ある日の夢なんだけどさ・・・俺、Prototypeの主人公になって街で大暴れしてたわ・・・
知らない人は某動画サイトでPrototypeって調べてみ?
外国のゲームだからかなり派手です・・・
俺がオードス家の従兄弟の宿屋で【魔法生成機】に入ってる魔法の修正をしている時だった。
「リュウヤ、ちょっといい?」
アクアが俺に用があるとの事で訪ねてきた。
何でも合わせたい人がいるらしい・・・
俺はこの作業が終わったら行くと言うとアクアは頷き、和真の部屋にいると言って、俺の部屋を後にした。
「っと・・・これで終わりだな・・・・・・ん?」
待機状態にさせた【魔法生成機】を手に取る時にそれに気付いた。
【魔法生成機】を触った時に普段と違って何か引っ掛かる感じがして見てみると罅が何本も走っていた。
ってあれ?落とした覚えは無いんだけど・・・
そもそもいつから罅なんて入ってた?
アクアに呼ばれてるからその時にでも聞くか・・・
それと他に聞きたいこともあったし・・・
俺は【魔法生成機】をポケットにしまい、和真の泊まってる部屋に向かった。
◇◆◇◆◇◆
和真の泊まってる部屋に来た。
ガチャとドアを開ける。
そこには和真とアクア、そして見間違うことの無い、ある人物がいた。
俺に【魔法生成機】を持たせ、この世界に転生させてくれた人物。
女神エリスがそこにいた─────────
◇◆◇◆◇◆
「何でエリスがここに?」
「それは・・・」
「それは私が説明するわ。その前に貴方の持ってる【魔法生成機】の話をさせてほしいの」
アクアが割って入り、俺にまず【魔法生成機】の話を始めた。
◇◆◇◆◇◆
「────という訳・・・これが今、リュウヤの持ってる【魔法生成機】の異常よ」
「・・・」
はっきり言って、どう反応すればいいか迷った。
以前使った【終わりのセラフ】と初めて聞く【スサノオ】といった隠しシステムは本来、全部の神器を含め、この【魔法生成機】にも付かない・・・か・・・
だが、そのシステムが入れられた事でこの【魔法生成機】はかなり不安定になっているという。
エリスはそれを忘れて俺に持たせたのを謝罪すべく、現世に来たのだとか。
「改めまして・・・イチジョウリュウヤさん、この度、私の不手際で危険な目に合わせてしまい・・・申し訳御座いませんでした」
エリスが深く、そして長く頭を下げる。
「別に・・・気にしてねぇよ」
「ですが・・・私がアクアさんから頼まれた事を覚えていればもう少し安全に第二の人生を歩めたんですよ?」
「そうよリュウヤ、これは謝罪で済んでいい問題じゃないの。確かに貴方が【魔法生成機】を選んで転生したのは確かよ?その先でどんな目に会ってもその神器を選んで使いこなせなかったその人の責任。でも今回は違う。先に異常があるのにも関わらず私達はそれを野晒しにしてしまった・・・私は異常があるのは知ってたんだけど大丈夫と思って後回しにしちゃったの・・・だから今回の【魔法生成機】に関して、私とエリスは貴方に謝らないといけないの・・・本当にゴメンなさい」
アクアも頭を下げた・・・
エリスも再び頭を下げる。
確かにそうだといえばそうなる・・・
でも俺はこの【魔法生成機】に助けられたのも事実だ。
「いや・・・だから謝らなくて・・・」
「竜弥」
和真が俺に声を掛ける。
「確かに危険だったのは過ぎたことかもしれねぇ・・・でも2人がこうやって頭を下げてんだ。少しは気持ちを受け取ってやれよ」
和真がいつにも増して真剣な目をしてる。
・・・まぁ、和真の言う通りだな・・・
「・・・謝罪は受け取った・・・でもさ・・・悪い事ばかりじゃ無かったろ?ワイバーンやアメルダの時だってこの【終わりのセラフ】が無けりゃ俺はもう死んでたしな」
「それに関しては否定しないわ。でもこれからは気を付けて?あの【終わりのセラフ】に関しては私もどう制御するかは知らないの。アルカンレティアで制御出来たみたいだけどそれはほぼ偶然と言っても過言じゃないから」
