニスって人、口数少ないなぁ・・・
「あぁそれとディールさんに意地悪されたら言ってくださいね?その時は─────」
ティリアが刀に手を掛け─────
「─────斬りますから」
笑顔を崩さずに言った・・・
怖っ・・・
「んな事する訳「え~?さっきリュウヤに死なない程度に鍛え」あ・・・あ~!俺、頼まれ事されてたんだ!」
ディーがその場から離れようとした時だった。
ガッ!とティリアがディーの肩を掴む。
「言いましたよね?私」
「え?え~っとナンノコトダカサッパリ・・・」
「意地悪したら─────斬りますって」
ティリアがディーの肩を掴んだまま部屋の奥に消え、断末魔の声が響いた。
俺はこの短時間でパーティメンバー内の実力の序列を確認出来たようだ・・・
その後、「あれの処理はこっちでやっとくから君はもう帰っていいよ?元々のパーティメンバーの子達も心配してるだろうしね。後、明日はギルド集合って事で!」とミーナから言われ、俺は帰宅した。
その際に「血祭りじゃあ~!」とか「生きた錆落とし」とか明るく物騒な声が聞こえたのは気のせいだと思いたい。
◇◆◇◆◇◆
翌日
俺は昨日の約束通りギルドに来ていた。
「おぉ!早いねぇ!」
後ろから声がして振り向く。
ミーナ、ディー、ティリア、エニス、そして昨日会ってない白髪で背の低い男性がティリアに肩を貸されて歩いてくる。
「よーし全員揃ったな」
「ん・・・・・・れ?この子誰?」
眠そうな顔で俺をジーッと眺める。
「昨日、さんざん説明したじゃ・・・って酔ってて覚えてねぇのか・・・」
「グランさん・・・途中で半分寝てましたから・・・」
ティリアがディーに苦笑する。
「ハァ・・・こいつは一時的にパーティメンバーに加わるイチジョウリュウヤだ」
「ん・・・・・・・・・・・・んぅ・・・・・・」
「寝るなっての・・・」
この人がグランか・・・なんというか・・・ 小さい・・・
この人本当に酒飲める歳いってんのか?
「因みに年齢は俺と同じで31だ」
あ・・・マジっすか。
「じゃあツバキ以外の全員の顔合わせ終わった所で適当にクエストやるか」
リーダーのディーの声に皆が反応する。
ミーナが「最初はリュウヤでも行けそうなクエストにしようよ」との事で俺がクエストを選ぶこととなった。
クエストボードを見に行く。
んー・・・いいのないかな~・・・
色々と見てる時に、あるクエストが目に止まった。
【廃城に屯してるゴーレム討伐
1体討伐につき10万エリス】
これなら行けそうだし・・・これにするか・・・
俺は依頼書を取ってディーに見せた。
「これか・・・お前ら、いいか?」
ディーの声に皆が頷く。
こうして俺はこのパーティ初のクエストに行くことになった。
◇◆◇◆◇◆
少し離れた廃城に着いた。
・・・ここは魔王軍幹部とかいないよね?
中に入るとそこにはゴーレムが5体程が彷徨いていた・・・
「っとリュウヤ、先攻してくれ」
「え゛!?」
「え・・・って・・・お前がどれ程出来んのか見なくちゃいけないからな」
あ~そういう事・・・
んじゃ・・・遠慮なく・・・
「【銃剣製:第二世代型神機】」
魔法陣から神機が出てくる。
もうこれお得意になってるな・・・
「ほぉ・・・」
「わぁ・・・!」
皆も俺の魔法には驚いたみたいだ。
俺は駆け出してゴーレムを斬っていく。
数十分で全滅した。
「中々やるじゃねぇか」
「凄いですねぇ!しかも何も無い所から武器を出すなんて!」
皆が俺の戦闘ぶりに感心していた。
「んじゃこの調子で行くか」
ディーの声に頷き、先に進む事にした。
◇◆◇◆◇◆
かなりの数を討伐したと思う。
さすがに疲れてきた。
「フゥ・・・」
「さすがに疲れが見えてきてるな」
そりゃあそうだろうよ・・・アンタら全く動いてねぇじゃねぇか・・・
ティリアが「大丈夫ですか?」と聞いてきて回復魔法をしてくれてるのが唯一の救いだ。
「まぁこんだけ出来りゃあ上等だ」
次行くかとディーが言って奥へと進んだ。
◇◆◇◆◇◆
広い場所に出た。
錆び付いた装飾から見て王室だろう・・・
そこに2体のゴーレム。
「もうちょい行ってみるか?」
「・・・ヤバかったら援護してくれよ?」
ディーが分かったと言ったので討伐を始めた。
◇◆◇◆◇◆
今、リュウヤはゴーレムを討伐している。
「中々やるな」
「でしょ?」
「はい・・・私も感心してますよぉ~」
「・・・同意」
「・・・」
俺の声に賛同してる。
グランを除いて・・・
そろそろ帰る頃かなと思った時だった。
ティリアが眉を少し顰める。
「・・・何体だ?」
「・・・5体程かと」
俺が“乱入者は“という言葉を省略したにも関わらずティリアは答える。
「ハァ・・・ティリア、【決殺】使っていいから少し本気出せ」
「・・・いいんですか?」
ティリアの雰囲気が少しだけ変わる。
なんというか・・・暖かい風を少しだけ冷たくした感じだ。
リュウヤが討伐したと同時に5体のゴーレムが壁を壊して現れる。
当然リュウヤは驚いていた。
そして俺は告げた─────
「やれ────」
その言葉と同時にティリアが物凄い速さでリュウヤの元へ行った。
◇◆◇◆◇◆
「ラストぉ!」
俺が目の前にいるゴーレムを壊した直後だった。
壁が壊れ、ゴーレムが現れる。
しまった!
