まさかの冗談抜きでお気に入り登録人数200人超えを果たしてしまいました!
この小説を読んで頂いている皆様には心から感謝申し上げます!
そしてこの素晴らしい世界にイレギュラーを!を読んでる皆さんが忘れていそうな事。
竜弥は【エターナルバースト】を使って基本性能を上げているという事。
カァン!カァン!ガッ!ガガッ!
木と木がぶつかり合う音が鳴り響いている。
「おらぁっ!この程度か!?」
「まだまだ!」
広間では複数の騎士が木剣と盾を持って稽古をしていた。
ここはバルターの所属する騎士団の稽古場。
今日も彼等は、願いたくもない魔物達の侵攻に向けて日々鍛錬していた。
騎士団の人数は男性50人、女性50人の計100人。
そしてお互いに合同稽古等はしていない。
そして真面目に稽古をしている男性の騎士は半数ほど・・・
残りの者はというと────────
「ふぅ・・・あっちぃ・・・」
「今日は上がるわ、どうだ?家で呑んでくか?」
「おっ!いいねぇ!んじゃ遠慮なく」
稽古場の隅でサボっている者や・・・
「よっし!フルハウス!」
「はあっ!?嘘だろ!?」
「ハハッ!ざまぁないね!」
屋内にある休憩室で娯楽を楽しんでいた・・・
1人はドアの隙間から廊下を見ている。
「!」
何者かが通ったのか、咄嗟にドアを閉めた。
「!隊長か!?」
「・・・いや・・・またアイツだ・・・」
「・・・またかよ・・・ったく・・・何でバルターの奴、あんなのを俺達の稽古場に入れんのを許可したんだよ・・・?」
遊んでおいて
廊下を紺色の制服を着て所々ハネている黒髪の青年が手ぶらで稽古場に続く扉を開く。
「うーーっす!!!!」
彼の名は一条竜弥。
数日前から騎士団の稽古に参加させてもらっている冒険者だ────────
◇◆◇◆◇◆
俺が来るのを見て横のドアが閉まる。
まぁ中で何をしてるのか・・・大体は想像はついてる。
気にも止めずに稽古場の扉を開けた。
おお!やってるやってる!
「うーーっす!!!!稽古をさせてもらいに来ましたー!」
近くにいた騎士2人が稽古を中断して俺に駆け寄って来る。
「リュウヤ殿!また来て下さるとは!今日こそ1本取らせてもらいますよ!」
「はっ!テメェがリュウヤから1本だ?無理だね!俺にも勝ててないお前にはな」
「・・・お前だって俺に勝ててねぇだろ・・・」
「うっ・・・いや・・・リュウヤの剣が思った以上に強ぇからな・・・いつか絶対に勝ってやるからな!」
談笑も程々にして辺りを見回す・・・って、あれ?
「今日・・・バルターいないんだ?」
見落としかなと思ったけど本当にいない。
休みか?
なんだよ・・・折角勝負の続きでもしようかと思ってたのに・・・
「バルター殿ならそろそろ来ますよ?先に稽古つけさせてもらえませんかね?」
「そうか・・・んじゃやるか!」
俺は木剣を武器置き場から1本持ち、お互いに距離を離して構える。
俺と騎士の間には審判が立っている。
周りは不思議と静寂に包まれた。
「始め!」
騎士が駆け出して俺に向かって剣を真上から振り下ろす。
俺は裕に右に避け、突きを繰り出す。
だが騎士はしゃがんで避け、横に一閃する。
「おっと」
木剣を縦にして防御し、距離を離す。
「最初の一撃を躱すとはな・・・」
「あれくらい躱せなきゃリュウヤ殿は倒せませんからね」
言ってくれるね・・・まぁ最初の頃は、あの突きで伸びてばかりだったけど・・・
「そろそろ本気・・・出して貰わないといけませんしね」
「・・・」
へぇ・・・本気を御所望かい・・・
いいぜ・・・やってやるよ・・・
俺は木剣を納めて居合の姿勢を取る。
向こうも木剣を構える。
ピンと空気は張り詰め、先程以上の緊張感が漂う。
少しづつ・・・少しづつ距離は縮んでいく。
後少しだ・・・後少しで俺の間合い・・・
騎士が1歩、ジリ・・・と歩を進めた・・・!
