この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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朝昼夜で1話ずつ更新したいねぇ・・・
後半会話、多めです・・・


この素晴らしい世界に窃盗魔法を!

ジャイアントトードを討伐して報酬を山分けした後、アクアとめぐみんは風呂を浴びに行った。

その間に俺達はギルドに報告をして報酬を貰うことにした。

 

「はい、ではジャイアントトード4匹の買い取りとクエスト報酬を合わせまして、12万エリスとなります。ご確認ください」

 

報酬を貰ってテーブルに向かい合わせで座る。

俺と和真は今、今日の報酬について話し合っている。

 

「あの巨大なカエルが1匹5000円程での買い取り。

そんで、カエル4匹を倒して2万円。

12万を4等分すれば一人3万、日当3万か。

最近まで土木工事現場で働いていた俺からすれば、申し分ない収入、けど命を懸けている仕事な以上、割に合っていないよなぁ~。」

 

3万・・・こっちとしてはかなりの額だが・・・

 

「まぁ最初なんざそんなもんだろ、冒険者は所詮実力社会のようなもんだからな・・・」

「まぁそうなんだろうけど・・・」

「・・・そういえばあの・・・めぐみんだっけ?あいつは転生者じゃないんだろ?どんな経緯でお前のパーティに入ったんだ?」

「ん?あぁ、パーティメンバー募集を掛けたんだ、ほらあれ」

 

和真がクエストの貼ってある掲示板を指さす。

 

《急募!アットホームで和気藹々としたパーティーです。アクア様と一緒に旅をしたい人はこちら!

採用条件:上級職の方に限ります》

 

下の方に売り文句があるようだが無理だろ・・・初心者パーティに上級職の奴を取り込むって・・・多分書いたのはアクアだな・・・あいつ知力低いし・・・

 

「なるほど・・・めぐみんはあれを見てパーティに入ろうとしたわけか・・・」

「そう・・・最初はかなりの火力を持ってたから期待したんだけど結果はご覧の通り・・・こっちで暮らすのも楽じゃねぇな・・・」

 

そこに1人の女性がやって来るのが目に入った。

金髪の女騎士・・・かなり美形・・・

 

「和真・・・後ろ」

「ん?」

 

和真が後ろを振り向く。

 

「募集の貼紙、見させてもらった、まだ募集はしているか?」

「は・・・はい・・・やってます・・・けど」

 

和真が挙動不審になってる。

まぁこんな女性に話し掛けられたらそうなるよな・・・

 

「私の名はダクネス、職業はクルセイダーを務めている」

 

クルセイダー・・・確かに上級職だ・・・見てみるか・・・

俺は和真と重なる様に隠れ、クルセイダーのステータスを見た。

防御力はある・・・けど騎士にとって肝心の攻撃力が2桁か・・・

 

「ところで今日、あなたの仲間が粘液まみれにされていなかったか?」

「・・・めぐみんとアクアの事か?」

「やっぱりそうだったか!一体何があったらあんな目に・・・!わ、私も・・・!どうすれば私もあんな風に・・・!」

「「・・・は?」」

 

うん、完全にハモった。

 

「あ!いや違う。あんな年端もいかない二人の少女、彼女らがあんな目に遭うなんて騎士として見過ごせない!」

 

カッコイイこと言ってるつもりの筈なのにさっきの発言が見事に相殺してくれてる。

 

「・・・取りあえず入りたいのは分かりましたが、何故このパーティに入りたいのか、理由を教えてもらえます?」

 

なんだろう・・・めぐみんと同じで一癖ある気がする・・・

 

「いや・・・実は、ちょっと言い辛かったのだが、私は力と耐久力には自信があるのだが不器用でな・・・その・・・攻撃が全く当たらないのだ・・・」

 

何で!?そんな立派な両手剣あるじゃん!それでも当たらないの!?不器用過ぎない!?

俺はヤバいと思い、和真を呼ぶ。

 

『和真ここは断った方がいい、クルセイダーの部分までは良かったが攻撃が当たらないとなると・・・』

『意見が合って助かる、俺もこの人はアクアやめぐみんに通じる何かがある・・・』

 

いいご判断です

結局俺達は誤魔化して帰ることにした。

その時に和真に頼まれ、臨時でたまにでいいからパーティを組んでほしいとのことでOKを出しておいた。

俺はその後にこうなったら正式にパーティに加わると言おうとしたがその時にはもう和真はいなかった・・・あちゃぁ・・・

 

俺は今日受け取った報酬とエリスに貰った残りの4000エリスを使って宿に泊まってる。

その宿でも魔法生成をしていた。

その時、新たに分かった事が2つある

一つ目はこの魔法生成機について。

これを個室の小さなテーブルに置いて起動した所、今朝とは違いパソコンのような状態で画面は機械の上に、キーボードが机の表面に表示された。

簡単に言えば────

 

手に載せたまま起動した場合

スマホのような表示

 

机等に乗せて起動した場合

パソコンのような表示

 

