この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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今週、大宮で合同説明会だ・・・
一応先週1社はエントリーしたけど開発とか設計関連だからな・・・
個人的には溶接とかの製造関係に行きたい所。
(遠い地方に行かされても困るけどね・・・)
まぁ愚痴は置いておこう・・・
今回はちょい短い(と思う)


この素晴らしい世界に壮絶な黒歴史を!

カラン!と入口のドアに付いているベルが鳴る。

 

「いらっしゃいませ~って!カズマさんにリュウヤさん!」

 

俺達の顔を見て、ウィズがパアッ!と満面の笑みを見せる。

 

「よぉウィズ!」

 

今日はパーティメンバー全員でウィズの店にアイテムを売りに来ていた。

売るアイテムは水晶。

まぁいい額になってくれと切に願う・・・

皆それぞれで品物を見始めた。

その間に和真が交渉に入る。

 

「そういえばウィズ。ここで買ったブレスレット、かなり役に立ってるよ」

「本当ですか!?よかったです・・・あまり売れないので商才が無さすぎるんじゃないかと思ってましたから・・・」

 

いや・・・ウィズには言えないが商才はないのは確かですよ・・・

俺はチラッと辺りの商品を見る。

骸骨の変な置物に7色に輝く砂時計・・・どれもこれも数10万~数百万エリスとか・・・

ここで俺か和真がバイトすれば少しは良くなるんじゃないか・・・?そう思ってしまう程だった・・・

 

「はぁ~皆でお買い物・・・1つ夢が叶っちゃった♪」

 

横でゆんゆんが嬉しそうにそんな事を呟いた。

 

「皆でって・・・2人とも学園で知り合ったんだろ?その時は同級生で買い物とかしなかったのか?」

「してませんよ。ゆんゆんはボッチでしたから」

 

ちょっと待て・・・

めぐみんが今凄い爆弾発言した気がするんだが・・・?

 

「し、失礼ね!友達位いたわよ!ふにふらさんとかどどんこさんとか!私が友達だよね?って言ったら友達だよって言ってくれて私の奢りで一緒にご飯食べ「分かった!友人がいたのはよ~く分かった!聞いた俺が悪かったからもう止めて!?」あ・・・はい・・・」

 

ゆんゆん・・・それ友達ちゃう・・・カモにされてるんや・・・

ゆんゆんはキョトンとした顔をして再び商品を見始める。

・・・ふとゆんゆんとめぐみんを見て、ある疑問が浮かぶ。

 

「そういえばゆんゆんって何でめぐみんをライバル視してんだ?」

「ゆんゆんはいつも学園の順位では2番だったんですよ。因みに私が1番です」

 

ゆんゆんはどう説明すればいいのか分からなくなってアワアワしてる時にめぐみんが順位の事を言った。

え、マジで?

めぐみんってそんな頭良いの?

てかゆんゆんが2番でめぐみんが1番か・・・だからライバル視してんのね・・・

そういえば俺にもいたな~・・・剣術のクラブで俺と張り合ってた奴・・・

何かしらで「勝負だ竜弥!」とか言ってきて下らない勝負したっけ・・・んで結局お互いに譲らないままこっちに来ちまったんだよな・・・

こっちでもそんな奴作れたらいいな・・・

 

「ウィズさん、これはなんですか?」

 

ゆんゆんが紫色の水晶が乗った台を持ち上げる。

ウィズ曰く、仲良くなれる水晶らしいが熟練した魔法使いじゃないと上手く扱えないらしい・・・お値段は・・・まぁ伏せておこう・・・

これで勝負しましょう!との事でゆんゆんはめぐみんを指名した。

当然めぐみんは拒否してる・・・

 

「あら?めぐみん、怖気付いたの?」

「あ゛?」

 

怖っ!

めぐみんのイラついてる声初めて聞いたけど怖い!