「分かった」
俺はこうして2人の謝罪を受け止めることにした。
そして俺は【魔法生成機】にあった罅について聞くことにした。
「なぁアクア、エリス・・・これを見て欲しいんだけど・・・」
俺は2人に【魔法生成機】の裏側を見せる。
「罅・・・?」
「落としてはないんだけどさ・・・なんか知らねぇけど入っててな・・・」
エリスが手を翳して目を閉じる。
パアァ・・・と光が現れて、やがて消えた。
「恐らくはキャパシティオーバーをしかけているのだと思います」
「キャパシティオーバー?」
「はい。先程も説明した通り、これに搭載されている【スサノオ】と【終わりのセラフ】は本来、搭載される事は無かった物です。【スサノオ】は神の1人が入れて正規のシステムとして組み込まれました。それだけなら正規の神器として扱われ、特に問題は無いのですが、もう1つの【終わりのセラフ】は邪神によって組み込まれた物で非正規システムとして搭載されました。そしてそれを使ったことにより【魔法生成機】に不必要な負荷が掛かり、罅として現れたと思われます」
例を挙げて説明しますねとエリスがアクアに頼む。
アクアはエリスに薄い木の板を渡してエリスは両手で持ち、少しづつ曲げ始めた。
するとミシミシと音を立て始める。
そこでエリスがそのまま止める。
なるほど・・・つまり今、【魔法生成機】には常にいらない負荷が掛かったままになってるって事か・・・
「今、分かりやすくすれば【魔法生成機】はこの曲げられた木の板のような物です・・・そして・・・」
エリスがまた曲げ始めてとうとうバキッ!と音を立てて木の板は2つに折れた。
「そうか・・・【終わりのセラフ】を使い過ぎると最終的には【魔法生成機】自体も壊れるって事か・・・」
「はい・・・ですのでリュウヤさん、あまり【終わりのセラフ】は使わないで頂きたいのです・・・」
「・・・1つ聞いてもいいか?」
「どうぞ」
「仮に使う場面に遭遇したとして【終わりのセラフ】は使えて後何回だ?一応抑止力として聞きたくてさ」
予め回数を聞いた方が抑止力になると思って聞いてみる。
「この状態から見ると使えて・・・・・・1回・・・運が良ければ2回ですね・・・」
期待はしてなかったけどやはりその位か・・・
まぁ使わなければいいだけだ。
っともう2つあったんだ。
「そういえば以前アルカンレティアで【終わりのセラフ】を使ったのを覚えてるか?」
俺の言葉にアクアと和真が頷く。
「その時に変な空間に入って少しの間だけ【終わりのセラフ】をコントロール出来るようにしてもらったんだけど・・・」
「変な空間?」
「あぁ・・・なんというか・・・ビルが地面になってて、色々とおかしい空間だったんだけど・・・」
「アクアさん恐らく・・・」
「・・・!そういう事ね・・・」
2人が顔を見合わせて納得する。
「リュウヤ、残留思念って言葉は知ってる?」
「残留思念・・・って確か・・・強く何かを思った時にその物や場所に残る思い・・・ってやつだっけ?」
詳しくはよく知らねぇけど・・・
「ほぼそれで正解よ、恐らくリュウヤが見たのはそれだと思う」
・・・なるほどな・・・ウェイルスのやつの意志が【魔法生成機】に無意識に残ってセラフやその空間として現れたって訳か・・・
「それとさ・・・これは可能性の問題なんだけど・・・相手の持ち物に権限があった場合、この【魔法生成機】で権限を書き換える魔法を作ってその使用者権限を奪う事って出来る?」
まぁ実際に【魔剣】盗ってるから・・・恐らくは出来るんだろうな・・・
「えぇ出来るわよ」
やっぱりな・・・可能だとは思ってた。
「あ、でも少し訂正。出来るは出来るけどその対象が神器だったら出来ないわよ?」
「・・・え!?何で!?」
「何でって・・・当然でしょ?もしそんなのが出来たら、皆【魔法生成機】を使って他人の神器奪い放題じゃないの」
そうだな!冷静に考えりゃその通りだわ!
