この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

69 / 82
お気に入り登録で思ったんだけどさ・・・皆、どの時点で登録をしてんだろう?
全話読んで気に入ったから登録してるのか、途中まで読んで良さそうと思って登録してるのか・・・個人的に気になる所。


王都、再び 後編

「も・・・申し訳ありません!」

 

ダクネスがすぐに立ち上がって謝罪する。

 

「い・・・いえお気になさらず・・・アリア姉様も戻ってきて下さいな」

 

リーリス王女に言われ、沈んだままこちらに戻ってくる。

ふと視線を移すとガラスで出来たチェスがあった。

 

「綺麗なチェス盤と駒だな」

「気になりましたか?」

 

リーリス王女は嬉しそうに立ち上がってチェス盤と駒を持ってくる。

透き通った黒と透明な駒。

盤もガラスで出来ている。

 

「こちらのチェス盤はお気に入りでして王都の一流の道具職人の方が作って下さったんですの」

 

駒を取って眺めてみる。

本当に良く出来てる・・・てか機械とか使わないでよくここまで出来るな・・・

リーリス王女が何かを思い付いたように両手をパン!と合わせる。

 

「折角だから皆さんやりませんか?」

 

と、急遽、リーリス王女開催のミニチェス大会が開かれた。

その横で始まっちゃった・・・と言いたげにアリア王女が苦笑気味にリーリス王女を見てる。

 

「あ~あ・・・あの子達災難ね・・・」

「・・・?強いのか?」

「強いってレベルじゃないですわ・・・」

 

アリア王女も何かを思い出したかのようにハァ・・・と溜息を付いた。

 

「リーリスは【難攻不落の姫君】っていう二つ名があって・・・数多くの魔物の侵攻を何度も防いでおりますの、その頭脳を使ってチェスでもリーリスは負け無しなのですわ・・・」

 

アリア王女が呆れた顔でリーリス王女の事を話す。

俺達はかなりのゲーマーと会ったようだ。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「チェックメイト」

「えぇっ!?」

 

今、ゆんゆんがリーリス王女の相手をしてる。

因みにこのチェス大会、1人5戦迄で、めぐみん、ダクネス、フィーリィ共に完敗してた・・・

そしてゆんゆんも第1回戦はリーリス王女が勝った・・・

強過ぎだろ・・・

床では敗北者がorzの姿勢になってる。

まだリーリス王女負けてねぇぞ・・・?

そしてまた試合が始まった。

 

2戦目

「チェックメイト」

「またぁ!?」

リーリス王女の勝利。

 

3戦目

「チェックメイト」

「嘘っ!?」

リーリス王女のs(ry

 

4戦目

「チェックメi(ry

 

5戦m(ry

 

結論から言おう・・・ゆんゆん・・・ボロボロ。

 

「情けないわね!ここは女神の私が相手をしてあげるわ!」

 

アクアが強気でリーリス王女と対面して座る。

 

「宜しく御願いします」

「貴方達見てなさいよ!私の凄さにひれ伏すといいわ!」

「お手柔らかに御願いします」

 

リーリス王女は苦笑しながら、アクアは無駄な自信を持ちながら駒を並べる。

そして試合が始まった・・・

 

結果は言うまでもない・・・

 

「チェックメイト」

「何でよおおおぉぉぉおおお!?!?!?」

 

アクアは相手の駒を1体も倒せずに終わった・・・

それに駒を置く際にも「その駒はそう動きませんよ」や「ここに置けば少しは有利になれます」とアドバイスを受けながらの負け・・・

今迄で1番酷い負け方だ。

 

「御三方はいかがなさいます?」

「う~ん俺はいいや・・・チェスのルールは覚えてねぇし・・・和真とシノアはどうする?」

「私もルールを知りませんので遠慮しておきます」

「俺もだな・・・出来ても将棋だ」

「ショウギ・・・?」

 

リーリス王女の目がキランと光る。

 

「それはどういったボードゲームなのですか?」

「チェスと似てるけどチェスとは違って自分で取った駒は再び使えるんだよ」

 

リーリス王女は興味を持ったのか、やってみたいと催促する。

俺が設計図を簡易的に書くとすぐに執事に持って行かせた。

多分作らせるんだろうな・・・

 