俺は駆けて右手を横に振る。
騎士が防御をしたが手にした木剣に衝撃は来ない。
「へっ!?」
騎士が振り抜かれた俺の右手を見て驚く。
そりゃ驚くよな・・・“右手には木剣は握られてない“んだから。
「【霞み斬り】」
俺は技名を言って左逆手で握られた木剣を騎士の足目掛けて振り抜いた。
ゴッ!と硬いもの同士がぶつかる音が響く。
脛にいったみたいだな。
「ぐっ・・・!」
騎士は痛みに耐えかねてカラン!と木剣を落とし、脛を抱える。
その騎士の首筋には木剣が添えられていた。
木剣の持ち主は勿論俺だ。
「まだやるか?」
「参りました・・・」
「勝者・・・イチジョウリュウヤ!」
両者がフゥ・・・と息を吐き、模擬戦が終わった。
「あ~!また負けたぁ~!」
騎士が子どものようにジタジタとしている。
今俺が負かした相手はロイス・リエッセ。
今年入ってきた新人騎士のようで、稽古初日から負け連発だ。
「ヘッ!また俺の勝ちだな!」
「ってか狡いですよリュウヤ殿~」
「狡くねぇよ、あれは俺が習った流派の1つ(の改良)だからな」
俺が前世のクラブで習っていた剣術の流派【
因みに結晟さんはその時の師範です・・・
あの人剣術になると目付きが普段以上にマジで怖くなるからなぁ~・・・
教え子達に、陰で【神統志丞流の鬼】という二つ名を勝手に付けられてたのはあの人は知らないだろうなぁ~・・・
・・・なんか背中に悪寒が走ったけど気のせいだよね・・・?
うん・・・気のせい気のせい・・・
「あっ!リュウヤ殿!もう来られていたんですね!」
稽古場の扉から声がした。
バルターと・・・・・・後ろの女騎士達は誰だ?
俺の疑問を察したのか、バルターが説明を始めた。
「この方達は女性騎士団の皆さんです」
女騎士団長のような女性が前に出てくる。
長い水色の髪と若干のツリ目で同じく水色の瞳をして・・・・・・俺を睨むように見てる・・・え?何で睨まれてんの?
「私は女性騎士団長、シェイン・アルカード・・・貴方がイチジョウリュウヤ殿ですね?」
「まぁ・・・そうだけど・・・?」
シェインが視線を落としてロイスを見る。
「この者は?」
「今年入った騎士です」
シェインが眉を顰める。
「まさか模擬戦で冒険者に負けたのですか?」
「・・・はい」
ロイスが力無く答える。
シェインがハァ・・・と溜息をついた。
「冒険者に負ける騎士など、騎士としてみっともありませんね」
うわっ・・・本人が言われたくない事をなんの躊躇もなく言ったよ・・・
あ~ロイスが涙目だ・・・
「あの~そのへんに・・・」
俺がそう言うとまた顔を顰め、俺を睨む。
怖いよ!?俺と貴女、初対面でしょ!?
また澄玲の小説のネタを思い出した・・・
『最初から主人公にツンケンしてる女性は勝負を挑んで来ます!その時にその女性を打ち倒すとヒロインになってくれるんです!可愛いですよね~最初はすっごいツンツンしてるのに強さと優しさを魅せられてデレちゃうなんて~♪』
・・・澄玲よ・・・それは画面内や本の中での事例であって現実は怖いぞ・・・?
転生してきたら見したろか?
いかんいかん・・・和真のせいで俺の思考もちょっとばかし毒されてる・・・
「デュラハンを討伐した・・・これは私の耳にも届いてます・・・ですが1つ言わせて頂けますね?」
はい・・・あまり想像したくないけど・・・
「本当に討伐したのですか?最弱職の冒険者である貴方が?」
やっぱり
そうだよ!?確かに俺は最弱職の冒険者だよ!?
でも倒したのは事実ですからね!?
後ろで女性陣がクスクスと俺を見て嘲笑してる・・・
「シェイン、それは事実だと僕が言った筈ですが?」
バルターが見兼ねてフォローを入れてくれた。
本当にこの青年があの豚さんの息子と思うと残念に思えた・・・
「はい、確かにバルター殿からはその説明は聞きました・・・ですが私は本人の口から聞きたかったのです」
あ~この人、論より証拠派かな?
俺がそんな事を考えてるとシェイン・アルカードがまた話し始める。
「言っておきますが私はまだ貴方がデュラハンを倒したとは信じておりません・・・ですので・・・」
・・・え・・・マジで!?・・・マジでその展開なの!?
