やっぱり恋愛描写が1番ヘタだ・・・(´;ω;`)
「リュウヤ、今日って暇?」
レイシャがリビングで寛いでいた俺に聞いてくる。
俺は今日は特にやる事もないので空いてると言うとレイシャは買い物に付き合ってほしいと言った。
まぁそのくらいならと思って俺は承諾し、2人で出掛けることにした。
◇◆◇◆◇◆
相変わらず商店街では威勢のいい声が飛び交っている。
「今日は何を買うんだ?」
「服と武器ね、先に武器屋に寄って矢のストックが切れたから買い溜めしておきたいの。後は短剣とかね。リュウヤは剣の扱いが慣れてるから私に合いそうな剣を一緒に探してくれない?」
あ~そういう事。
俺はOKして2人で武器屋に向かった。
◇◆◇◆◇◆
「らっしゃい!」
店に入ると同時に威勢のいい声が飛んできた。
「ちょっと武器見せてもらうよ?」
店長のオッサンの許可を貰って短剣売り場に足を運ぶ。
短剣コーナーでは色んな短剣が所狭しと並んでいる。
ふむ・・・以前は篭手しか見てなかったからからどんな短剣があるか分からなかったけど短剣の種類もかなり豊富だ。
「レイシャは何か希望とかあんの?」
「う~ん・・・そうね・・・やっぱり軽いものの方がいいわね・・・後は・・・耐久性が高いものとか・・・」
まぁそりゃそうか・・・
俺は色々と物色してレイシャに合いそうな武器を選ぶ。
俺だけでは判断に困るのでレイシャ本人にも選ばせてみる事にした。
暫くしてレイシャが俺を呼んだ。
「なんかいいのあった?」
レイシャがとある短剣を俺に見せた。
短剣の峰が櫛のようにギザギザになってる短剣。
所謂「ソードブレイカー」だ。
「これ?」
「まぁ第一候補にね・・・でも何でこの短剣って峰がこんな風になってるの?」
「あぁ・・・それは────」
俺はソードブレイカーの峰の部分は相手の剣をその部分に入れて叩き落としたり、へし折る為に使う物だと説明する。
レイシャが軽く振って持った感じを確かめて鞘に納め、棚に戻した。
どうやら他のも見てみたいのだとか。
俺も再び探し始めてある短剣を見つけた。
刀身が緑色で両刃の短剣だ。
レイシャに持たせてみる。
数回振って首をうーん・・・と言うように曲げた。
どうやら見た目以上に重かったようだ。
俺は短剣に鞘を戻して短剣を探し始めた。
◇◆◇◆◇◆
数分経ったけどこれといった短剣が見付からない。
俺達が困り果てた時だった。
「中々丁度いい武器が見つかんねぇみたいだな?」
店長に声を掛けられる。
俺はレイシャがアーチャーなのを説明して本人に合いそうな短剣はないか?と聞いてみた。
どうも丁度いいのがあるらしくって奥に行ってしまった。
「一応ソードブレイカーも買っとけば?使わない時は俺も使ってみたいし」
「そうね、そうするわ」
店長が戻ってきた。
その手には長い風呂敷と短い風呂敷があった。
風呂敷を捲って姿を現す。
鍔が無い真っ直ぐな短剣と長剣だ。
店長が言うには短剣ならこういった鍔の無い短剣の方が頑丈な割に安上がりで投げナイフとしても使い勝手もいいのだとか。
長剣の方はいざという時には牽制にもなるだろうとこの2つを勧めてきた。
レイシャが軽く振って確かめる。
長剣は本来は買う目的は無かったが重さも丁度良かったのかソードブレイカーも含んだ3本を買っていた。
レイシャが2本の剣を鞘に納め、腰にする。
なんかレイシャってプロポーションいいから何着けさせても絵になるよね・・・
こうしてレイシャは剣3本と矢のストックを買って、俺達は武器屋を後にした。
◇◆◇◆◇◆
「中々いいのが買えたわ。ありがとね」
「まぁ俺の知識で役に立てたんなら良かったよ。じゃあ次は────」
何処に行くか────そう言おうとした所でグウゥゥゥウ~~・・・・・・と腹が鳴ってしまった・・・
軽く笑いながらお昼にしましょうかと言われ近くの飲食店に入った・・・恥ずかしい・・・
◇◆◇◆◇◆
「いらっしゃいませ~!お好きな席へどうぞ~!」
女性の店員が明るく挨拶をしてくる。
テラスが空いていたので俺達はそちらに行った。
「たまにはこういった席でもいいんじゃね?」
「そうね、風も無いし、太陽も出てるしね」
レイシャは嬉しそうに椅子に座った。
俺はその真向かいに座り、メニューを開いた。
「今日はどうするの?」
「俺はサンドイッチセットでいいかな」
「なら私もそれにす・・・ってサンドイッチセットでも種類あるけど?」