────となる。

個人的にはパソコンの方が使いやすい

なんせ高校でもプログラミングはパソコンだ・・・いや高校以外でもプログラミングはパソコンか・・・。

だがその使い慣れた方を使えば魔法生成も直ぐに出来る。

そして画面に新たに追加された表示もあった。

 

魔法リストと修正

これは見て分かったが、作った魔法を確認する他に修正も可能らしい。

 

もう1つはジャイアントトードで使った

魔法【炎の槍】

攻撃に関しては申し分ない、だがあれは敵味方に関係なく火傷を負わせる。その上、森なんかで撃ったらあっという間に山火事だ・・・だとすると撃てる条件はかなり限られるな・・・

考察もここまでにしておいて俺は新たに3つの魔法を作った。

 

【剣製】

【銃製】

【転移】

 

【剣製】の効果としては機能、形状など使いたい剣の情報を知っていれば、その作れるといった魔法だ。1回の剣製で出来る剣の数は最大2本とした。

そして作った剣も剣製を解除した時に留めるか、解除と同時にその剣も消えるかも選択可能にしている。

 

【銃製】の効果は簡単に言えば剣製の銃バージョンの感じだ。だがこっちは少し変え、属性や狙撃対象を絞るシステムを組み込んだ。

 

最後の【転移】の効果は言葉の通り、瞬間移動する魔法だ。

移動の際、移動する場所を想像すればそこに転移出来る。

さてと作った魔法を保存した所で眠るとしますか・・・

zzz・・・

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

翌日

俺は和真とめぐみんの3人で朝食を食べていた。

にしてもめぐみん・・・朝から肉って・・・

 

「魔法を覚えたいんだけどどうすればいいんだ?」

「冒険者であるカズマは、まず誰かにスキルを教えてもらうのです。まずは目で見て、そしてスキルの使用方法を教えてもらうのです。すると、カードに習得可能スキルという項目が現れるので、ポイントを使ってそれを選べば習得可能なのです」

 

和真の質問にめぐみんが答える。

魔法ねぇ・・・

 

「つまり、めぐみんに教えてもらえば、俺でも爆裂魔法が使えるようになるってことか」

 

和真のふとした発言にめぐみんがズィと近寄る。

 

「その通りです!取得に必要なポイントはかなり必要ですが、冒険者はアークウィザード以外で唯一爆裂魔法が使える職業です!爆裂魔法を覚えたいなら幾らでも教えてあげましょう!と言うか、それ以外に覚える価値のあるスキルなんてありますか?いいえ、ありません!さぁ、私と一緒に爆裂道を歩もうじゃありませんか!」

「うん一旦落ち着こうかめぐみん、それに爆裂魔法のスキルポイントが馬鹿みたいに高いのなら冒険者の和真が習得するのにはかなり時間が必要だと思うんだが・・・」

 

俺の言ったことにハッとするめぐみん

 

「そ・・・そうですね・・・すみません・・・確かに冒険者に成り立てのカズマやリュウヤにはちょっと長くなりそうですね・・・」

「お前ら・・・」

 

ごめん俺もめぐみんと同意見だ・・・

 

「君!魔法を習得したいみたいだね!」

 

後から声を掛けられる。

振り向くとそこには盗賊のような軽装備をした、俺から見て右頬に傷がある短い銀髪の女性が立っていた。

・・・なんかエリスに似てるな・・・

てか俺の事を見た途端、「あっ・・・」というような顔をして目を逸らした。

・・・俺なんかした?

そしてその横には昨日パーティ加入を断ったダクネスがいた・・・げぇ・・・

 

「私はクリス、聞かせてもらったんだけど有用なスキルが欲しいんだろ?盗賊スキルなんてどうかな?」

「えっと・・・盗賊スキルってどんなのがあるんですか?」

「盗賊スキルは罠の解除に、敵感知、潜伏、窃盗。持ってるだけでお得なスキルが盛り沢山!しかも取得にかかるポイントは少ない。どう?今なら、シュワシュワ一杯でいいよ?」

「安い!すみませ~ん!こっちの人にキンキンに冷えたの1つ!」

 

こうして和真はクリスに魔法を教えてもらうこととなった。

・・・気になるから行ってみるか。

 

◇◆◇◆◇◆

 

人気の無い路地に入った。

クリスと和真が人4人分の間隔を空けて立ち、少し離れた所でダクネスと俺が様子を見ていた。

 

「じゃ窃盗スキルを見せるからよく見ててね」

 

そう言いながらクリスは右手を広げ、和真に向けて伸ばす。

 

「うっす!クリスさんお願いします!」

 

クリスが右手を握ると同時に【スティール】と魔法を唱える。その瞬間眩い光が放たれた。

光が止み、クリスの右手には和真の財布が乗っかっていた。

へぇ、これが窃盗魔法・・・

 

「これが窃盗スキルの【スティール】。成功すれば相手の持物をランダムで奪えるんだ」

 

ランダムの割にアンタ財布取ったよな・・・都合良過ぎやしません?