「私と勝負して下さい」
結局俺はシェイン・アルカードという女騎士団長と勝負をすることとなった・・・ハァ・・・
◇◆◇◆◇◆
両者が距離を置いて武器を構えている。
シェイン、俺は共に木剣。
「リュウヤ~!女だからって手加減すんじゃねぇぞ~!」
「リュウヤ殿~!頑張って下さい!」
「頑張って~!シェイン騎士団長~!」
「シェイン姉様~!そんな男アッサリと倒しちゃって下さい!」
両サイドからは黄色い声援と罵声の嵐だ・・・
てか悪かったな・・・そんな男で・・・
「ルールは簡単。どちらかが戦闘不能になるか相手に負けを認めさせれば勝利とします。最弱職の冒険者である貴方でもこの位のルールは守れますね?」
「いいぜ、さっさと始めようや」
てか戦闘不能か負けを認めさせるって・・・どんだけ攻撃的なんすか・・・
何?Sなの?サドなの?サディストなの?
俺の考えが見えてるのか分からないけどシェインさんが物凄い殺気を俺にぶつけてるんですけど!?
何?馬鹿にするなって言いたいの!?
でもアンタだって最弱職って馬鹿にしたじゃん!?
審判が手を上げる。
「両者構えて・・・」
稽古場が静寂に包まれる。
「始め────!!!!」
その声と同時にシェインが木剣を横に振りながら俺に迫る。
俺は木剣を縦にして防御する。
切っ先は下だ。
ガッ!と音が鳴り響く。
「なるほど・・・この程度は防がれますか」
「当然・・・だろっ!」
俺はその場で右回転して木剣を横に一閃する。
攻撃は防がれて距離が空いた。
「【ハードヘイル】」
俺の真上に巨大な雹が現れる。
ギリギリだが木剣で防ぎながら下がり、躱すことが出来たが防いだ衝撃が伝わってしまい、手が痺れる。
あっぶねぇ・・・気付かなかったら即敗北だったな・・・
「おいおい、魔法使うか?普通」
「やはり頭はそこまで回らないようですね?私は戦闘不能になるか負けを認めさせるとしか言ってませんよ?」
つまり
ンなこと知ってるわ。
俺は構えてシェインに迫り、【霞み突き】を繰り出す。
「くっ・・・!」
さすがにこれは意表を付かれたのか、右に躱すけどギリギリだ。
俺は連撃にそのまま横に一閃する。
シェインは防ぎ切れずに腰に軽く俺の木剣が当たり、痛みで顔を顰める。
「やりますね・・・」
「そりゃどうも・・・」
お互いに再び斬り合う。
少しづつだがシェインの剣が見えてきた。
当然だが流派は無い。
だがその斬撃の一つ一つが相手の急所に的確に狙っているのでそこは注意すればいい。
だがそれは攻撃の速度が遅ければの話だ。
シェインはそこをスピードで補ってる。
相当しごかれてるな・・・
かなりの使い手だ。
シェインに【神統志丞流】教えたら面白そうだな・・・
「【フレイムボール】!!!!」
シェインが火球を撃ってくる。
俺は避けながら迫り、木剣を縦に振った。
シェインは木剣を自分の頭上に斜めに持って俺の木剣を受け、そのまま横に一閃す・・・・・・って!
「うおっ!?」
ガッ!と木剣同士がぶつかる。
ギリギリだけどすぐに木剣を身体に寄せて躱せました!
「ちっ・・・躱された・・・!」
待って!?今の剣道の応じ技の【返し胴】ですよね!?
えっ!?剣道ってこの世界にあるの!?
いやないでしょ!?
「今の技・・・何処で覚えた?」
「今のとは、貴方の剣を受け流して横に振った事ですか?」
はいそれです。
「別に・・・習った訳ではありませんよ?アレは私が独自に編み出した名も無き技です」
「・・・」
え~・・・・・・・・・。
編み出したの・・・?それを?