あっ本当だ。
メニューを見ると2種類のサンドイッチセットがあった。
・Aセット
玉子、サラダ、ハムチーズ+ドリンク
・Bセット
カツ、サラダ、ベーコンレタス+ドリンク
話し合いの結果、俺がBセット、レイシャがAセットとなり、店員に注文した。
因みにドリンクは俺がリンゴの果汁水でレイシャがオレンジの果汁水にした。
「今日は財布、スられてないわよね?」
「心配すんな。今日はちゃんと持って来てる」
俺は財布をレイシャに見せ、再びポケットに仕舞う。
「そういえばあれからたまに和真と模擬戦してるみたいだけど、どんな調子?」
「ん~やっぱり剣を握るのは初めてだから距離感とか難しいのよね・・・なんかコツとかない?」
「ん~コツかぁ・・・結局は経験だからな~・・・とりあえずはひたすら振ったり、模擬戦を重ねたり・・・後は見学してる時は動きをよく見る・・・くらいだな・・・」
「やっぱり経験がものを言うのね・・・それとリュウヤって短剣の扱いも慣れてるの?」
「慣れてるけど俺の場合は小太刀だ」
「なら小太刀の立ち回りも剣の扱いが上達したら教えて欲しいんだけど」
「そういう事・・・」
あ~でも短剣と小太刀ってリーチとか違うよな・・・
ま、扱ってみりゃ分かると思ってレイシャに俺なりの指導を入れる事にした。
料理が来た。
2人で一斉に食べ始める。
うん、ベーコンレタス美味い。
リンゴの果汁水も合ってる。
レイシャが俺の果汁水を飲んでみたいとのことでコップを交換した。
あ~こっちもイケますね。
「うん美味いな・・・・・・で、何でお前はニヤついてんだ?」
レイシャはまだ果汁水には手を付けずに俺をずっと見てんですけど・・・?
「ねぇリュウヤ」
「ん?」
俺は食べかけのベーコンサンドに手を伸ばして食べる。
「私のオレンジの果汁水飲んだわよね?」
口の中にサンドイッチが入ってるから頷いて肯定した。
「関節キスよね?」
「ブホッ!?ゴホッ!ゲホッ!」
唐突な発言にむせた・・・
俺の反応が面白かったのかレイシャが笑う。
「冗談よ。私が口付けた所はリュウヤの向かいだったし」
「お・・・お前な・・・」
こういう事言って顔を赤くしないレイシャって本当、大人の女性っぽいよな・・・
からかう点はたまにイラッとくるけど・・・
「そういえば私が出ていった後、お母さんとの情報交換の時に何を話したの?」
「・・・」
言うべきなのだろうか・・・
俺は迷った。
確かに俺はリルムには転生者と言った。
一応レイモンドも知ってる事だからな・・・
1人だけ仲間外れにしたら可哀相だし・・・この際だから言うか。
俺はレイシャに他言無用にするよう言って俺が転生者である事を話した。
「はぁ~まさか転生者だとはね・・・つまりはお父さんの考えは正しかったのね・・・」
「やっぱりレイシャも・・・」
「えぇ、半信半疑だったわ。でも証拠がない以上そういう発想になるのも仕方ないと思ってたの・・・って言うことは・・・」
「そう・・・俺は家を出たんじゃなくて兄に殺された。その時に特典としてこれを貰ったんだよ」
俺はレイシャに【魔法生成機】を見せる。
「一つ思ったんだけど貴方の元いた世界に銃とかは普段から装備してたの?」
「いや、あれは警察や自衛隊・・・こっちでいう騎士団みたいなのがいてそいつらが持ってる。それと魔王とかモンスターはいないかな・・・あ~あと技術もこの世界よりは何百年以上も先をいってる」
俺が言葉を綴っていく度にレイシャは頷く。
俺は掻い摘んで話していき、レイシャは納得した。
「────とそんな感じだな」
「なるほどね・・・っとそろそろ行きましょうか」
「だな」
俺達は会計を済まして店を後にした。
「次はどうするんだ?」
「次は服ね。貴方も何か買ったら?」
う~ん、そうだな・・・俺も何か買うか。
そんなこんなで服屋に着いた。
「いらっしゃいませ~!」
レイシャは早速服を見始めた。
んじゃ俺も・・・
◇◆◇◆◇◆
「なぁ・・・まだ掛かる?」
「もうちょっとだけ待って・・・」
服屋に来て、既に30分以上は超えている。
レイシャは未だにどの服にするか迷っていた。
因みに俺はもう買ってる。
本当、女の子って時間掛かるよね・・・覚悟はしてたけど・・・
「これもいいわね・・・あ~でもこっちも捨てがたい・・・」
「・・・いっそそれら買えよ・・・」