ってかめぐみんって煽り耐性ないんだね・・・

結局めぐみんは挑発に乗って試す事にした。

 

ゆんゆんとめぐみんで水晶を挟むように立つ。

そしてお互いに水晶に手を翳して魔力を込めた。

流石は紅魔族・・・かなりの魔力だ・・・そしてそのコントロールも長けている。

そして俺達を囲むように沢山のモニターが映し出された。

そこに映っていたのは────

 

木造の家が映し出されたモニター。

そこには幼い頃のめぐみんが大きな袋を持って机の下にある箱まで忍び足で近付き、中にあったパンのミミを貪りながら袋に入れている映像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え゛?

 

「え・・・?ちょっと待って・・・?」

 

アクアの声がしてそっちのモニターを見る。

 

幼い頃ゆんゆんだ。

そのゆんゆんの前には火のついた蝋燭が刺さるケーキを吹き消している映像・・・

それ以外にも豪華な料理が所狭しと並んでいる。

複数の椅子があるのに座ってるのはゆんゆんのみ。

それでもニコニコと笑顔を作って「おめでとう」と言っている。

・・・何故か背中が寒気が走った・・・

 

「え・・・?何ですかこれ・・・?」

 

シノアの声が震えてる。

そのモニターを見る。

 

幼いめぐみんが農家から野菜を盗んで森の中で齧り付いてる。

その横には妹だろうか?めぐみんに向かって「おねーちゃんスゴーイ!」と言っていた。

その反応にサムズアップで答えるめぐみん・・・

 

「これは・・・」

 

レイシャの目は死んでいた・・・そして俺はそのモニターを見る。

 

ゆんゆんがチェスをしてるシーンだ。

・・・って事はミスった事か・・・・・・という俺の予想は見事に粉砕される。

ゆんゆんが向かいの椅子に座って「やるわね~!」と言って白い駒を置いたからだ・・・

1人チェスしてんの・・・?

 

 

それ以外にもめぐみんがザリガニを捕って焼いたり・・・

 

 

ゆんゆんが小さな動物に触ろうとして逃げられ、花の香りを嗅ごうとしたが脚が生えて逃げられたり・・・

 

 

めぐみんが木から蝉を捕って火で炙っていたり・・・

 

 

ゆんゆんが怪しい光を放つ魔法陣の上で「もう・・・悪魔が友達でもいいかな・・・」と世界に絶望した目で言っていたり・・・

 

と悲惨な過去が俺達の目に焼き付いた・・・

 

「友達に奢る為にアルバイト始めたのか・・・!?」

「ねぇ・・・ちょっと・・・何であれ・・・虫食べてるの・・・?」

「「わああああぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

2人は見られたくない過去を見られ、耳まで赤くなっていた・・・

 

「な・・・何なんですかこれは!?」

「店主さん!これ仲良くなる水晶だって言いましたよね!?」

「これは、お互いの恥ずかしい過去を晒し合うことで、より友情や愛情を深め合うという大変徳の高い物なん・・・で・・・・・・す・・・・・・」

 

ウィズですら目から光が消えて2人から視線を逸らした・・・

まぁ・・・うん・・・その反応になるのは当然か・・・

 

「ねぇめぐみん!これで私達、仲良くなれるよね!?」

 

いや・・・お前が涙目な時点で既にアウトな気がしてならないんだが・・・

 

「おんどりゃぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」

「「「「「「「あああああああああああああ!!!!!!!!」」」」」」」

 

めぐみんは証拠隠滅を謀ったのか、その水晶を床に叩き付けて、木端微塵に粉砕した・・・・・・って待て!?それ商品だから・・・って・・・まぁ・・・あれを見せられたらこうもしたくなるよな・・・うん・・・仕方ない・・・

俺はこれからはもう少し優しく接してあげようと心に誓った・・・

 

そして2人を見ていていたたまれなくなったので水晶の代金は俺が払わせてもらいました・・・

うぅ・・・数百万エリスが・・・

 