「何ですか?まさか狡い・・・とか言いませんよね?」
シェインがジト目で見てくるけど・・・まぁ違います・・・
「いや・・・というか、その技・・・こっちにもあるんだなって思ってな」
シェインがそんな・・・!と言わんばかりに目を見開く。
「こっちにもある・・・?ふざけた事を言わないでもらいたい。あれは私が編み出した「【返し胴】」・・・何?」
「聞こえなかったか?【返し胴】・・・それがお前の使った技だ・・・一般的に相手が振った剣を受けて攻撃し返す事を【応じ技】って言ってんだよ」
恐らくだがまだ
俺は中段に構えて少しづつ距離を縮める。
シェインが木剣を縦に振ってきた。
それを俺は木剣の鎬に当てて擦り上げ、シェインの剣の軌道を逸らしながら木剣を振り上げる。
【擦り上げ技】だ
「なっ・・・!【フレイムボール】!」
「ばっ・・・!」
俺は上半身を逸らしてなんとか直撃は避けたけどチッ────と服を掠める。
俺は一旦距離を取った。
「あっぶね~・・・」
シェインは何故かギリギリと歯を噛み締めているようだ・・・
「・・・・・・だ・・・・・・」
「え?」
「何故貴方は魔法を使わないのですか?」
「・・・」
俺はこの世界に来て、ある事を決めていた。
それは────────人に対して魔法は使わないということ。
絶対ではないけどあまり使おうとは思わない。
いや、こっちに来て使った【エターナルバースト】は外すに外せない・・・てかこれのお陰で今まで生きてこれたから・・・
恐らくこれを外したら今迄の戦いでとっくに死んでいるし、この戦いでも勝てないと思う。
それ以外で使うとしたら【剣製】のみ・・・それも何の変哲も無い刀しか出さない。
それ以外・・・つまり魔物等となったら魔法は魔力が尽きる限り使うよ?
それ以外、特に対人戦では【エターナルバースト】と【剣製】以外の魔法は使うことはしないと決めていた。
理由はなんというか・・・対人戦ではなるべく剣だけで勝ちたいっていうのもあるんだよね・・・
「言い忘れたけど今言っておく」
「・・・何か?」
「俺は人に対してあんまり魔法は使いたくねぇんだ」
俺の言葉に憤慨したのかシェインの顔が怒りで歪む。
「私に魔法を使わなくても勝てると・・・そう言いたいのですか・・・?」
「違う・・・そうじゃ「なら無理矢理使わせる迄です!」ちょっ・・・まっ!」
シェインがかなりの速度で迫ってくる。
早っ!
シェインが木剣を縦横斜めと縦横無尽に振ってくる。
受け流して攻撃に徹したいけどスピードが早い分、俺は防戦一方となる。
鍔迫り合いになるがお互いに距離を取った。
「まさか・・・ここまでして魔法を使わないとは・・・」
「言ったろ・・・あんまり使う気にはなれないんだって・・・」
お互いに呼吸を整えて様子を見合う。
「何か理由でもあるのか?」
「・・・」
シェインに聞くけど本人は目を逸らす。
・・・何かあるな・・・
「・・・理由ならあります・・・」
俺は次の言葉を待つ。
「貴方の・・・本気を見たいのです」
「本気って・・・今でも十分本気だけど・・・」
「確かにそうでしょう・・・ですが私は
「・・・」
なるほど・・・真っ当な理由はあったみたいだな・・・
でも・・・
あんまり使いたくないんだよな・・・
「お願いします・・・イチジョウリュウヤ。デュラハンに使った魔法をここで使って頂きたい・・・もし、他言無用にしてほしいのならしますので」
・・・まぁここまで言ってるからな・・・
しかも断ったらこっちが使うまでまた模擬戦の申し込みをされると思うし・・・
俺は木剣を捨てた。
「分かったよ・・・でも・・・怪我しても後悔するなよ?」
「・・・分かりました」
俺は右手を突き出して左手をその腕に添え、詠唱した────
「【
俺の魔法が稽古場を包み込み、無数に木剣のある空間が広がる。
一応木剣にしといた・・・
本物使ったら・・・ねぇ?
「これは・・・・・・!?」
観客も含め、俺を除く全員が驚いている。
「これがデュラハンを倒した魔法だ」
「これが・・・」
シェインに不敵な笑みが浮かぶ。
「面白いですね・・・では・・・【フレイムボール】!!!!」
シェインが魔法を撃つが、俺は何本かの木剣をコントロールして盾にした。
【フレイムボール】が剣に直撃し、砕いていくが俺には当たらない。
「剣が勝手に・・・!」
「心配すんな、これは俺がコントロールしてんだ。行くぜシェイン・・・」
俺は木剣を2本持って構える。
「第二ラウンド・・・開始だ」
◇◆◇◆◇◆
私は魔法を使わせて後悔した。
デュラハンが冒険者に討伐された。
その一報を聞いた時、偶然だと思って私は真偽を確かめる為にそのデュラハンを倒した本人に魔法を使って本気を出すように言った。
恐らく身体強化等の魔法だと思ったが違う・・・
今、私達の空間には無数の剣が地面に突き刺さっている。
そしてこの全てを彼はコントロール出来るのだとか・・・
だとしたら私には勝ち目は・・・
いや・・・私は騎士団長・・・負ける訳にはいかない!