敵感知をし忘れた!
ゴーレムの手が振り翳される。
だがその手は俺には当たらなかった。
ティリアが両断したからだ。
「リュウヤさ~ん。そこにいて下さい」
糸目笑顔のままだが最初会ったような雰囲気は無く、冷たい感じがした。
ティリアは次々にゴーレムを斬っていく。
ティリアの死角、後ろからゴーレムが襲い掛かる。
危ない─────!!!!
俺が駆け寄ろうとした時だった。
ティリアは背後を見ずに刀を逆手に持ち、ゴーレムの胴体を貫く。
「─────邪魔です」
ティリアは冷たく言い放ち、回転して刀を持ち替えながら縦にゴーレムを両断した。
パチン─────と音を鳴らしてティリアが刀を納めた。
「フゥ~・・・危ないところでしたねぇ~」
先程の冷たい感じが消え、暖かい雰囲気のティリアに戻った。
「いや~乱入者がいたとは驚いたな」
ディーが撤収するぞ~!と言って俺は着いて行った。
◇◆◇◆◇◆
ギルドに戻って報酬を貰う。
ゴーレムを15体討伐し、成功報酬を含めて報酬は200万エリスとなった。
山分けしようと言ったが、「初クエストの報酬くらい貰っとけ」と言われ、申し訳ないが貰うことにした。
・・・にしても・・・
「ティリアって強いんだな・・・?」
「まぁな?」
ディーがふざけてティリアを褒め称えるもティリアは恥ずかしくなったのか、顔を隠した。
それでも尚悪ふざけで褒めていると恥ずかしさでティリアがディーを物理的に黙らせた・・・
今日はお開きとの事で俺は泊まってる宿屋に帰った。
◇◆◇◆◇◆
俺達はクエストを終え、メンバーは俺とティリアが住んでる部屋に来ていた。
「いや~リュー君、初心者なのに凄いよね~!」
「ですねぇ~複数のゴーレム相手でも物怖じしませんでしたし」
「・・・驚嘆」
「もう寝る・・・」
「・・・」
グランが部屋から出ていってあいつらがリュウヤの戦闘力を褒めてる中、俺は一言も喋っていない。
「・・・どしたの?」
「ん?あぁ・・・ちょっとリュウヤの事で気になる事があってな・・・」
「?何か問題でもありましたぁ?」
「無いと思うよ?今日のクエストだってリュウヤ活躍してたし・・・」
「まぁそれはそうだけど・・・俺が気になったのはそっちじゃねぇ・・・一時的だが俺達のパーティメンバーに加わった事だ」
「・・・別に良くない?向こうだって上級者とクエスト行った方が色々と学べるだろうし・・・」
いや・・・リュウヤは恐らく別の理由があったのだろう・・・
なんというか・・・焦ってる感じがした。
何かを早く使いたい・・・
それにはレベルが足りなく、俺達とクエストに行って少しでも早くそのレベルに達したい・・・そんな感じが見て取れた。
まぁ本人にも理由はあるだろう・・・そう思って俺は「気のせいだから気にすんな」とだけ、パーティメンバーに告げ、飲みに行くと言ってその部屋を出た。
「・・・気になってんだろ?」
廊下にあるソファーでグランが寝そべりながら俺に言った。
「聞きゃあいいじゃねぇか本人によ・・・」
「向こうだって聞かれたくない事は1つや2つあるだろうが・・・」
「・・・どうだかな・・・」
グランはいつも眠そうで酒ばかり飲んでるがこういった推測関連は優れていた。
「明日も連れて行くんだろ?」
「まぁ向こうの気が済むまでな」
「あっそ・・・・・・飲み屋行くんだろ?飲みながら悩みでも聞いてやってもいいぜ?」
「・・・・・・ツケ狙ってんな?お前」
俺がジト目になりながらそう言うと違うと言わんばかりに顔を逸らす。
まぁいいか・・・
俺は「さっさと行くぞ」と言ってグランと飲みに行った。
という事で【スサノオ】を会得させる為に一旦竜弥を和真のパーティメンバーから外し、ディールという男性が率いるパーティに加えました。
さて・・・重要人物達も漸くここで出せたので次回は2本出し、1つは登場人物紹介として“部分的に伏せて“紹介したいと思います。
全員にモデルがいますので再び2期の最初からモデルを照らし合わせて読むのもいいかもしれませんね。(かなり面倒だけど・・・)
感想、誤字脱字報告お待ちしております。