「何でこうなったんですか・・・」

「元はと言えばゆんゆんがやろうって言い出したんじゃないですか・・・」

「だって・・・だって・・・」

 

もうメチャクチャだな・・・この2人・・・

てか勝負って・・・完全に泥試合、(かつ)、黒歴史を見せ合うといった無残な引き分けじゃねぇか・・・

 

「ねぇ、今回は引き分けでいい?」

「構いませんよ・・・勝負に拘る程私も子どもじゃないんで・・・」

 

勝負に拘らないのならさっきの挑発にも乗るなよ・・・

 

「そういえば昔、発育勝負もしたことがあったわね。子どもじゃないのなら、またあの勝負でもする?」

 

おい待て、あれを見られたのにまだやんのか?

てかゆんゆん、ドヤ顔で挑発するな。

今のめぐみんの神経を逆撫でするのは止めておけ・・・じゃないとめぐみん・・・・・・が・・・・・・あれ?

なんかめぐみん余裕の表情浮かべてる・・・?

 

「フッ・・・子どもじゃないというのは別の意味で・・・ですよ?何故なら私はもう────」

 

・・・?失礼だがめぐみんの身体はそんなに発達はしていない・・・なら何処だ?

精神?いや・・・それならさっきの挑発も受け流す筈・・・

ならどの部分が?

・・・めぐみんは「別の意味で」って言ったよな・・・・・・・・・ん?待て・・・別の意味・・・?

え?嘘だよな?

それってまさか・・・・・・!!!!

 

「ここにいるリュウヤと一緒にお風呂に入る仲なんですから!」

 

馬鹿野郎おおおおおぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!

何カミングアウトしてんだお前はあぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!

 

「何バラしてんだよお前はああぁぁぁぁあああ!?!?!?!?!?」

いひゃい(痛い)いひゃいれふ(痛いです)へをははひへふらはい(手を離して下さい)!!!!」

 

俺は背中にゾクッ!と寒気を感じた。

振り向いてみる。

正体は・・・うん・・・レイシャとシノアだ・・・

 

「竜弥さん?今聞き捨てならない事を聞いたんですが・・・のぼせて(・・・・)鼻血を吹いたんですよね?まさかめぐみんさんのアレ(・・)を見たなんて言いませんよね?」

「ちょっとリュウヤ?後でゆっくりO☆HA☆NA☆SIしない?以前お母さんから習ったごうも・・・もとい尋問術を試してみたいのだけれど?」

 

レイシャとシノアが後ろに般若を浮かばせ、目が笑ってない笑顔で徐々に迫ってくる・・・

そしてシノアに至っては【死鎌童子】を展開してる。

てか何でそんなに怒ってらっしゃる・・・ってまぁ若干(?)理由は分からなくはないけど・・・

 

「えっと・・・それは・・・その・・・・・・【転移】!!!!」

 

即刻逃げた俺は間違っていない・・・

 

その後、俺は何時間にも渡る2人の尋問を受け、パーティメンバーからは少しの間、【ロリ条竜弥】とからかわれ、めぐみんとゆんゆんに至っては水晶の件で数日間、自室で引き篭もったのは言うまでもない・・・・・・




気が付けばもう4月の半分を消費したんだな・・・
日が過ぎるのは早いな・・・(おっさんか)
感想、誤字脱字、魔法応募等、お待ちしております。
それと個人的な理由で申し訳ありませんがストーリーの進行上、不備が生じてしまったのでfuture of romanceの前編後編は一時的に削除、本編が少し進み次第再び投稿させて頂きます。
削除は4/17 AM00:00を予定しております。
個人的に2期分に入って若干(?)グタグタになってきてると思っておりますが、ご理解の程宜しくお願いすると同時に皆様には飽きずに読んで頂けたら幸いです。
あ~・・・上手くいかねぇ・・・

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