私はそう思って彼に迫る。
彼は動かない・・・
何故?
空から何かが降ってきて私の前に落ちる。
剣だ。
背筋が凍る。
彼が態と外したのは分かってる。
でもこの剣が私に直撃したら?と思うと身体が震えた。
私が恐れを抱いてる・・・・・・!?
そんな・・・そんなはずはない!!!!
彼の目を見た。
明らかな敵対意識と殺気が私に突き刺さる。
口の中が乾き、呼吸も浅くなる。
汗が滲み出る。
落ち着け・・・落ち着くのだシェイン・アルカード・・・
私の剣を信じ・・・
『まだ上達しない剣術をしているのか・・・いい加減諦めろ』
父上から言われた事を思い出してしまった。
私は父上に褒められた事は殆ど無かった。
剣術でも────
『こんな事も出来んのか!』
『お前に剣術の才能はない!』
悔しくて必死に剣を自分なりに鍛えた。
ただ褒められたくて────────
ただ認められたくて────────
そして騎士団の上司に次期騎士団長に任命された時だった。
『やっと騎士団長か・・・時間が掛かり過ぎている』
父上はそう冷たく言い放った。
何でよ────────!!!!
何で父上は褒めてくれないの!?
騎士団長になったのに────!!!!
私は家にいるのが嫌になって飛び出した。
そして私は更に剣を鍛える様になった。
そして部下が出来て全員が私の剣を尊敬の眼差しで見てくれた。
気持ちいい────────
そう感じて皆に剣を教えた。
そんな時だった。
デュラハンを冒険者が討伐した。
その一報が私達にも届いた。
ありえない。
ただの冒険者が?
『どうせマグレです。その様な事で狼狽えては騎士失格です』
本当は動揺していた。
私はこの事を父上に伝えに行った。
『そうか・・・冒険者がデュラハンを』
私は目を疑った。
あの父上が少しだけ口角を上げたのだ。
何で────────
何で私にはそんな顔を見せてくれなかったの────?
多分私はその者に嫉妬していたんだと思う。
そして私は考えた。
その冒険者を倒せば父上は認めてくれる────
そう思って私はこの男に魔法を使わせた。
でも違った────
彼の魔法は私の想像を超えていた。
怖い────────
私が魔法を使った彼に感じた事だった。
とんでもない相手を敵に回してしまった。
そして確実に実感する。
殺される────────
「うああああぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
わけも分からずに叫んで彼に斬り掛かる。
意図も簡単に受け流されてしまった。
それでも私は攻撃を止めない。
止めたらこれらの剣で反撃を喰らう。
そう思うと攻撃の手を休ませる訳にはいかなかった。
剣も私に向かって飛んできて、身体を掠める。
痛みが走るが気にしていられない!!!!
ガッ────────
何かが手から離れる。
彼が操って何処からか飛んできた木剣が私の木剣に当たり、手から木剣が離れていった。
そして彼は私に何かをして私の意識は遠のいく。
「勝者─────イチジョウリュウヤ!」
私の意識が遠のいていく中、その言葉が稽古場に響いていた。
【unlimited blade works】の詠唱に関しては大学の友人から「英語表記の方がカッコよくない?」とアドバイスを頂き、英語表記の日本語ルビで採用させて頂きました。(因みに皆さんが布団の中で夢心地の間にデュラハン戦の表記も英語表記に変えておきました)
それと皆さん・・・
すみませんでしたあああぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!
うん何が?って思うよね・・・
えっとですねぇ・・・以前200人突破したら何かやろうかな~?って前の小説の前書きで書いたの覚えてます?
率直に言おう・・・決まってねぇんだわ!
本当にゴメンなさい!何でもしますから許して下さい!
・・・まぁ冗談抜きで決まってません・・・ですから次回までに決め、次回はその予告、そのまた次の後書きから始めようかと思います。
ロイスに関しては余り重要人物ではないので人物像は御自由に想像して構いません。
ご感想、誤字脱字、魔法応募等、お待ちしております!