それと今回はちょい短め!
俺は今、自室の机で【魔法生成機】を使って魔法を打ち込んでいる。
一通り打ち込み終わった。
「さてと・・・【シミュレーション】」
俺の右斜め前に透明で緑色のボックスが現れる。
これは作った魔法の動きを見る為に作った魔法で、これで作った魔法の動作確認は必ずこの魔法でしているのだ。
「う~ん・・・もう少し時間差を与えた方がダメージは大きいかな・・・」
今作ってるのは攻撃魔法で昨日の夜から編集してる・・・う~んやっぱりタイムラグはわざとにしよう・・・
ガチャと自室のドアが開いて、ナチュラルカットポテト(ジャガイモを三日月状に切って揚げたやつ)が山盛りで乗った皿を片手にシノアが入ってきた。
「あ・・・作業中でしたか」
「シノか、なんか用か?」
「いえ、ただ単に来たくなったので」
シノアはそう言って1冊の本を出してから俺のベッドにゴロンと横になった。
その横にはポテトの乗った皿があり、ベッドで本を読みながらポテトを食べている。
「そのポテト美味そうだな?」
「いります?」
1つくれるらしく有難く貰った。
おぉ・・・塩が効いてる。
「どうですか?」
「うん・・・美味い・・・てかシノって料理出来たんだな?」
「いえ・・・めぐみんさんに作って貰いました・・・」
なんでも自分が作るとダークマターが出来るらしい・・・
頑張れ・・・シノア・・・
「ちょっと今、心無しかイラッとする事を心の中で言われた気がするんですが・・・」
「気のせいだ・・・」
「まぁそういう事にしておきましょう・・・」
俺は再び魔法作成に、シノアはのんびりしていた。
不意にシノアに後ろから抱き着かれる。
「どうしたよ?」
「だってつまんないんですもん・・・竜さんが構ってくれないから・・・」
「・・・これ終わったらな」
「は~い」
シノアは納得してくれたのか再びベッドに戻った。
さてと・・・【シミュレーション】で魔法を確認するか・・・
再び【シミュレーション】を展開して魔法の軌道や範囲を見る。
・・・OKだな・・・
俺は魔法を保存して【魔法生成機】を停止した。
「終わりました?」
「おぅ、終わった」
俺はシノアの横に腰掛ける。
シノアはガオー!と言いながら俺をベッドに押し倒した。
俺はその状態でシノアの頭を撫でる。
「いいですね・・・こういう時間も」
「だな・・・」
俺とシノアはめぐみんの時と同様にシノアは俺を「竜さん」、俺はシノアを「シノ」と呼ぶようになった。
「今日は1日中、のんびりするんですか?」
「まぁアルカンレティアが色んな意味で疲れたからな・・・」
「もう・・・思い出したくありません・・・」
本当・・・あれは洗礼というより洗脳に近い・・・
シノアも思い出したのか、若干目が泳いでる。
そんなシノアの頭を俺は撫で続けた。
「私にも撫でさせて下さい」
「いいよ」
俺が上半身を起こすとシノアは後ろに回って抱き締め、頭を撫でた。
「竜さんの頭フワフワですねぇ~」
「・・・くせっ毛なのが気になるけどな」
俺の髪はくせっ毛みたいでその上寝癖が付いた時には微妙に面倒になる。
「髪が長いのも面倒ですよ?」
「ならショートにすればいいじゃん」
「ショートですか・・・」
シノアがショートか・・・
想像したらなんか笑えてきた。
コツンと俺の脳天に軽い拳骨が当たる。
「今、失礼な事考えましたね?」
「してないよ」
「本当ですかね〜?」
その後もシノアは俺を抱き締めたままでいた。
ふと時計を見ると正午だ。
「竜弥~!ギルドで昼飯食べに行くぞ~!」
「分かった~!シノ行くぞ」
「え~もう少し2人でいたかったのに・・・」
昼飯が終わったらなと言ってシノアを立たせ、下で和真達と合流し、ギルドに向かった。
今日のギルドはかなり空いていて昼飯もすぐに来た。
◇◆◇◆◇◆
再びシノアと自室に戻り、俺はソファーに寝転がって欠伸と伸びをする。
「くあぁ~・・・眠ぃ・・・」
両手を頭の後ろで組んで寝る体勢になった。
シノアも俺の横に座る。
「・・・竜さんをベッド代わりにして寝ま「うん止めよう」え~」
「え~じゃねぇよ」
「別にいいじゃないですか~以前だって膝枕してくれたんですし」
「・・・否定はしない」
仕方ねぇな・・・と思ってこっちに来いのジェスチャーをする。
シノアは嬉しそうに俺の上に乗ってきた。
「・・・意外と寝辛い・・・」
「お前な・・・」
シノアはそう言いながらも目を閉じる。
そんなシノアの頭を撫でる。
暫くして寝てしまったようだ。
ま・・・俺も少し寝るか・・・
◇◆◇◆◇◆
「ん・・・・・・・・・・・・?」
部屋がかなり暗い。
窓を見るともう星空になっていた。
ヤバ・・・寝過ぎたな・・・
「シノ、起きろ」
「んぅ・・・」
シノアは起きる気配が無く、俺の服をキュッと握る。
参ったな・・・そろそろ夕飯だろうし・・・
仕方ない・・・
「【グラビティ】」
俺は自作の重力操作魔法の【グラビティ】でシノアを浮かせ、下に降り、和真に「夕飯は部屋で食べる」と言ってトレーに食事を2人分乗せて自室に戻った。
「シノ~夕飯だぞ~」
「くぅ・・・・・・くぅ・・・」
ってまだ寝てるし・・・
ったく・・・
俺はシノアの額をコツンと小突く。
シノアは漸く目を覚まして起き上がった。
「あ・・・すみません・・・」
コシコシと目を擦ってふあぁ~・・・と大きな欠伸と伸びをする。
2人分の夕飯をテーブルに置き、シノアと向かい合って座り、食べ始めた。
久し振りに静かな夕飯だ。
今日はうどん。
というか年末に作ったのが評判が良く、めぐみんとゆんゆん、レイシャがすぐに作り方を覚え、時々食べている。
うん。コシもいいし、喉越しもいい。
そして出汁も美味い。
というか俺のよりマシ?