俺がそう言うと「ちょっとだけ貸して」と言われ、仕方なく貸した。
「ありがとうございました~」
そんな声を背中で聞きながら店を出る。
横では満面の笑みを浮かべたレイシャがいた。
買ったものは俺の【異次元空間】に収納済み。
「はぁ~沢山買った~・・・」
「本当女の子って服選びは時間掛かるよな・・・」
「当然でしょ?」
レイシャがちょっと休憩しましょと言ってきて近くのベンチに座った。
俺は少し離れた所にクレープの出店を見つけてそこで軽い食べ物と飲み物を買い、レイシャの元へ戻った。
「ほら」
「いいの?ありがと」
レイシャは受け取って食べ始める。
俺はその横に座り、景色を眺めた。
目の前では川が流れていてそこで遊ぶ子達や釣りをしてる老人、ペットと追いかけっこをしてる子や、家族で歩いていたりなどしていた。
てか今更思ったけどシノアとルートがほぼ変わんねぇ・・・
「平和ね~」
「そうだな」
ゆっくりとした時間が流れる。
「こんなにゆっくりしたのって久し振りじゃない?」
「・・・そういえばそうだな・・・」
魔王軍幹部を倒して・・・借金返済して・・・というか最初の街でこんな苦労してんならこの先が不安になる・・・
「・・・で最近どうなの?」
「は?最近?」
レイシャが呆れた目で俺を見る。
「鈍いわね・・・めぐみんやシノアとどこまでいってるのか聞いてるんだけど?」
「どこまでって・・・あの夜の後は何もねぇけど・・・」
「一緒に一夜は過ごさなかったの?」
「いや・・・まだそれには抵抗が・・・」
「・・・リーダーと同じでヘタレね」
「
俺は先にクレープを食べ終える。
「ねぇリュウヤ」
「ん?」
「・・・もし私に好きな人が出来たら貴方はどうする?」
「は?」
急な質問にレイシャを見てしまった。
レイシャは軽く頬を染め、俺を見ていた。
レイシャに好きな人か・・・そうだな・・・
「おめでとう・・・としか言いようがない・・・」
「・・・はぁ・・・」
もういいわと言うようにレイシャが溜息を付いた。
「さっさと次に行くわよ」
「・・・なんか怒ってる?」
「怒ってない!」
レイシャが立ち上がって早く来てと目で訴える・・・
あの怒ってますよね?
目が怖いんですけど・・・
俺とレイシャはその後、アクセサリーショップや服屋を梯子していった。
◇◆◇◆◇◆
「ありがとうございました~」
空は既に暗くなっていた。
「やば・・・アイツらになんて言おう・・・」
「心配ないわよ、置手紙ならしておいたから」
「手回しが早い事で・・・でもそろそろ夕飯にしないか?腹減ってきてるし・・・」
「それもそうね、あ!リュウヤ、私のお勧めの店があるんだけど行ってみない?」
ギルドでの食事じゃなくて他の飲食店で食事か・・・
まぁ昼もそうだったし、いいか。
俺達はレイシャのお勧めの店へと足を運んだ。
◇◆◇◆◇◆
俺達は今、店に入ってる・・・
うん・・・店・・・だけどさ・・・
「おかわり、ロックで」
「なんでバーなんだよ・・・」
レイシャが言うにはここは朝から昼は普通のレストランで夜はバーになるらしい。
朝と昼がレストランの為、食べる物も結構美味い・・・
そして今レイシャの前には小さなグラスに入ったウイスキーがある・・・
因みに3杯目・・・
「なぁ、流石に飲み過ぎじゃないか?」
「いいじゃない別に・・・明日休めばいいだけだし・・・」
そう言ってるレイシャの顔は既に赤い。
それに足を組んでるのと店のライトのせいでか少し妖美に見える。
「ふぅ・・・」
グラスに入ったウイスキーを少し呑んで頬杖をしながら溜息を付いた。
「そんなに飲んで帰りは大丈夫なのかよ?」
「大丈夫よ・・・」
いや絶対大丈夫じゃない・・・
「ねぇリュウヤ」
「ん?」
「私はパーティメンバーよね・・・?」
「?まぁそうだけど・・・」
「そう・・・なら・・・」
レイシャが俺を見つめた。
「私は・・・貴方にとって何?」
「・・・え・・・?」
レイシャを見たがレイシャはすぐに両手を組んで頭を支え、視線をグラスに戻す。
「リュウヤは私を────
私を1人の女として見られない?」
俺は不意に視線を自分の料理が乗ってる皿に反らしてしまった。
「私がベルクタス家の・・・ギルド長の娘なのは知ってるわよね・・・?」
まぁ・・・