「はぁ~♪やっぱり大勢で遊ぶと楽しいですね♪」

 

リーリス王女は嬉しそうにしてる。

でも負けたこいつらは多分連敗したからもう相手したくないって思ってんだろうな・・・

 

「皆様、今日は遊びにお付き合い頂き、感謝します。それと宜しければこれを機にご友人として仲良くなりたいのですが・・・」

 

構いませんか?とリーリス王女が言う。

俺達(転生者組)は「全然OK」と答え、他のメンバーも緊張しながら首を縦に振った。

 

「なら丁度いいですわ。私も貴方方のご友人になっても宜しくてよ?」

「あ~はいワカリマシタ」

「・・・なぜかカタコトに聞こえたのは気のせいですの?」

 

キノセイダヨ・・・

今日はお開きですねと言われ、俺達はオードス家を後にした。

帰る際に「暫く滞在するのでしたらこちらをどうぞ」と執事の方にとある招待状を渡された。

この招待状、オードス家の従兄弟家族が趣味で経営してる宿屋の宿泊チケットのようで1枚につき1人使えて半額にしてもらえるんだとか・・・因みにオードス家から料金は引き落とされる。

その宿屋も普通はオードス家の友人や同じ王族の人をもてなす時にしか使われないらしい・・・当然、俺達冒険者が使うのは初めてだ。

多分明日、和真や俺と将棋をする為に渡したんだろうな・・・

オードス家の財産すげぇ・・・

そしてこの招待状を貰う=王族に気に入られたという証なんだとか・・・

メンバーは9人いると言うと9枚貰った。

俺達は礼を言ってレイシャのいるギルドへ帰っていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

ギルドに戻り、レイシャにも招待状を渡すとミーナに驚かれた。

やはりこの招待状を貰ったのは片手で数えられる程しかいないのだとか・・・

そして俺達はオードス家であった事を2人に話す。

 

「へぇ~そんな事が・・・」

「まぁな・・・」

「いや~リュー君達凄いねぇ~・・・で・・・あの5人は何があったの?」

 

ミーナの視線に入るのは長テーブルに顔を突っ伏してる5人。

フィーリィに至っては真っ白になって魂が抜けそうな程だ・・・

 

「あぁ・・・あいつらは────」

 

俺がチェスでボロボロに負けた事を言うとミーナは「あぁ~・・・」とそいつらに同情の目をした。

 

「そりゃあ負けて当然でしょ・・・リーリス王女って半年に1回開かれるチェス大会で今の所・・・確か10連続優勝とかの離れ技してる人だよ?」

 

あ・・・負けんのも頷けるわ・・・

 

「それだけじゃないですよ・・・」

 

めぐみんがかなり疲れた顔で俺達を見る。

 

「相手は王族なんですよ・・・?そんな人の前だったら緊張したくなくてもしてしまいますよ・・・」

「めぐみんの言う通りだ・・・全く・・・私が貴族とバラした時といい、お前らはなんであんなにリラックス出来ていたんだ?」

 

魂の抜け掛けてるフィーリィを除いてめぐみん、ダクネス、ゆんゆんが避難の目で見てくる・・・

そりゃあ・・・ねぇ・・・

 

「え?いや~・・・まぁこっちの国には他とは違った風習があってな?」

「はぁ・・・そうか・・・にしても疲れた・・・」

 

まぁ明日もあるんだから。と言うと明日は3人で行ってと言われた。

そこまでかい・・・

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

翌日

 

俺達は昼飯を終えて、オードス家に来ていた。

和真と2人で・・・

シノアは将棋も・・・というかボードゲーム全般は苦手らしい・・・

結局昨日は俺達が本当に行かないのかと聞くも、もう無理と言っていた。

 

「よくお越しくださいました。昼食はいかがなさったのですか?」

 

俺達がもう済ませたと言うとそうですか・・・と少し残念そうにしていた。

だがその後にすぐ明るくなり、ショウギが完成したので早速やりましょうと言って俺達を自室に招き入れてくれた。

自室のテーブルには綺麗な将棋盤と駒が置いてあった。

おお・・・全部完璧だ。

だが和真がテーブルから将棋盤を降ろしてしまう。

 