クリスが和真に近付き財布を返そうとするが、途中で止める。

 

「君、私と勝負しない?」

 

クリスは自分の教えた魔法を使って財布を取り返させようとさせている。

当たりは腰にしている[マジックダガー]1本10万以上はするらしい・・・

外れは両手に持った石ころ・・・ダガーを引き当てる確率は4分の1・・・25%か・・・

 

「えっと・・・窃盗スキル1ポイント、敵感知スキル1ポイント、潜伏スキル1ポイント・・・花鳥風月5ポイント・・・花鳥風月?」

「あぁ多分それは君の仲間が使っていた宴会芸スキルだ」

 

和真の疑問にダクネスが答える。

花鳥風月5ポイントもすんの!?

あ・・・流石に消したか

そして和真はスキルを習得した。

 

「さ!早速手に入れた窃盗スキルで私から何か取ってみて!」

「やってやる・・・【スティール】!」

 

和真の握った右手が光り、クリスから物を奪った。

和真が手を広げる。

・・・白い三角の・・・布・・・?まさか・・・!?

 

「当たりも当たり、大当たりだあァァァァアア!!!!」

「イヤアァァアア!パンツ返してぇ!」

 

こうして和真はスキルを覚え、変態にジョブチェンジした(違う

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

場所は変わってギルド内

アクアとめぐみんが待っていた。

 

「遅かったわね・・・ってそっちの人どうしたの?」

 

アクアの視線の先には先程自分の下着を盗られ、泣いているクリスがいた。

 

「あぁそれは・・・」

「うむ、クリスは窃盗スキルをカズマに教えたんだがその際にパンツと有り金盗られて泣いているのだ」

 

和真の説明を遮り、ダクネスが頬を赤らめながらアクアに説明する。

 

「おいアンタ何口走ってんだ!?」

 

でも間違ってないよな・・・

 

「財布返すから返してって言ったらダメって言われて、じゃあ有り金全部渡すからって言ったら『自分のパンツの値段は自分で決めろ』って・・・」

 

周りの女性の冒険者やウェイトレスの方の視線も氷点下まで下がってる・・・俺は関係ないということでそっぽ向いとこ・・・

 

「ちょっと待て!間違ってないけどホントに待て!他の冒険者の人達の視線が氷点下まで下がってるから!」

「・・・それでカズマは魔法を習得出来たのですか?」

 

めぐみんが場の空気を変えるかのように和真に聞く。

 

「あぁ!見てろよ・・・【スティール】!」

 

和真が握った右手が光りスティールが発動した。

 

「何だこれ?」

 

和真が盗った物を確認する為に手を広げる。

黒い三角の布・・・またかよ・・・

 

「何ですか・・・レベル上がってステータスが上がったから、変態にジョブチェンジですか?・・・・・・あの、スースーするのでパンツ、返してください・・・・・・」

 

めぐみんから盗った様ですね・・・

 

「あ、あれぇ!?おかしいな・・・ランダムで物を盗る筈なのに・・・」

 

何を血迷ったのかダクネスがアクアとめぐみんの前に立つ。

 

「こんな公衆の面前で幼気な少女の下着を剝ぎ取るなんて!騎士として見過ごす訳にはいかない!やるのなら私に!」

 

女性としてあるまじき言動だよ・・・

和真は何か考えたのか全員をテーブルに座らせた。

俺、和真、アクアと座りその向かいにめぐみん、クリス、ダクネスが座る。

 

「2人共聞いてくれ・・・俺とリュウヤ、アクア、まぁリュウヤは臨時でパーティと今はしてるけど・・・兎に角俺達はガチで魔王を倒したいと思ってる。その為に冒険者になったんだ。と言うことは、俺達の冒険はこの先過酷なものになる。特にダクネス、女騎士のお前なんて魔王に捕らわれたら、それはもうとんでもない目に遭わされるぞ・・・・・・」

「全くその通りだ・・・昔から、魔王のエロい目に遭わされるのは女騎士の仕事と相場は決まっている・・・それだけでも行く価値はある・・・!」

「「え!?」」

 

また和真とハモる・・・

 

「?どうした?私は何か変な事を言ったか?」

 

バリバリ言ってますけど?

和真はダクネスを後回しにしたのか標的をめぐみんに変える。

 

「めぐみん、相手は魔王・・・この世で最強の存在に喧嘩を売ろうとしてんだよ!?・・・そんなパーティに無理して残る必要は・・・」

 

和真の言葉を遮り、めぐみんが立ち上がる。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操りし者!我を差し置いて最強を名乗る魔王、そんな存在は我が最強の魔法で消し飛ばして見せましょう!」

 

あ・・・説得の余地無しだ・・・

俺は諦め和真の肩に手を置く。

 

「和真・・・諦めな・・・」

「粘ってくれよ竜弥も!」

 

そんな2人を他所に外の高台にある警報が鳴る。

 

《緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各位は至急正門に集まって下さい!繰り返します!冒険者各位は至急正門に集まって下さい!》

 

その警報が鳴ると同時に街全体に緊張が走った・・・




予約投稿って便利よね(´・ω・`)

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