「私に近付いてくる男達は私がギルド長の娘だと知って近付いてくる人しかいなかった・・・だから私は少し表舞台から少し距離を取ったの・・・貴方に会ったのはその後・・・ギルド長の娘という話題が消えてから貴方に会ったの」
・・・そういう事か・・・
だからアーチャーとして実力があってもその噂が無かったんだな・・・
「私はギルド長の娘よ・・・でも私は1人の女性・・・レイシャ・ベルクタスというたった1人の女性として見てほしかった・・・でも・・・」
それは叶わなかった────か・・・
確かに納得出来なくはない・・・
ギルド長の娘・・・その肩書きが無意識にレイシャを苦しめていた・・・
それに俺の前世の世界には王族とか貴族といった制度はないからその感覚が麻痺していた・・・と言っても過言ではない・・・
「でも貴方は違った・・・貴方にギルド長の娘と打ち明けても貴方は変わらずに接してくれた・・・下心もなく私を護ってくれた・・・」
つまり俺が自然とその傷を埋めてしまっていた・・・そうなるのか・・・
「やっと本当の意味で私を見てくれる人を見つけたと思ったの・・・」
「・・・」
俺は何も言う事が出来なかった・・・
もし俺の前世の世界に四民制度が残っていたら俺もそうするかもしれないと思ったからだ・・・
皆、権力欲しさにレイシャに近付いたって訳か・・・
レイシャの父親はギルド長だ。
つまり行動していればレイシャ=ギルド長の娘となってしまう。
レイシャをただのパーティメンバーとして見ていたのは偶然と言ってもいいのかもしれない・・・
「レイシャ・・・俺は・・・へ?」
レイシャは既に寝息を立てていた。
え~・・・
俺は会計を済ませ、レイシャに肩を貸して帰ることにした。
◇◆◇◆◇◆
家は既に暗くなっていた。
鍵を開けようとしたが両手は塞がってる。
「しゃーねぇ・・・【転移】」
俺は【転移】を使ってレイシャの部屋に入り、レイシャをベッドに寝かせる。
「んぅ・・・・・・」
ま・・・明日は休ませるか・・・
俺はそう思って部屋を出ようとした時だった。
レイシャに服を掴まれる。
「レイ・・・うおっ!?」
思い切り引っ張られ────
唇が触れ合った。
急な事だったから俺はすぐに離れてしまう。
「おまっ・・・何・・・を・・・・・・?」
レイシャは俺の袖を掴んで震えていた。
「行かないで・・・・・・リュウヤ・・・」
流石に振り払うのは出来なかったから俺はベッドに座った。
「ゴメンなさい・・・引き留めちゃって・・・」
「別にいいよ・・・落ち着くまでここにいるから・・・」
レイシャも俺の横に座る。
「混乱しちゃったよね・・・あんな事言われて・・・」
「ま・・・まぁな・・・」
「・・・」
「・・・」
沈黙が重かった・・・
「この際だから言うわね・・・イチジョウリュウヤさん。私、レイシャ・ベルクタスは────────
貴方の事が好きです」
少しだけどバーであんな事言われればこうなることは分かってた。
どうすればいいのだろうか・・・?
めぐみんからもシノアからも告白されたからな・・・
となると俺は3人の女性と付き合う事になる・・・
日本なら浮気確定で死亡フラグ待ったなしだ。
何だこりゃ・・・ハーレムなら翔は発狂して喜ぶな・・・
でも俺に出来るのだろうか・・・?
3人を同じ位、幸せに出来るのだろうか?
『リュウはそのままでいて下さい・・・私はそのままのリュウを好きになったんですから・・・』
めぐみんから言われた事を思い出す・・・
そのままの
そうだな・・・今すぐにあいつらの横に立とうとしなくていい・・・
・・・俺の決意は固まった・・・
「レイシャ・・・俺は恋愛に対してよく分かってない・・・」
「・・・!リュウヤそれで「でも・・・」・・・?」
俺はまっすぐレイシャを見る。
「それでもレイシャ・・・俺を選んでくれるなら俺はその想いに応えたい」
「リュウヤ・・・」
レイシャの目から涙が溢れ出し、俺に泣きついてきた。
3人と並べるとは思ってない・・・
でも彼女等は俺に想いを寄せてくれた・・・
なら俺はその想いに応えよう────
何年経ってもいい・・・3人と対等になれる男になろう────
俺はそう思ってレイシャを想いを受け入れ、レイシャは俺の3人目の彼女となった──────
ベルクタス家全員が竜弥を転生者と知った。
竜弥・・・若干(?)口軽いかな?
まぁお互いに信頼してるなら大丈夫でしょ
さて・・・次回は面倒な旅路となります。
感想、誤字脱字報告等、お待ちしております。