「カズマさん?なぜテーブルからショウギバンを降ろしたのですか?」

「将棋っつうのは正座してやるんだ。竜弥、1戦だけ見本見せようぜ」

「おう」

 

和真が床に将棋盤を置き、対面して正座する。

 

「なるほど・・・それがショウギに必要な作法なのですね」

「まぁな」

 

和真と俺は黙々と駒を並べる。

 

「模擬戦で負けてる分、こっちでは負けねぇからな」

「言っとけ、返り討ちにしてやる」

 

和真と俺の間にバチバチと火花が散る。

ジャンケンし、俺は後攻になった。

幸運値チートありえねぇ・・・

パチッ!という綺麗な音を立てて将棋が始まった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「王手!」

「やべ!配置ミスった!」

 

和真が結構強い・・・

今俺はかなり追い詰められてる・・・

どうすっか・・・

正直言って詰まれたくねぇ・・・

 

「クックックッ・・・最初の勢いはどこいったんだろうなぁ?」

「この野郎・・・」

 

和真が余裕綽々に煽ってくる。

え~マジでどうしよう・・・

横ではジーッとリーリス王女が試合を見ている。

俺が起死回生にと金将の駒を移動した瞬間だった。

和真がニヤニヤして角行の駒を置いた。

 

「王手」

「・・・」

 

退路を探せ・・・絶対にある筈だ・・・絶対・・・絶対・・・・・・・・・・・・・・・あっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無理だわこれ♪

 

結局俺は詰まれて終わった・・・

和真がこれ見よがしに煽ってくる・・・

殴りたいあの笑顔・・・

リーリス王女が次は私の番です。と言ってくる。

ん?そういえば・・・

 

「そういえば・・・正座って分かる?」

「セイザ・・・星ですか?」

「あぁ~・・・やっぱりこっちって正座の風習ねぇのか・・・ならテーブルの上でやるしかねぇな」

 

和真が将棋盤をテーブルに置く。

リーリス王女がすみません・・・わざわざ・・・と謝ってきた・・・

まぁ正座が分からないのは仕方ないと言ってフォローしておいた。

それに正座をした事がない人にやらせた後は数分は必ず足が痺れて動かなくなるしな・・・

なぜ詳しいかって?

そりゃあ・・・俺も経験者だからだよ・・・キツイよ?意外と。

和真とリーリス王女が対面して椅子に座る。

 

「んじゃ始めよう・・・と言いたいが一旦それぞれの駒の置き方と動き方の説明するから覚えてな」

「お願いします」

 

和真が詳しくそれぞれの駒の置き方と動きを、例も用いて説明する。

粗方説明を終えて将棋を始める事にした。

ジャンケンをしてリーリス王女が後攻になる。

パチッと音を立てて和真vsリーリス王女の将棋対決が始まった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「王手!」

「ま・・・参りました・・・」

 

今4戦目だがリーリス王女が勝った。

最初は和真が圧勝してたが2戦目からリーリス王女が具体的なルールを把握し始めるも和真の辛勝。

3戦目はリーリス王女の辛勝で今の4戦目はリーリス王女の圧勝となった。

マジですか・・・

4戦だけでここまでいくか?

5戦目を始めたと同時にガチャとドアが開き、アリア王女が入ってくる。

 

「あら結構楽しんでるのね?でどっちが勝ってるの?」

「和真が負け始めてる・・・」

 

やっぱりね・・・とアリア王女が溜息を付いた。

好きこそものの上手なれ・・・ってか?

 

「王手!」

「うえっ!?」

 

っとまたリーリス王女の勝ちか・・・

【難攻不落の姫君】の名は伊達じゃねぇな・・・

その後、俺も5回対戦したが完封負けし、宿へ帰った。




登場人物紹介に関しましてはもう暫くお待ち下さい。
登場人物全てに他アニメのモデルがいますので紹介出来次第、そのキャラクター達に置き換えて再度読んでみても面白いかもしれません。

次回にこの素晴らしい世界にイレギュラーを!誕生秘話最終回をお送りします。
それと現在、IFルートを同時進行で執筆してますが中々進んでませんw
ですがIFルートは本編と関係ない内容となっております。
本編が終えて少し日が経っても問題無く読めるようになってますのでご安心を・・・

感想、誤字脱字報告お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。