・・・orz
食べ終えて俺は風呂に行くとシノアに伝え、食器を盆に乗せて下に降り、食器を流しに入れてから風呂場に向かった。
◇◆◇◆◇◆
「あ゛~温まる~・・・」
ぐで~んとして天井を見る。
やっぱ風呂独り占め最高ッスわ。
っと・・・そろそろ洗うか・・・
ザパッ!と湯船から出て、身体を洗い始める。
ガチャと更衣室のドアが開く音がした。
人影が見える。
和真かな?
その人物はなぜか戸惑いを見せながらドアを開けた・・・・・・って・・・・・・
「シノアああああぁぁぁぁぁぁああああ!?!?!?」
「ちょっ!」
シノアが身体にタオルを巻いたまま駆け寄ってきて俺の口を手で塞ぐ。
「静かにお願いします」
コクコクと頷いてシノアが口から手を離した。
「めぐみんさんとは入ったんですから私だって一緒に入っても問題ないはずです」
んな横暴な・・・
それともなんですか?私と入るのは嫌なんですか?と少し泣きそうな表情をされてしまう。
狡くない・・・?そんな表情されたら嫌って言えないでしょ・・・
俺は仕方なく2人で入る事にした。
◇◆◇◆◇◆
「あったけぇ~・・・」
「はぁ~極楽~♪」
2人で足を伸ばして入っている。
本当広いよな・・・
竜さんはこれからどうするんですか?とシノアが聞いてくる。
これから・・・ねぇ・・・あまり考えてなかったな・・・
シノアはゆんゆんと一緒に仕立て屋をしようと思っているのだとか。
ゆんゆんは接客が出来なさそうなのでシノアが接客。
ゆんゆんがシノアのデザインした服を仕立てを担当する予定らしい。
絶対前世のメーカーの服パクる気だな・・・
そして俺には足で漕いで動かす、昭和時代に使われていたミシンを作って欲しいらしい。
まぁ時間はあるんだ、ゆっくり決めよう。
俺は風呂から上がる事にした。
シノアはもう少し入っているとのこと。
◇◆◇◆◇◆
俺は服を着て自室のソファーでゆったりと寛いでいた。
少し経ってからシノアが紫色のパジャマを着て俺の部屋に入ってきて俺の横に座り、俺の膝に頭を乗せた。
「以前は恥ずかしがってたのにな」
「言わないで下さいよぉ・・・」
シノアがそう言って頬を赤らめる。
「・・・竜さんも私の膝で寝てみます?」
「え・・・?」
「まぁものは試しということで!」
シノアがすぐに起きて俺の頭を膝に乗せる。
うおぅ・・・シノアの膝・・・あったけぇ・・・
「なんか・・・弟を持った気分です」
「んじゃあ・・・」
「?」
ちょっと悪戯してみたくなった。
「シノ姉ぇ・・・って呼ぶ?」
シノアの顔が一気に赤くなる。
バカバカバカ・・・!と攻撃力0の拳で俺の頭を叩く。
「でも満更では無さそうだな」
「なら・・・」
シノアは俺の耳元に顔を近付ける。
え?何する気?
そう思ってた所で耳元で囁かれた。
「お兄ちゃん」
俺の顔が熱くなる。
ちょっ!それ反則ですってば・・・
「お前な・・・」
「お返しです。やられっぱなしは癪ですから」
フフッとシノアが微笑んだ。
「これから2人の時はお兄ちゃんって呼びますか?」
「いや竜さんとかでお願い・・・」
「そこはいいよと言うべきでは?」
いや・・・本気で顔が熱くなるから・・・
今あまり顔を見られたくない・・・
ふと時計を見たら23:00になってる。
そろそろ寝るか・・・
俺はシノアの膝枕から身体を起こしてベッドに横になった。
シノアもそれに続き俺の隣で横になる。
って・・・
「自分の部屋で寝ないの?」
「今日は竜さんと寝たいんです」
口を尖らせて俺のパジャマをキュッと握る。
出ていく気ねぇな・・・
俺はシノアにも布団を掛けて灯りを消した。
「おやすみ。シノ」
「お休みなさい。竜さん」
そう言い合って目を閉じた。
無論、女の子と一緒に寝てて腕に抱きつかれてたから俺は全く寝られずに翌朝、隈が出来たのは言うまでもない。
シノアに膝枕されて「お兄ちゃん」と呼ばれた所を自分に置き換えた人は素直に挙手。
作者「・・・(-ω-)ノスッ(無言で)」
まぁレイシャが1番年u(ここから先の文章は血で染まって読めない。
ラストはレイシャです!
感想、誤字脱字お待ちしております。