ヤベェ俺やっちまったわ!!!!
「もしも作ってるのなら私の羽衣でやってみて?これは神器だから多分弾かれるから」と言われピンクで透き通った羽衣を渡される。
魔法を使って権限を書き換える。
「どう?無理だったで「出来た」・・・今なんて?」
「だから・・・・・・出来た・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・ハアアアアァァァァァアアア!?!?!?!?」」」
皆が叫んだ・・・まぁそうなるよね・・・
「返して!?!?今すぐ返してええええぇぇぇぇええええ!!!!!!!!」
涙目のアクアがガクガクと俺の身体を揺する。
うえっ・・・頭がクラクラする・・・
和真に至っては「ならその間に他の奴等が持ってる神器貰っちまおうぜ!?」と言い出す。
すみません・・・既に俺、やっております・・・
まぁ言いませんがね!
エリスは冷静に理由を考えていて、ある結論に至った。
エリスの推測では─────
【魔法生成機】自体が不安定だから相手の神器を権限管理を麻痺させてしまい、奪えてしまっているのでは?
という結論だった。
一応アクアの権限に直して返しました。
マジでパネェわ・・・
聞きたいことを聞き終えて今日はお開きということになった。
和真がいたのはリーダーだからと、以前この話を聞いていたかららしい・・・
俺は今後、【魔法生成機】に負担を掛けさせまいと決めて借りてる部屋に戻った。
前書きで書いた事を大学の友人に話したら・・・
「夢ってさ・・・その人の願望が出るんじゃなかったっけ?」って言われた。
・・・つまり俺は人外になって街を壊して回りたいと思ってんのかね・・・?
※大学の友人にはその時「マッドサイエンティスト」と呼ばれました・・・解せぬ。
さて今回は「【魔法生成機】の性能説明」を2本目として投稿します。
投稿は21:00を予定。
☆~最終回:この素晴らしい世界にイレギュラーを!誕生秘話~☆
デストロイヤー戦の最後は、最初のアイデアではめぐみんと一緒に爆裂魔法は撃たない予定だった。
この素晴らしい世界にイレギュラーを!の第1期のデストロイヤー戦。
竜弥とめぐみんが爆裂魔法(竜弥は自作魔法)を撃ってめぐみんが告白していましたが、最初の予定では竜弥は和真にインカム(っぽいもの)を渡して、1人で魔法を使ってデストロイヤーを持ち上げ、海や山など、人があまりいない所にデストロイヤーを投げ捨てるつもりが移動の途中で爆発に巻き込まれるという予定でした。
そしてその後、和真との通信でボロボロの竜弥が「もう少しでいいから・・・お前らと・・・パーティメンバーでいたかった・・・和真・・・死にたくねぇよ・・・」と涙を流しながら始めて弱音を吐き、めぐみんが「ふざけないで下さい!!!!私の想いを伝えられないまま死ぬ気ですか!そんなの・・・そんなの私が許しません!!!!」とめぐみんが怒鳴り、和真も「何諦めてんだ!!!!仲間をそう簡単に死なれてたまるかよ!!!!」と竜弥に怒りを露わにした数分後に瀕死の重症で救出され、「リュウヤの事が好きなんです!・・・ですから・・・もう・・・私の前からいなくならないで下さい・・・!」と涙ながらに告白を受けさせる予定でした。
ですが途中で「これ・・・【終わりのセラフ】発動しちまうな・・・」と気付き、2人で爆裂魔法を撃つ・・・言わば共同作業をさせてデストロイヤー戦は終わりにしようと考え、小説の通りになりました。
感想、誤字脱字報告お待ちしております。